画像引用元:https://www.msi.com/
当記事では、「Radeon RX 5700の性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。2019年7月7日に登場したグラフィックボードです。Radeon RX 590が2018年11月15日に発売されてから半年ぶりの新モデルです。
新しいアーキテクチャ”Navi 10”を採用しています。NVIDIAのRTX 20シリーズに対抗する製品という位置付けです。競合製品は「GeForce RTX 2060」あるいは「RTX 2060 Super」となります。後継モデルは、「Radeon RX 6700 XT」です。ハイクラスの性能を持つグラフィックボードです。ついにAMD製グラフィックボードもミドルクラスの域を超えることができました。
(+) 定価ならコストパフォーマンスは高い
(+) RTX 2060を上回る性能を持つ
(-) RTX 2060 Superよりも性能が低い
(-) レイトレーシング・DLSSには非対応
(-) 最適化されていないゲームに非常に弱い
目次
Radeon RX 5700の総合性能
Radeon RX 5700の性能スペック紹介
RX 5700 | RX 5700 XT | RX 590 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Navi | Navi | Polaris |
GPU | Navi 10 | Navi 10 | Polaris 30 |
プロセス | 7nm | 7nm | 12nm |
ダイサイズ | 251m㎡ | 251m㎡ | 232m㎡ |
トランジスタ数 | 10.3億 | 10.3億 | 57億 |
CUDAコア | 2304 | 2560 | 2304 |
ベースクロック | 1465MHz | 1605MHz | 1469MHz |
ゲームクロック | 1625MHz | 1755MHz | - |
ブーストクロック | 1725MHz | 1905MHz | 1545MHz |
VRAM | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR5 |
メモリ帯域幅 | 448.0GB/s | 448.0GB/s | 256.0GB/s |
TDP | 185W | 225W | 225W |
公式価格 | $349 | $399 | $229 |
発売日 | 2019/7 | 2019/7 | 2018/11 |
CUDAコアは同等ですがブーストクロック周波数を引き上げることで高いパフォーマンスを発揮します。メモリ規格がGDDR6に変更されていることも性能アップに貢献しています。それでいて消費電力も15%程度省電力となっているのもポイントが高いです。
Radeon RX 5000シリーズからゲームクロックという値が追加されています。これまでは負荷が高い時の平均クロックをブーストクロックとしてしていました。しかし、このRX5000シリーズではそれを「ゲームクロック」とし、ブーストクロックは最大クロック数を表すようになりました。要するに、凄い負荷がかかっても大体このくらいの数値は叩き出せますよという数値ですので目安くらいに見ておきましょう。
RX 590に対して大きく性能を伸ばしています。ただ、価格はこれまでのRadeon製グラフィックボードと比べて高めに設定されています。RX 590との価格差は$120ですから比較対象としては違う気もしますね。これだけ価格に開きがあれば性能も当然上がるわけですから。ベンチマークでは、RX 590ではなくVega 56を比較対象としています。RX 5700 XTに対しては性能もコストパフォーマンスも敵いません。RX 5700の登場で選択肢も増えるかと思いましたが、どうやらそうもいかないようです。
PCI-Express gen 4.0の採用(中上級者向け)
Naviでは、PCI-Express gen 4.0を採用しています。グラフィックボードやNVMe対応SSDなどの搭載スロットです。PCIe gen 4.0は、新世代規格で先代のPCI-Express gen 3.0より2倍のバンド幅を持っています。
Ryzen 3000シリーズのCPUと同時にAMD X570チップセットのマザーボードをリリースしています。2019年末に予定されているIntelのIce Lakeが登場するまではこれが唯一PCIe gen 4.0をサポートするプラットフォームです。なお、gen 4.0に対応しているグラフィックボードは現時点でRX 5700 XTあるいはRX 5700のみです。
もちろん、Navi Radeon RX 5700 XTは、旧型のPCIeもサポートしていますが当然gen 3.0のみ対応となっています。AMDの新しい製品のパッケージでは7nmプロセスとこのPCIe gen 4.0を全面に押し出しています。まるでIntelの12nmとPCIe gen 3よりも次世代モデルということを言いたいかのようですね。
Radeon RX 5700ってどんなグラフィックボード?
競合製品に苦戦、特徴を掴みきれないグラフィックボード
RX 5700は、特徴を掴みにくく癖のあるグラフィックボードだと言えます。同じ価格のRTX 2060に対しては強く、GTX 1080には完敗しています。また、RTX 2060に対抗するにしてもリアルタイムレイトレーシングに対応しておらず、RTXシリーズよりもGTXシリーズに近い特性を持っています。
性能面では概ね上回っていますが、最小fpsではRTX 2060より低くなるタイトルもあって安定感の無い印象がとても強いです。AMD製品に最適化されていないゲームでは著しく性能が落ち込む傾向があります。逆に最適化されているゲームではRTX 2080を上回る性能を見せることもあります。フルHDが最適なモデルで、高解像度での運用は適していません。少し安定感が気になるので高解像度でゲームをプレイする際は注意が必要ですね。
強気な価格設定でコストパフォーマンスという持ち味を捨てる
競合モデルであるRTX 2060の価格が$349と同価格となります。同じ価格で似た性能帯のグラフィックボードとなると安定感の無さ、リアルタイムレイトレーシング等の機能の無いRX 5700では対等に立つのは難しいでしょう。これまでのRadeonは対抗製品を上回りながら価格は安いというのが持ち味でした。
安定感が無くてもコストパフォーマンスがとても良く、NVIDIA製品より性能で劣っていても選択するメリットがありました。しかし、同じ価格に設定されてしまうと話は別です。北米価格と国内価格には大きな開きがありますから、結果的にRTX 2060 Superと同じ価格帯で販売されてしまう可能性もあります。そしてそれは低い話ではなく往々にしてある話です。この価格設定は自信の現れなのでしょうか。
Radeon RX 5700搭載モデル使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測。WQHD/4K解像度+最高設定での計測を行っています。得手不得手の波の激しいRX5700がRTX2060やRTX2060 superに対してどこまで迫れるのか。一世代前のGTX1080との性能差がどれほどなのかを確認できればと思います。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assasin’s Creed Odyssey
Far Cry 5
Hitman 2
Ace combat 7
BATTLE FIELD V
Radeon RX 5700の消費電力&発熱
消費電力
温度
Radeon RX 5700搭載のおすすめBTOパソコン
LEVEL-M040-i7-DRR(パソコン工房)
価格:144,980円
CPU:Core i7-9700
GPU:Radeon RX 5700
メモリ:DDR4 16GB
SSD:240GB
HDD:1TB
LEVEL-M0B4-R53-DXVI(パソコン工房)
価格:168,980円
CPU:Ryzen 7 3700X
GPU:Radeon RX 5700
メモリ:DDR4 16GB
SSD:240GB
HDD:1TB
G-Tune EN-A(G-Tune)
価格:169,800円
CPU:Ryzen 7 3700X
GPU:Radeon RX 5700
メモリ:DDR4 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
Radeon RX 5700はこんな方におすすめ!
Radeon製品が好きな人におすすめです。RTX 2060よりも安く入手できるならありかもしれません。しかし、機能面で劣り、性能は同等、価格も同じくらいならRTX 2060やRTX 2060 Superが無難に感じます。何よりも搭載モデルがほとんど見当たりません。
グラフィックボードの性能も今ひとつなので、RX 5700 XTの引き立て役なのではないでしょうか。あまり良いところが見つからないグラフィックボードです。これまでのRadeonのように価格が低くて選びやすいということもありません。できる限りおすすめしたいと考えていましたが、Radeon製のグラフィックボードに思い入れが無い限りおすすめできません。
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価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |
当ページベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i9-9900K |
マザーボード | EVGA Z390 DARK |
メモリ | 16GB DDR4 |
SSD | 2x 960 GB SSD |
電源ユニット | Seasonic Prime Ultra Titanium 850W |
冷却システム | Cryorig R1 Universal 2x 140 mm fan |
ソフトウェア | Windows 10 64-bit |
ディスプレイ | Acer CB240HYKbmjdpr 24インチ |