当記事では、Ryzen 7 4800Hの性能スペック&ベンチマークについて紹介しています。第3世代モバイル向けRyzenシリーズのハイパフォーマンスモデルです。第2世代のRyzen 7 3750Hよりも大幅に性能が引き上げられゲーム適性も向上しています。
下位のRyzen 5 4600Hよりもワンランク高い性能を持っています。Ryzen 7 4800Hは8コア16スレッドというスペックで、6コア12スレッドのRyzen 5 4600Hよりもそれぞれ33%引き上げられマルチスレッド性能が高いです。ゲームプレイだけではなく動画編集やゲーム配信などクリエイター向けの作業を考えている方に最適です。
後継モデルの「Ryzen 7 5800H」が登場しています。Zen 3アーキテクチャを採用してよりパフォーマンスが向上しています。国内メーカーからはまだリリースされていませんが、今後ラインナップは拡充されるはずです。
Ryzen 7 4800Hの基本スペック
世代 | 第3世代 |
開発コード | Renoir(Zen 2) |
コア/スレッド数 | 8 / 16 |
クロック周波数 | 2.90 GHz |
ブーストクロック | 4.20 GHz |
内蔵グラフィックス | AMD Radeon Graphics |
TDP | 45W |
発売日 | 2020年06月01日 |
搭載モデル | 117,091円~ |
目次
Ryzen 7 4800Hのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
◎ | ☆ | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | ○ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | ◯ | ☆ | ◎ | ☆ | △ | ◎ |
Ryzen 7 4800Hのスペック比較
AMD製CPUと比較
Ryzen 7 4800H | Ryzen 7 4800HS | Ryzen 7 3750H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 2 (Renoir) | Zen 2 | Zen + |
プロセス | 7nm | 7nm | 12nm |
トランジスタ数 | 98.0億 | 98.0億 | 49.4億 |
ダイサイズ | 156 mm² | 156 mm² | 210 mm² |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 4/8 |
ベースクロック | 2.9GHz | 2.9GHz | 2.3GHz |
ターボクロック | 4.2GHz | 4.2GHz | 4.0GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 8MB | 4MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-3200MHz | DDR4-2400MHz |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックコア | 7 | 7 | 10 |
グラフィック周波数 | 1600MHz | 1600MHz | 1400MHz |
TDP | 45W | 35W | 45W |
価格 | - | - | - |
発売日 | 2020/01/06 | 2020/01/06 | 2019/01/06 |
コア/スレッドは倍増の8コア16スレッドです。ベースクロックは26%アップ、ターボクロックは5%アップとなっています。さらに、L3キャッシュも倍増の8MBになり、メモリ規格もDDR4-3200と高いです。CPU内蔵グラフィックスについてもグラフィック周波数が15%高く内蔵グラフィックスのパフォーマンスも引き上げられています。TDPは45Wと共通です。
省電力モデルのRyzen 7 4800HSと比べていきます。実は省電力モデルでもスペックは同等です。ベースクロックやターボクロックを引き下げることなく消費電力を20%抑えているのは素晴らしいですね。その分高品質なCPUが選択されているということでプレミアム価格が付いています。当然パフォーマンス的にはRyzen 7 4800Hの方が優勢です。それだけTDPというのは性能に直結するものです。
Intel製CPUと比較
Ryzen 7 4800H | Core i7-10750H | Core i7-10875H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 2 | Comet Lake | Comet Lake |
プロセス | 7nm | 14nm | 14nm |
トランジスタ数 | 98.0億 | - | - |
ダイサイズ | 156 mm² | - | - |
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 | 8/16 |
ベースクロック | 2.9GHz | 2.6GHz | 2.3GHz |
ターボクロック | 4.2GHz | 5.0GHz | 5.1GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 12MB | 16MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-2933MHz | DDR4-2933MHz |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Intel UHD Graphics | Intel UHD Graphics |
TDP | 45W | 45W | 45W |
価格 | - | $395 | $450 |
搭載モデル | 117,091円~ | 107,980円~ | 179,800円~ |
発売日 | 2020/01/06 | 2020/04/02 | 2020/04/02 |
Core i7-10750Hは、Comet Lake世代のCPUです。発売時期はRyzen 7 4800Hと同じです。コア/スレッドが6コア12スレッドと、Ryzen 7 4800Hと比べてそれぞれ33%少ないです。Ryzen 7 4800Hの方がベースクロックが12%高く、ターボクロックは20%低いです。L3キャッシュについてもCore i7-10750Hの方が50%多い12MBとなっています。ゲームプレイなどではクロック周波数が高いCore i7-10750Hの方が有利なことが多いです。
Ryzen 7 4800Hは、Intelの上位モデルであるCore i7-10875Hと似たスペックを持っていることがわかります。コア/スレッドが8コア16スレッドと共通となっているからです。ベースクロックは27%劣るものの、ターボクロックが22%高いです。5.0GHzを超えているのはIntelの強みです。L3キャッシュについては倍増の16MBとなっています。ポテンシャルの高さではCore i7-10875Hの方が優勢でしょう。価格はCore i7-10750Hよりも15%高い$450です。搭載モデルに価格差があるのはハイクラスのグラフィックボードを搭載しているなどCPU以外の部分での差が大きいからです。
Ryzen 7 4800HってどんなCPUなの?
Ryzen 9 4900HSと同等以上のパフォーマンスを発揮する
Ryzen 7 4800Hは、第3世代Ryzenシリーズのハイパフォーマンスモデルとして十分高い性能を持つCPUです。前世代のRyzen 7 3750Hと比べると全く新しいCPUで、性能的には150%以上パフォーマンスが引き上げられています。第2世代Ryzenからの買い替えでもメリットが大きいです。
上位のRyzen 9 4900Hの省電力モデルであるRyzen 9 4900HSと同等のパフォーマンスを発揮します。競合であるIntel Core i7-10750Hと比べても優勢です。ただし、Intel製CPUと比べるとクロック周波数が抑えられているためゲームなどマルチコア性能よりもシングルコア性能が重視される環境では劣ってしまうことがあります。
幅広い対応力を持ちゲーム以外でも強い
Ryzen 7 4800Hは、様々な用途への対応力が高いCPUとなっています。当該モデル主にゲーミングノートPCとして販売されることが多いです。省電力性よりもパワーを重視するというその特性からすると当然でしょう。ただ、8コア16スレッドとハイパースレッディングに対応していてマルチスレッド性能が高く、動画編集・RAW現像・WEBデザインなどのクリエイター向けモデルとしても優秀です。
特にマルチスレッド性能が重視される動画編集はAMD製CPUが得意とする部分です。負荷の掛かる作業を中心に作業をすることの多い方は省電力モデルではなくこのハイパフォーマンスモデルを選択した方が満足度が高いかもしれません。ゲームをプレイしない方でも選択する価値があるCPUだと言えます。
国内メーカーではドスパラのみが販売している
Ryzen 7 4800H搭載ノートパソコンについて国内の主要BTOメーカーではドスパラのみが販売しています。つまり、Ryzen 7 4800Hが欲しいなら海外メーカーを選択肢に入れる必要があります。国内メーカーから購入したいと考えている方は注意してください。一時的にドスパラでも売り切れになっていたことがありますので、今後もラインナップが消滅してしまう可能性があります。
なお、グラフィックボード搭載が一般的なためゲーミングノートPCが中心です。ビジネスブランドではほとんどラインナップがないと考えて良いでしょう。また、省電力モデルであるRyzen 7 4800HS搭載モデルも販売されています。パフォーマンスよりも省電力性や扱いやすさを重視したいと考えている方は選択肢に入れても良いと思います。
Ryzen 7 4800Hのベンチマーク
Cinebench R20
エンコード(Handbrake)
前世代のRyzen 7 3750Hと比べると68%高速化されています。コア/スレッドが増えたことに加えてアーキテクチャが変わったことが大きいですね。Core i7-10875Hよりも20%パフォーマンスが高く圧巻です。動画編集などクリエイター作業を考えている方に最適です。
7-Zip
省電力モデルであるRyzen 7 4800HSよりも5%程度パフォーマンスが高いです。前世代のRyzen 7 3750Hと比べるとその差は歴然です。およそ135%程度高速です。Intel製CPUは解凍速度が顕著に速いです。Ryzen 7 4800HとCore i7-10875Hを比較すると、圧縮ではRyzenが30%速いですが、解凍ではIntelが15%速いです。
PCMARK
一方、Productivity Testでは、Ryzen 9 4900HS・Ryzen 7 4800H・Ryzen 7 4800HSとRyzenが強いという結果になりました。Ryzen 7 4800HとCore i7-10875Hの差は4%程度です。やはりRyzenシリーズのパフォーマンスの高さが光ります。
Photoshop
Ryzen 7 4800Hは、Ryzen 7 3750Hよりも大幅にパフォーマンスを向上させています。さらに、価格的に同等であるCore i7-10750Hよりも10%パフォーマンスが高いです。Ryzen 9 4900HSとの差は2%程度と十分健闘していますね。
Ryzen 7 4800H搭載のおすすめBTOノートパソコン
GALLERIA GR2060RGF-T(ドスパラ)
価格:119,980円(税込)
CPU:Ryzen 7 4800H
GPU:GeForce RTX 2060
mouse X5-R7(マウスコンピューター)
価格:131,780円(税込)
CPU:Ryzen 7 4800H
GPU:Radeonグラフィックス
当記事のまとめ
当記事では、Ryzen 7 4800Hの性能スペック及び搭載モデルについて紹介しました。Ryzen 7 4800Hは、8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高いのが特徴です。総合性能ではIntelの上位モデルであるCore i7-10875Hを上回るパフォーマンスを発揮します。コストパフォーマンスの高さではIntel勢を圧倒していると言えます。省電力モデルであるRyzen 7 4800HSも人気があります。
海外メーカーは後継モデルであるRyzen 7 5800H搭載モデルへと切り替えられてラインナップがなくなっています。現在購入できるのはドスパラの「GALLERIA GR2060RGF-T」とマウスコンピューターの「mouse X5-R7-E」のみです。いずれも価格が安いため旧モデルであっても選ぶ価値があります。コスパ重視でノートパソコンを探しているならぜひチェックしてくださいね。
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