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当記事では、「Radeon RX Vega 56の性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。2015年中旬に発売されたRadeon R9 Furyを最後にAMDはハイクラスに属するグラフィックボードがラインナップにありませんでした。競合であるNVIDIAのGTX 10シリーズがゲーミングPC業界に旋風を巻き起こしました。2017年になってAMDも遅れること一年ついにハイクラスのグラフィックボードをリリースしました。
この時を待ちわびていたAMDファンの方は多いでしょう。Radeon RX Vega 56の”Vega”はベースとなっているGPUアーキテクチャのことで、後ろの56という筋はコンピューターユニット(CU)の数のことを表しています。Radeon RX Vega 64の廉価版ということです。気になるRadeon Vega 56について詳しく見ていきましょう。後継モデルは、「Radeon RX 590」です。Polaris 30アーキテクチャ採用のハイパフォーマンスモデルです。
(+)GTX 1070を圧倒する高い性能を持つ
(+)コスパが非常に高く人気がある
(-)消費電力がやや高い
(-)搭載BTOパソコンがほとんどない
目次
Radeon RX Vega 56の概要
R9 Fury Xと比較
RX Vega 56 | RX Vega 64 | R9 Fury X | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | GCN 5.0 | GCN 5.0 | GCN 3.0 |
GPU | Vega 10 | Vega 10 | Fiji |
プロセス | 14nm | 14nm | 28nm |
ダイサイズ | 484 mm² | 484 mm² | 596 mm² |
トランジスタ数 | 125億個 | 125億個 | 89億個 |
CUDAコア | 3584基 | 4096基 | 4096基 |
ベースクロック | 1156MHz | 1247MHz | 1050 MHz |
ブーストクロック | 1471MHz | 1546MHz | - |
VRAM | 8GB HBM2 | 8GB HBM2 | 4GB HBM |
メモリバス | 2048 bit | 2048 bit | 4096 bit |
メモリ帯域幅 | 409.6 GB/s | 483.8 GB/s | 512.0 GB/s |
TDP | 210W | 295W | |
公式価格 | $399 | $499 | $649 |
発売日 | 2017/8 | 2017/8 | 2015/06 |
Radeon R9 Fury Xからプロセスが28nmから14nmへと縮小化されたことでダイサイズは80%程度に留まります。トランジスタ数は40%多い125億となっています。GPUメモリもHBMからHBM2へと進化しました。GPUメモリ容量は倍増の8GBとなっています。メモリバスが半減したことでバンド幅はR9 Fury Xの80%です。価格は$649から$250も安い$399となっています。
Vega 10には全部で64個の次世代コンピューターユニットが搭載されています。Radeon RX Vega 56では64個の内56個のコンピューターユニットが有効で、ストリームプロセッサーは3584基(56×64)となっています。上位モデルであるRadeon RX Vega 64に比べてCUDAコアが14%少ないです。また、ベースクロックが10%低くくなっています。スケールダウンによってエネルギー効率を高めています。上位モデルのRadeon RX Vega 64との差はこのぐらいです。TDPがRX Vega 64の295Wに対してRX Vega 56では210Wと30%近く抑えられているのは強みとなります。価格差は$100です。
NVIDIA GTX 1070との比較
RX Vega 56 | GTX 1070 | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Vega | Pascal |
コードネーム | Vega 10 | GP104 |
プロセス | 14nm | 16nm |
ダイサイズ | 484 mm² | 314 mm² |
トランジスタ数 | 125億個 | 72億個 |
CUDAコア | 3584基 | 1920基 |
ベースクロック | 1156MHz | 1506 MHz |
ブーストクロック | 1471MHz | 1683 MHz |
VRAM | 8GB HBM2 | 8GB GDDR5 |
メモリ帯域幅 | 409.6 GB/s | 256.3 GB/s |
TDP | 210W | 150W |
公式価格 | $399 | $379 |
発売日 | 2017/8 | 2016/06 |
GTX 1070では8GBのGDDR5メモリを搭載しています。HBM2を搭載しているRX Vega 56よりもメモリ帯域幅は劣ります。TDPについては、GTX 1070がRX Vega 56よりも40%抑えられています。価格は$20だけGTX 1070の方が安価です。企業によってこれほど戦略が異なるのは興味深いですね。ついに、AMDは$399という価格でGTX 1070が独占していた主要クラスに入ることができたというわけです。NVIDIAにとってもこのパフォーマンスの高さは想定外で、すぐにGTX 1070 Tiをリリースしたという裏話があります。
Radeon RX Vega 56ってどんなグラフィックボード?
GTX 1070を圧倒する高い性能を持つ
Radeon RX Vega 56は、競合となるGTX 1070よりも10%ほど高いゲーミングパフォーマンスを持っています。当初の想定通りの結果が出たと言えますね。消費電力という点ではNVIDIA製グラフィックボードに劣るもののとにかく高い性能が欲しいという方におすすめです。WQHD環境を前提とするのであれば最適なグラボの一つだと言えます。
事実焦ったNVIDIAは急遽GTX 1070の後継モデルとしてより性能の高いGTX 1070 Tiをリリースして対抗しました。Radeon RX Vega 56と同じ$399でより高いゲーミング性能を持っています。ユーザーにとっては選択肢が増えたのでやはり競争は良い社会を生みます。ノイズの小ささという点ではGTX 1070に軍配が上がります。GTX 1070 Tiはパワー重視で電源効率は少し悪化しています。
Radeon RX Vega 64よりコスパが高い
Radeon RX Vega 56は、Radeon RX Vega 64の姉妹モデルです。Radeon RX Vega 56の方がコストパフォーマンスが高くおすすめできます。Radeon RX Vega 64よりも20%安い価格で、ストリームプロセッサーはわずか12.5%減に留めています。クロック周波数も引き下げられていますが性能へ与えるインパクトは見かけほど大きくありません。
Vega 10シリコンのカットの影響はそれほど大きくなく、パフォーマンス面ではRadeon RX Vega 54よりも11%低いだけです。Radeon RX Vega 64に掛けるはずだったお金でモニター(FreeSync対応など)を買い替えたり、SSDを追加したりする方が現実的でしょう。性能面以外でもクロック周波数を低くしていることで省電力となっています。
全体的にGeForceよりは消費電力が高いですが、最適な環境であればGTX 1070に匹敵する省電力性を発揮します。電源効率が上がればパワーロスも小さくなり結果的に発熱も抑えられます。つまり、クーラー駆動を抑えられファンノイズも小さくなります。
コンパクトなnanoモデルもある
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Radeon RX Vega 56のサイズが2/3になったRadeon RX Vega 56 nano Editionも登場しています。スペック的には通常モデルと同じです。コンパクトになったというメリットが大きいモデルだと言えます。BTOパソコンで購入したいならnanocモデルしかラインナップにありません。通常モデルと比べてこれといったデメリットはないと考えて良いでしょう。
Radeon RX Vega のベンチマークを紹介
各タイトルについてWQHD及び4K解像度でのフレームレートを計測しています。すべて最高設定となっています。一般的には60fps以上あると安定していると言われています。なお、60fps以下でも設定を落とせば十分なフレームレートを出すことも可能です。
Battlefield 1(DirectX 12)
DOOM(Vulkan)
Civilization VI(DirectX 11)
Grand Theft Auto V(DirectX 12)
Hitman(DirectX 12)
Radeon RX Vega 56の消費電力&発熱
消費電力
温度
Radeon RX Vega 56はこんな方におすすめ!
Radeon RX Vega 56の性能レビュー及びベンチマークについて紹介しています。Radeon RX Vega 56は、AMD待望のハイクラスのグラフィックボードです。競合となるGTX 1070よりも10%前後高い性能を持つグラフィックボードです。FULL HD環境からWQHD環境を得意としています。従来モデルのRadeon R9 Fury Xよりも性能が高く期待通りのパフォーマンスを発揮します。
しかしながら、NVIDIAがGTX 1070の後継モデルであるGTX 1070 Tiがリリースしたことでやや立場が危うくなりました。搭載BTOパソコンのラインナップもほとんどなく自作ユーザーぐらいしか使用していない状況だったと言えます。それでもその後のRadeon RX 5000シリーズやRaden RX 6000シリーズに繋がる魅力的なグラフィックボードだったと言えます。
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当ページベンチマークテスト環境
CPU | Core i7-7700K |
マザーボード | ASUS Z270 |
メモリ | 16GB |
SSD | Patriot Ignite 960GB |
電源ユニット | Antec HCP-1200 1200W |
冷却システム | Cryorig R1 Universal 2x 140 mm fan |
ソフトウェア | Windows 10 64-bit |
ディスプレイ | Acer CB240HYKbmjdpr 24インチ |