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当記事では、「Radeon RX 6950 XTの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。AMDのグラフィックボードのラインナップにおけるマイナーチェンジモデルが登場しました。RDNA 2.0アーキテクチャのフラグシップモデルであるRadeon RX 6900 XTのクロック周波数及びメモリ周りを少しだけ強化したモデルとなっています。

グラフィックス処理性能ではNVIDIA製のGeForce RTX 3090に近く高いパフォーマンスを発揮します。純粋な処理性能だけを見ればコストパフォーマンスが高いです。レイトレーシング性能についてはそれほど性能が引き上げられず微増に留まります。NVIDIA製モデルとの差は大きいです。

(+) RTX 3090に近いグラフィックス処理性能を持つ
(+) 省電力性に長けている
(+) コストパフォーマンスは上々
(-) レイトレーシング性能はNVIDIA製モデルに劣る

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目次

Radeon RX 6950 XTのスペック紹介

RX 6950 XTRX 6900 XTRTX 3080 Ti
コードネームRDNA 2.0RDNA 2.0Ampere
GPUNavi 23Navi 23GA102
プロセス7 nm7 nm8 nm
トランジスタ数268.0億268.0億283.0億
ダイサイズ520 mm²520 mm²628 mm²
SM数808080
CUDAコア5120512010240
RTコア808080
Tensorコア--320
ベースクロック1925 MHz1825 MHz1365 MHz
ゲームクロック2116 MHz2015 MHz-
ブーストクロック2324 MHz2250 MHz1665 MHz
メモリ容量16 GB16 GB12 GB
メモリ規格GDDR6GDDR6GDDR6X
メモリ速度18.0 Gbps16.0 Gbps19.0 Gbps
メモリバス256 bit256 bit384 bit
メモリ帯域幅576.0 GB/s512.0 GB/s912.4 GB/s
Infinity Cache128 MB128 MB-
TDP335W300W350W
公式価格$1,099$999$1,199
発売日2022/05/102020/10/282021/05/31
Radeon RX 6950 XTのスペックを詳しく見ていきましょう。Radeon RX 6950 XTは、Radeon RX 6900 XTのマイナーチェンジモデルで基本的なアーキテクチャに変更はありません。上記テーブルで言えばコードネームからRTコアまでは共通です。ベースクロックは5%、ゲームクロックは4%、ブーストクロックは3%とそれぞれ高いです。

メモリ周りも少し変化が加えられています。メモリ容量及びメモリ規格は変わっていませんが、メモリ速度が12.5%速くなって18.0 Gbspとなっています。そのおかげでメモリ帯域幅が576.0 GB/sへと広くなりました。Infinity Cacheは128 MBと同じです。TDPが17%高くなり335Wとなっています。価格差は$100です。

競合モデルであるRTX 3080 Tiのスペックも最後に簡単に見ておきます。Ampere世代のモデルでGPUはGA102となっています。プロセスは8nmです。RTX 3080 Tiの方がトランジスタ数が5.6%多く、大サイズが20%大きいです。SM数は80と同じですが、CUDAコアはRTX 3080 Tiの方が多く倍の10240となります。もちろんアーキテクチャが異なるため性能差が2倍あるというわけではありません。

メモリ周りは両モデルで大きく異なります。RTX 3080 Tiは、GPUメモリ容量が12GBとRX 6950 XTよりも25%少なくなっています。メモリ規格はRTX 3080 Tiの方が上でGDDR6Xを採用しています。メモリ速度もRTX 3080 Tiの方が速く19.0 GB/sとなります。メモリ帯域幅もRTX 3080 Tiの方が広く912.4 GB/sです。RX 6950 XTよりも60%近くも広くなっています。RX 6950 XTは、このメモリ帯域幅の差をInfinity Cacheでカバーしています。TDPはRTX 3080 Tiの方が4%大きく350Wとなっています。価格差は$100でRTX 3080 Tiの方が高いです。

Radeon RX 6950 XTってどんなグラフィックボード?

RTX 3090に匹敵するグラフィックス処理性能を誇る

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Radeon RX 6950 XTは、NVIDIAのハイエンドクラスのRTX 3090に匹敵する性能を持つグラフィックボードです。従来モデルのRadeon RX 6900 XTよりも5%程度性能が高くなりました。RX 6950 XTよりも$100高いRTX 3080 Tiよりも性能が高いのは評価できます。4K解像度でのゲームプレイやWQHD環境での高リフレッシュレートでのゲームプレイを考えている方向けです。GPUメモリ容量が大きくクリエイター作業にも適していますね。

一方で、レイトレーシング性能についてはRTX 3080 Tiよりも大きく劣ります。下位モデルのRTX 3070 Ti/RTX 3070でさえも下回ります。レイトレーシング性能を重視したい方は同価格帯のNVIDIA性グラフィックボードを選択しておくと良いですね。

省電力性の高いグラフィックボード

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Rdeon RX 6950 XTは、省電力性の高いグラフィックボードです。RTX 3090に近い処理性能を持っているにもかかわらず最大消費電力は6%程度抑えられています。RTX 3080 Tiと比べても5%程度低いですね。発熱量もそれほど高くなくそれほどPCケースや電源ユニットに気を使う必要はありません。

ただし、マルチモニター環境ではRTX 3090よりも85%程度消費電力が高いのは気になるところです。また、オリジナルのRadeon RX 6900 XTと比べると省電力性はやや劣ってしまいます。スペックを引き上げた分だけ消費電力は高くなってしまいました。バランスだけを考えるとRadeon RX 6900 XTの方が完成されていると言えます。

単体のモデルとしてコストパフォーマンスはまずまず

  • RTX 3090:207,064円~
  • RX 6950 XT:167,800円~
  • RTX 3080 Ti:154,000円~
  • RX 6900 XT:151,517円~

現在の単体での国内価格を見るとRTX 3090よりも20%程度安く購入できます。レイトレーシングについては考えず純粋なグラフィックス処理性能だけを見ればコストパフォーマンスは高いです。まだ発売されてそれほど時間が経過していないこともあってやや割高ですが、時間が経てばRTX 3080 Tiの価格差も小さくなるのではないかと思います。

レイトレーシング性能まで考慮すればRTX 3080 Tiを選ぶ方が良いと思います。一方で、搭載モデルになるとRTX 3090搭載モデルよりも高くなる傾向にあります。BTOメーカーからゲーミングPCの購入を検討中の方はやはりRTX 3080 Ti搭載モデルを選択しましょう。Radeon RX 6950 XTはかなり選択の難しいモデルだと言えるかもしれません。

Radeon RX 6950 XT搭載PC使用時のフレームレート一覧

実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測しています。FULL HD環境、WQHD環境、4K環境の3つのパターンでのfpsをまとめています。

*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。

Far Cry 6

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Radeon RX 6900 XTよりも最大で6%程度高いフレームレートを計測しました。4K解像度ではRTX 3090を上回るフレームレートとなっています。FULL HD環境ではRTX 3090よりも4%程度劣りますが、このグラフィックボードのメインターゲットが4KとなりますのでRTX 3090と同等の性能を持つと判断して良いと思います。WQHD環境でも1%程度劣っていますね。

Hitman 3

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RX 6900 XTよりも最大4%程度フレームレートが高いです。例に漏れず4Kでの性能差が最も大きくなります。Far Cry 6と比べると性能差は小さいですね。RTX 3090と比べるとFULL HD環境でこそ劣るもののWQHD環境以上の解像度では上回っています。最大で8%程度となります。純粋なグラフィックス処理性能の高さは本物ですね。

Borderlands 3

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Borderlands 3ではRX 6900 XTよりも5%-9%程度フレームレートが高いです。クロック周波数の引き上げとメモリ周りの強化がばっちりとはまっていますね。競合モデルのRTX 3090と同等のフレームレートです。ただし、FULL HD環境とWQHD環境ではそれぞれ9%程度フレームレートが低いです。高解像度でのゲームプレイが前提となっているためそれほど気にしなくても良いでしょう。

Radeon RX 6950 XTのレイトレーシング性能

Control

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レイトレーシング性能はやはり苦戦しています。RX 6900 XTよりも最大9%程度フレームレートが上がっているもののWQHD環境以上でのゲームプレイは厳しいです。FULL HD環境では74.6fpsとまずまずのフレームレートが出ていますが、レイトレーシングOFFの時よりも50%以上もフレームレートが低下しています。RTX 3090 Tiの落ち幅が40%程度なので厳しいですね。

Far Cry 6

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Far Cry 6ではNVIDIA製グラフィックボードよりも高いフレームレートを計測しています。RTX 3090よりも最大12%もフレームレートが高いです。RX 6900 XTよりも最大8%高くマイナーチェンジながら十分な性能を持っています。RTを有効化してもそれほどパフォーマンスが低下することなくFar Cry 6はレイトレーシングによる負荷が小さいタイトルだと言えます。

Cyberpunk 2077

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Cyberpunk 2077ではFULL HD環境でも40.9fpsとやや厳しい結果となっています。NVIDIA製グラフィックボードとのフレームレートの差が大きいですね。やはりレイトレーシングが第二世代目のNVIDIA製モデルは有利です。RX 6900 XTよりも最大6%高くなったものの快適にゲームをプレイできるわけではありません。レイトレーシング性能を重視したい方はRTX 3080 Ti以上のモデルを選択する方が良いでしょう。


Radeon RX 6950 XT搭載のおすすめBTOパソコン

FRGHB550/695(フロンティア)

FRGH670C価格:379,800円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:Radeon RX 6950 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載

公式
サイドクリアガラスパネル採用でデザイン性に優れています。CPUにRyzen 7 5700Xを搭載した一台です。8コア16スレッドと最低限必要な性能を持っていますが、フラグシップモデルのRX 6950 XTに合わせるには物足りないですね。価格を抑えるという意味では有効です。少しでも高いフレームレートを出したいならRyzen 9シリーズやCore i9シリーズを選択するのが吉です。メモリ32GB、SSD 1TBとかなり構成は充実しています。動画編集などのクリエイター作業を行う方にもおすすめです。

GALLERIA ZA9R-695XT 5900X搭載(ドスパラ)

GALLERIA RM5C-R36T価格:539,980円(税込)
CPU:Ryzen 9 5900X
GPU:Radeon RX 6950 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載

公式
ドスパラのミドルタワーケースを採用したモデルです。税込50万円オーバーと価格は高いです。Ryzen 9 5900Xを搭載したゲーミングPCです。12コア24スレッドとマルチスレッド性能が高いです。ゲーム実況などの作業にも適しています。メモリ16Gb、SSD 1TBと構成も平均以上です。

GALLERIA ZA9C-695XT(ドスパラ)

GALLERIA RM5C-R36T価格:549,980円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:Radeon RX 6950 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe Gen4
HDD:非搭載

公式
CPUにはIntel第十二世代のフラグシップモデルであるCore i9-12900Kを搭載しています。16コア24スレッドと高いスペックを持ちRyzen 9 5950Xでさえも上回る性能を持っています。ゲーミングCPUとしての評価も高いです。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も十分でしょう。価格がかなり高いので選びづらさがあります。

当記事のまとめ

管理人管理人

Radeon RX 6950 XTの性能スペック&搭載BTOパソコンについて紹介しました。Radeon RX 6950 XTは、Radeon RX 6900 XTのマイナーチェンジでクロック周波数が少し高くなって、メモリ周りに変化が加えられています。Radeon RX 6900 XTよりもおよそ5%高い処理性能を持っています。RTX 3090に近い性能を持っていて4K解像度でのゲームプレイに最適です。

消費電力がRX 6900 XTよりも10%以上高くなっているため省電力性という観点では見劣ります。それでもRTX 3090よりも消費電力は抑えられていて合格ラインではないかと思います。搭載BTOパソコンの価格はRTX 3080 Ti搭載モデルよりも高く選びづらいです。今後価格が下がるまで待つのが良いと思います。単体のグラフィックボードとしては比較的価格が抑えられいて購入しやすいと思います。今は自作ユーザー向けのモデルだと言えます。

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