当記事では、Core i7-11800Hの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しています。ノート向けのハイパフォーマンスモデルであるHシリーズの中でも人気の高いCPUです。特にゲーミングノートCPUとして高い人気を誇ります。
8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高くゲーミングノートPCだけではなくクリエイターPCに搭載されることが多いです。ノートパソコンでも高負荷な作業を行いたいと考えている方におすすめです。省電力モデルと比べると一気にパフォーマンスが向上します。競合モデルは「AMD Ryzen 7 5800H」です。マルチスレッド性能の高さはCore i7-11800H以上でコスパに優れています。
なお、すでに後継モデルであるAlder Lake世代の「Core i7-12700H」が発売されています。まだ国内での取り扱いは少なくメインはCore i7-11800H搭載モデルとなっています。
Core i7-11800Hの基本スペック
世代 | 第11世代 |
開発コード | Tiger Lake |
コア/スレッド数 | 8 / 16 |
クロック周波数 | 2.30 GHz |
ブーストクロック | 4.60 GHz |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 750 |
TDP | 35W-45W |
発売日 | 2021年3月11日 |
価格 | $395 |
目次
Core i7-11800Hのおすすめ用途
動画視聴 | Skype | ビジネス | デュアル | デイトレ | マンガ | デザイン |
☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ◎ | ◎ |
RAW現像 | 動画編集 | 動画投稿 | DTM | ゲーム | 実況 | CAD |
◎ | ◎ | ○ | ◎ | ☆ | ○ | △ |
省電力モデルであるCore i7-1165G7や下位モデルのCore i5シリーズなどと比べても性能的に余裕があります。Core i7-11800Hはゲームプレイに強くRyzen 7 5800Hと体感できるほどの差があります。ゲーミング性能を重視するならCore i7-11800Hは魅力的な選択肢となります。
Core i7-11800Hのスペック比較
Intel製CPUと比較
Core i7-11800H | Core i7-10875H | Core i7-10750H | |
---|---|---|---|
開発コード | Tiger Lake | Comet Lake | Comet Lake |
プロセス | 10nm | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 6/12 |
ベースクロック | 2.3GHz | 2.3GHz | 2.6GHz |
ターボクロック | 4.6GHz | 5.1GHz | 5.0GHz |
L3キャッシュ | 24MB | 16MB | 12MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-2933MHz | DDR4-2933MHz |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics | UHD Graphics | UHD Graphics |
グラフィックコア | 32 | - | - |
グラフィック周波数 | 1450MHz | 1200MHz | 1150MHz |
TDP | 35W-45W | 35W-45W | 35W-45W |
価格 | $395 | $450 | $395 |
発売日 | Q2 2021 | Q2 2020 | Q2 2020 |
Comet Lake世代からTiger Lake世代に代わり、プロセスが14nmから10nmプロセスに微細化されました。プロセスが小さくなるとパワー効率の向上に繋がります。CPUの進化はこのプロセスの微細化にあると言っても過言ではありません。まずは簡単にCore i7-10750Hとスペックを比較していきましょう。一番のハイライトはコア/スレッドがそれぞれ50%引き上げられていることです。クリエイター作業からゲームプレイまで余裕を持って対応できます。
コア/スレッド数が増えたことでクロック周波数は引き下げられています。消費電力を抑える必要性が生まれるためです。ベースクロックは10%低く、ターボクロックは8%低いです。コア/スレッドでカバーする形です。Core i7-11800HではL3キャッシュ容量が倍の24MBとなっています。ボトルネック解消に繋がりますね。メモリ規格もDDR4-2933からDDR4-3200へとアップグレードされました。CPU内蔵グラフィックスも強化されていますが、外付けのグラフィックスが選択されることが多いためそこまで注目度は高くありません。
Core i7-10875Hと比べるとコア/スレッド・ベースクロックは共通ですが、ターボクロックが10%ダウンしています。最新のCore i7-11800Hは、クロック周波数を下げてもCPUコアの改良でパフォーマンスは向上しています。クロック周波数を引き下げてもパフォーマンスが高いということは消費電力を抑えられて効率的です。L3キャッシュ容量は50%高く24MBとなっています。CPU内蔵グラフィックスも強化されています。価格は10%安くなっています。
AMD製CPUと比較
Core i7-11800H | Ryzen 7 5800H | |
---|---|---|
コードネーム | Tiger Lake | Zen 3 |
プロセス | 10nm | 7nm |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 |
ベースクロック | 2.3GHz | 3.2GHz |
ターボクロック | 4.6GHz | 4.4GHz |
L3キャッシュ | 24MB | 16MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-3200MHz |
CPU内蔵グラフィックス | Intel UHD Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックコア | 32 | 8 |
グラフィック周波数 | 1450MHz | 2000MHz |
TDP | 35W-45W | 35W-54W |
価格 | $395 | - |
発売日 | Q2 2021 | Q1 2021 |
CPU内蔵グラフィックスについてはどちらも同程度の性能を持っています。グラフィックコアの数などに違いはありますが、メーカーによって構造が異なるためそれほど比較に意味があるわけではありません。TDPは、Core i7-11800Hの35W-45Wに対して、Ryzen 7 5800Hでは35W-54Wと少しだけ上限が高くなっています。Ryzen 7 5800Hの価格は非公開ですが、搭載モデルの価格を見る限りCore i7-11800Hと同程度あるいは少し安いと考えて良いでしょう。
Core i7-11800HってどんなCPUなの?
Core i7-10875Hの後継で人気になること間違いなし
Core i7-11800Hは、Intel第十一世代のモバイル向けモデルの中で売れ筋モデルになることは間違いないでしょう。ノートパソコンでも8コア16スレッドCPUに対する需要は高いということです。動画編集や画像編集などの用途で使用される方も増えているのだと思います。それは従来モデルであるCore i7-10875Hの人気の高さからも容易に想像ができます。国内BTOメーカーを始めとして多くのモデルでCore i7-10875Hが採用されていました。
6コア12スレッドの下位モデルであるCore i7-10750H搭載モデルよりもラインナップが多かったように思います。最新のCore i7-11800Hでは価格が10%も安くなっていますので、ユーザーからするとメリットしかありません。もちろん性能も向上しています。AMDの同じ価格帯であるRyzen 7 5800H搭載モデルとの競争もあってユーザーにとって好ましい状況だと言えます。
オールラウンドに対応できる高パフォーマンスCPU
Core i7-11800Hは歴代のCore i7シリーズと同様にオールラウンド性が高いCPUとなっています。8コア16スレッドとモバイル向けモデルとしては高いマルチスレッド性能を持ち、動画編集・画像編集・WEBデザイン・DTM・3D CADなどの使用を考えている方にもおすすめです。
ゲームプレイにおいても高いパフォーマンスを発揮します。ゲーミングPCとしては、Ryzen 7 5800Hと比べても優位性が高いです。特にRTX 3060以上のグラフィックボードと合わせるのであればCore i7-11800H以上を選択する方がフレームレートの安定に繋がります。
注意点としてはあくまでもノートパソコン向けのCPUとしては最高峰ですが、デスクトップ向けのCPUと比べるとパフォーマンスは劣ります。消費電力が抑えられている分仕方のないところだと思います。デスクトップ向けモデルで言えばCore i5シリーズの上位モデルと同等です。もちろん負荷の掛かる場面では消費電力が上がるのでデスクトップ向けモデルの方が有利です。
Core i7-11800Hのベンチマーク
Cinebench R20
Core i9-10980HKと比べても20%もスコアが伸びています。Core i7シリーズでフラグシップモデルを超えるのは驚きです。一方で、Ryzen 7 5800Hと比べるとマルチスレッド性能は12%低く、シングルスレッド性能は15%低いです。Zen 3アーキテクチャのパフォーマンスは圧倒的です。もちろんCinebench R20のスコアがそのまま実際のパフォーマンスを反映しているわけではありませんが、一つの参考になることは間違いありません。
Adobe Photoshop
Handbrake
Core i7-11800H搭載のおすすめBTOノートパソコン
DAIV 5P-WA(マウスコンピューター)
価格:159,800円(税込)
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
GALLERIA UL7C-R36(ドスパラ)
価格:199,980円(税込)
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
GP66 Leopard 11U GP66-11UH-821JP(MSI)
価格:239,800円(税込)
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
GALLERIA UL7C-R37(ドスパラ)
価格:269,980円(税込)
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Core i7-11800Hの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。主にゲーマーの方やクリエイターの方向けのハイエンドのオクタコアCPUです。Tiger Lake世代になってプロセスが微細化されてパワー効率が向上しています。従来モデルのCore i7-10875Hよりも40%以上もCPU性能が高くなりました。動画編集・画像編集・WEBデザイン・ゲームプレイなどの負荷の高い作業を考えている方に最適です。
デスクトップ向けCPUと比べるとCore i5シリーズと同等のパフォーマンスを持っています。搭載BTOノートパソコンはすでに多くのラインナップがあります。安価なモデルであれば税込み13万円台から購入できます。長く使用できることを考えるとコストパフォーマンスは高いです。競合モデルであるRyzen 7 5800H搭載モデルと比較しながら検討すると良いですね。
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