画像引用元:https://www.amd.com/en/ryzen
当記事では、「Ryzen 7 3700Uの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。4コア8スレッドとノート向けモデルとしては高いマルチスレッド性能を持つCPUです。内蔵グラフィックスの性能も高くなりよりオールラウンドに使用することができます。
第二世代になって海外メーカーを中心にRyzenシリーズ搭載のBTOパソコンが増えているので選択肢に入っているユーザーも多いのではないでしょうか。この気になるCPUについてそのスペックや特徴について詳しく検証します。なお、後継モデルの「Ryzen 7 4700U」が登場しています。パフォーマンスが大きく向上しているため基本的にはRyzen 7 4700Uをおすすめします。
Ryzen 7 3700Uの基本スペック
世代 | ノート向け第2世代 |
開発コード | Picasso |
コア/スレッド数 | 4 / 8 |
クロック周波数 | 2.30 GHz |
ブーストクロック | 4.00 GHz |
内蔵グラフィックス | Radeon Vega 10 Graphics |
TDP | 15W |
発売日 | 2019年1月7日 |
価格 | - |
目次
Ryzen 7 3700Uのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
◎ | ☆ | △ | △ | ◯ | ◯ | × |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◯ | × | ◯ | △ | ◎ | × | ◯ |
Ryzen 7 3700Uのスペックを比較
第1世代Ryzenと比較
Ryzen 7 3700U | Ryzen 5 3500U | Ryzen 7 2700U | |
---|---|---|---|
世代 | Zen + | Zen + | Zen |
コードネーム | Picasso | Picasso | Raven Ridge |
プロセス | 12nm | 12nm | 14nm |
トランジスタ数 | 49.4億 | 49.4億 | - |
ダイサイズ | 210 mm² | 210 mm² | 246 mm² |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/8 |
ベースクロック | 2.3GHz | 2.1GHz | 2.2GHz |
ターボクロック | 4.0GHz | 3.7GHz | 3.8GHz |
L3キャッシュ | 4MB | 4MB | 4MB |
対応メモリ | DDR4-2400 | DDR4-2400 | DDR4-2400 |
内蔵GPU | Radeon Vega 10 | Rasdeon Vega 8 | Radeon Vega 10 |
グラフィックス周波数 | 1400 MHz | 1200 MHz | 1300 MHz |
TDP | 15W | 15W | 15W |
単体価格 | - | - | - |
搭載PC価格 | 76,956円~ | 55,176円~ | - |
発売日 | 2019年1月6日 | 2019年1月6日 | 2017年10月26日 |
下位のRyezn 5 3500Uと比較するとコア及びスレッド数は同じであることがわかります。異なるのはベースクロック/ターボクロック周波数と内臓GPUです。内蔵GPUの性能差はそれほど大きくありません。軽い3Dグラフィックス処理のみ対応可能です。ゲームプレイについては負荷の軽い昔のタイトルであればHD×低設定でかろうじてゲームプレイができる程度です。
Intelと比較
Ryzen 7 3700U | i7-8565U | i7-1065G7 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen+ (Picasso) | Whiskey Lake | Ice Lake |
プロセス | 12nm | 14nm | 10nm |
トランジスタ数 | 49.4億 | - | - |
ダイサイズ | 210 mm² | 123 mm² | 123 mm² |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/8 |
ベースクロック | 2.30 GHz | 1.80 GHz | 1.30 GHz |
ターボクロック | 4.00 GHz | 4.60 GHz | 3.90 GHz |
L3キャッシュ | 4MB | 8MB | 8MB |
対応メモリ | DDR4-2400 | DDR4-2400 | DDR4-3200 |
内蔵GPU | Radeon Vega 10 | UHD Graphics 620 | Iris Plus Graphics |
TDP | 15W | 15W | 15W |
単体価格 | - | $409 | $426 |
搭載PC価格 | 76,956円~ | 94,980円~ | 119,980円~ |
発売日 | Q1'19 | Q3'18 | Q3'19 |
Core i7-1065G7は、Ryzen 7 3700Uと比較してベースクロックが1.30 GHzと低いですが、アーキテクチャの改善によって性能が高くなっています。L3キャッシュも8MBと倍増です。内蔵GPUについても強化が図られていてIris Plus Graphicsを採用しています。Radeon Vega 10とほぼ同等の性能を持ちます。
なお、それぞれの搭載パソコンを見るとRyzen 7 3700U搭載モデルがやや割安となっています。構成などの違いがあるとしてもこれだけ価格の優位性があるのは嬉しいですね。
Ryzen 7 3700UってどんなCPUなの?
第2世代省電力モデルのフラグシップモデル
Ryzen 7 3700Uは、第二世代Ryzen Uシリーズのフラグシップモデルです。省電力モデルということで消費電力は15Wに抑えられていてコンパクトなノートパソコンでも採用されています。4コア8スレッドと平均的だと言えます。各BTOメーカーで売上げランキングのトップに入ることもあるぐらいです。
Intel第八世代のCore i7-8565Uよりも高い性能を持ちます。ただし、その後発売開始された最新のCore i7-1065G7にはやや劣ります。第三世代Ryzen(Zen)が登場しないとやや厳しいかもしれないですね。それでもほぼ同等のパフォーマンスを発揮します。
デスクトップ向けの第3世代Ryzenとは異なる
当該CPUの注意点としてRyzen 7 3○○○とは言ってもデスクトップ向けの第三世代Ryzenとは異なるモデルだということです。ここはややこしいところですね。つまり、Ryzen 7 3700Uはアーキテクチャ的には最新のデスクトップ向けモデル「Zen 2」ではなく一世代前のモデル「Zen+」を流用しているということです。
当然性能や省電力性についても第一世代のRyzenから飛躍的に向上したわけではありません。全く性能が上がっていないわけではないのですが、Ryzen 7 1700U搭載モデルからの買い替えは推奨しません。デスクトップ向けのRyzenでは7nmプロセスを採用していて12nmプロセスよりも一歩先をいっています。ノート向けモデルはどうしても後回しになってしまうので気長に待ちましょう。
搭載BTOノートパソコンのラインナップが増えている
第二世代Ryzenになって明らかに搭載モデルが増えてきました。まだまだ海外勢が中心となっていますが、今後国内のBTOメーカーから販売されることも期待されます。マウスコンピューターなどでモデルが販売されています。
Ryezn搭載のノートパソコンは、同じクラスのIntel製CPU搭載モデルよりもかなり安く購入できるのが魅力的です。コスパ重視で選ぶなら賢明な判断だと思います。第三世代Ryzenの登場も控えていますので、今後もパソコン業界は盛り上がりそうですね。
ベンチマークでわかるRyzen 7 3700Uの性能!
Cinebench R20
Handbrake
Ryzen 7 3700U搭載のおすすめBTOノートパソコン
New Inspiron 15 3000 (3505) プラチナ(大容量SSD搭載)(Dell)
価格:84,980円 53,103円
CPU:Ryzen 7 3700U
GPU:AMD Radeon RX Vega 10 Graphics
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
ASUS VivoBook 15 X512DA(ASUS)
価格:99,818円(税込)
CPU:Ryzen 7 3700U
GPU:AMD Radeon RX Vega 10 Graphics
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事ではAMD第二世代Ryzenシリーズ「Ryzen 7 3700U」の性能スペック及び搭載モデルについて紹介しました。4コア8スレッドとノート向けのCPUとしては高性能です。省電力モデルでは最高峰のCPUとなっています。競合はIntel Core i7-8565U及び最新のCore i7-1065G7です。動画視聴、オフィスソフト、クリエイターソフトの使用にも最適です。動画編集については負荷の高いファイルであれば対応できます。
旧モデルとなるためラインナップは多くありません。基本的には後継モデルであるRyzen 7 4700U搭載モデルを推奨します。ただし、Dellの「New Inspiron 15 3000 (3505) プラチナ」に関しては価格がかなり下がっているのであえて選ぶのも良いでしょう。
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