当記事では、「Core i5-1135G7の性能スペックと搭載BTOノートパソコン」を紹介しています。Core i5-1035G4の後継モデルです。2020年10月に発売開始となったIntel第十一世代のCPUです。供給が間に合っておらず国内メーカーからはなかなか搭載モデルが販売されていない貴重なモデルとなっています。Ice Lake世代から改良された10nm+プロセスを採用しているのが特徴です。
クロック周波数が引き上げられ性能が向上しています。ベンチマークを見ていただけるとわかるのですが、実はこのCore i5-1135G7は$117高い上位モデルであるCore i7-1165G7を超えるパフォーマンスを発揮することがあるのです。そういった点についても詳しく見ていきましょう。どのような方におすすめなのかについてもまとめています。
なお、すでに後継モデルである「Core i5-1240P」及び「Core i5-1235U」がリリースされています。Pシリーズは、HシリーズとUシリーズの中間のモデルです。Uシリーズは省電力性特化のモデルでモバイルノートパソコンなどでも採用されます。
Core i5-1135G7の基本スペック
世代 | 第11世代 |
開発コード | Tiger Lake |
コア/スレッド数 | 4 / 8 |
クロック周波数 | 2.40 GHz |
ブーストクロック | 4.20 GHz |
内蔵グラフィックス | Iris Xe Graphics |
キャッシュ | 9MB |
Operatin Range | 12W-28W |
発売日 | 2020年10月 |
価格 | $309 |
目次
Core i5-1135G7のおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | △ | ◎ | ◎ | ☆ | ◯ | ☆ |
動画編集・RAW現像・マンガ制作・WEBデザイン・動画投稿など人気の作業にも対応できます。負荷が掛かると本体が熱を持ちパフォーマンスが低下してしまうことがありますので、作業環境はしっかりと考えておきましょう。ノート用クーラーの導入も効果的です。ゲームプレイ・ゲーム実況・3D CADなどはそれほど得意ではありません。設定を調整したり、負荷を軽くしたりといった手順を踏む必要があります。
Core i5-1135G7のスペック比較
Core i5-1035G7と比較
i5-1135G7 | i7-1165G7 | i5-1035G1 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Tiger Lake | Tiger Lake | Ice Lake |
プロセス | 10nm SuperFin | 10nm SuperFin | 10nm |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/8 |
ベースクロック | 2.4Ghz | 2.8Ghz | 1.2Ghz |
ターボクロック | 4.2Ghz | 4.7Ghz | 3.7Ghz |
内蔵GPU | Iris Xe Graphics | Iris Xe Graphics | Intel UHD Graphics |
キャッシュ | 9MB | 12MB | 6MB |
GPU EUs | 80 | 96 | 32 |
グラフィックス周波数 | 1.3 GHz | 1.3 GHz | 1.05 GHz |
メモリ規格 | LPDDR4x-4267 DDR4-3200 | LPDDR4x-4267 DDR4-3200 | LPDDR4-3733 DDR4-3200 |
Operating Range | 12W-28W | 12W-28W | 15W-25W |
発売日 | Q3'20 | Q3'20 | Q3'19 |
単体価格 | $309 | $426 | $297 |
搭載PC価格 | 70,000円~ | 102,980円~ | 64,000円~ |
Core i5-1135G7は、Core i5-1035G1と同じ4コア8スレッドを採用しています。ベースクロックが100%アップの2.4GHz、ターボクロックが15%アップの4.2GHzとなっています。Core i7-1165G7になるCore i5-1135G7よりもベースクロックが20%アップ、ターボクロックが12%アップしています。4.7GHzに到達しているのは驚くべきことです。プロセスが改良されたことでパワー効率が高くなりクロック周波数を上げる余裕が生まれました。Core i5-1035G1などIce Lake世代ではクロック周波数を下げざるを得なくてパフォーマンス面で不満を持たれがちでした。それがTiger Lake世代で改善されたことになります。
内蔵グラフィックスについてはIris Xe Graphicsとなっています。Core i5-1035G1では長年採用されているIntel UHD Graphicsですが、上位モデルであるCore i5-1035G7ではIris Plus Graphicsが採用されています。Iris Xe Graphicsになって処理性能が向上しています。グラフィックス周波数は1.3GHzとCore i5-1035G1よりも24%アップしています。EUsは80です。さらに、現行の上位もモデルであるCore i7-1165G7になると96と20%引き上げられます。
L3キャッシュが6MBから9MBへと50%引き上げられています。Core i7になるとさらに33%アップして12MBとなります。メモリ規格はLPDDR4-3733・DDR4-3200からLPDDR4x-4267・DDR4-3200に変更されました。消費電力(Operatin Range)の幅も少し異なりますね。Core i7-1165G7との価格差は$117となります。本体価格の差は構成の差も反映されています。Core i5-1035G1との差は$12です。CPU内蔵グラフィックス性能の差を考えると同等の価格設定だと言えます。
Ryzen 5 4500Uと比較
i5-1135G7 | 7 4700U | 5 4500U | |
---|---|---|---|
コードネーム | Tiger Lake | Zen 2 | Zen 2 |
プロセス | 10nm | 7nm | 7nm |
コア/スレッド | 4/8 | 8/8 | 6/6 |
ベースクロック | 2.4Ghz | 2.0Ghz | 2.3Ghz |
ターボクロック | 4.2Ghz | 4.1Ghz | 4.0Ghz |
内蔵GPU | Iris Xe Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
GPU EUs | 80 | - | - |
Graphics Coreカウント | - | 7 | 6 |
グラフィックス周波数 | 1.3 GHz | 1.6 GHz | 1.5 GHz |
メモリ規格 | LPDDR4x-4267 DDR4-3200 | LPDDR4x-4266 DDR4-3200 | LPDDR4x-4266 DDR4-3200 |
キャッシュ | 9MB | 8MB | 8MB |
TDP | 12W-28W | 15W-25W | 15W-25W |
発売日 | Q3'20 | Q2'20 | Q2'20 |
単体価格 | $309 | - | - |
搭載PC価格 | 70,000円~ | 94,000円~ | 52,592円~ |
Ryzen 5 4500Uは、6コア6スレッドとマルチコア性能が高いCPUです。Core i5-1135G7が4コア8スレッドであることを考えるとマルチコア性能ではRyzen 5 4500Uが有利です。ベースクロックは0.1GHz、ターボクロックは0.2GHzと僅かながらCore i5-1135G7の方が高いです。Ryzen 7 4700Uになると8コア8スレッドと圧巻のスペックです。スレッドはあくまでも仮想的なものなので物理コアには勝てません。Ryzen 7 4700Uと比べるとCore i5-1135G7の方がベースクロック・ターボクロック共に高いです。
Ryzen 5 4500UではRadeon Graphicsが搭載されています。Graphics Coreカウントは6です。上位のRyzen 7 4700Uになると7となります。グラフィック周波数もRyzen 7 4700Uの方が高いです。メモリ規格は同等です。L3キャッシュについては1MBだけCore i5-1135G7の方が多いです。TDPはRyzen 5 4500Uが15W-25Wと最大消費量は小さいです。Ryzenシリーズでは単体価格が公開されていません。Core i5=Ryzen 5、Core i7=Ryzen 7 4700Uだと考えて良いと思います。
Core i5-1135G7ってどんなCPUなの?
4コア8スレッドの高パフォーマンスモデル
Core i5-1135G7は、4コア8スレッドの高パフォーマンスモデルです。Ice Lake世代のCore i5-1035G1よりもクロック周波数が引き上げられてCPU性能の底上げが行われています。熱のコントロールさえできればポテンシャルは高いです。L3キャッシュが9MBへと増設されたのもポイントです。ここ最近では世代間の伸びはトップクラスに大きいです。
このモデルの凄いところはいくつかのベンチマークにおいて上位モデルであるCore i7-1165G7と同等以上のスコアが出ているところです。マルチスレッド性能が要求される用途において顕著です。$100以上高価なCPUと同等以上の性能が手に入るのは魅力的ですね。動画編集・RAW現像などを考えている方におすすめです。もちろんCPUのパフォーマンスはケースの排熱性能などノートパソコンの個体に依存します。
Iris Xe Graphicsの性能はそこそこ高い
Core i5-1135G7では高性能なCPU内蔵グラフィックスであるIris Xe Graphicsが搭載されています。GPU EUsこそ上位のCore i7-1165G7の96基には及ばないものの80基となっています。前世代のIris Plus Graphicsよりも性能が高いです。現行モデルのCore i3-1115G4に搭載されているUHD Graphicsよりも性能が高いです。
極端な3Dグラフィックス処理は対応できないですが、CPU内蔵グラフィックスとしては十分です。前世代のCore i5-1035G1よりも70%-100%程度のパフォーマンス向上が見込めます。ただし、外付けのグラフィックボードであるGeForce MX350やGTX 1650と比べると差は歴然です。パフォーマンスが高いというのはあくまでもCPU内蔵グラフィックス範囲内での話です。
構成を落としたBTOノートパソコンが多い
Core i5-1135G7搭載BTOノートパソコンは、Core i7-1165G7搭載モデルと比べて構成を落としたモデルが多くなっています。メモリ8GBやSSD 256GBなど構成を落としているため価格が抑えられているのが特徴です。構成が充実したCore i7-1165G7よりも購入しやすいです。
もちろんカスタマイズをして構成を上げてもCore i7-1165G7搭載モデルより安価です。より幅広い価格帯をカバーできるCPUだと言えます。Core i7-1165G7と同等のCPU性能を発揮することがありコストパフォーマンスは高いです。Tiger Lake世代CPUで最も注目したいモデルだと言えるかもしれません。
Core i5-1135G7のベンチマーク(CPU)
具体的な性能を測るために各種ベンチマークを見ていきます。ここでは前モデルであるCore i5-1035G1や上位モデルであるCore i7-1165G7との差に注目してください。
Cinebench R20
コア数の多いRyzen 5 4500Uになると10%高いマルチスレッド性能を持っています。シングルスレッド性能ではCore i5-1135G7の方が15%高いです。前世代のCore i5-1035G1と比べると68%もスコアが高いです。10nm+プロセスの凄さが垣間見えます。
7-zip
Handbrake
Core i5-1135G7のベンチマーク(グラフィックス)
CPU内蔵グラフィックスの処理性能についてもベンチマークで見ていきます。MX350搭載モデル以外では全て最大消費電力時のフレームレートを計測しています。
Grand Theft Auto V(低設定)
Civilization Ⅵ(低設定)
フォートナイト(中設定)
Core i5-1135G7搭載のおすすめBTOノートパソコン
THIRDWAVE SA505i(ドスパラ)
価格:69,980円(税込)
液晶:15.6インチ
CPU:Core i7-1165G7
GPU:Iris Xe Graphics
メモリ:LPDDR4x-3733 8GB
SSD:256GB NVMe
HDD:非搭載
THIRDWAVE DX-T5(ドスパラ)
価格:94,980円(税込)
液晶:15.6インチ
CPU:Core i5-1135G7
GPU:Iris Xe Graphics
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
STYLE-15FH121-i5-UXEX(パソコン工房)
価格:96,800円(税込)
液晶:15.6インチ
CPU:Core i5-1135G7
GPU:Iris Xe Graphics
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
mouse B5-i5-MGZN(マウスコンピューター)
価格:104,800円(税込)
液晶:15.6インチ
CPU:Core i5-1135G7
GPU:Intel UHDグラフィックス
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
FRNLT513(FRONTIER)
価格:109,800円(税込)
液晶:15.6インチ
CPU:Core i5-1135G7
GPU:Iris Xe Graphics
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Core i5-1135G7の性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。4コア8スレッドと省電力モデルとしては標準的なスペックです。前世代のCore i5-1035G1(4)よりもクロック周波数が高くなり比例してパフォーマンスは向上しています。実は上位モデルであるCore i7-1165G7とCinebench R20などベンチマークのスコアが変わらないことがあるぐらいです。
Core i5-1165G7との差はCPU性能ではなくグラフィックス性能にあると考えても良いかもしれません。ゲームプレイ時のフレームレートに差が出ています。WEBデザインなどで3Dグラフィックス処理を行う予定のある方であればCore i7-1165G7を選択肢に入れるべきだと思います。一方で、動画編集やRAW現像など純粋なCPU性能を追求したいのであればCore i5-1135G7搭載モデルが良いでしょう。
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出典一覧
- 8コア製品も投入予定! 開発者に聞いたTiger Lakeの詳細 インテル CPUロードマップ(ASCII, 2020)
過去モデルや現行のCore i7との比較が非常に分かりやすいです。Surface pro8のスペックで悩んでいたのですが、グラフィックの性能は必要なかったのでCore i5-1135G7のモデルにしました。