画像引用元:https://www.pc-koubou.jp/
当記事では、「Ryzen 7 3700Xの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。Ryzen 7 2700Xの後継モデルです。Zen 2アーキテクチャを採用しています。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高いCPUとなっています。
前世代と同じく多くの用途で高い性能を発揮しコストパフォーマンスの高いCPUです。現行のCPUの中でも特に高い注目を集めていて、搭載ゲーミングPCのラインナップも豊富です。後継モデルは、「Ryzen 7 5800X」となっています。Zen 3アーキテクチャになりより高い性能を期待できます。さらにその下位モデルである「Ryzen 7 5700X」も登場しました。Ryzen 7 5800Xよりも価格が安くコストパフォーマンスに優れています。
目次
Ryzen 7 3700Xのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◎ | ◯ | ◎ | ◎ | ☆ | ◯ | ◎ |
Ryzen 7 3700Xの基本スペック
性能とスペック比較
7 3700X | 9 3900X | 7 2700X | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 2 | Zen 2 | Zen + |
コードネーム | Matisse | Matisse | Pinnacle Ridge |
プロセス | 7nm | 7nm | 12nm |
トランジスタ数 | 38億 | 76億 | 48億 |
ダイサイズ | 74 mm² | 148 mm² | 192 mm² |
コア/スレッド | 8/16 | 12/24 | 8/16 |
ベースクロック | 3.6GHz | 3.5GHz | 3.7GHz |
ターボクロック | 4.4GHz | 4.7GHz | 4.3GHz |
内蔵GPU | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
L3キャッシュ | 32MB | 64MB | 16MB |
TDP | 65W | 105W | 105W |
単体価格 | $329 | $499 | $329 |
搭載PC価格(参考) | 139,980円~ | 169,980円~ | 99,980円~ |
発売日 | 2019年07月07日 | 2019年07月07日 | 2018年04月19日 |
コア/スレッド数は同じで、ベースクロック及びターボクロックはほぼ同等です。しかし、実際にはIPCの改善もあって20%以上の伸びを見せています。省電力性にも長けています。L3キャシュ容量も倍増の32MBに到達しています。消費電力が105W→65Wとなっているのは驚きです。これはすべてRyzen第3世代で採用されたZen 2というアーキテクチャ及びプロセス縮小のおかげです。また、IPC(1クロック当たりの命令数)性能を高めパワー効率が大幅に引き上げられました。
上位モデルのRyzen 9 3900Xになるとトランジスタ数は二倍になります。ダイサイズもちょうど二倍ですね。コア/スレッドがそれぞれ50%ずつ引き上げられて12コア24スレッドとなります。ベースクロックはRyzen 7 3700Xの方が3%高く、ターボクロックはRyzen 9 3900Xの方が7%高いです。L3キャッシュ容量も倍の64MBとなります。TDPは60%アップの105Wとなります。価格差は$170です。
Ryzenの性能を活かす動画のエンコードなどではRyzen 9 3900Xは非常に優秀です。しかし、Ryzen 7 3700Xも性能では及ばずながらも匹敵する力を見せています。Ryzen 7 3700Xが税込み4万円ちょっと、Ryzen 9 2900Xが6万円を超えるているのでコストパフォーマンスはRyzen 7 3700Xのほうが高いと言えるでしょう。搭載モデルも安く、様々なモデルに実装されるRyzen7 3700XはRyzenシリーズを代表するモデルとなり、最も人気の高いCPUとなれます。
Ryzen 7 3700Xはとても優れたCPUであることは分かると思います。上位のRyzen 9 3900Kと比べても遜色無い性能、そして価格は2万円も安い。Ryzen 7 3700Xはただコストパフォーマンスが良いというわけではありません。手頃な値段でトップ争いを繰り広げる性能が何よりの魅力です。今AMD製CPUを選ぶなら間違いなくRyzen 7 3700Xでしょう。
Intel製CPUとの比較
7 3700X | i9-9900K | i7-9700K | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 2 | - | - |
コードネーム | Matisse | Coffee Lake-R | Coffee Lake-R |
プロセス | 12nm | 14nm | 14nm |
トランジスタ数 | 38億 | - | - |
ダイサイズ | 74 mm² | - | - |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 8/8 |
ベースクロック | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.6GHz |
ターボクロック | 4.4GHz | 5.0GHz | 4.9GHz |
内蔵GPU | 非搭載 | UHD 630 | UHD 630 |
L3キャッシュ | 32MB | 16MB | 12MB |
TDP | 65W | 95W | 95W |
単体価格 | $329 | $499 | $385 |
搭載PC価格 | 139,980円~ | 118,980円~ | 89,980円~ |
発売日 | 2019年07月07日 | 2018年10月19日 | 2018年10月19日 |
値段の近いCore i7-9700Kは凌駕しています。Core i7-9700Kはハイパースレッディングに対応しておらず8コア8スレッドとなっています。ベースクロックはどちらも3.6GHzで、ターボクロックはCore i7-9700Kの方が12%高いです。L3キャッシュ容量はRyzen 7 3700Xの40%程度に留まります。価格差は$56でRyzen 7 3700Xの方が安価です。
注意が必要なのはRyzen 7 3700X搭載モデルとi7-9700K搭載モデルではRyzen 7 3700Xのほうが価格が高くなることがあります。CPU単体ではRyzen 7 3700Xかもしれませんが、搭載モデルで見ればi7-9700Kやi9-9900Kのほうが安く購入できるのは珍しくありません。性能順に見ていくと下記のとおりです。
- 総合性能はRyzen 7 3700X、i9-9900K、i7-9700K
- 動画のエンコードもRyzen 7 3700X、i9-9900K、i7-9700K
- ゲームではi9-9900K、Ryzen 7 3700X、i7-9700K
競合であるi9-9900Kに対して、ゲーム以外では上回ることもあれば下回ることもあります。しかし価格が近いi7-9700Kに対しては圧倒的に強く、ゲームでも非凡な力を発揮させます。自作を行うのであればRyzen 7 3700Xはとても良く、i9-9900Kやi7-9700KはBTOパソコンでコストパフォーマンスが良くなります。
Ryzen 7 3700Xを搭載しているパソコンが少ないこと、高い性能を保持するCPUなのでゲーミングやクリエイティブな用途に適したパソコンにしか採用されないことが少しネックでしょうか。ただ、これからもっともっと伸びてくるはずですので、今が急成長真っ盛りのCPUです。
Ryzen 7 3700XってどんなCPUなの?
8コア16スレッドの高パフォーマンスCPU
Ryzen 7 3700Xは、4万円前後という価格帯で8コア16スレッドを実現した多機能CPUです。競合と比較しても多数搭載されたコアとスレッドが性能や処理速度につながり、快適な動作を約束してくれることになります。その性能の高さは既にトップクラスにまで登り詰めて上位モデルすら脅かし、Ryzen第3世代の強力さを大きくアピールしています。品切れになってしまうのも無理もないですね。
負荷の高い場面ではRyzen 9 3900Xには当然及びません。それでも、負荷がそれほど掛からない場面では最上位モデルのRyzen 9 3900Xを凌駕します。これはRyzen 9 3900Xに性能のムラがあるということを意味します。一方で、Ryzen 7 3700Xは安定した性能で、競合CPUすら寄せ付けない圧倒的なCPUになりつつあります。
ここまで褒めちぎることができるCPUも珍しいです。i9-9900Kに追いつきそうな性能、i7-9700Kと同じくらいの値段、どんな用途にも対応できる万能性。例え何をするにしても、これを選んでおけば問題ないでしょう。あとはもう少しだけ価格が下がり始めればRyzen 7 3700Xを搭載したパソコンの価格も安くなりそうです。今一番注目されていて話題になっている人気のCPUは評判に偽り無しですね!
クリエイティブ作業からゲームまで対応できる
ゲームに編集、クリエイティブな用途に何でも高水準で対応できます。特に動画のエンコードはAMDが得意としていて動画の編集を行う人ならまず最優先に選びたいですね。エンコード時間の短縮、安定した速度は画質維持やエラーの発生を防ぐことにもなります。
ゲームがやや苦手な傾向にありますが、それらのメリットを考えれば些末なことでしょう。ただ、ゲームをメインに動画を編集したりしないのであれば最優先というわけではありません。更にCPU単体でなくゲームをプレイするためにパソコンを購入するときは特に注意が必要です。
これだけ優れた製品で価格も安いのにも関わらず、Intel製CPU搭載パソコンよりも高価になる場合があります。そのショップの傾向が大きく出る部分ですので、AMD製のCPUを搭載したパソコンは知識が無いと基準を設けにくく選びづらい一面があります。CPU単体では優秀なAMD製CPUも、搭載しているパソコンとなると無難なintel、高性能で特異なAMDという形になってしまいます。もっともRyzen 7 3700Xは多少高くても手に入れる価値のあるCPUです。
内蔵GPU非搭載で価格が微増する
intel製CPUにも末尾「F」(例:i7-9700KF,i9-9900KF)となるCPUには、オンボードGPU機能がありません。比較に出てきたものは末尾「K」ですのでGPU機能が搭載されています。正直CPU内臓のGPU機能はそこまで高性能ではありません。
ただ、内蔵GPUが無い場合はグラフィックボードが必須となりますので、CPU+グラフィックボードの費用がかかります。ゲームや3Dグラフィック等を扱う用途ではグラフィックボードは搭載されています。一方でビジネスモデルにはグラフィックボードを搭載するモデルはあまりありません。
ですのでRyzen 7 3700X搭載モデルはほとんどがゲーミングPCなどにカテゴライズされたグラフィックボード搭載のパソコンとなっていることでしょう。
ベンチマークでわかるRyzen 7 3700Xの性能!
Cinebench R20
動画エンコード
動画編集を趣味や仕事で行っている方の強い味方になることは間違いありません。Ryzen 7 3700Xは、Ryzen 7 2700Xと比較して27%程度伸びています。競合のCore i7-9700Kを寄せ付けず20%近く性能を引き離しています。Core i9-9900Kよりも8%-9%程度上回っています。
Battlefield Ⅴ
Farcry 5
Ryzen 7 3700Xの消費電力&温度
消費電力
温度
Ryzen 7 3700X搭載のおすすめBTOパソコン
Lightning AH(ドスパラ)
価格:104,980円
CPU:Ryzen 7 3700X
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:非搭載
HDD:1TB
GALLERIA AT(ドスパラ)
価格:129,980円
CPU:Ryzen 7 3700X
GPU:GeForce GTX 1660 Super
メモリ:DDR4 8GB
SSD:500GB
HDD:2TB
G-GEAR GA7A-F194/T(TSUKUMO)
価格:159,800円
CPU:Ryzen 7 3700X
GPU:GeForce RTX 2070 Super
メモリ:DDR4 16GB
SSD:NVMe 500GB
HDD:2TB
当記事のまとめ
当記事ではRyzen7 3700Xの性能及びベンチマークを紹介しました。今AMD製CPUで人気No.1のモデルとなっています。コストパフォーマンスに優れているのが特徴です。スペックで上回るCore i7-9700Kよりも定価で$56も安いのは魅力的です。この価格でハイパースレッディングに対応というのは高評価です。フラグシップモデルのCore i9-9900Kと同等のスペックを誇ります。
BTOパソコンでも評価が高まっています。Intel製CPUを搭載したパソコンよりも高い支持を得ています。次世代のCPUが登場するまではRyzenの時代が来るかもしれません。そんな期待を持つには十分すぎる性能です。ただし、ゲーミングCPUとしての評価はやや低くIntel製CPUに劣ります。
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当ページのベンチマーク計測のテスト環境
マザーボード | ASRock Z370 |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
SSD | Crucial MX300 750 GB |
電源ユニット | Seasonic SS-860XP |
冷却システム | Noctua NH-U14S |
ソフトウェア | Windows 10 64-bit |