当記事では、Ryzen 3 PRO 4350Gの性能スペック及びベンチマークについて紹介しています。当該モデルは、AMDが誇る高コスパのAPUです。第3世代RyzenシリーズでZen 2アーキテクチャーを採用しています。4コア8スレッドと標準的な性能を持ち、ライトユーザーの方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
Ryzen 3 PRO 4350Gは少し特殊な販売形態を持っています。基本的にはOEM供給がメインでドスパラやHPなどのBTOメーカー向けのモデルです。そのため、バルクでの販売だったり、CPUクーラーが搭載されていなかったりといった特徴があります。日本は例外で海外とは異なりパーツショップから購入することもできます。ただし、その場合も一部制限があります。
後継モデルは、Zen 3アーキテクチャ採用の「Ryzen 3 5300G」です。4コア8スレッドとスペックを踏襲しつつアーキテクチャが変わってより高いパフォーマンスを得られます。
Ryzen 3 PRO 4350Gの基本スペック
世代 | 第3世代 |
アーキテクチャ | Zen 2 |
コア/スレッド数 | 4 / 8 |
クロック周波数 | 3.80 GHz |
ブーストクロック | 4.00 GHz |
内蔵グラフィックス | Radeon Graphics |
キャッシュ | 4MB |
Operatin Range | 65W |
発売日 | 2020年7月21日 |
価格 | $149 |
目次
Ryzen 3 PRO 4350Gのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | △ | △ | ◯ | ◯ | △ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | × | ◯ | △ | ☆ | △ | ◎ |
Radeon Graphics(CPU内蔵グラフィックス)が搭載されているということもあって基本的には外付けのグラフィックボードが搭載されることはありません。ゲームプレイ・ゲーム実況・3D CADなどはCPU内蔵グラフィックスでは対応しきれないと考えておきましょう。WEBデザインであればRadeon Graphicsでも対応できます。CPU性能的にも問題はありません。
Ryzen 3 PRO 4350Gのスペック比較
AMD製CPUと比較
3 PRO 4350G | 5 3400G | 3 3200G | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 2 | Zen+ | Zen+ |
世代 | 第3世代 | 第2世代 | 第2世代 |
プロセス | 7nm | 12nm | 12nm |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/4 |
ベースクロック | 3.8 GHz | 3.7GHz | 3.6GHz |
ターボクロック | 4.0 GHz | 4.2GHz | 4.0 GHz |
オーバークロック | × | × | × |
L3キャッシュ | 4MB | 4MB | 4MB |
メモリ規格 | DDR4-3200 | DDR4-2933 | DDR4-2933 |
内蔵GPU | Radeon Graphics | Radeon Vega 11 | Radeon Vega 8 |
グラフィックコア | 6 | 11 | 8 |
グラフィック周波数 | 1700 MHz | 1400 MHz | 1250 MHz |
CPUクーラー | × | Wraith Spire | Wraith Spire |
TDP | 65W | 65W | 65W |
定価 | $149 | $149 | $99 |
搭載PC価格 | 59,819円~ | - | - |
発売日 | 2020年7月21日 | 2019年7月7日 | 2019年7月7日 |
L3キャッシュは4MBと共通です。メモリ規格がDDR4-2933からDDR4-3200へと上位規格に変わっています。Radeon Graphicsについては、前世代のRyzen 3 3200Gと特性が変わっていることがわかります。グラフィックコアが2つ減っていますが、グラフィック周波数が36%高くなり1700MHzに到達しました。十分カバーできる範囲になっていると言えます。消費電力は65Wと標準的な範囲に収まっています。Ryzen 3 3200GはプロモデルではないためCPUクーラーが搭載されています。それでいて価格は$99と抑えられています。
Ryzen 3 PRO 4350Gの価格が$149なのでやはりRyzen 5 3400Gの後継モデルと考えて良いですね。4コア8スレッドというスペックや価格面からRyzen 5 3400Gは比較する価値があります。Ryzen 3 3200Gと同じようにZen +→Zen 2へと変わり、プロセスも12nm→7nmへと変わっています。ベースクロックが0.1GHzがアップしている一方で、ターボクロックが0.2GHzダウンしました。
アーキテクチャーのリニューアルのおかげでスペック以上にパフォーマンスが向上しています。CPU内蔵グラフィックスについては、グラフィックコアが11から6コアへと40%ダウンしています。グラフィック周波数が22%高く同等以上のグラフィックス性能を発揮します。Ryzen 5 3400Gから順当な進化を遂げています。
Intel製CPUと比較
3 PRO 4350G | i3-10100 | |
---|---|---|
ブランド | Ryzen | Intel |
プロセス | 7nm | 14nm |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 |
ベースクロック | 3.8GHz | 3.6GHz |
ターボクロック | 4.0GHz | 4.3GHz |
オーバークロック | × | × |
L3キャッシュ | 4MB | 6MB |
メモリ規格 | DDR4-3200 | DDR4-2666 |
内蔵GPU | Radeon Graphics | UHD 630 |
CPUクーラー | × | ◯ |
TDP | 65W | 65W |
定価 | $149 | $122 |
搭載PC価格 | 59,819円~ | 48,800円~ |
発売日 | 2020年7月21日 | 2020年5月20日 |
L3キャッシュはCore i3-10100の方が2MB多くなっています。メモリ規格はRyzen 3 PRO 4350Gの方が上位のDDR4-3200となっています。DDR4-2666よりも少しだけ高性能です。CPU内蔵グラフィックスはRadeon Graphicsの方が優れています。AMDが誇るAPUというだけのことはあります。Intel UHD 630と比べて40%以上高性能です。ここに魅力を感じる方にとって魅力的だと思います。消費電力はどちらも65Wとなっています。
Core i3-10100はコンシューマー向けモデルということもあってCPUクーラー同梱となっています。Ryzen 3 PRO 4350Gの場合は別途用意する必要がありますね。価格も$122とRyzen 3 PRO 4350Gよりも$27安価です。CPUクーラーも含めれば価格面での優位性は高いと思います。搭載BTOパソコンの価格でも11,000円程度の価格差があります。
Ryzen 3 PRO 4350GってどんなCPUなの?
実質Ryzen 5 3400Gの後継モデルとなる
Ryzen 3 PRO 4350Gは、スペック的にはRyzen 5 3400Gの後継モデルということになります。価格も$149とRyzen 5 3400Gと同じです。型番的にはRyzen 3 3200Gの後継モデルですが、4コア4スレッドから4コア8スレッドとなり後継モデルを超えたパフォーマンスアップが見られます。CPU内蔵グラフィックスグラフィックス性能も引き上げられています。
第3世代Ryzenシリーズになって性能の底上げと価格の引き上げが行われました。つまり、現時点ではRyzen 3 3200Gに位置する$100以下のモデルが登場していないということになります。そのような背景もあってこの価格帯を埋めるためにRyzen 3 3200Gを搭載したBTOパソコンも継続して販売されています。Ryzen 3 PRO 4350Gが候補になっている方は同時にRyzen 3 3200G搭載モデルも検討しましょう。
Ryzen 5 PRO 4650Gに比べると驚きは少ない
Ryzen 3 PRO 4350Gは優れたCPUですが、上位モデルであるRyzen 5 PRO 4650Gに比べるとインパクトは小さいです。Ryzen 5 PRO 4650GはAMDのAPUとして初めて6コア12スレッドに到達したという偉業を達成しています。CPU性能的にはRyzen 5 3600よりも高くインパクトが大きいです。
Ryzen 3 PRO 4350GはあくまでもRyzen 5 3400Gの性能を少しだけ引き上げたモデルです。Ryzen 5シリーズと同等とは言っても価格が上がっているので魅力に乏しいという側面があります。もし価格が安いのであれば旧型のRyzen 5 3400Gを選択するという可能性があって革新的な何かがあったわけではありません。
BTOパソコンでは上位モデルとの価格差が小さい
Ryzen 3 PRO 4350G搭載BTOパソコンは59,819円~購入することができます。比較的価格が抑えられていますが、上位モデルのRyzen 5 PRO 4650Gは68,910円~で購入できます。9,000円の差ならRyzen 5 PRO 4650G搭載モデルが魅力的に映るのではないかと思います。
4コア8スレッドと6コア12スレッドでは性能差が大きいですね。+9,000円でスペックがこれだけ変わるなら検討する価値があります。価格を抑えたいと考えているなら48,800円~で購入できるCore i3-10100搭載モデルが選択肢に入ります。特にCPU内蔵グラフィックスを重視されない方は必見です。
Ryzen 3 PRO 4350Gのベンチマーク
Cinebench R20
Photoshop
Ryzen 3 PRO 4350Gのゲームプレイ時フレームレート
CPU内蔵グラフィックスであるRadeon Graphics 6でのゲーミングパフォーマンスを計測しています。いずれもHD環境でのフレームレートです。Fortniteは中設定で、Far Cry 5は低設定となっています。
Fortnite
Far Cry 5
Ryzen 3 PRO 4350G搭載のおすすめBTOパソコン
AeroSlim RS3A-B204/T(TSUKUMO)
価格:59,819円
CPU:Ryzen 3 PRO 4350G
GPU:Radeon Graphics 6
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
Regulus AR3(ドスパラ)
価格:68,980円
CPU:Ryzen 3 PRO 4350G
GPU:Radeon Graphics 6
メモリ:DDR4 8GB
SSD:250GB NVMe
HDD:非搭載
SOLUTION-MWB5-RP34-EZX(パソコン工房)
価格:75,980円
CPU:Ryzen 3 PRO 4350G
GPU:Radeon Graphics 6
メモリ:DDR4 8GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、第3世代Ryzenシリーズである「Ryzen 3 PRO 4350G」の性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。Ryzen 3 3200Gの後継モデルですが、スペックや価格を見るとRyzen 5 3400Gの後継モデルだと言えます。Ryzen 5 3400GよりもCPU性能・GPU性能共に高くなっています。ただし、Ryzen 5 3400Gの方が安く購入できるのでコストパフォーマンスが高いというわけではありません。
RAW現像・WEBデザイン・ビジネスなどでの使用を考えている方におすすめです。搭載BTOパソコンも各メーカーから発売されていて選択肢が豊富です。このCPUに関しては構成を落として価格を抑えているモデルが良いでしょう。性能よりも価格を重視したCPUだからです。
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