当記事では、Ryzen 9 5900HXの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しています。モバイル向けRyzen 5000シリーズのフラグシップモデルです。最高峰のゲーミングノートPCやクリエイターPCを探している方におすすめです。
Zen 2アーキテクチャを採用したRyzen 9 4900Hの後継モデルとなっています。最新のZen 3アーキテクチャ採用によってIPCが改善してより高いCPU性能を期待できます。ゲーミング性能も向上しています。Ryzenシリーズの存在感が増しています。
Ryzen 9 5900HXの基本スペック
世代 | 第4世代 |
開発コード | Zen 3 |
コア/スレッド数 | 8 / 16 |
クロック周波数 | 3.30 GHz |
ブーストクロック | 4.60 GHz |
内蔵グラフィックス | Radeon Graphics |
TDP | 35W-54W |
発売日 | 2021年1月12日 |
価格 | - |
目次
Ryzen 9 5900HXのおすすめ用途
動画視聴 | Skype | ビジネス | デュアル | デイトレ | マンガ | デザイン |
☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ◎ | ☆ |
RAW現像 | 動画編集 | 動画投稿 | DTM | ゲーム | 実況 | CAD |
◎ | ☆ | ◎ | ☆ | ◎ | ○ | △ |
ゲームプレイ・ゲーム実況については搭載されているグラフィックボードに依存します。それでもハイクラス以上のグラフィックスが選択されることが多いのでそれほど心配はいりません。3D CADについてはノートパソコンではやや厳しいです。グラフィックボード性能もCPU性能も物足りません。プロフェッショナル向けのQuadro搭載モデルがほとんどないのが悩ましいです。
Ryzen 9 5900HXのスペック比較
AMD製CPUと比較
Ryzen 9 5900HX | Ryzen 9 5900HS | Ryzen 9 4900H | |
---|---|---|---|
開発コード | Zen 3 | Zen 3 | Zen 2 |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 8/16 |
ベースクロック | 3.3GHz | 3.0GHz | 3.3GHz |
ターボクロック | 4.6GHz | 4.6GHz | 4.4GHz |
OC | ○ | × | × |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 8MB |
メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックコア | 8 | 8 | 8 |
グラフィック周波数 | 2100 MHz | 2100 MHz | 1750 MHz |
TDP | 35W-54W | 35W | 35W-54W |
価格 | - | - | - |
発売日 | 2021年1月12日 | 2021年1月12日 | 2020年3月16日 |
CPUコアの最小単位のCCX(CPU Core Complex)が、4コア/4MB×2基から8コア/16MB×1基へと変更となりました。つまり、8コア16スレッドのRyzen 9 5900HXの場合1つのCCXでカバーできるということです。L3キャッシュ容量が倍増となりその上でアクセスも改善されてボトルネック解消に繋がります。メモリサポートはDDR4-3200と同等です。Radeon Graphicsもグラフィック周波数が20%高くなっています。TDPは35W-54Wと同等です。
最後に省電力モデルのRyzen 9 5900HSと比較していきます。コア/スレッドは同じ8コア16スレッドとなっています。ベースクロックがRyzen 9 5900HXよりも9%低く、ターボクロックはどちらも4.6GHzです。Ryzen 9 5900HSはオーバークロックに非対応となっています。L3キャッシュ容量やRadeon Graphicsの性能は同等です。TDPが35Wとかなり消費電力が抑えられていることがわかります。
Intel製CPUと比較
Ryzen 9 5900HX | Core i9-11980HK | |
---|---|---|
開発コード | Zen 3 | Tiger Lake |
プロセス | 7nm | 10nm |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 |
ベースクロック | 3.3GHz | 2.6GHz |
ターボクロック | 4.6GHz | 5.0GHz |
OC | ○ | ○ |
L3キャッシュ | 16MB | 24MB |
メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | UHD Graphics |
グラフィックコア | 8 | 32 |
グラフィック周波数 | 2100 MHz | 1450 MHz |
TDP | 35-54W | 45W-65W |
価格 | - | $583 |
発売日 | 2021年1月12日 | 2021年3月11日 |
ベースクロックはRyzen 9 5900HXの方が30%高く、ターボクロックはCore i9-11980HKの方が9%高いです。いずれもオーバークロックに対応していてより高いクロック周波数を出すことが可能です。L3キャッシュ容量についてはCore i9-11980HKの方が50%多く24MBとなっています。メモリサポートはDDR4-3200で共通です。
CPU内蔵グラフィックスについてはUHD Graphicsの方が性能が高いです。Ryzen 9 5900HXはグラフィックコア数が少ないですが、その代わりにグラフィック周波数が高くなっています。TDPはRyzen 9 5900HXの方が抑えられていて35W-54Wです。プロセスの差だと言えるかもしれませんね。10nmプロセスのCore i9-11980HKはどうしても省電力性に劣ります。ゲーミング性能はCore i9-11980HKの方が上です。
Ryzen 9 5900HXってどんなCPUなの?
Ryzen 5000シリーズのトップモデルの一つ
Ryzen 9 5900HXは、モバイル向けのRyzen 5000シリーズのフラグシップモデルとなっています。高性能なゲーミングノートPCやクリエイターPCの購入を考えている方におすすめです。実はRyzen 9 5900HXの上によりクロック周波数の高いRyzen 9 5980HXがラインナップにあります。その省電力モデルのRyzen 9 5980HSもリリースされています。
しかしながら、搭載BTOパソコンは販売されておらず一般的ではありません。Ryzen 9 5900HX搭載モデルとは違ってほとんど目にする機会がないのではないかと思います。クロック周波数だけではそれほど性能差が出ないことが要因かもしれません。つまり、Ryzen 9 5900HXが実質フラグシップモデルだと言えます。Zen 3アーキテクチャになってIPCが改善されて弱点を克服できました。Intel製CPUと比べても優位性がありますね。
コスパはRyzen 7 5800Hに劣る
Ryzen 9 5900HXは確かにモバイル向けCPUとして高い性能を持っています。しかしながら、下位モデルであるRyzen 7 5800Hと比べて価格に合う価値があるかと言われると難しいところです。予算度外視で考えられるお金持ちの方であれば購入を辞める必要はないかもしれませんね。AMD製CPUはIntel製CPUと違って価格は公開されていませんのでRyzen 7 5800Hと比較しづらいです。
そこで競合であるIntel Core i9-11980HKとCore i7-11800Hの価格差を参考にすると$188(約21,000円)です。また、ゲーミングノートPCのラインナップを比較するとASUS「ROG Strix SCAR 15 G533QS」の場合Ryzen 9 5900HX搭載モデルとRyzen 7 5800H搭載モデルで3万円の差があります。Ryzen 9 5900HXに2万円~3万円を出すのであればその分グラフィックボードにコストを掛ける方がフレームレートは高くなります。
従来モデルよりもラインナップが多い
従来モデルのRyzen 9 4900Hよりも明らかにラインナップの数が増えています。Ryzen 9 4900Hも魅力的なCPUでしたが、Zen 3アーキテクチャを採用したRyzen 9 5900HXはより魅力が増しています。ようやくモバイルの分野でもRyzenシリーズの地位が確立された理由だと言えますね。
また、Ryzen 9 5900HXの派生モデルであるRyzen 9 5900HSまで含めれば選択肢は多く選びがいがあります。様々なグラフィックスやブランドを選べるのでAMDファンの方にとってメリットは大きいですね。これまでAMD製CPUを候補に入れていなかった方も検討する価値があります。
Ryzen 9 5900HXのベンチマーク
Cinebench R20
Adobe Photoshop
Handbrake
Ryzen 9 5900HX搭載のおすすめBTOノートパソコン
Delta 15 A5 Delta-15-A5EFK-030JP(MSI)
価格:217,800円(税込)
CPU:Ryzen 9 5900HX
GPU:Radeon RX 6700M
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
G-Tune E5-165-R9(G-Tune)
価格:219,780円(税込)
CPU:Ryzen 9 5900HX
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
A7 GIGABYTE A7 X1-CJP1130SH(GIGABYTE)
価格:248,380円(税込)
CPU:Ryzen 9 5900HX
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4-2666 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、モバイル向けRyzen 5000シリーズのフラグシップモデルであるRyzen 9 5900HXの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。8コア16スレッドと高いマルチスレッド性能を持ち動画編集・画像編集・DTM・WEBデザインなどのクリエイター作業にも適したCPUです。Zen 3アーキテクチャになってIPCが改善しています。これまでの弱点だったシングルスレッド性能も高くなりゲーミングCPUとしての評価も高いです。
一方で、コストパフォーマンスについては下位モデルのRyzen 7 5800Hに劣ります。Ryzen 7 5800HとRyzen 9 5900HXは非常によく似たスペックでクロック周波数の違い程度しかありません。価格に見合うかどうかはあなた次第ということになります。多少高くても最高峰のモデルを選びたいならRyzen 9 5900HXがおすすめです。
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CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |
興味深く拝見いたしました。
というのも、2月10日にこのCPUを搭載したASUSのVivobook Proが届くからです。
動画編集が趣味なので、高性能を堪能できそうです。
さらに、有機ELモニター搭載なので、動画視聴もたのしみ。
これからも、しっかりと分析された記事をお待ちしてます。