画像引用元:https://www.asrock.com/
当記事では、「Intel Arc A380の性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。ついにIntelがグラフィックボードを市場に投入しました。NVIDIAやAMD以外では数十年ぶりの新興勢力の誕生です。Intelのラインナップでは5つのモデルが投入される予定で、Intel Arc A380は下から二番目のモデルです。
競合モデルはGeForce GTX 1650やRadeon RX 6400となります。ロークラスの性能で価格を抑えたいユーザー向けのモデルだと言えます。レイトレーシング対応やAV1エンコードサポートと魅力的な機能もあります。その他デメリットを含めて詳しく見ていきましょう。
(+) 最新のIntel製グラフィックボード
(+) GTX 1650など競合モデルと同等の性能を持つ
(+) レイトレーシングに対応している
(+) AV1エンコードをサポートしている
(-) Resizable BARがないとゲーム性能が落ちる
(-) ドライバーの不安定さがある
(-) コストパフォーマンスはイマイチ
(-) 搭載BTOパソコンのラインナップは限定的
目次
Intel Arc A380の性能スペック紹介
GeForce製グラフィックボードと比較
Arc A380 | GTX 1650 | |
---|---|---|
コードネーム | Alchemist | Turing |
GPU | DG2-128 | TU117 |
プロセス | 6nm | 12nm |
トランジスタ数 | 72億 | 47億 |
ダイサイズ | 157 mm² | 200 mm² |
SM数 | 8 | 14 |
CUDAコア | 1,024 | 896 |
RTコア | 8 | - |
Tensorコア | 128 | - |
ベースクロック | 2000 MHz | 1485 MHz |
ブーストクロック | 2450 MHz | 1665 MHz |
メモリ容量 | 6GB | 4GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR5 |
メモリ速度 | 15.5 Gbps | 8.0 Gbps |
メモリバス | 96 bit | 128 bit |
メモリ帯域幅 | 186.0 GB/s | 128.1 GB/s |
TDP | 75W | 75W |
バスインターフェース | PCIe 4.0 x8 | PCIe 3.0 x16 |
動画エンコード | AV1 VP9 H.265 H.264 | H.265 H.264 |
出力 | 1x HDMI 2.1 3x DisplayPort 2.0 | 1x DVI 1x HDMI 2.0 1x DisplayPort 1.4a |
公式価格 | $149 | $149 |
国内価格 | - | 24,800円~ |
発売日 | 2022/06/14 | 2019/04/23 |
SM数は8で、CUDAコアは1,024となっています。GTX 1650よりもCUDAコアが13%程度多いです。RTコア及びTensorコアを搭載しているのは強みです。ベースクロックはArc A380の方が35%高く、ブーストクロックArc A380の方が48%高いです。GPUメモリはGDDR6 6GBを搭載しています。この性能帯で6GBは大容量ですね。メモリ速度は15.5 Gbps、メモリバスは96 bitです。メモリ帯域幅186.0 GB/sとGTX 1650よりも45%広いです。
バスインターフェイスはPCIe 4.0×8です。動画エンコードはAV1やVP9もサポートしています。出力はHDMI 2.1×1とDisplayPort 2.0×3となっています。公式価格は$149でGTX 1650と同じです。プロセス・RTコア/Tensorコア・GPUメモリ・動画エンコード・バスインターフェイスなど最新モデルらしい部分がありますが、性能的には大きく変わりません。
AMD製グラフィックボードと比較
Arc A380 | RX 6400 | |
---|---|---|
コードネーム | Alchemist | RDNA 2.0 |
GPU | DG2-128 | Navi 24 |
プロセス | 6nm | 6nm |
トランジスタ数 | 72億 | 54億 |
ダイサイズ | 157 mm² | 107 mm² |
SM数 | 8 | 12 |
CUDAコア | 1,024 | 768 |
RTコア | 8 | 12 |
Tensorコア | 128 | - |
ベースクロック | 2000 MHz | 1923 MHz |
ゲームクロック | - | 2039 MHz |
ブーストクロック | 2450 MHz | 2321 MHz |
メモリ容量 | 6GB | 4GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ速度 | 15.5 Gbps | 16.0 Gbps |
メモリバス | 96 bit | 64 bit |
メモリ帯域幅 | 186.0 GB/s | 128.0 GB/s |
Infinity Cache | - | 16MB |
TDP | 75W | 53W |
バスインターフェース | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x4 |
動画エンコード | AV1 VP9 H.265 H.264 | - |
出力 | 1x HDMI 2.1 3x DisplayPort 2.0 | 1x HDMI 2.1 1x DisplayPort 1.4a |
公式価格 | $149 | $159 |
国内価格 | - | 19,800円~ |
発売日 | 2022/06/14 | 2022/04/20 |
GPUメモリ容量はArc A380の方が50%多くなっています。メモリ速度はRX 6400の方が少しだけ早いですが、メモリバスはArc A380の方が優れています。結果的にメモリ帯域幅Arc A380の方が45%広いです。RX 6400にはL3キャッシュに当たるInfinity Cacheを搭載していてメモリ帯域幅の狭さをカバーします。TDPはRX 6400の方が30%程度抑えられていて省電力性が高いです。
バスインターフェイスはArc A380ではPCIe 4.0×8とRX 6400よりも優れています。RX 6400では動画のエンコードサポートがないのが弱みです。モニター出力もHDMI 2.1×1とDisplayPort 1.4a×1と2つのみです。価格はArc A380の方が$10安いです。国内の実売価格では発売から時間が経過していることもあってRX 6400の方が安くなる可能性があります。Arc A380はまだ国内での購入はできません。
Intel Arc A380ってどんなグラフィックボード?
競合モデルと同等のグラフィックス処理性能を持つ
Intel Arc A380は、ロークラスのグラフィックス処理性能を持つグラフィックボードです。同価格帯のRadeon RX 6400やGeForce GTX 1650と同等の性能を持っています。FULL HD環境で標準設定を基準とすれば十分にゲームプレイに対応できます。価格を考えると期待に応えられているのではないかと思います。2022年に発売のモデルとしてはやや物足りないかもしれません。
考え方によっては3年以上前に発売されたモデルと同等の性能を持つに留まるということです。また、レイトレーシング・DLSSに対応しているもののパフォーマンスが高いわけではありません。それでもRadeon RX 6400よりも適正が高いです。この価格帯のモデルでレイトレーシング性能を重視される方はいないでしょう。
注意点としてIntel Arc A380は、Resizable BARと呼ばれる機能の有効化が必須です。この機能を有効化しない場合極端にフレームレートが落ち込んでしまうため必ずBIOSから有効化しましょう。それはベンチマークを見れば明らかです。設定の難易度はそれほど高くありません。
AV1及びVP9ハードウェアエンコード/デコードに対応している
Intel Arc A380の強みはAV1及びVP9のハードウェアアクセラレーションに対応していることにあります。GPUを活用することでCPUだけで行うよりもより効率的に作業を行えます。GTX 1650やRX 6400などを含めてNVIDIA/AMDのラインナップではどれも対応していません。
RX 6400に至ってはH.265やH.264にも対応していないですね。今のところはH.264が主要なコーデックですが、近い将来YoutubeやTwitchなどではAV1に対応していくのではないかと考えられています。将来性を考えるとIntel Arc A380は魅力的な選択肢となります。
ドライバーの不安定さがネックとなる
Intel Arc A380の弱みはドライバーの不安定さにあります。うまくパソコンが起動しないなどの問題が発生する可能性があります。それでも改善してきていますので時間が経てば解決するのではなかと思います。NVIDIAやAMDと違って新しいグラフィックボードメーカーになりますので温かい目で見守る必要があります。
こういった不安定さで心が折れない人でなければ素直にGTX 1650やRX 6400を選択した方が良いですね。ゲームプレイにおいてもタイトルによっては不安定な挙動を見せることがあります。特にマイナーなタイトルをプレイする予定の方は注意しなければいけません。
Intel Arc A380搭載PC使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測しています。FULL HD環境、WQHD環境の2つのパターンでのfpsをまとめています。すべて最高設定です。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Far Cry 6
Hitman 3
Borderlands 3
Elden Ring
Cyberpunk 2077
Intel Arc A380のその他ベンチマーク
レイトレーシング-Metro Exodus
レイトレーシング-Far Cry 6
消費電力
Intel Arc A380搭載のおすすめBTOパソコン
G-Tune PL-B-A380(マウスコンピューター)
価格:159,800円(税込)
CPU:Core i5-12400
GPU:Intel Arc A380
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
DAIV Z3-A380(マウスコンピューター)
価格:179,800円(税込)
CPU:Core i5-12400
GPU:Intel Arc A380
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:1TB
DAIV Z3-A380 (プレミアムモデル)(マウスコンピューター)
価格:229,900円(税込)
CPU:Core i7-12700
GPU:Intel Arc A380
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:512GB NVMe
HDD:1TB
当記事のまとめ
当記事では、Intel Arc A380の性能スペック&搭載BTOパソコン紹介について紹介しています。Intel Arc A380は、Intelが新たに市場に投入した新しいグラフィックボードです。このモデルの登場でゲーマーの方はNVIDIA・AMDに次いで三番目の選択肢が増えたことになります。
Intel Arc A380はエントリークラスのグラフィックボードでGTX 1650やRX 6400などと同等の処理性能を持っています。ゲームプレイなら設定次第で十分対応可能です。搭載BTOパソコンはそれほど多くありません。コストパフォーマンス的にもやや見劣りしてしまいますね。
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CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |
当ページベンチマークテスト環境
GPU | GeForce RTX 3080 |
マザーボード | DDR5:ASUS Z690 Maximus Hero DDR4:ASUS Z690 STRIX-A Gaming D4 |
メモリ | DDR5-6000 32GB DDR4-3200 32GB |
SSD | Neo Forza NFP065 1 TB M.2 NVMe SSD |
電源ユニット | Seasonic SS-860XP |
冷却システム | Arctic MX-5 |
ソフトウェア | Windows 11 Professional 64-bit |