当記事では、Ryzen 3 5300Uの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しています。Zen 2アーキテクチャを採用したCPUです。Ryzen 3 4300Uでは4コア4スレッドでしたが、Ryzen 3 5300Uでは4コア8スレッドとハイパースレッディング対応となりパフォーマンスが引き上げられています。
競合モデルはIntel Core i3-1115G4となります。Core i3-1115G4は、2コア4スレッドとスペックが控え目でRyzen 3 5300Uの方が性能が高いです。Intel製CPUはソフトウェア側で最適化が行われていることが多く安定感が高いというメリットがあります。Ryzen 3 5300U搭載モデルは税込み5万円台から購入できます。低価格帯のノートパソコンを探している方におすすめです。リニューアルモデルとしてRyzen 3 5425Uが発売されています。搭載モデルの数はそれほど多くありませんね。
Ryzen 3 5300Uの基本スペック
世代 | 第3世代 |
開発コード | Lucienne(Zen 2) |
コア/スレッド数 | 4 / 8 |
クロック周波数 | 2.60 GHz |
ブーストクロック | 3.80 GHz |
内蔵グラフィックス | AMD Radeon Graphics |
TDP | 10W-25W |
発売日 | 2021年1月12日 |
価格 | - |
目次
Ryzen 3 5300Uのおすすめ用途
動画視聴 | Skype | ビジネス | デュアル | デイトレ | マンガ | デザイン |
☆ | ☆ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
RAW現像 | 動画編集 | 動画投稿 | DTM | ゲーム | 実況 | CAD |
◯ | △ | △ | △ | × | × | × |
Ryzen 3 5300U搭載モデルではグラフィックボード搭載モデルがないため、ゲームプレイ・ゲーム実況・3D CADには不向きです。Radeon GraphicsはCPU内蔵グラフィックスとしては性能が高いですが、dGPUと比べると見劣りしてしまいます。
Ryzen 3 5300Uのスペック比較
AMD製CPUと比較
Ryzen 3 5300U | Ryzen 3 5400U | Ryzen 3 4300U | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 2 | Zen 3 | Zen 2 |
開発コード | Lucienne | Cezanne | Renoir |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/4 |
ベースクロック | 2.6GHz | 2.6GHz | 2.7GHz |
ターボクロック | 3.8GHz | 4.0GHz | 3.7GHz |
L3キャッシュ | 4MB | 8MB | 4MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-3200MHz | DDR4-3200MHz |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックコア | 6 | 6 | 5 |
グラフィック周波数 | 1500MHz | 1600MHz | 1400MHz |
TDP | 10W-25W | 10W-25W | 10W-25W |
発売日 | Q1 2021 | Q1 2021 | Q1 2020 |
Ryzen 3 5300Uではハイパースレッディングに対応していて4コア4スレッドから4コア8スレッドへとスペックが強化されています。ベースクロックは0.1GHz低いですが、ターボクロックは0.1GHz高いです。L3キャッシュ容量は4MBと共通です。メモリもDDR4-3200をサポートしています。Radeonグラフィックスはグラフィックコアが1つ増えてグラフィック周波数も7%高くなりました。TDPは10W-25Wと変わっていません。
モバイル向けRyzen 5000の上位モデルであるRyzen 3 5400Uと比較していきます。Ryzen 3 5400Uは最新のZen 3アーキテクチャを採用しています。開発コードはCezanneです。似たようなスペックでも当然Zen 3アーキテクチャの方が性能が高いです。
コア/スレッドはどちらも4コア8スレッドとなっています。ベースクロックは2.6GHzと共通ですが、ターボクロックはRyzen 3 5400Uの方が5%高いです。また、L3キャッシュ容量も倍の8MBとなっています。対応メモリはDDR4-3200と共通です。Radeonグラフィックスについてはグラフィック周波数が7%高くなっています。TDPは10W-25Wと同じですね。
Intel製CPUと比較
Ryzen 3 5300U | Core i3-1115G4 | |
---|---|---|
開発コード | Lucienne | Tiger Lake |
プロセス | 7nm | 10nm |
コア/スレッド | 4/8 | 2/4 |
ベースクロック | 2.6GHz | 3.0GHz |
ターボクロック | 3.8GHz | 4.1GHz |
L3キャッシュ | 4MB | 6MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-3200MHz |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Iris Xe Graphics |
グラフィックコア | 6 | 48 |
グラフィック周波数 | 1500MHz | 1250MHz |
TDP | 10W-25W | 12W-28W |
価格 | - | $281 |
発売日 | Q1 2021 | Q3 2020 |
L3キャッシュ容量もCore i3-1115G4の方が50%多く6MBとなっています。対応メモリはいずれもDDR4-3200です。CPU内蔵グラフィックスの性能はIris Xe Graphicsの方が上です。TDPについてはRyzen 3 5300Uの方が10W-25Wと抑えられていることがわかります。Ryzen 3 5300Uの価格は非公開ですが、Core i3-1115G4と同程度だと考えて良いと思います。
Ryzen 3 5300UってどんなCPUなの?
ハイパースレッディング対応で性能アップ
Ryzen 3 5300Uは、4コア8スレッドとハイパースレッディング対応で高いパフォーマンスを発揮します。従来モデルのRyzen 3 4300Uが4コア4スレッドだったことからマルチスレッド性能アップは明らかです。複数のアプリケーションを起動するなどスレッド数が多いほうが有利になる用途に適していると言えます。
競合モデルのCore i3-1115G4もハイパースレッディングに対応していますが、2コア4スレッドとそれぞれRyzen 3 5300Uの半分です。低価格帯でそこそこの性能があれば十分だという方におすすめです。数世代前のモデルからの買い替えなら性能差を体感できるのではないかと思います。
Zen 2アーキテクチャ採用のリフレッシュモデル
Ryzen 3 5300Uは、2021年1月に発売された新しいAPUとなっています。しかしながら、アーキテクチャ的には一つ前のZen 2を採用していてこちらは最新とは言えません。つまり、従来モデルのRyzen 3 4300Uとアーキテクチャが変わっていないということです。同じRyzen 5000シリーズでもRyzen 3 5400Uは最新のZen 3アーキテクチャを採用していてよりパフォーマンスが高いです。このラインナップはややこしいですね。
ハードに詳しい方でないと判断できないのではないかと思います。なお、上位モデルでも同じくZen 2採用のモデルとZen 3採用のモデルが混在しています。ポイントは5◯◯◯の5の次の数字です。これが奇数ならZen 2採用で、偶数ならZen 3採用となります。
豊富なラインナップで理想のモデルを見つけやすい
Ryzen 3 5300U搭載BTOノートパソコンのラインナップは豊富です。Ryzen 3 4300U搭載モデルよりも格段に多くなりましたね。性能面でも安定感が増しているのが評価されている理由でしょう。Ryzen 3 5300Uは、価格が安く需要が高いことから各BTOメーカーが力を入れているのではないかと思います。
モバイル向けCPU市場においてもRyzenシリーズの存在感が出てきました。マルチスレッド性能においてはIntel製CPUを圧倒しています。東芝でもラインナップがあるのは嬉しいポイントです。選択肢が多くデザイン・構成・実用性など総合的に見てあなたの理想のモデルを探しやすいです。
Ryzen 3 5300Uのベンチマーク
Cinebench R20
Zen 3アーキテクチャを採用したRyzen 3 5400Uになるとさらに20%程度パフォーマンスが高くなります。シングルスレッド性能も10%高いです。競合モデルであるCore i3-1115G4よりもマルチスレッド性能が2倍以上高いです。2コア4スレッドとスペックが抑えられているため妥当なスコアだと思います。なお、シングルスレッド性能についてはCore i3-1115G4の方が15%高いです。コアが少ない分クロック周波数を高くすることができます。
Handbrake
Ryzen 3 5300U搭載のおすすめBTOノートパソコン
IdeaPad Slim 550 – プラチナグレー(Lenovo)
価格:107,800円(税込) 57,134円(税込)
CPU:Ryzen 3 5300U
GPU:Radeonグラフィックス
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:256GB NVMe
HDD:非搭載
Pavilion 15-ehベーシックモデルG2(HP)
価格:108,900円(税込) 74,800円(税込)
CPU:Ryzen 3 5300U
GPU:Radeonグラフィックス
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:256GB NVMe
HDD:非搭載
LIFEBOOK AH43/F1(富士通)
価格:162,780円(税込) 125,800円(税込)
CPU:Ryzen 3 5300U
GPU:Radeonグラフィックス
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:256GB NVMe
HDD:1TB
当記事のまとめ
当記事では、Zen 2アーキテクチャを採用したRyzen 3 5300Uの性能及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。Ryzen 3 5300Uは、4コア8スレッドとハイパースレッディング対応となり性能が向上しています。従来モデルのRyzen 3 4300Uよりも30%以上CPU性能が向上しています。画像編集・ビジネス・WEBデザインなどに適しています。動画編集にも対応できますが、Ryzen 5シリーズ以上を選ぶのが無難です。
Ryzen 3 5300U搭載モデルは豊富で選びがいがあります。Zen 3アーキテクチャを採用したRyzen 3 5400Uよりは圧倒的にラインナップが多いです。デザイン・構成・実用性などあなたが理想とするモデルを探せるのではないかと思います。その他ブランド・モニターサイズ・バッテリー駆動時間・I/Oパネルなども選び基準となりますね。
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