Core i5-8600K
画像引用元:https://www.amazon.co.jp/

管理人管理人

当記事では、「Core i5-8600Kの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。第八世代Core i5シリーズの最上位に位置するCPUです。クロック周波数が高くシングルスレッド性能が高いのが特徴となっています。

クリエイター作業からゲームプレイまで幅広い用途で通用します。BTOパソコンではレアなモデルとなっていますが、その実力が気になる方も多いと思います。まずは簡単にCore i5-8600Kの特徴を見てそれから詳細スペックを見ていきましょう。

(+) 6コア6スレッド搭載の高コスパCPU
(+) シングル/マルチスレッド性能が大きく向上
(-) Ryzen 5 2600Xのコスパには及ばない
(-) BTOパソコンでは選択肢がない

目次

Core i5-8600Kの性能スペック

Intel製CPUと比較

i5-8600Ki7-8700Ki5-7600K
コードネームCoffee Lake-SCoffee Lake-SKaby Lake-S
プロセス14nm14nm14nm
コア/スレッド6/66/124/4
ベースクロック3.6Ghz3.7Ghz3.8Ghz
ターボクロック4.3Ghz4.7Ghz4.2Ghz
L3キャッシュ9MB12MB6MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2666DDR4-2400
内蔵GPUUHD Graphics 630UHD Graphics 630HD Graphics 630
TDP95W95W91W
価格$259$379$219
発売日2017/10/052017/10/052017/01/03
第八世代のCore i7-8700K及び第七世代Core i5-7600Kとの比較をしています。前モデルから比較するとコア数及びスレッド数がそれぞれ50%アップして6コア6スレッドとなっています。ベースクロックについては5%ダウン、ターボクロックについては3%アップです。コア数が増えたことに伴いL3キャッシュも50%アップしています。

CPU性能は格段に向上し、もはやCore i5とは信じられないレベルだと思います。第七世代の買い替えからでもその性能を体感することができるでしょう。それでいて消費電力は従来モデルから4Wアップに留まっているのは嬉しいですね。対応メモリもDDR4-2400からDDR4-2666へと強化されています。内蔵GPUもHD Graphics 630からUHD Graphics 630へとパワーアップしました。内蔵GPUについてはそれほど性能差があるわけではありません。価格は$40高くなりました。

上位モデルであるCore i7-8700Kになるとハイパースレッディング対応となります。ハイパースレッディング対応はこれまでの傾向から自然な流れです。ベースクロックはCore i7-8700Kの方が3%高く、ターボクロックもCore i7-8700Kの方が10%高いです。

L3キャッシュ容量も50%増えて9MBとなりました。総合性能で見ると30%ほど差が出ています。ハイパースレッディングによる恩恵が大きいですね。ハイパースレッディングを生かすことができない一部のゲームなどでは性能がほとんど変わらないこともあります。価格差は$120です。

Ryzen 5 2600Xと比較

i5-8600K5 2600X
世代Coffee LakeZen+
プロセス14nm12nm
コア/スレッド6/66/12
ベースクロック3.6Ghz3.6Ghz
ターボクロック4.3Ghz4.2Ghz
L3キャッシュ9MB16MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2933
内蔵GPUUHD Graphics 630非搭載
TDP95W95W
価格$259$229
発売日2017/10/052018/04/19
競合のRyzen 5 2600Xと比較します。Ryzen 5 1600Xの後にCore i5-8600Kが発売されまた後を追った形になっています。いわゆるRyzen第一世代と比べると5%-8%程度の性能差があります。Ryzen 5は価格が非常に抑えられているのが魅力的です。Core i5-8600Kと同等以上の性能を持ちながら$30安いです。

このコスパの高さから爆発的に人気を獲得しています。パソコン作業においてはマルチスレッドを生かせるアプリならRyzenに軍配があがることが多くなっています。例えば、動画編集やエンコードに強いです。一方、Core i5-8600Kはゲーム側の最適化の影響もありゲームに強くなっています。

Ryzen 5 2600Xは12nmプロセス採用でCore i5-8600Kよりも一回りコンパクトです。省電力性に優れています。Core i5-8600Kは6コア6スレッドとハイパースレッディングには対応していませんが、Ryzen 5 2600Xはハイパースレッディング対応で6コア12スレッドとなっています。ベースクロックはどちらも3.6GhzでターボクロックはCore i5-8600Kの方が3%高いです。

L3キャッシュ容量もRyzen 5 2600Xの方が多く16MBです。対応メモリについてもRyzen 5 2600Xでは上位規格であるRyzen 5 2600Xに対応しています。内蔵GPUは非搭載です。TDPは95Wと共通です。

Core i5-8600KってどんなCPUなの?

高いシングルスレッド性能を持つ

Core i5-8600Kは非常に高いシングルスレッド性能を持つCPUです。先代のCore i5-7600Kに比べても高いブーストクロックを維持していることで明らかに性能の底上げが行われています。シングル性能だけなら$120高いCore i7-8700Kに匹敵することもあるほどです。

また、高いIPCとクロック周波数のおかげで、Ryzen 7 2700XやRyzen 7 1800Xをも上回ることがあります。シングル性能が高いというのは特にゲームプレイにおいて恩恵を得られます。まだゲームではCPUレベルでの複数コアはうまく生かせないということですね。Core i5-8600Kならハイエンドのグラフィックボードと合わせてもボトルネックになることはないでしょう。

もちろんマルチスレッド性能も相応に高くこれまでのIntel製CPUを圧倒しています。つまり、動画編集やRAW現像などマルチスレッドを生かせる用途においても強みを発揮します。Ryzen 5 2600Xに劣る場面はあるものの十分な性能を持っていると言えます。詳細は各ベンチーマークを参考にしてくださいね。

BTOメーカーではカスタマイズのみ対応

Core i5-8600Kはコスパの高いCPUです。しかしながら、BTOメーカーではほとんど取り扱いがありません。一部のBTOメーカーでカスタマイズをすることで対応ができるぐらいです。Core i5-8400Core i7-8700と比べるとやや中途半端で需要が高くないため各メーカーも在庫をそれほど抱えているわけではありません。どうしても手に入れたいという方は特定のメーカーから購入するのが良いですね。

現在のところストームとパソコンショップセブンでのみ取り扱いがありますね。Intel製CPUではやはり人気はCore i5-8400やCore i7-8700に集中しています。Core i5-8600Kと比べるとこれらのIntel製CPUかRyzen 5 2600Xの方が購入しやすいと思います。価格も安くその分メモリやストレージなど構成面にお金を掛けられるのがメリットですね。単体での購入を検討しているのであれば好みで選んで良いでしょう。

オーバークロックでi7に匹敵する性能を持つ(中上級者向け)

末尾に「K」を冠していることからオーバークロックに対応しています。Core i5-8600Kはオーバークロックをする方にとっては非常に魅力的なCPUだと言えます。簡単にすべてのコアのクロック周波数を4.8GHzを発揮することが可能です。Core i7-8700Kを圧倒するパフォーマンスを持っています。Ryzen 7のラインナップをも圧倒します。オーバークロックでクロック周波数を上げたいのであれば水冷クーラーを搭載するなど熱対策をしっかり行う必要があります。

一般アプリケーションベンチマーク一覧

Cinebench R15

cpui5-8600k-cinebenchr15

Cinebench R15は、すべてのコア及びスレッドを有効にして複雑なシーンを演算するレンダリングツールです。また、シングルコアを有効にした状態でも同じテストを行います。これにより各CPUの性能を相対的に計ることができます。このスコアによるとCore i5-8600KはCore i5-8400よりも8%ほど性能が高くなっています。また、従来モデルのCore i5-7600Kよりも50%以上のパフォーマンスが引き上げられました。

一方、Ryzen 5 1600Xと比べるとスペックがそのまま反映されていることがわかります。シングルスレッドではCore i5-8600Kが優勢ですが、マルチスレッドでは20%程度Ryzen 5 1600Xの方が優勢です。これはハイパースレッディングに対応していることによる優位性だと言えます。また、Core i5-8600Kは、Kaby Lake世代のCore i7-7700Kに匹敵する高い性能を持っています。マルチスレッドよりも物理的コアの数の方が有利に働くということですね。

Handbrake

dougahensyuui58600k-encoding

Handbrakeはエンコードソフトです。x264及びx265のファイルのエンコードに掛かる時間を計測しています。単位は秒で時間が短いほど高性能ということになります。Core i5-8600Kは、Ryzen 5 1600Xよりも高性能だと言えます。H.264では3%上回り、H.265では10%上回っています。

6コア6スレッドのCPUが6コア12スレッドのCPUを超えるのは驚きです。Ryzenシリーズに最適化されていないのだと思います。さらに、オーバークロックをすればCore i7-8700Kに匹敵するパフォーマンスを発揮します。6コア6スレッドのCPUでのオーバークロックは強力です。

7-zip

zipi58600k-7zip

Zipファイルの圧縮及び解凍速度を計測しています。1秒間当たりの命令速度となっていますので、数字が高いほど高性能ということになります。基本的にはスペック通りとなっています。マルチスレッド性能を生かせる分野なのでRyzen 5 2600Xが優勢となっています。

特に解凍はRyzenシリーズが強くIntelのフラグシップモデルであるCore i7-8700Kに匹敵するパフォーマンスを持っています。それでもCore i5-8600Kが遅いというわけではありません。従来モデルのCore i5-7600Kよりも50%-60%も高速化されています。やはり物理コアが増えたことによるメリットは大きそうです。

PCゲームのベンチマーク一覧

FULL HD+最高設定でのFPSを計測しています。ゲームプレイではシングルスレッド性能が重要でCore i5シリーズが得意とする場面です。今後マルチスレッドが最大限に生かせる時代が来るまではi5が最強のコスパを持っていると言えます。

Battlefield 1

battlefieldgtx1050tii58600k-battlefield

Battlefield 1ではCore i7-8700Kとほぼ同等のFPSが出ています。Core i5シリーズのCPUでもボトルネックにならないことがわかります。これならあえてi5を選んで浮いたお金をグラフィックボードやメモリに費やす方が賢明かもしれません。より効率的にフレームレートを伸ばせるからです。従来モデルのCore i5-7600Kよりもフレームレートは高いです。Ryzen 5 1600Xと比べると4%以上の性能差があります。

hitman

hitmangtx1050tii58600k-hitman

Hitmanでは単コアのクロック周波数が重要になるようです。Core i7-8700Kよりも高い数値が出ています。Core i5-8400の方が高くなっているのは不思議ですが、ベンチマークは揺れるものなのでそれほど気にしなくても良いと思います。Ryzenはやはり苦戦していますね。最適化の問題だと思います。

当記事のまとめ

管理人管理人

当記事では、Core i5-8600Kの性能スペック及びベンチマークについて紹介しました。Core i5の最上位モデルで高いパフォーマンスを発揮します。シングルスレッド性能が高くゲームプレイなどにおいてはCore i7-8700Kに匹敵する性能を持っています。コスパを重視するのであれば選択肢に入れても良いですね。もちろんマルチスレッド性能も高く前世代のKaby Lakeのi7シリーズに匹敵するパフォーマンスを持っています。

動画のエンコード、RAW現像など様々なアプリケーションを軽々こなしてくれます。Core i7-8700Kよりも$120安く購入できるのは魅力的だと思います。ただし、BTOパソコンで搭載モデルを探すとなるとほとんど選択肢がありません。ストームやパソコンショップセブンなど一部の店舗のみです。そうなるとやはりCore i5-8400も合わせて検討する方が良いと思います。

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当ページのベンチマーク計測のテスト環境

マザーボードASRock Z370
メモリ16GB DDR4-3200
SSDCrucial MX300 750 GB
電源ユニットSeasonic SS-860XP
冷却システムNoctua NH-U14S
ソフトウェアWindows 10 64-bit
参照サイト:Intel Core i5-8600K 3.6 GHz Review (TECHPOWERUP)