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当記事では、「GeForce GTX1660Tiの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。2019年2月に発売開始となったミドルクラスのグラフィックボードです。2018年後半から最新のRTX20シリーズが続々と登場しました。
リアルタイムレイトレーシングやDLSSといった最新技術が投入される中で、ライトユーザーにとっては価格が高い分手を出しにくいという側面もありました。そこにGTXシリーズの最新モデルが登場し注目を集めています。事前に海外メディアではリーク情報が出ていたので心待ちにされていた方も多いと思います。それでは詳しく性能を見ていきましょう。
(+) GTX1070/RX590を超える高い性能を持っている
(+) エナジー効率が良く静か
(-) 搭載BTOパソコンが少なくまだまだ割高
GeForce GTX1660Tiの性能スペック紹介
GTX1660Ti | RTX2060 | GTX1060 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Turing | Turing | Pascal |
プロセス | 12nm2 | 12nm2 | 16nm2 |
ダイサイズ | 284m㎡ | 445m㎡ | 200m㎡ |
トランジスタ数 | 66億 | 108億 | 44億 |
CUDAコア | 1536基 | 1920基 | 1280基 |
ベースクロック | 1500MHz | 1365MHz | 1506MHz |
ブーストクロック | 1770MHz | 1680MHz | 1708MHz |
VRAM | 6GB GDDR6 | 6GB GDDR6 | 6GB GGDR5 |
メモリ帯域幅 | 288GB/s | 336GB/s | 256GB/s |
TDP | 120W | 160W | 120W |
公式価格 | $279 | $350 | $250 |
発売日 | 2019/02/ | 2019/01/ | 2016/06/ |
RTX2060でもGTX1660Tiでも次世代シリーズ共通の12n㎡プロセスを採用。プロセスは共通ですが、GTX1660TiではRTコアとTensorコアをなくしています。その分ダイサイズが小さく省電力に磨きが掛かっていると言えるでしょう。また、CUDAコア数も25%ダウン、クロック周波数を10%アップとスペック的に変更されています。一部の機能をなくすことで課題の消費電力も25%落とすことに成功。価格も$279と手頃な価格となっています。やっと60番台らしさが出てきました。
前世代のGTX1060 6GBと比較していきましょう。まず、プロセスが16n㎡→12n㎡へと縮小化されているのが強みですね。これにより搭載できるトランジスタ量が増えます。ベースクロック周波数はほぼ同等ブーストクロック周波数は4%アップされています。CUDAコアが20%アップとベース性能が大きく向上。さらに、GPUメモリ(VRAM)が最新のGDDR6へとアップグレードされています。従来のGDDR5と比べて高性能かつ省電力が特徴です。次世代GPUメモリということになります。
最新アーキテクチャのTU116を採用(中上級者向け)
GTX1660Tiでは新設計のTU116を採用しています。一方、RTX2060ではTU106を採用。どうして2つのグラフィックボードでアーキテクチャを変えているのかその理由を探っていきましょう。簡単に言うとリアルタイムレイトレーシングなど最新技術を活かすには一定上の性能が必要で$350以下の価格では実現が難しいからです。
FULL HD環境でさえ快適なゲームプレイを保証するには最低限のRTコア及びCUDAコアが必要です。なぜなら、リアルタイムレイトレーシングの機能をONにするとおよそ30%パフォーマンスが低下するからです。つまり、一定のポイント以下にスケールダウンすると性能不足になりリアルタイムレイトレーシングを使用できなくなります。RTX2060がちょうどぎりぎりFULL HD環境でRTXを活かせるグラフィックボードの境界線です。
GTX1660Tiは、最新技術にこだわるのではなくできる限りコストパフォーマンスのよいGPUを作ることにフォーカスした製品です。具体的には物理的にRTコアを排除することでチップを縮小化することができます。Tensorコアもなくしたことでよりトランジスタを有効活用できます。残ったCUDAコアはTuringアーキテクチャを最大限活かしつつ、12nmプロセスによるIPCの増加及び高いクロック周波数の限界値によって恩恵を得られます。これが新しい「TU116」ということです。
TU116を採用することで$279と価格が抑えられています。今後登場が予定されるGTX1660やGTX1650も同様のTU116が採用されると予想されます。GTX1660TiではフルスペックのTU116を採用し、GTX1660やGTX1650では一部無効化をして対応するでしょう。GTX1660Ti自体Pascal世代のGTX 1060 6GBよりも$60より高くなっていることを考えると純粋な後継モデルとは言えません。それでも今後価格が落ち着いて同じ水準になる可能性もあります。そうなったら初めて後継モデルと言えるのかもしれませんね。
GeForce GTX1660Tiってどんなグラフィックボード?
ゲーマーから求められていたグラフィックボードが登場
GTX1660Tiは多くのゲーマーが待ちわびていたグラフィックボードです。NVIDIAは、GTX1660Tiを発売することでこれまでのRTX20シリーズと2つの全く異なるゲーマー層をターゲットにすることができます。まずこれまでのRTX20シリーズはAAAタイトルでWQHD環境あるいは4K解像度でのゲームプレイをしたいあるいはリアルタイムレイトレーシングなど最新技術に興味を持つゲーマーをターゲットにしています。
しかし、RTX20シリーズは価格が高く万人受けするモデルとは言えません。Anthem、フォートナイトなどのオンラインのマルチプレイヤータイトルをプレイするゲーマー向けだと言えます。最高設定や高解像度でのゲームプレイよりも設定を落としてもレスポンスの良さや高フレームレートを好む層です。多くの方がこの層に当てはまると思います。価格を重視する方にとっては魅力的なグラボになり得ます。
RTX及びDLSSのサポートはない
すでに記載した通りGTX1660Tiはリアルタイムレイトレーシング及びDLSSをサポートしていません。RTX2060の廉価バージョンでそれらに必要なRTコア及びTensorコアを排除しているからです。ただし、これらの最新技術に対応したタイトルがそれほどなく恩恵を得られません。
機能の一部をカットした分価格も安く一般受けするグラフィックボードに仕上がったと言えます。悪く言えばGTX10シリーズから大きな進化があるわけではなくGTX10シリーズからであれば買い替えの必要はありません。GTX900シリーズからであれば買い替えのメリットはあると思います。
BTOゲーミングPCのラインナップは限定的
2020年2月時点でBTOパソコンのラインナップはそれほど多くありません。パソコン工房などの一部のメーカーで取扱いがありますが、全体で見ると減少傾向にあります。その要因としてGeForce GTX 1660 Superの登場が挙げられます。価格が安くほぼ同等のパフォーマンスが手に入るとなれば切り替わっていくのは必然ですね。
GeForce GTX1660Tiのベンチマークを紹介
実際のゲームプレイにおけるフレームレートをグラフでまとめています。チェックすべきポイントは、旧モデルのGTX1060 6GBとの性能差及びRTX2060との性能差です。
Battlefield 5(DirectX 12)
Far Cry 5(DirectX 11)
Civilization VI(DirectX 11)
Grand Theft Auto V(DirectX 12)
Hitman(DirectX 12)
GeForce GTX1660Tiの消費電力&発熱
消費電力
温度
GeForce GTX1660Ti搭載のおすすめBTOパソコン
LEVEL-R0X4-R73X-RXA (LEVEL∞)
価格:124,980円
CPU:Ryzen 7 3700X
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4-2666 8GB
SSD:480GB
HDD:2TB
LEVEL-R040-i7-RXR (LEVEL∞)
価格:134,980円
CPU:Core i7-9700
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4-2666 8GB
SSD:240GB
HDD:1TB
NEXTGEAR-MICRO im610SA6-SP (G-Tune)
価格:154,800円
CPU:Core i7-9700
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4-2666 16GB
SSD:256B
HDD:1TB
GeForce GTX1660Tiはこんな方におすすめ!

GTX1660Tiは価格重視で最新のグラフィックボードが欲しい方向けです。NVIDIAが全面に押し出していたレイトレーシングとDLSSを非搭載とすることで価格が安くなっています。全体的にRTX20シリーズは価格が上がってしまっているため手を出しにくいあるいはオーバースペックだと考えていた方は多いと思います。確かに、レイトレーシングに対応しているタイトルが少ないことを考えると、特に価格を基準にされる方にとってはこれらの技術にこだわる必要はないのかもしれません。
RTX及びDLSSを搭載するとなるとどうしてもダイサイズが大きくなりコストも上がります。そうなると$300以下の価格帯では収まりませんし、コア数をへらすとなると性能アップを見込めません。RTX自体はNVIDIAにとって高いFPS以上の特別な機能を販売できるので必要なものでしょう。ユーザーにとってもよりリアルなゲームプレイを体験できるのは魅力的ですね。
GTX1660Tiは、FULL HD環境で60fpsが出れば良いという人をターゲットにしています。特に安く購入できるのであれば多少設定を下げて対応する方を選ぶ方ですね。今後7nmプロセスの生産が進めば、小さなGPUにもRTXを搭載することができます。それまではGTX1660Tiを代替として考えるのも良いでしょう。ただし、GTX 1660 Superが登場したことで搭載モデルが減少傾向にあります。
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CPU | グラフィックボード |
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当ページベンチマークテスト環境
CPU | Core i7-7700K |
マザーボード | ASUS Z270 |
メモリ | 16GB |
SSD | Patriot Ignite 960GB |
電源ユニット | Antec HCP-1200 1200W |
冷却システム | Cryorig R1 Universal 2x 140 mm fan |
ソフトウェア | Windows 10 64-bit |
ディスプレイ | Acer CB240HYKbmjdpr 24インチ |