当記事では、「Ryzen 5 1600 AFの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。2020年5月にややトリッキーなCPUが発売開始となりました。海外では2019年10月頃から発売されていました。最後の”AF”は、発注型名(OPN)の末尾が変わったことを意味します。
Ryzen 5 1600 AFは、現行モデルのRyzen 3000シリーズよりも3年前の製品シリーズRyzen 1000シリーズを冠しています。しかし、アーキテクチャは第二世代Ryzen 2000シリーズのZen +を採用しているのが興味深い点です。イメージとしては、Ryzen 5 1600というよりはRyzen 5 2600と考えた方がわかりやすいと思います。
TSUKUMOから早速このRyzen 5 1600 AFを搭載したBTOパソコンが発売されています。気になる方はぜひチェックしてくださいね。
Ryzen 5 1600 AFの基本スペック
世代 | 第1世代 |
開発コード | Zen + |
コア/スレッド数 | 6 / 12 |
クロック周波数 | 3.20 GHz |
ブーストクロック | 3.60 GHz |
内蔵グラフィックス | 非搭載 |
TDP | 65W |
発売日 | 2020年5月17日 |
価格 | $85 |
目次
Ryzen 5 1600 AFのおすすめ用途
デイトレ | 動画視聴 | 実況 | CAD | DTM | マンガ | デザイン |
◎ | ☆ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
RAW現像 | 動画編集 | Skype | 動画投稿 | ビジネス | ゲーム | デュアル |
◯ | ◯ | ☆ | ◯ | ◯ | △ | ☆ |
「◯」の3D CAD・DTM・マンガ制作・WEBデザイン・RAW現像・動画編集・動画投稿・ビジネスなどの用途で負荷の重い作業になると対応がしにくくなります。動画編集だと4K解像度などは苦手です。「△」の実況やゲームプレイははっきりと対応しづらいです。CPUの総合性能は高いのですが、ゲームプレイになるとパフォーマンスがやや低下してしまうからです。Intel製CPUと比べると性能差は大きいです。
Ryzen 5 1600 AFのスペック比較
AMD製CPUと比較
5 1600 AF | 5 1600 | 5 2600 | 5 3600 | |
---|---|---|---|---|
コードネーム | Zen + | Zen | Zen + | Zen 2 |
プロセス | 12nm | 14nm | 12nm | 7nm |
コア/スレッド | 6/12 | 6/12 | 6/12 | 6/12 |
ベースクロック | 3.2GHz | 3.2GHz | 3.4GHz | 3.6GHz |
ターボクロック | 3.6GHz | 3.4GHz | 3.7GHz | 4.2GHz |
内蔵GPU | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB | 32MB |
メモリサポート | DDR4-2933 | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-3200 |
TDP | 65W | 65W | 65W | 65W |
価格 | $85 | $220 | $200 | $200 |
発売日 | 2020/05/17 | 2017/04/11 | 2018/04/19 | 2020/05/21 |
ベースクロックはそのままでターボクロックが3.4GHz→3.6GHzに引き上げられています。L3キャッシュは同じで対応メモリの規格もDDR4-2933に変更しています。価格が$220から$85へと60%程度安くなりました。Ryzen 5 2600のスペックに近いと言えます。Ryzen 5 2600のベースクロックを0.2GHz、ターボクロックを0.1GHz引き下げたモデルです。メモリ規格については新しい分最新規格が搭載されています。
Ryzen 5 3600になるとさらにアーキテクチャが進化しています。プロセスも7nmへとかなり縮小化されています。このプロセスの縮小化によって、クロック周波数の引き上げが可能となっています。ターボクロックに関しては17%も高いです。L3キャッシュも倍増の32MBと余裕があります。メモリ規格もDDR4-3200となっています。
Intel製CPUと比較
5 1600 AF | i3-9100F | i5-9400F | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen + | Coffee Lake-R | Coffee Lake-R |
プロセス | 12nm | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 6/12 | 4/4 | 6/6 |
ベースクロック | 3.2GHz | 3.6GHz | 2.9GHz |
ターボクロック | 3.6GHz | 4.2GHz | 4.1GHz |
内蔵GPU | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
L3キャッシュ | 16MB | 6MB | 9MB |
メモリサポート | DDR4-2933 | DDR4-2400 | DDR4-2666 |
TDP | 65W | 65W | 65W |
価格 | $85 | $79 | $144 |
発売日 | Q2'20 | Q2'19 | Q1'19 |
$79と価格の近いCore i3-9100Fと比較していきましょう。まず、コア/スレッド数はAMD Ryzen 5 1600 AFが優勢です。一方で、ベースクロックは3.6GHz、ターボクロックは4.2GHzとCore i3-9100Fがそれぞれ13%、17%高いです。それでもRyzen 5 1600 AFがいかに優れたスペックを持っているのかということがわかります。市場の競争を促す結果になるでしょう。
Ryzen 5 1600 AFってどんなCPUなの?
Ryzen 5 1600のリニューアルモデルでとにかく安い
Ryzen 5 1600 AFの最大の注目ポイントはその価格の安さです。Ryzen 5 2600とほぼ同等のCPUがわずか$85(日本円で税抜10,000円程度)で購入することができます。低予算で自作PCを作りたいと考えているユーザーにとって魅力的な選択肢が誕生したことになります。
同時期にリリースされた第三世代のRyzen 3 3100よりも安価です。スペック的にも上回るRyzen 5 1600 AFを選択するメリットは大きいです。この価格帯は混戦状態です。ユーザーからすると迷ってしまうかもしれませんが、選択肢が多いのは魅力的です。
APU非搭載のためグラフィックボード搭載が前提になる
Ryzen 5 1600 AFは、APU(内蔵グラフィックス)非搭載モデルです。そのため、パソコンとして機能するためにはグラフィックボードが必要です。この点において予算が必要となります。安価なRadeon RX 5500やGeForce GT 730/GT 1030を用意できれば安く収めることが可能です。
Ryzen 5 1600 AFは3Dグラフィックスを扱う方を対象としているということです。WEBデザイン、RAW現像、ゲームプレイなどが該当します。CPU内蔵グラフィックスでは不便を感じている方は検討する価値があると思います。反対に動画視聴やネット閲覧程度の用途であればおすすめしません。それよりもAPU内蔵の「Ryzen 3 3200G」の方が良いと思います。
クリエイター>ゲーム向けのCPU
Ryzen 5 1600 AFは、ゲーミングPC向けというよりはクリエイター向けのCPUだと考えます。ゲームプレイのフレームレートを見るとわかるとおりゲーミング性能は高くありません。それよりもマルチコアを活かせる用途にぴったりです。
具体的には動画編集、RAW現像などです。ゲーム用途を考えるのであれば設定を下げてフレームレートを安定させる必要があります。Ryzen 3 3100との比較だとRyzen 5 1600 AFの方がゲーム適正は高いと言えます。
Ryzen 5 1600 AFのベンチマーク
Cinebench R20
Ryzen 5 2600の廉価モデルとして考えると1%の性能差は健闘していると言えるでしょう。Intel製CPUはマルチコアでは劣るもののシングルコア性能の高さが光ります。Ryzen 5 1600 AFとの差は13%と大きいです。ゲームプレイが得意な理由は相性の問題+このシングルコア性能の高さだと考えられます。
7.Zip
Ryzen 5 1600 AFのゲームプレイ時フレームレート
Battlefield 5
Total War
Ryzen 5 1600 AF搭載のおすすめBTOパソコン
G-GEAR GA5A-A200/T(TSUKUMO)
価格:72,800円
CPU:Ryzen 5 1600 AF
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
G-GEAR GA5A-U200/T(TSUKUMO)
価格:79,800円
CPU:Ryzen 5 1600 AF
GPU:Radeon RX 5500 XT
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
G-GEAR GA5A-B200/T(TSUKUMO)
価格:86,800円
CPU:Ryzen 5 1600 AF
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Ryzen 5 1600 AFの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。Ryzen 5 1600 AFは、Ryzen 5 1600のアーキテクチャをZenから新しいZen +に変更したモデルです。このアーキテクチャの変更によってパフォーマンスが向上していてRyzen 5 2600と同等の性能となっています。ゲームプレイはやや苦手なものの動画編集、RAW現像など幅広く対応することが可能です。
現時点ではTSUKUMOからのみ搭載モデルが販売されています。価格もうまく抑えられていて魅力的な選択肢だと思います。特に、GTX 1650を搭載した「G-GEAR GA5A-A200/T」やRX 5500 XTを搭載した「G-GEAR GA5A-U200/T」がおすすめです。税抜7万円台とRyzen 5 1600 AFの強みが活かされているからです。
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