当記事では、「Ryzen 3 3300Xの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。7nmプロセスのZen 2アーキテクチャを採用したRyzen 3000シリーズの廉価モデルが発売されました。
Intel Core i3シリーズ(Core i3-9100 etc.)をターゲットにしたCPUですが、価格帯的に直接の競合がいるわけではありません。それでも用途によっては上位のCore i5-9400に近いパフォーマンスを発揮できるポテンシャルを持っています。
Ryzen 3 3100やCore i3-9100では性能的に物足りないと考えている方におすすめです。内蔵グラフィックスは搭載されていませんので注意してくださいね。別途グラフィックボードを用意しなければいけません。
Ryzen 3 3300Xの基本スペック
世代 | 第3世代 |
開発コード | Zen 2 |
コア/スレッド数 | 4 / 8 |
クロック周波数 | 3.80 GHz |
ブーストクロック | 4.30 GHz |
内蔵グラフィックス | 非搭載 |
TDP | 65W |
発売日 | 2020年5月21日 |
価格 | $120 |
目次
Ryzen 3 3300Xのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◯ | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◯ | △ | ◯ | ◯ | ☆ | △ | ◯ |
動画編集やRAW現像にも対応できるポテンシャルを持っています。一方で、ゲーム実況や3D CADについては負荷が高くなると得意とは言えません。どのような用途での使用を考えているのかを基準にCPU選びを行うと失敗しないと思います。
Ryzen 3 3300Xのスペック比較
AMD製CPUと比較
3 3300X | 5 3500 | 3 1300X | |
---|---|---|---|
世代 | Zen 2 | Zen 2 | Zen |
プロセス | 7nm | 7nm | 14nm |
トランジスタ数 | 38億 | - | 48億 |
ダイサイズ | 74 mm² | - | 192 mm² |
コア/スレッド | 4/8 | 6/6 | 4/4 |
ベースクロック | 3.8GHz | 3.6GHz | 3.5GHz |
ターボクロック | 4.3GHz | 4.1GHz | 3.7GHz |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 8MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-2666 |
内蔵GPU | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
CPUクーラー | Wraith Stealth | Wraith Stealth | Wraith Stealth |
TDP | 65W | 65W | 65W |
価格 | $120 | $155 | $115 |
発売日 | 2020/05/21 | 2020/02/22 | 2017/07/28 |
プロセスが小さくなるとその分省電力性が高くなり、パワー効率が向上します。トランジスタ数が23%減で、ダイサイズは60%も小さくなっています。トランジスタ数を減らしてもプロセスの微細化のおかげでより高いパフォーマンスを得られます。
今回アーキテクチャーが変わったことでベースクロックが3.5GHz→3.8GHzへと9%、ターボクロックが3.7GHz→4.3GHzへと17%引き上げられています。消費電力も同じ65Wに抑えられています。また、L3キャッシュも8MBから倍増の16MBとなっているのでポテンシャルの高さが伺えます。より効率的にCPU性能を発揮できる土台があります。
上位のRyzen 5 3500と比較していきましょう。アーキテクチャ及びプロセスは同じです。コア数が4コアから6コアへと50%アップ、スレッド数が8スレッドから6スレッドへと25%ダウンとなっています。物理コアが増えることによるメリットは大きいです。パフォーマンス的にはRyzen 5 3500の方が高いです。価格差が$35あるので、コストパフォーマンスだとRyzen 3 3300Xの方が高いです。
Intel製CPUと比較
3 3300X | i3-9300 | i5-9400F | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 2 | Coffee Lake-R | Coffee Lake-R |
プロセス | 7nm | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 4/8 | 4/4 | 6/6 |
ベースクロック | 3.8GHz | 3.7GHz | 2.9GHz |
ターボクロック | 4.3GHz | 4.3GHz | 4.1GHz |
内蔵GPU | 非搭載 | UHD Graphics 630 | 非搭載 |
L3キャッシュ | 16MB | 6MB | 9MB |
TDP | 65W | 65W | 65W |
価格 | $120 | $143 | $160 |
発売日 | 2020/05/21 | 2019/05/16 | 2019/07/05 |
コア数は同じ4コアですが、スレッド数は8コアとRyzen 3 3300Xの方が100%多くなっています。SMTに対応していることからRyzen 3 3300Xのパフォーマンスに期待が持てます。ベースクロックは0.1GHzだけRyzen 3 3300Xの方が高いです。ターボクロックは同じです。Core i3-9300ではCPU内蔵グラフィックスが搭載されていることからCPUだけの価格を見ると妥当な価格設定だと言えます。L3キャッシュはAMDの方が余裕がありますね。
Core i5-9400Fになると6コア6スレッドと物理コアが50%アップします。Ryzen 5 3500と似たスペックだと言えます。コアが多い分ベースクロックは抑えられていて0.9GHzダウンの2.9GHz、ターボクロックは0.2GHzダウンの4.1GHzとなっています。L3キャッシュは9MBと45%低いです。コア以外はRyzen 3 3300Xの方が上回っています。
Ryzen 3 3300XってどんなCPUなの?
低価格CPUの中では幅広い用途に対応することができる
Ryzen 3 3300Xは、$100前後の価格帯において高いパフォーマンスを発揮するCPUです。低予算で自作PCを構築したいと考えている方は要チェックです。ゲームプレイから動画編集、RAW現像、DTMなど負荷の掛かる作業にも対応することができます。ゲーム適正に関してはRyzen 3 3100よりも大幅にアップします。
さらに、Intel製CPUよりもコストパフォーマンスという点でも優位性があります。ただし、使用するアプリケーションあるいはプレイするタイトルによっては思い通りのパフォーマンスが発揮できないため、事前に用途を確認しておきましょう。
例えば、Photoshopでの画像編集になるとCore i3-9100Fの方が高いです。ゲームプレイにおいてもFar Cry 5やMetro ExodusではCore i3-9100Fの方がフレームレートが安定します。一方で動画のエンコードになるとCore i5-9400Fに匹敵するパフォーマンスを発揮します。
シングルCCX搭載でRyzen 3 3100よりも性能が高い
Ryzen 3 3300Xでは、いわゆる4+0 CCX(CPU Complex)配置を採用しています。Ryzen 3 3100の2+2 CCX配置と構造が異なります。Ryzen 3 3300Xでは1つのCCXを無効化しているため、効率的にコアを活かすことができます。また、16MBのL3キャッシュもまとめられているので無駄がありません。
一方、Ryzen 3 3100の場合負荷が掛かりコアが全て稼働する状態になると2つのCCX同士のやり取りが必要でレイテンシ(遅延)が発生してしまいます。同じ4コア8スレッドというスペックですが、見えない部分でちゃんと違いを作っているのです。つまり、Ryzen 3 3100と比較したらスペック以上の差が生まれているというtこです。
Ryzen 3 3300Xの躍進はこれだけに留まりません。Zen 2コアの搭載によってRyzen 7 1700だけではなく第一世代Ryzen 5シリーズよりもパフォーマンスが高くなっています。第二世代のRyzen 5 2600XがかろうじてRyzen 3 3300Xと同じ水準にあるぐらいです。Intel製CPUでも対等に戦えるのはCore i5-9600Kモデルです。
オーバークロックがパフォーマンスに与える影響は小さい
Ryzen 3 3300Xは、オーバークロックに対応したCPUです。理論上はクロック周波数を、ターボクロック周波数を一定数超えた水準で維持することができます。ただし、オーバークロックのポテンシャルが高いRyzen 3 3100に対して、Ryzen 3 3300Xはオーバークロックをしても思う以上のパフォーマンスを発揮できません。
ハイパフォーマンスなXシリーズであることを考えると残念ですが、これはRyzen 3 3300Xのクロック周波数のコントロールの仕方によるものだと思います。オーバークロックのポテンシャルを考えるとRyzen 3 3100のコストパフォーマンスの高さが際立ちます。もっともCCXといった内部的な違いもあってRyzen 3 3100との差別化はしっかり図られています。
意図的にCPUに設定されているターボクロック周波数以上に引き上げることを意味します。BIOS設定などでオーバークロックをすることが可能です。オーバークロックをすると当然パフォーマンスが向上しますが、一方でパーツの保証外になったり想定以上の熱が発生し故障してしまったりとリスクもあります。初心者の方は手を出さない方が良いでしょう。
Ryzen 3 3300Xのベンチマーク
Cinebench R20
エンコード
Photoshop
Ryzen 3 3300Xのゲームプレイ時フレームレート
Battlefield 5
Far Cry 5
Metro Exodus
Ryzen 3 3300X搭載のおすすめBTOパソコン
現在搭載モデルは販売されていません。
当記事のまとめ
当記事では、第三世代Ryzen 3シリーズの「Ryzen 3 3300X」の性能スペックについて紹介しました。$120という価格で優秀なCPUを手に入れられる時代になっています。4コア8スレッドでマルチコア性能も高いです。第一世代のRyzen 5シリーズ以下の所有者の方なら買い替える価値があります。
映像編集、画像編集などのクリエイター用途からゲーミングプレイまで幅広く対応することができます。もちろんWEBデザインやビジネスなどもOKです。Ryzen 3 3100との内部的な違いもあってスペック以上の差が生まれています。特にゲームプレイになるとRyzen 3 3300Xの方が良いと思います。
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