当記事では、Core i7-12700Kの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しています。Alder Lake世代におけるCore i7シリーズ最上位モデルが発売されました。12コア20スレッドと高いスペックを持っています。Rocket Lake世代のCore i7-11700K(8コア16スレッド)よりも15%以上もパフォーマンスが向上していて新しい世代のCPUに期待が持てます。
競合モデルのRyzen 7 5800Xを大幅に上回るパフォーマンスを発揮します。AMDの一強になっていたCPU市場においてこのモデルの投入は大きいですね。ユーザーにとっても改めてIntel製CPUを選ぶ理由が生まれます。ネックとなる消費電力もフラグシップモデルのCore i9シリーズに比べると抑えられていて選びやすいと思います。
(+) 12コア20スレッドと大幅にスペックアップ
(+) コストパフォーマンスが高いCPU
(+) i9-12900Kよりもパワー効率に優れている
(+) 搭載モデルのラインナップが豊富
(-) Ryzen 9 5900Xよりも消費電力が高い
(-) LGA1700対応マザーボードが必要
Core i7-12700Kの基本スペック
世代 | 第12世代 |
アーキテクチャ | Alder Lake |
コア/スレッド数 | 12(8+4) / 20(16+4) |
定格クロック(P) | 3.60 GHz |
最大クロック(P) | 4.90 GHz |
定格クロック(E) | 2.70 GHz |
最大クロック(E) | 3.80 GHz |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 |
L3キャッシュ | 25MB |
PBP | 125W |
MTP | 190W |
価格 | $419 |
目次
Core i7-12700Kのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◎ | ☆ | ☆ | ☆ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ◎ | ☆ |
Alder Lake世代CPUの概要
IntelはAlder Lake世代で初めてメインストリームのデスクトップ向けCPUに10nmプロセス(Intel 7)を採用しました。Intel 7という名称から想像できる通りAMDが採用している7nmプロセスに匹敵する高い性能を持っています。Rocket Lake世代までおよそ6年も使用していた14nmプロセスからようやく解き放たれました。プロセスの微細化によって、パワー効率アップ・省電力性の向上・機能の追加などのメリットを享受できます。
また、今世代からハイブリッドコアアーキテクチャを採用しています。パフォーマンスコア(Pコア)とエフィシェンシーコア(Eコア)の2つのコアを搭載しているのが特徴です。用途に合わせてOS側で自動的に使い分けてくれます。14nmプロセスのままではスペース的にも余裕がなく実現できなかったでしょう。これもプロセスの微細化によって実現したアーキテクチャだと言えますね。
Golden Coveという名称が与えられたPコアは、Skylakeコアと比べIPCが28%も改善していて前世代のCypress Coveコアと比べても19%も改善されています。このPコアはゲームプレイなど負荷の掛かる用途で活躍します。一方で、Gracemontと名付けられたEコアは、Atomに起源を持ち省電力性に優れたコアです。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用することでマルチスレッド性能と省電力性のバランスを取った形になっています。
新しいプロセッサーになってCPUソケットが「LGA1700」へと変更になりました。DDR5メモリサポートやPCIe Gen 5対応など次世代のI/Oを採用しています。Core i7-12700Kを購入するにあたってマザーボードを変更する必要がありますので注意してくださいね。旧モデルのDDR4メモリにも対応していますが、その際にはDDR4メモリに対応したマザーボードを選択しなければいけません。
Core i7-12700Kのスペック比較
Intel製CPUと比較
i7-12700K | i9-12900K | i7-11700K | |
---|---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Alder Lake | Rocket Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 14nm |
コア | 8(P)+4(E) | 8(P)+8(E) | 8 |
スレッド数 | 20 | 24 | 16 |
定格クロック(P) | 3.6GHz | 3.2GHz | 3.6GHz |
最大クロック(P) | 4.9GHz | 5.2GHz | 5.0GHz |
定格クロック(E) | 2.7GHz | 2.4GHz | - |
最大クロック(E) | 3.8GHz | 3.9GHz | - |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 25MB | 30MB | 16MB |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 750 |
メモリタイプ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
PBP | 125W | 125W | 125W |
MTP | 190W | 241W | 251W |
価格 (実売価格) | $419 (57,000円) | $599 (80,000円) | $409 (45,000円) |
発売日 | 2021年11月04日 | 2021年11月04日 | 2021年3月30日 |
定格クロックはどちらも同じ3.6GHzで、最大クロックはCore i7-11700Kの方が2%高いです。Golden Coveになり19%もIPCが改善されているためクロック周波数が抑えられていても同等以上の性能を持っています。EコアはAlder Lake世代から初めて搭載されました。定格クロックは2.7GHz、最大クロックは3.8GHzとスペックは抑えられています。省電力性に特化したコアです。どちらもオーバークロックに対応しています。
L3キャッシュ容量も50%以上アップして25MBとなりました。CPU内蔵グラフィックスもUHD Graphics 750からUHD Graphics 770へとアップグレードされました。グラフィック周波数が少しだけ高くなっています。メモリタイプはCore i7-12700Kでは新しいDDR5-4800までサポートしています。PBPは125Wと共通で、MTPは24%ダウンの190Wとなっています。価格差は$10です。実売価格では12,000円程度の差がありますね。
上位モデルであるCore i9-12900Kと比較していきます。Core i9-12900Kは16コア24スレッドとCore i7-12700Kよりもさらにスペックが高いです。Pコア・Eコアのフルスペックバージョンということになりますね。Pコアの定格クロックはCore i7-12700Kの方が12%高く、最大クロックはCore i9-12900Kの方が7%高いです。Eコアでも定格クロックはCore i7-12700Kの方が13%高く、最大クロックはCore i9-12900Kの方が3%高いです。もちろんCore i9-12900Kもオーバークロック対応です。
L3キャッシュ容量は30MBとCore i7-12700Kよりも20%多いです。メモリタイプは共通です。PBPは125Wと変わりありませんが、MTPは26%も高いです。価格差は$180で、実売価格は23,000円の差があります。
AMD製CPUと比較
i7-12700K | 7 5800X | |
---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Zen 3 |
プロセス | 10nm | 7nm |
コア | 8(P)+4(E) | 8 |
スレッド数 | 20 | 16 |
定格クロック(P) | 3.6GHz | 3.8GHz |
最大クロック(P) | 4.9GHz | 4.7GHz |
定格クロック(E) | 2.7GHz | - |
最大クロック(E) | 3.8GHz | - |
オーバークロック | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 25MB | 32MB |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 | - |
メモリタイプ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
TDP | 125W | 105W |
TDP(PL2) | 190W | - |
価格 (実売価格) | $419 (57,000円) | $399 (48,000円) |
発売日 | 2021年11月04日 | 2020年11月05日 |
スペック的には8コア16スレッドとなっています。Core i7-12700Kは、12コア20スレッドと大幅に強化されました。Ryzen 7 5800Xよりもコアが50%多く、スレッドも25%多いです。定格クロックはRyzen 7 5800Xの方が6%高く、最大クロックはCore i7-12700Kの方が5%高いです。Ryzen 7 5800XにはEコアに該当するコアは搭載されていません。Ryzen 7 5800Xもオーバークロックに対応しています。
L3キャッシュ容量はRyzen 7 5800Xの方が多く32MBとなっています。Ryzen 7 5800XにはCPU内蔵グラフィックスが搭載されていません。ここはCore i7-12700Kの強みだと言えます。TDPはCore i7-12700Kの125Wに対してRyzen 7 5800Xは105Wと16%も消費電力が抑えられています。価格差は$20でCore i7-12700Kの方が高く、実売価格ではCore i7-12700Kの方が9,000円高いです。
Core i7-12700KってどんなCPUなの?
Ryzen 7 5800Xを圧倒するパフォーマンスを持つ
Core i7-12700Kは、競合であるRyzen 7 5800Xよりも15%もパフォーマンスが高くなっています。$400という価格帯で最強のCPUを上回るのは圧巻です。Intelが期待以上の製品を投入したことになります。これまで動画編集・画像編集といったクリエイター作業で大幅に遅れを取っていましたが、しっかりと上回る性能を持っています。
上位モデルのRyzen 9 5900Xに匹敵するほどです。ゲーミング性能も高くRyzen 9 5900Xを上回ることも多いです。10nmプロセスとハイブリッドコアアーキテクチャの組み合わせでここまで性能が高くなるとは思いませんでしたね。ユーザー目線で言えば非常に好ましい状況だと思います。
パワー効率に優れたモデル
Core i7-12700Kは、Alder Lake世代の中でもパワー効率に優れたCPUの一つです。Core i7-11700Kよりも35%も消費電力が抑えられています。性能が15%程度高いことを考慮すると50%近くもパワー効率が高くなっていることになります。上位モデルのCore i9-12900Kになると一気に消費電力が33%も増えてしまいます。性能差は10%前後なのでパワー効率はやや見劣りします。
グラフィックボード非搭載BTOパソコンも選択可
ハイクラスのCPUとしては珍しくグラフィックボード非搭載モデルを選択することができます。ドスパラやパソコンショップセブンではCPU内蔵グラフィックスのみのモデルを販売中です。ゲームプレイや3D CADSなどの使用を考えていない方におすすめです。CPU内蔵グラフィックスにはUHD Graphics 770を搭載していて一般的な用途で十分な性能を持っています。
Core i7-12700Kの高い性能に魅力を感じる方にとって価格を抑えられるというメリットがあります。動画編集・画像編集・WEBデザインがメインの方におすすめです。もちろんブラウジングやオフィスソフトの使用でも恩恵があります。現在パソコンを使用していて重さを感じてしまう方は買い替えを検討してみてください。
もちろんゲーミングPCやクリエイターPCなどグラフィックボードを搭載してモデルのラインナップも豊富です。上位モデルのCore i9-12900Kに匹敵するラインナップです。各BTOメーカーが力を入れているモデルです。
Core i7-12700Kのベンチマーク
Cinebench R23
Adobe Photoshop
Premiere Pro CC
動画エンコード
Zipファイル
Core i7-12700Kのゲーミング性能
Borderlands 3
Far Cry 5
Metro Exodus
Core i7-12700K搭載のおすすめBTOパソコン
SR-ii7-9160H/S7/W10(セブン)
価格:172,480円(税込)
CPU:Core i7-12700K
GPU:UHD Graphics 770
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
Monarch ZE(ドスパラ)
価格:199,980円(税込)
CPU:Core i7-12700K(水冷)
GPU:UHD Graphics 770
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
LEVEL-R969-LC127K-RBX(パソコン工房)
価格:241,980円(税込)
CPU:Core i7-12700K(水冷)
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
G-Tune EN-Z-3060Ti(G-Tune)
価格:241,980円(税込)
CPU:Core i7-12700KF(水冷)
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:2TB
GALLERIA ZA7C-R38 RTX3080 12G搭載(ドスパラ)
価格:329,980円(税込)
CPU:Core i7-12700K(水冷)
GPU:GeForce RTX 3080 12GB
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Alder Lake世代の上位モデルであるCore i7-12700Kの性能スペック及び搭載BTOぱそこんについて紹介しました。従来モデルのCore i7-11700Kから大幅にスペックが引き上げられて12コア20スレッドとなりました。マルチスレッド性能が大幅に向上して動画編集などの用途でもしっかりとパフォーマンスが伸びています。
同じ価格帯のRyzen 7 5800Xの性能を大きく上回りRyzen 9 5900Xと競えるほどです。ゲーミング用途でも高いパフォーマンスを発揮します。搭載BTOパソコンの中にはグラフィックボード非搭載モデルもあります。CPU性能だけを必要とする方も選びやすいモデルだと言えます。
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