当記事では、「グラフィックボードとは何か」について解説しています。通称グラボは、一般的な用途では特に考えることのないパーツですがゲームや3D CADなどのグラフィックス処理を行う方にとっては必須のパーツになります。最近は動画・画像編集ソフト、エンコードソフト、WEBデザインなどでもグラフィックボードを活かして作業の効率化を図ってくれます。
当然グラフィックボード搭載モデルになると高価です。ここではより一般的なNVIDIA製グラフィックボードであるGeForceを中心に基本的なことをまとめています。初心者の方でも理解しやすいと思います。プロフェッショナル向けのNVIDIA Tシリーズ(旧Quadroシリーズ)については別の記事「NVIDIAのプロフェッショナル向けグラフィックボード完全ガイド」でまとめていますので合わせて読んで下さいね。
目次
グラフィックボードの概要
グラフィックボードって何?
グラフィックボードとは、3D映像をモニターに映し出すパーツのことです。グラボ・GPU・ビデオカード等と呼ばれることもあります。仕組み的には映像の情報を電気的信号に変換してそれらをモニターに送ります。そしてモニターがグラフィックボードの信号を受け取り、カラフルな画像に変換します。
また、グラフィックボードは単体で一つのパソコンだと考えることができます。CPUのように計算処理を行っているためです。グラフィックボード用のメモリ(VRAM)を搭載していることからも判断できますね。正確なグラフィックイメージを生み出すことは数学的に量の多いタスクになります。
3Dイメージにおいてそれぞれのフレームが数百回にも及ぶ計算をすることになります。通常コンピューターのCPUは他の処理に使用されるので、GPUが代わりにこの計算処理を行っています。グラフィックボードには、映像処理に特化したプロセッサーであるGPUと呼ばれるチップが搭載されています。
グラフィックボードの役割
グラフィックボードの役割はただ一つです。すでに書いた通り、パソコンのプロセッサー(CPU)から3D映像データを取り出し、それを適切にモニターに映し出すことです。通常CPUにグラフィックチップが搭載されているので、一般的な使用においてグラフィックボードを別途搭載する必要はありません。意外と知られていませんが、Youtubeなどの動画は2Dなのでグラフィックボードがなくても表示させることが可能です。
ただし、機能は基本的なものなので、使用用途によっては内蔵グラフィックスでは不十分なことがあります。例えば、最新のゲーム・WEBデザイン・3D CAD等の高度なアプリケーションを使用する方にとっては最新のグラフィックボードを搭載する方が良いでしょう。これらのグラフィックボードは、マザーボードに取り付けることができて、より速い映像処理をしたりより画質の良い映像を映し出したりすることが可能になります。
もう一つの役割として、多くのモニターを使用したいのであればグラフィックボードが必須となります。単純にモニターと繋ぐコネクタの数を増やすことができるので、複数のモニターを接続することが可能となります。グラフィックボードにはDisplayPort×3・HDMI×1などモニター出力用の端子が搭載されています。トレーダーの方やプログラマーの方で利用されている方は多いでしょう。例えば、トレーダーの方は複数のモニターで取引をしているイメージはありませんか?トレーダーでなくても複数モニターを活用すれば作業効率が大幅にアップするというメリットがあります。
CPU内蔵グラフィックスとの違い
CPUにもいわゆるグラフィックス(CPU内蔵グラフィックス)は搭載されています。GTX 1050などのグラフィックボード(いわゆるdGPU)との大きな違いは性能です。GT 710は例外として、GTX 750でも最新のCPU内蔵グラフィックスであるIntel UHD 770よりも高いパフォーマンスを発揮します。そうは言ってもIntel UHD Graphicsも徐々に性能が高くなっていますね。
基本的にCPU内蔵グラフィックスはモニター出力や簡単な3Dグラフィックス処理のみ対応できます。ゲームプレイ・3D CAD・WEBデザインなど本格的な3Dグラフィックス処理は苦手です。また、グラフィックボードは出力端子が充実していて複数のモニターを容易に搭載できます。
現在使用しているグラフィックボードの調べ方
今あなたが使用しているグラフィックボードが何かわからないという方向けに搭載グラフィックボードの調べ方について解説しています。慣れない言葉が出てきますが、行うこと自体は何も難しくありません。とても簡単なのでぜひ一度試してみてくださいね。今後パソコンを購入するときにも役立ちます。
- ”スタート”から検索窓に「dxdiag」と入力して、コマンドの実行を入力します。
- ”ディスプレイ”タブを選択して、チップの種類を選択します。
グラボと他のパーツとの関係
グラフィックボードは、パソコンの他のパーツとも密接に関わり合っています。それぞれ詳細を見ていきましょう。
マザーボードとの関係
グラフィックボードは、標準的なマザーボードのスロットであるPCI-Express・AGP・PCIなどのスロットに取り付けることができます。スロットの種類によってグラフィックボードの処理能力が異なります。
PCI-Expressが最速でGen 4で1レーン分のデータレートは16Gbits/sです。Gen 3は8Gbits/s、Gen 2は5Gbits/s、Gen 1は2.5Gbits/sとなります。Gen 4でx16なら256Gbits/sです。この分野に関しては技術の進歩が早いので今後より基準が高くなると考えられます。すでにGen 5.0をサポートしたPCI-Expressが登場しています。まだGen 5.0対応のグラフィックボードが登場していないため将来性のある分野です。
マザーボードによっては、2枚以上のグラフィックボードを搭載することができる拡張スロットが用意されています。2枚のグラフィックボードを挿すことをSLI(NVIDIA)やCrossfireX(AMD)と呼びます。より高い映像処理能力を手に入れることが可能となります。Ampere世代以降一般的ではなくなりました。
モニターとの関係
グラフィックボードには、複数のモニターケーブルのためのコネクターがあります。モニターとつないで始めてグラフィックボードとしての役割を果たすことができます。モニターには、たくさんの異なるケーブル基準があります。例えば、DisplayPort・HDMI・DVI・VGA・USB Type-C・Thunderbolt等です。最近一般的になってきたDisplayPort 2.0なら最大16K解像度の映像データの出力に対応しています。DisplayPort 1.4は8K解像度出力となります。HDMI 2.1は8K、HDMI 2.0は4K出力に対応しています。DisplayPortの方が高解像度出力ができます。
補足:グラフィックボードメモリ(VRAM)について
グラフィックボードのGPUは自身のメモリ、通称GPUメモリを持っています。GPUが映像を映し出す時に映像データを一時的に保持する役割を果たしています。グラフィックボードは、メインのプロセッサーとメモリーを共有する必要がなくなるので、VRAMのおかげでパソコン全体の性能向上に貢献します。
パソコン自体毎秒数百万倍都の映像データを処理する必要があります。そのためVRAMは処理速度が早く高性能となっていて標準的なメモリに比べて高価です。一般的にGPUメモリの容量が多ければ多いほど多くのデータを保持することができますので、処理能力が高いと言えます。特に最新のグラフィックボードでは4GB以上、高性能モデルだと6GBや8GBのものが増えています。
BTOパソコンにおけるグラフィックボード
BTOパソコンにおけるグラフィックボードは様々です。オンボード(CPU搭載のチップ)のものもあれば、最新のグラフィックボードを搭載したものもあります。一般的な用途ではオンボードで十分可能です。当然オンボードの方が価格は安いです。
外付けのグラフィックボードが必要になるのは、3Dゲームをプレイしたり、CADや一部のアプリケーションを使用したりする時です。ゲーム用であればNVIDIA製のGeForceやAMD製のRadeonが搭載されています。一方、CAD等クリエイター用のものであればNVIDIA製の「クリエイター向けグラフィックボードQuadro」が搭載されています。Quadro製は非常に高価で中には50万円を超えるものもあります。
グラフィックボードの有無や搭載グラフィックボードの種類は、あなたのパソコンの利用環境に応じて選択するのが望ましいです。各社のグラフィックボードについて簡単に紹介しています。上から高性能順になっています。
NVIDIA製GeForce
- RTX 4090
- RTX 4080
- RTX 4070 Ti
- RTX 3080
- RTX 3070 Ti
- RTX 3070
- RTX 3060 Ti
- RTX 3060
- RTX 3050
- GTX 1660 Super
- GTX 1660
- GTX 1650 Super
- GTX 1650
- GT 1030
- GT 710
AMD製Radeon
- Radeon RX 7900 XTX
- Radeon RX 7900 XT
- Radeon RX 6950 XT
- Radeon RX 6750 XT
- Radeon RX 6650 XT
- Radeon RX 6500 XT
- Radeon RX 6400
NVIDIA製Quadro
- NVIDIA RTX A6000
- NVIDIA RTX A5000
- NVIDIA RTX A4000
- NVIDIA RTX A2000
- NVIDIA T1000
- NVIDIA T600
- NVIDIA T400
- Quadro RTX 4000
当記事のまとめ
当記事では、グラフィックボードとは何かについて解説しました。グラフィックボードは、主に3D処理を行うのに必要なパーツです。例えば、3Dゲームや3D CADなどでPCを使う場合が該当します。グラフィックボードを使用すれば最大4画面出力が実現しますので、ゲームをプレイしなくてもモニター数を増やしたいという方にも必須です。
グラフィックボードと一口によって様々な性能帯・価格帯のものがあり、あなたが想定する用途に合わせて選択することになります。グラフィックボードは、CPUやメモリなどと比べて役割をイメージしやすいのではないかと思います。YoutubeやNetflixの視聴や2DゲームなどであればCPU搭載のものでも十分カバーすることができます。
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