当記事では、「Core i3-1115G4の性能スペックと搭載BTOノートパソコン」を紹介しています。Core i3-1005G1の後継モデルです。Tiger lake世代におけるエントリークラスのCore iシリーズが登場しました。2コア4スレッドと控え目なスペックながらCeleronとは一線を画するCPU性能を誇ります。
CPU内蔵グラフィックスも強化されてより魅力的なCPUになりました。搭載モデルについては税込み6万円台から購入することができます。国内メーカーでの取り扱いはなく、Tiger Lake世代で搭載モデルがあるのは上位モデルのCore i5-1135G7あるいはCore i7-1165G7のみですね。後継モデルは「Core i3-1215U」です。6コア8スレッドとスペックが引き上げられています。
Core i3-1115G4の基本スペック
世代 | 第11世代 |
開発コード | Tiger Lake |
コア/スレッド数 | 2 / 4 |
クロック周波数 | 3.00 GHz |
ブーストクロック | 4.10 GHz |
内蔵グラフィックス | Intel UHD Graphics |
L3キャッシュ | 6MB |
Operatin Range | 12W-28W |
発売日 | 2020年10月 |
価格 | $281 |
目次
Core i3-1115G4のおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
◎ | ☆ | △ | △ | △ | △ | × |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◯ | × | △ | △ | ◎ | × | ◯ |
その他動画編集・動画投稿・RAW現像・マンガ制作・WEBデザイン・DTMなどはストレスが溜まることになるでしょう。これらの用途をでの使用を考えている方はCore i5シリーズ以上を選択するべきです。Core i3シリーズで対応できる範囲ではありません。
Core i3-1115G4のスペック比較
Core i3-1005G1と比較
i3-1115G4 | i5-1135G7 | i3-1005G1 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Tiger Lake | Tiger Lake | Ice Lake |
プロセス | 10nm SuperFin | 10nm SuperFin | 10nm |
コア/スレッド | 2/4 | 4/8 | 2/4 |
ベースクロック | 3.0Ghz | 2.4Ghz | 1.2Ghz |
ターボクロック | 4.1Ghz | 4.2Ghz | 3.4Ghz |
L3キャッシュ | 6MB | 9MB | 4MB |
メモリ規格 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
内蔵GPU | Intel UHD Graphics | Iris Xe Graphics | Intel UHD Graphics |
GPU EUs | 48 | 80 | 32 |
グラフィックス周波数 | 1.25 GHz | 1.3 GHz | 0.90 GHz |
Operating Range | 12W-28W | 12W-28W | 13W-15W |
発売日 | Q3'20 | Q3'20 | Q3'19 |
単体価格 | $281 | $309 | $281 |
搭載PC価格 | 64,723円~ | 73,037円~ | - |
CPU内蔵グラフィックスは同じIntel UHD Graphicsですが、内部的には性能が引き上げられています。グラフィックス実行ユニットが32から48へと50%多くなりました。また、グラフィックス周波数も40%高い1.25GHzに到達しています。Operating Range(TDP)は13W-15Wから12W-28Wへと変更されています。クロック周波数が高くなったので、最大消費電力は高いです。どの枠に収まるかはベンダー次第ということになります。価格は$281と変わっていません。
上位モデルのCore i5-1135G7と比較していきましょう。単体価格での価格差は10%とそれほど多くないのですが、構成などの違いもあってBTOノートパソコンでの価格差は大きいです。コア/スレッドがそれぞれ倍の4コア8スレッドになります。ベースクロックはCore i3-1115G4の方が25%高く、ターボクロックはCore i5-1135G7の方が3%高いです。L3キャッシュ容量は50%アップの9MBです。メモリ規格は共通です。
内蔵グラフィックスはG7を搭載しているCore i5シリーズになると一気に性能が高くなります。グラフィックス実行ユニットは80とCore i3-1115G4よりもさらに70%近く多いです。グラフィックス周波数も少しだけ高くなっていますね。Operating Rangeは12W-28Wで変わりありません。Core i3シリーズとCore i5シリーズの性能差は大きいです。
Ryzen 3 4300Uと比較
i3-1115G4 | 3 4300U | |
---|---|---|
コードネーム | Tiger Lake | Zen 2 |
プロセス | 10nm SuperFin | 7nm |
コア/スレッド | 2/4 | 4/4 |
ベースクロック | 3.0Ghz | 2.7Ghz |
ターボクロック | 4.1Ghz | 3.7Ghz |
内蔵GPU | Intel UHD Graphics | Radeon Graphics |
GPU EUs | 48 | - |
Graphics Coreカウント | - | 5 |
グラフィックス周波数 | 1.25 GHz | 1.4 GHz |
メモリ規格 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
キャッシュ | 6MB | 4MB |
TDP | 12W-28W | 10W-25W |
発売日 | Q3'20 | Q1'20 |
単体価格 | $281 | - |
搭載PC価格 | 64,723円~ | - |
内蔵GPUについてはIntel UHH Graphicsの方が性能が高いです。CPU内蔵グラフィックスについてはAMDを上回ります。メモリ規格はDDR4-3200で共通です。L3キャッシュ容量はCore i3-1115G4の方が50%高く6MBとなっています。TDPはCore i3-1115G4の方が高いです。省電力性の観点からは7nmプロセスを採用しているRyzen 3 4300Uの方が優勢です。
Core i3-1115G4ってどんなCPUなの?
2コア4スレッドというスペックで最高峰の性能を誇る
Core i3-1115G4は、2コア4スレッドというスペックで最高峰のパフォーマンスを発揮するモバイル向けCPUです。低価格帯のCPUではこれ以上のモデルはないと考えて良いでしょう。従来モデルのCore i5-1005G1よりも35%程度パフォーマンスが向上しています。Tiger Lake世代になってプロセスが最適化されクロック周波数が引き上げられたことが大きいですね。
下位モデルであるCeleron N4100やCeleron N5100は4コア4スレッドとスペックは上ですがCPU性能的にはCore i3-1115G4に劣ります。また、CPU内蔵グラフィックスも強化されました。Celeronでは物足りないと考えているユーザーの方は必見です。より余裕のあるPC作業が実現します。
UHD Graphicsが順当に進化している
CPU内蔵グラフィックスの性能も高くなっています。従来モデルのCore i3-1005G1で採用されていたUHD Graphicsよりも40%程度パフォーマンスが向上しています。競合のRyzen 3 4300Uの上位モデルであるRyzen 5 4500Uに搭載されているRadeon Graphicsに匹敵する性能です。Intel製CPUもAMD製CPUの内蔵グラフィックスを超えてきました。
さすがに外付けのグラフィックボードのGeForce MX 350やGeForce MX 330には及びませんが、CPU内蔵グラフィックスとしては高いパフォーマンスを持っていると言えます。なお、上位モデルのIntel Iris Xe Graphicsになるとさらに性能が高いです。廉価モデルのCore i3-1115G4としては十分だと思います。WEBデザインなどにおいて必要最低限の性能を兼ね備えています。
法人向けモデルのラインナップが多い
Core i3-1115G4は法人向けモデルに搭載されていることが多いCPUです。Dell・ASUSなどのメーカーで販売されているモデルはいずれも法人・ビジネスモデルとなっています。Lenovoでは唯一一般モデルとして販売されていますね。現時点では国内メーカーでの取り扱いはありませんが、今後旧モデルから切り替えられるのではないかと思います。
Core i3-1115G4のCPU性能と価格がビジネス向けモデルとして適しているのかもしれません。省電力性にも優れていてバッテリー駆動時間も長くなるという強みもありますね。もちろん、法人向けモデルでも一般ユーザーが購入して問題があるわけではありません。理想の一台があるのであればためらわずに購入しましょう。
Core i3-1115G4のベンチマーク(CPU)
具体的な性能を測るために各種ベンチマークを見ていきます。ここでは前モデルであるCore i5-1035G1や上位モデルであるCore i7-1165G7との差に注目してください。
Cinebench R20
Handbrake
Core i3-1115G4搭載のおすすめBTOノートパソコン
THIRDWAVE SA503i(ドスパラ)
価格:64,980円(税込)
液晶:15.6インチ
CPU:Core i3-1115G4
GPU:Intel UHD Graphics
メモリ:LPDDR4x-3733 8GB
SSD:256GB NVMe
HDD:非搭載
Inspiron 15 3000 Intel 【即納】スタンダード(8GBメモリー搭載)(Dell)
価格:91,980円 67,650円(税込)
液晶:15.6インチ
CPU:Core i3-1115G4
GPU:Intel UHD Graphics
メモリ:DDR4-2666 8GB
SSD:256GB NVMe
HDD:非搭載
ASUS ExpertBook B1 B1400CEAE(ASUS)
価格:76,780円(税込)
液晶:14.0インチ
CPU:Core i3-1115G4
GPU:Intel UHD Graphics
メモリ:DDR-3200 4GB
SSD:256GB NVMe
HDD:非搭載
STYLE-14FH057-i3-UCSX-L(パソコン工房)
価格:88,800円(税込)
液晶:14.0インチ
CPU:Core i3-1115G4
GPU:Intel UHD Graphics
メモリ:DDR-3200 8GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Tiger Lake世代におけるCore iシリーズのエントリークラスに位置するCore i3-1115G4の性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。10nmプロセスが進化して従来モデルのCore i3-1005G1よりもクロック周波数が大幅に引き上げられて性能が35%程度向上しています。2コア4スレッドというスペックではトップクラスのパフォーマンスを誇ります。
搭載BTOノートパソコンは法人・ビジネス向けが主流です。ビジネス用途での扱いやすさからラインナップが多いのではないかと思います。国内BTOメーカーではまだまだ旧モデルのCore i3-1005G1が搭載されていて、今後はこのCore i3-1115G4に切り替えられるでしょう。国産メーカーで探しているならもう少し待ってみるのも良いですね。
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