当記事では、Ryzen 7 4800Uの性能スペック&ベンチマークについて紹介しています。Ryzen 7 3700Uの後継モデルです。Ryzen 4000 Uシリーズの最上位に位置するCPUです。4コア8スレッドから8コア16スレッドへと大幅に強化されています。競合モデルと比べても圧倒的なスペックを誇ります。ノート向けのハイパフォーマンスモデルであるHシリーズに匹敵する性能を持っています。
ただし、国内のBTOメーカーからRyzen 7 4800U搭載モデルはほとんど発売されていません。国内で手に入れることは難しいと考えておきましょう。下位の「Ryzen 7 4700U」に比べて性能が高すぎて扱いにくいということも言えます。明らかにRyzen 7 4700U搭載モデルと比べてラインナップが少ないです。後継モデルは、「Ryzen 7 5800U」あるいは「Ryzen 7 5700U」です。前者はZen 3アーキテクチャ採用のモデルで、後者はZen 2アーキテクチャ採用のリフレッシュモデルです。
Ryzen 7 4800Uの基本スペック
世代 | 第3世代 |
開発コード | Renoir(Zen 2) |
コア/スレッド数 | 8 / 16 |
クロック周波数 | 1.80 GHz |
ブーストクロック | 4.20 GHz |
内蔵グラフィックス | AMD Radeon Graphics |
TDP | 15W |
発売日 | 2020年06月01日 |
搭載モデル | なし |
目次
Ryzen 7 4800Uのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
◎ | ☆ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | × |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | × | ◎ | ◎ | ☆ | × | ◎ |
Ryzen 7 4800Uのスペック比較
AMD製CPUと比較
Ryzen 7 4800U | Ryzen 7 4700U | Ryzen 7 3700U | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 2 | Zen 2 | Zen + |
プロセス | 7nm | 7nm | 12nm |
コア/スレッド | 8/16 | 8/8 | 4/8 |
ベースクロック | 1.8GHz | 2.0GHz | 2.3GHz |
ターボクロック | 4.2GHz | 4.1GHz | 4.0GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 8MB | 4MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-3200MHz | DDR4-2400MHz |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックコア | 8 | 7 | 10 |
グラフィック周波数 | 1750MHz | 1600MHz | 1400MHz |
TDP | 15W | 15W | 15W |
価格 | - | - | - |
発売日 | Q2 2020 | Q2 2020 | Q1 2019 |
L3キャッシュは同じ8MB、メモリ規格も上位のDDR4-3200MHzを搭載しています。CPU内蔵グラフィックスについては、Ryzen 7 4700U搭載のものよりも僅かながらパフォーマンスが高いです。もっとも一般的な用途では体感することは難しいでしょう。ゲームプレイが快適に行えるほどの性能は持っていません。
前世代のRyzen 7 3700Uと比べると別物です。アーキテクチャがZen +からZen 2へと変わりました。プロセスも12nm→7nmへと縮小化されています。パワーの伝達力が向上しよりCPU性能が高くなりました。コア/スレッドはそれぞれ倍増となっています。ベースクロックは20%程度落ちていますが、ターボクロックは5%向上しています。L3キャッシュは半減の4MBに留まります。なによりもアーキテクチャが変わったことでスペック以上の差が見られます。
Intel製CPUと比較
Ryzen 7 4800U | Core i7-10710U | |
---|---|---|
コードネーム | Zen 2 | Comet Lake |
プロセス | 7nm | 14nm |
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 |
ベースクロック | 1.8GHz | 1.1GHz |
ターボクロック | 4.2GHz | 4.7GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 12MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-2666 |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Intel UHD Graphics |
TDP | 15W | 15W |
価格 | - | $443 |
搭載モデル | なし | 131,984円~ (DELL) |
発売日 | Q2 2020 | Q3 2019 |
アーキテクチャ及びプロセスは数年前から変わっていません。プロセスは14nmとAMDの7nmプロセスに遅れをとっています。プロセスが小さいほど多くのトランジスタを搭載すできたり、製造過程での効率が実現できたりとメリットが大きいです。つまり、現時点ではAMD製CPUの方が有利な立場だということです。
スペックを見ていくとRyzen 7 4800Uの8コア16スレッドに対して6コア12スレッドと控え目です。ベースクロックは60%低く、ターボクロックが15%高いです。その他L3キャッシュについてはCore i7-10710Uが12MBと50%高いです。メモリ規格はDDR4-2666と少しだけ規格の低いものです。CPU内蔵グラフィックスの性能はほぼ同等と考えてよいでしょう。
Ryzen 7 4800UってどんなCPUなの?
省電力モデルながら圧巻のスペックを持つ
Ryzen 7 4800Uは、省電力モデル(15W)のCPUでありながら非常に高いスペックを持つCPUです。Ryzen 4000 Uシリーズのフラグシップモデルとなっています。スペック的にはRyzen 7 4700Uに近いですが、ハイパースレッディングに対応している分ポテンシャルが高いです。性能差は25%と大きく上回っています。
いくつかのベンチマークあるいは用途においてはIntelのハイパフォーマンスモデルであるCore i7-10750Hをも上回ります。AMDのRyzen 5 4600Hよりも高いときもあります。ゲーミングノートPCなどで採用される高性能モデルと同等以上なのは驚きです。
熱のコントロールができないと性能を活かせない
Ryzen 7 4800Uほど性能の高いCPUになると熱のコントロールが必須となります。熱対策をしっかりと行わないとRyzen 7 4800Uの本来持つ性能を引き出せない可能性が高いです。一定の熱を持つとCPUのパフォーマンスを落として発熱量を制御します。こうなると当然スペック通りのパフォーマンスは発揮できません。
ただでさえノートパソコンは熱が苦手なデバイスなので気を使わなければいけません。この熱まで考えるなら下位のRyzen 7 4700Uの方が扱いやすく性能を活かしやすいと言えるかもしれません。特に夏場に外出先で空調が効いていない環境などでの使用があるのであればこの性能の高さがデメリットとなってしまいます。
国内で搭載モデルは販売されていない
非常に性能が高く魅力的なCPUなのですが、残念なことに国内ではRyzen 7 4800U搭載ノートパソコンは販売されていません。モバイル向けCPUの場合単体で購入してノートに取り付けるということはできません。つまり、この魅力的なCPUを体感することはできません。下位モデルである「Ryzen 7 4700U」の方がラインナップが豊富です。
海外では「Lenovo Yoga Slim 7」、「Lenovo IdeaPad S540 13」、「MSI Modern 14」などで採用されています。熱対策もばっちり行われていて価格は高めなようです。ただ、確認したところいずれのモデルも現在は品切れになっています。それだけ人気があるということでしょうか。今後国内で販売されることを期待したいですね。
2021年2月時点で一部代理店販売モデルが販売されています。主力モデルというわけではなく可もなく不可もなしといったところです。Ryzen 7 4700U搭載モデルと比較すると良いでしょう。
Ryzen 7 4800Uのベンチマーク
Cinebench R20
エンコード(Handbrake)
下位モデルであるRyzen 7 4700Uよりも8%高いです。前モデルのRyzen 7 3700Uよりも70%近く性能が伸びました。これはアーキテクチャの進化の結果だと言えます。
7-Zip
PCMARK
Photoshop
Ryzen 7 4800U搭載のおすすめBTOノートパソコン
IdeaPad S540 82DL002EJP(Lenovo)
価格:126,280円(税込)
液晶:13.3インチ
CPU:Ryzen 7 4800U
GPU:Radeon Graphics(CPU内蔵)
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、モバイル向けAMD第3世代RyzenシリーズのRyzen 7 4800Uの性能スペックについて紹介しました。省電力モデルを意味する「U」シリーズのフラグシップモデルです。8コア16スレッドと圧倒的なスペックを誇るモデルで競合はもはや省電力モデルではなくハイパフォーマンスモデルのHシリーズです。用途によってはRyzen 5 4600HやCore i7-10750Hなどのハイパフォーマンスをも圧倒する性能を持っています。
これだけ性能が高いと熱の問題はネックとなってしまいます。ある程度熱のコントロールができる環境でないと性能を発揮します。当然搭載モデルも高品質な冷却システムを備えた高価なモデルとなるでしょう。海外ではLenovoやMSIなどから販売されてますが、品切れとなっているようです。現在ヨドバシカメラなどで販売されているLenovoの代理店販売モデルが唯一のラインナップとなっているようです。気になる方はチェックしてみてください。
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