当記事では、「Radeon RX 5500 XTの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。ロークラスの性能はFULL HD環境に最適です。誰にとっても扱いやすいグラフィックボードというのが長所だと言えます。
ミドルクラスであることを考えると比較的手頃な価格帯のパソコンとの相性が良いです。性能的には競合のGTX 1650 Superに近いと考えて間違いありません。後継モデルは「Radeon RX 6500 XT」です。世界初の6nmプロセス採用のグラフィックボードです。性能的にはそれほど変わっていませんが、レイトレーシングに対応しています。
(+) FULL HDでのゲームプレイで60fpsを出せる性能
(+) RX 570と比較して性能面・省電力性の高さで大きく上回る
(-) 搭載モデルの数はそれほど増えずGTX 1650 Superが有利
目次
Radeon RX 5500 XTの総合性能
前モデルのRX 570と比較して15%以上性能がアップしています。エントリークラスのグラフィックボードでもここまで性能が引き上げられています。反対にRX 550やGTX 950などかつてのエントリークラスのグラフィックボードではゲームプレイへ対応するのが難しくなってきていると言えます。
Radeon RX 5500 XTの性能スペック紹介
RX 5500 XT | RX 5700 | RX 570 | |
---|---|---|---|
GPU | Navi 14 | Navi 10 | Polaris 20 |
プロセス | 7nm | 7nm | 14nm |
ダイサイズ | 158m㎡ | 251m㎡ | 232m㎡ |
トランジスタ数 | 6.4億 | 10.3億 | 5.7億 |
CUDAコア | 1408 | 2304 | 2048 |
ベースクロック | 1670MHz | 1465MHz | 1168MHz |
ゲームクロック | 1717MHz | 1625MHz | - |
ブーストクロック | 1845MHz | 1725MHz | 1244MHz |
VRAM | 4GB DDR6 | 8GB DDR6 | 4GB DDR6 |
メモリ帯域幅 | 224.0GB/s | 448.0GB/s | 224.0GB/s |
TDP | 130W | 180W | 150W |
公式価格 | $169 | $349 | $169 |
発売日 | 2019/12 | 2019/07 | 2017/04 |
また、GPUアーキテクチャの変更によってパワー効率のアップ及び省電力性の改善が見られます。まず、RX 570では2048のGPUコアが採用されていましたが、RX 5500 XTでは1408に留まります。クロック周波数が40-50%程度引き上げられているとは言えパフォーマンスの向上は眼を見張るものがあります。消費電力についても150W→130Wへと14%引き下げられました。
RX 5700になると価格差が$189もあることからわかる通りツーランク上の性能を持っています。GPUもNavi 10と上位モデルを採用。トランジスタ数を60%増やしてダイサイズも158m㎡→251m㎡へと大型化しています。CUDAコア数も60%以上向上しました。ベースクロック及びブーストクロックは引き下げられていますが、CUDAコアの数で圧倒しています。メモリ容量8GB、メモリ帯域幅448.0 GB/sと余裕があります。
Radeon RX 5500 XTってどんなグラフィックボード?
公式発表とは異なるスペックで登場
Radeon RX 5500 XTは、エントリークラスのグラフィックボードです。実際は公式発表よりも低い性能での登場となりました。公式ではGTX 1650 Superより安くかつ性能が高いということを謳っていたため当該モデルについて期待していました。実際の性能は同等以下で、ゲームタイトルによっては僅かに超えることはあっても基本的には性能は少し下回ります。
性能はやや波のあるAMD社特有の不安定さが気になります。GTX 1650と比べれば価格相応、GTX 1650 Superと比べれば魅力が薄いグラフィックボードです。価格に関しては単体での話であって、RX 5500 XT搭載パソコンの価格は割と抑えられているので価格という特徴を伸ばすことができれば人気も出てくるような気がします。
4GB/8GBの二種類のラインナップがある
Radeon RX 5500 XTにはVRAM 4GBと8GBのモデルがあります。当然メモリ容量の大きい8GBのモデルのほうが性能は高いです。しかしながら、国内では4GBが主流となりそうです。そしてミドルクラスの性能であるRX 5500 XTにとってメモリ容量が大きいことが必ずしもプラスに働くとは限りません。
メモリ容量を活かせる場面では性能が足りず、4GBよりはマシ程度に落ち着いてしまいそうです。また、4GBモデルより$30価格が上がってしまい、性能を比較する対象がGTX 1650 SuperからGTX 1660 になってしまう可能性があります。RX 5500 XTは優れていてグラフィックボードですが、比較対象のランクが上がってしまうと評価を大きく下げてしまいます。
ゲーム用途でなければ性能は発揮しやすいかもしれません。ただ、それならRX 5500 XTを選ぶ理由もなくなるので8GBモデルは省いて考えたいところです。価格がGTX 1650 Superより安くなりそうなRX 5500 XTは無難な選択肢となると思います。GTX 1650よりも性能は高いので価格次第では選択の利点が生まれるかもしれません。今現在では搭載モデルの数や価格も相まって微妙な立ち位置と言わざるを得ません。
現状あと一歩のグラフィックボード
あえてRX 5500 XT搭載モデルを選ぶメリットが薄いのは搭載モデルの数が少ないことにあります。まだまだ登場したてということもあるので仕方ない部分でもあります。ただ、搭載モデルの構成が限定されるなら選ぶ側が理想とするモデルも少ないことになります。セール対象にもなりにくいのでGTX 1650 Super同様になかなか輝け無いモデルになってしまうかもしれません。
そもそも、GTX 1650 Superの比較対象というのが何とも言えないところですね。フルHD環境で60fpsを出すことに決め打ちするなら適したグラフィックボードかもしれません。それ以上を求めるなら少し性能に不安があり、価格も定価$169とそこまで安いわけではありません。おそらく日本での販売価格は2万円台前半になります。AMD製のグラフィックボードを使用したい場合に限りおすすめできそうなライトミドルな製品です。
Radeon RX 5500 XT搭載PC使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測。フルHD/WQHD/4K+最高設定での計測を行っています。4GBと8GBの性能差やGTX 1650 Super、GTX 1660と比較してどうなっているのかを確認していきましょう。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assasin’s Creed Odyssey
Far Cry 5
Hitman 2
Boarderland 3
Metro Exodus
Radeon RX 5500 XTの消費電力&発熱
消費電力
温度
Radeon RX 5500 XT搭載のおすすめBTOパソコン
現時点で搭載モデルは販売されていません。今後ラインナップが追加されたら追記します。
Radeon RX 5500 XTはこんな方におすすめ!
登場して間もないモデルということもあり価格面を判断するのが難しいです。一つの基準としてはGTX 1650 Super搭載モデルよりも安いかどうかだと思います。仮にGTX 1650 Superより高い場合は安くなるまで待つかGTX 1650 Super搭載モデルを選んだほうが良いでしょう。8GBモデルの場合はGTX 1660との価格差がどのようになっているかです。少しでも安ければRX 5500 XT 8GBも視野に入れることができます。
安くて最低限ゲームに使用できる性能を持つグラフィックボードを求めている方にぴったりなグラフィックボードです。しかし、それはGTX 1650 Superにも言えることなのでRX 5500 XTだけが持つ特徴が見つからない今は率先して選ぶのは早計でしょう。
登場したての製品はセール対象にもなりにくいので、GTX 1660やGTX 1660 Superと同じ価格になってしまうと一気に魅力を失います。RX 5500 XTシリーズの登場を暖かく迎えつつ、来たるセールのときまでじっくり待つくらいが良さそうです。ただし、それもGTXシリーズにも言えることなので特別突き抜けた何かを持たなければなかなかおすすめしにくいです。
RX 5500 XTとGTX 1650 Super、RX 5500 XT 8GBとGTX 1660は性能も価格もとても近いです。RX 5500 XTが気になる人は同時にGTX 1650 Superが、RX 5500 XT 8GBが気になる人はGTX 1660が候補に挙がります。RX 5500 XTは単純にGTXシリーズの対抗製品として見ておくくらいが良いのではないでしょうか。
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CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |
当ページベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i9-9900K |
マザーボード | EVGA Z390 DARK |
メモリ | 16GB DDR4 |
SSD | 2x 960 GB SSD |
電源ユニット | Seasonic Prime Ultra Titanium 850W |
冷却システム | Cryorig R1 Universal 2x 140 mm fan |
ソフトウェア | Windows 10 64-bit |
ディスプレイ | Acer CB240HYKbmjdpr 24インチ |