当記事では、「Core i5-10400の性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。Intel第十世代のCore i5シリーズが登場しました。定価は$182とRyzen 5 3600と競合する立場です。国内での販売価格も落ち着き購入しやすくなっています。
予算を抑えてPCを自作したいという方や安価なパソコンの購入を考えている方は必見です。前世代のCore i5-9400とは違って6コア12スレッドというスペックでハイパースレッディングに対応しています。それによってパフォーマンス向上が見込めます。
なお、CPU内蔵グラフィックスレスモデル(末尾F)なら10%程度安く購入することができます。このFモデルは第九世代のCoffee Lakeから始まっています。コストを抑えられるためグラフィックボード搭載を考えている方におすすめです。後継モデルはRocket Lake世代の「Core i5-11400」です。
Core i5-10400の基本スペック
世代 | 第10世代 |
開発コード | Comet Lake |
コア/スレッド数 | 6 / 12 |
クロック周波数 | 2.90 GHz |
ブーストクロック | 4.10 GHz |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 |
TDP | 65W |
発売日 | 2020年5月20日 |
価格 | $182 |
目次
Core i5-10400のおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◎ | △ | ◯ | ◯ | ☆ | △ | ◯ |
価格が手頃な分Core i7シリーズと比べて購入しやすいのが魅力です。ゲームプレイを考えている場合Core i7ではなくこのCore i5-10400を選択してグラフィックボードに費用を掛けるというのも一つの方法です。どのようなゲームをプレイするのかを基準に考えると良いでしょう。
動画編集やゲーム実況など比較的負荷の高い作業は苦手です。4K解像度での動画編集や高解像度でのゲーム実況になるとやや性能不足になってしまいます。そのようなケースではCore i5-10600K以上を選択することを推奨します。Core i7シリーズならより好ましいです。
Core i5-10400のスペック比較
Intel製CPUと比較
i5-10400 | i7-10700 | i5-9400 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Comet Lake | Comet Lake | Coffee Lake-R |
プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 | 6/6 |
ベースクロック | 2.9Ghz | 2.9Ghz | 2.9Ghz |
最大ブーストクロック | 4.3Ghz | 4.8Ghz | 4.1Ghz |
Turbo Boost 2.0 *1 | 4.3Ghz | 4.7Ghz | 4.1Ghz |
Turbo Boost Max 3.0 *2 | 非対応 | 4.8Ghz | 非対応 |
Thermal Velocity Boost *3 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
L3キャッシュ | 12MB | 16MB | 9MB |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 |
メモリタイプ | DDR4-2666 | DDR4-2933 | DDR4-2666 |
最大メモリ幅 | 41.6 GB/s | 45.8 GB/s | 41.6 GB/s |
TDP | 65W | 65W | 65W |
価格 | $182 (19,500円) | $323 (38,000円) | $182 (20,500円) |
発売日 | 2020年5月20日 | 2020年5月20日 | 2019年7月5日 |
*2 2つのコアについてクロック周波数をさらに引き上げられる機能です。Turbo Boost 2.0よりもさらに一段階クロック周波数が高くなります。
*3 1つのコアについてクロック周波数を最大限まで引き上げられる機能です。温度が70℃以下でかつTurbo Boost Max 3.0の条件を満たす必要があります。
Core i5-9400と比べてベースクロックは同じ2.9GHzです。最大ブーストクロックは4.1GHz→4.3GHzへと引き上げられています。L3キャッシュも9MB→12MBへと33%高くなっています。メモリ規格には変更がありません。アーキテクチャはCore i5-9400と同じですが、スペック的には高くなっていると考えて間違いありません。
上位のCore i7-10700と比べていきます。プロセスは14nmで共通しています。Core i7-10700になるとコア/スレッドが33%ずつ多くなり8コア16スレッドとなります。ベースクロックは同じで最大ブーストクロックは4.3GHz→4.8GHzへと10%以上引き上げられています。さらに、Turbo Boost Max 3.0に対応しているのも強みです。より高負荷な作業への適性が上がります。メモリ規格もDDR4-2933にアップグレードされています。その点はしっかりとCore i5-10400との差別化が行われています。
AMD製CPUと比較
Core i5-10400 | Ryzen 5 3600X | Ryzen 5 3600 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Comet Lake | Zen 2 | Zen 2 |
プロセス | 14nm | 7nm | 7nm |
コア/スレッド | 6/12 | 6/12 | 6/12 |
ベースクロック | 2.9Ghz | 3.8Ghz | 3.6Ghz |
ターボクロック | 4.3Ghz | 4.4Ghz | 4.2Ghz |
L3キャッシュ | 9MB | 32MB | 32MB |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 | 非搭載 | 非搭載 |
メモリ | DDR4-2666 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPUクーラー | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
TDP | 65W | 95W | 65W |
価格 | $182 (19,500円) | $249 (33,000円) | $199 (26,500円) |
発売日 | 2020年5月20日 | 2019年07月07日 | 2019年07月07日 |
ベースクロックはRyzen 5 3600が3.6GHzとCore i5-10400の2.9GHzよりも25%高いです。一方、ターボクロックはCore i5-10400の方が0.1GHz高くなっています。L3キャッシュについてはRyzen 5 3600が32MBとCore i5-10400の9MBを圧倒しています。
Core i5-10400には、CPU内蔵グラフィックスが搭載されています。自作PCなどでコストを下げるという面では優位性があります。メモリ規格についてはRyzen 5 3600がDDR4-3200と上位モデルを採用しています。CPUクーラーはどちらも搭載されています。消費電力も同じ65Wに抑えられています。
ここに来てRyzen 5 3600の価格が跳ね上がっていて購入しにくい状況となっています。Core i5-10400の方が7,000円程度安く購入することができます。性能が似ているなら価格が安い方が魅力的に映るでしょう。この辺りはベンチマークを参考に用途に合わせて選択すると良いですね。
Core i5-10400ってどんなCPUなの?
6コア12スレッド採用で高い性能を持つ
Core i5-10400は、Core i5シリーズながらハイパースレッディングに対応したことで前世代のモデルよりも高いパフォーマンスを発揮します。前世代のCore i5-9400と比べておよそ30%程度のパフォーマンス向上を見込むことができます。比較的マルチスレッド性能が重要となる動画編集やRAW現像への適性も上がったと考えて良いですね。
アーキテクチャ及びプロセスは前世代と共通していても明らかにスペックの底上げが行われています。ハイパースレッディング対応や最大クロック周波数を引き上げたことからもわかります。L3キャッシュもAMD製CPUに合わせて33%引き上げて12MBとなりました。Core i5-10400を含めたIntel製CPUのパフォーマンスアップはRyzenシリーズのおかげとも言えるかもしれません。
競合モデルであるRyzen 5 3600との性能差は20%程度です。動画編集や画像編集などのクリエイター作業では見劣りしてしまいますが、ゲームプレイでは高い適性を持っています。用途によって得意なことが変わると考えて良いと思います。
Turbo Boost Max 3やTVBには対応していない
Intel第10世代の新しい機能であるTurbo Boost Max 3とTVB(Thermal Velocity Boost)が非対応となっているのはデメリットと言えます。これらの機能は熱や消費電力がうまくコントロールされている状況下においてクロック周波数を引き上げることができるというものです。つまり、パフォーマンスの向上に繋がる機能というわけです。
Intelは各Core iシリーズでの差別化のために対応範囲を限定しています。例えば、Turbo Boost Max 3はCore i7以上、TVB(Thermal Velocity Boost)はCore i9以上に限定されています。AMD製CPUがこのような制限を加えていないこととは対照的です。
結果的にRyzen 5 3600に性能面で追いついたとは言ってもエンコードなどを始めとしていくつかのベンチマークでは負けています。1年前に登場したCPUも追い越せなかったのは致命的だと言えます。イチユーザーとしてやはり対応していて欲しかったというのが本音です。AMDが第四世代Ryzenシリーズをリリースするとより有利な立場になる可能性があります。
低価格帯のBTOパソコンを支える存在になる
Core i5シリーズの廉価モデルであるCore i5-10400は、低価格帯のBTOパソコンを支える存在になることは間違いありません。前世代のCore i5-9400が税抜6万円台であったことを考えると同じ立ち位置になるでしょう。グラフィックボード搭載のゲーミングPCでも10万円以下で購入できました。そういう意味ではCore i5-10400の存在意義は大きいです。
今は登場したばかりということもあって割高に設定されています。しかし、これから夏に掛けて第9世代CPU搭載モデルが消えて第10世代CPUに切り替わっていくでしょう。そうなれば当然価格も落ち着いていくことになりますので、Core i5-9400と同じように低価格帯=Core i5搭載モデルという図式が成り立つでしょう。
発売から半年以上の時間が経過しました。ゲーミングPCでもCore i5-10400搭載モデルが人気です。RTX 3070と合わせて13万円台のモデルもあるぐらいです。最近はグラフィックボードの性能が上がりCPUとGPUのバランスを考えることが少なくなってきたように思います。
Core i5-10400のベンチマーク
Cinebench R20
上位のCore i5-10600Kとの差は10%程度です。Ryzen 5 3600との差は縮まっていますが、それでも16%程度の差があります。シングルスレッド性能でも8%と開いています。このスペックの差が実際のソフトウェアなどで縮まるのかどうかが重要です。
7-Zip
エンコード
Core i5-10400のゲームプレイ時のフレームレート
Metro Exodus
Far Cry 5
Shadow of the Tomb Raider
Core i5-10400搭載のおすすめBTOパソコン
Magnate IM 10400搭載(ドスパラ)
価格:57,000円
CPU:Core i5-10400
GPU:UHD Graphics 630
メモリ:DDR4 16GB
SSD:250GB
HDD:非搭載
電源:450W 80PLUS
mouse DT5-MGZN
価格:64,800円
CPU:Core i5-10400
GPU:Intel UHDグラフィックス
メモリ:8GB
SSD:256GB
HDD:1TB
Magnate MH(ドスパラ)
価格:69,980円
CPU:Core i5-10400
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 16GB
SSD:250GB
HDD:非搭載
電源:400W 80PLUS
G-GEAR GA5J-C201/T(TSUKUMO)
価格:81,637円
CPU:Core i5-10400
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
電源:450W BRONZE
LEVEL-M046-iX4-RJS(パソコン工房)
価格:92,980円
CPU:Core i5-10400
GPU:GeForce GTX 2060 Super
メモリ:DDR4 16GB
SSD:480GB
HDD:非搭載
電源:500W BRONZE
当記事のまとめ
当記事では、Core i5-10400の性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。Core i5-10400は、Core i5-9400の後継モデルでコスパの高さから人気があります。プロセスは同じ14nmでCoffee Lake世代と共通です。アーキテクチャーが大きく変わったということはありません。
それでも今世代からハイパースレッディング対応となったのが大きいポイントです。Core i5-10400も6コア12スレッドとなり15%程度パフォーマンスが向上しています。競合のRyzen 5 3600に近づいたと言えます。動画編集などクリエイター向けのCPUとしても通用します。
搭載BTOパソコンは低価格が魅力のモデルになると考えられます。グラフィックボードレスモデルなら5万円台で購入することができます。今後は4万円台まで落ちる可能性もあります。グラフィックボード搭載モデルでも8万円台と手頃です。上位のCore i7シリーズよりも手を出しやすいのが人気の秘密です。
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