当記事では、「パソコンの電源ユニットとは何か」について解説しています。電源ユニットはPCパーツの中では比較的理解しやすいパーツではないかと思います。簡単に言うと電源ユニットはマザーボード・CPU(マザボ経由)・メモリ(マザボ経由)・グラフィックボードなどのパーツに電源を供給してくれるパーツです。全身に血液を送る心臓に例えることができるでしょう。電源ユニットがないとパソコンが起動することはありません。
電源ユニットはそれぞれ容量や規格が異なり構成パーツなどに合わせて選択する必要があります。一般的なパソコンであれば300W-500Wでも十分ですが、ハイエンドなゲーミングPCなら1000W以上の容量が必要となることもあります。パソコンを自作したり、パソコンをカスタマイズしたりする上でどのぐらいの容量が必要な知りたい方や単純に知識を得たい方向けのコンテンツです。基本的なことをまとめていますので、初心者の方でも理解しやすいと思います。
目次
パソコンの電源ユニットって何?
画像引用元:https://www.kuroutoshikou.com/
パソコンの電源ユニットとは、コンピューターの各パーツに電源を供給するハードウェアの一つです。電源ユニットには、電源と各パーツを接続するためのケーブルが付属しています。このケーブルを通してマザーボード、グラフィックボード、HDD(SSD)、光学ドライブ等のハードと電源ユニットを接続して電気を供給します。CPU・メモリについてはマザーボードを介して電源が供給されます。
また、電源ユニットには交流電圧(AC)をパソコンでも利用することができる低電圧直流電圧(DC)に変換する役割があります。日本で一般的な家庭に供給される電源はAC電源となっています。一方で、パソコンを含むほとんどの家電はDC電圧です。そのためAC→DCへと変換しないと使用できなくなっているのです。
電源はあまり重要視されることがないパーツです。パソコンを購入する際にも電源についてそれほど意識しないのではないでしょうか。完成品のパソコンの場合必要十分な電源が選択されているので特別気にする必要はがないからです。グラフィックボードやCPUとは違い電源ユニットは裏から支えてくれます。なかなか表に出てくることはありませんが、システムの安定性に直結するので電源供給は非常に大切です。
万が一電源容量が不足してしまうと突然パソコンの電源が落ちてしまったり、動作が不安定になってしまったりと様々な症状が現れます。オーバースペックになる程の性能を持つ電源ユニットを搭載する必要はありませんが、少し余裕を持たせるのが良いでしょう。電源に余裕があれば将来的にパーツの換装にも対応しやすくなります。投資する価値のあるパーツだと言えます。コストとの兼ね合いで選択してくださいね。
BTOパソコンと電源
BTOパソコンにも当然電源ユニットが搭載されています。基本的にはデフォルトで搭載されているもので不満を感じることはありません。CPU・グラフィックボード・メモリ・ストレージ・RGB対応ファンなど元々の構成から大きく変更する場合は電源ユニットもそれに合わせて変更することを検討しましょう。実は電源ユニットはゲーミングPCやクリエイターPCで最もカスタマイズされる項目の一つとなっています。初期構成の電源+αだと安心感がありますね。費用は掛かりますが、それに見合う価値があります。
製品ページのスペック・仕様で確認しよう
製品ページを見ればどのような電源ユニットが採用されているのかがわかる上記のmouse DT5の例だと350W 80PLUS BRONZEという電源ユニットが採用されていることがわかります。ビジネスモデルであればこのぐらいの容量・規格で十分です。メーカー名は記載されていないのでマウスコンピューターのオリジナル品ということになりますね。場合によっては既製品で在庫状況に合わせて変更されるというケースもあります。80PLUS認証については次の項目で解説しています。
電源ユニットのブランド
カスタマイズの幅が広く様々なブランドや性能を持つ電源から選択することができます。通常標準搭載の電源は各BTOメーカーのオリジナル品でブランド名が無記名となっています。もちろんだからといってメーカー品と比べて品質が劣るということはありません。下記にBTOメーカーで採用されることの多い電源ユニットのメーカー(オリジナル品以外)について紹介しています。
ブランド名
- オウルテック
- 玄人志向
- SILVERSTONE
- Enhance
- CORSAIR
電源のワット数(出力)は350W~800Wが多い
電源にはワット数というものがあります。これは電源のパワーを表す単位です。もちろん数字が多ければ多いほどより多くの電源を各パーツに供給することができます。一般的には350W前後、高性能マシーンなら500W以上あるのが好ましいです。中には800W以上の電源を搭載しているものもあります。
パソコンのパーツで多くの電力を必要とするのはグラフィックボードとCPUです。最近は技術の進歩によってグラフィックボードやCPUの省電力化が進んでいます。それでも高性能なパーツを搭載するとより高いワット数の電源ユニットが必要になります。例えば高性能なグラフィックボードが必要となるゲーミングPCやクリエイターPCなどがその代表です。また、次に解説している電力の効率についても知っておくと良いでしょう。
80PLUS認証電源がおすすめ
激安BTOパソコン以外は80PLUS認証の電源を採用していることが多くなっています。上記のような80PLUS認証の表記があるものを見たことはありませんか?80PLUS認証とは、電源効率を表していて最低でも80%以上の効率で電源供給をすることができるということです。
電源ユニットから供給される電力には、パソコンの各パーツへの電源供給への過程で無駄になってしまう電力があります。80PLUS認証の電源ユニットは、この無駄になる電力が20%以下であることを示していて、安定していることの証明にもなります。
各80PLUS認証の電源効率一覧
型番/負荷 | マーク | 20% | 50% | 100% |
---|---|---|---|---|
80PLUS STANDARD | 80% | 80% | 80% | |
80PLUS BRONZE | 82% | 85% | 82% | |
80PLUS SILVER | 85% | 88% | 85% | |
80PLUS GOLD | 87% | 90% | 87% | |
80PLUS PLATINUM | 90% | 92% | 89% | |
80PLUS TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
例えば、最大出力500Wで80PLUS SILVERの電源があるとします。500Wの電源でも電源効率という仕組み上500W全ての力を発揮することはできません。500Wの電源で500Wの消費電力をカバーすることはできないのです。ここに少し余裕を持たせた電源選びが大切だという理由があります。
電源効率が良い電源ユニットがもたらす恩恵
熱を持ちにくい
電源効率が良い電源ユニットの場合、パソコン作業を行っている上で無駄なエネルギーを発することが少なくなります。つまり、発熱量を抑えることができ電源ユニット自体が熱を持ちにくくなります。熱はパソコンの天敵です。特に夏場は熱によってパフォーマンスが低下してしまうこともあります。
質の高い電源ユニットを搭載しているパソコンは長く使用できます。高品質な電源とエアフローの改善で鬼に金棒です。CPUクーラーやケースファンなどへの予算を削減することもできますね。電源ユニットは費用対効果の大きいパーツだと言えます。
静音性に優れている
上記の熱を持ちにくいということからパソコンに搭載されているファンの稼働が抑えられて静音性が高くなります。場合によってはファン自体の数を減らすこともできるかもしれません。その結果パソコンの静音性につながることになります。音のしないパソコンは高級感が出ますね。パソコンの発する音が苦手な方もいらっしゃるでしょう。寝ている間も電源をつけっぱなしにすることが多い方にとってもメリットですね。
電気代が安くなる
変換効率が良いと少ない電力でパソコンに十分なパワーを供給できます。80PLUSではない電源から80PLUS認証の電源へ交換すると年間数百円程度は節約できるでしょう。長い目で見れば節約できる金額は大きいです。規格のアップグレードも有効です。電源ユニットへの投資は賢い判断になる可能性が高いです。極端にオーバースペックのモデルを選ぶというよりも少し余裕を持たせてあげることがおすすめです。BTOパソコンでカスタマイズするユーザーが多いことも納得です。
当記事のまとめ
当記事では電源ユニットとは何かについて解説しました。電源ユニットとは、パソコンの各パーツに電源を供給するパーツのことです。マザーボード・CPU・グラフィックボード・ストレージ・光学ドライブなどのパーツは電源が供給されて初めて機能します。また、もう一つ重要な役割があります。それは家庭の電圧であるAC→パソコンの電源DCに変換する役割も持っています。
高品質な電源を搭載していれば高性能なパーツを搭載しても安定した稼働が実現します。また、電源効率の高いモデルを選択すれば熱の発生を抑えられます。高性能なゲーミングPCではGOLDやPLATINUM認証の高規格モデルが採用されています。一般的なビジネスモデルなら300W-500Wぐらいあれば十分カバーできます。電源ユニットは、パソコンにおいてとても重要な役割を果たしていると言えます。
合わせて読みたい記事一覧
売れ筋BTOパソコンをチェック
当サイトの人気記事一覧
- クリエイターPCおすすめランキング【2022年】
- おすすめゲーミングPCランキング-ゲーミングPCマガジン
- BTOパソコンのレビュー・評判 | 当サイト紹介PC一覧表
各BTOメーカーのクリエイターブランドの中からおすすめのモデルをピックアップしています。デスクトップとノートパソコンをそれぞれランキング形式で紹介しています。高性能なモデルが揃っているのでプロフェッショナルの方にもおすすめです。
おすすめのゲーミングPC及びゲーミングノートPCを紹介しています。ゲーミングPCマガジンはゲーミングPCに特化したカテゴリーです。
当サイトでレビューをしているモデルを一覧表でまとめています。モデルごとの評価でソートできるのでどのモデルが良いのか判断しやすいと思います。
あなたに合うBTOパソコンを探す
用途などでBTOパソコンを選ぶ
セール | 使用用途 |
GWセール、年末セール等 | ビジネス、動画編集等 |
即納 | サイズ・形状 |
ドスパラの即納モデル等 | 15.6インチノート、スリムタワー等 |
BTOパソコン特徴やショップを比較
価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |