rxvega64
画像引用元:https://www.amazon.co.jp/

管理人管理人

当記事では、「Radeon RX Vega 64の性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。ついに野心的なRadeon Vegaグラフィックスアーキテクチャーが表舞台に立ち、ゲーマーの手に渡る準備ができたということです。このアーキテクチャー自体2017年初めにプロ向けのグラフィックボードのRadeon Pro Vega Frontier Editionとしてデビューしていました。

そして今回ついに一般消費者向けのモデルが登場したということです。ハイクラスのグラフィックボードはNVIDIAの独壇場となっていましたので、このモデルのリリースは気になりますね。競合モデルであるGTX 1080とどのぐらい肩を並べられるのかに注目して見ていきましょう。前評判として消費電力の高さと価格の高さがネックとなりそうです。後継モデルは、「Radeon RX 5700 XT」です。待望のNaviアーキテクチャを採用したグラフィックボードで高いパフォーマンスを発揮します。性能的にはハイクラス相当です。

(+)AMDがハイエンドGPUをついに発売
(+)GTX 1080に匹敵する高いパフォーマンスを持つ
(-)消費電力がかなり大きい
(-)グラフィックボード単体が10万円近くで高い
(-)BTOメーカーの取り扱いラインナップが少ない

目次

Radeon RX Vega 64の性能スペック紹介

Radeon RX Vega 56との比較

RX Vega 64RX Vega 56R9 Fury X
コードネームVega 10Vega 10Fiji
プロセス14nm14nm28nm
ダイサイズ484mm2484mm2596mm2
トランジスタ数125億個125億個89億個
CUDAコア4096基3584基4096基
ベースクロック1247MHz1156MHz1000MHz
ブーストクロック1546MHz1471MHz-
VRAM8GB HBM28GB HBM24GB HBM1
メモリクロック945 MHz800 MHz500 MHz
メモリバス2048 bit2048 bit4096 bit
メモリ帯域幅483.8 GB/s409.6 GB/s512 GB/s
TDP295W210W275W
公式価格$499$399$650
発売日2017/82017/82015/6
RX Vega 64の性能スペックを見ていきましょう。比較対象に選んだのは旧型のRadeon R9 Fury Xと下位モデルのRadeon Vega 56です。およそ2年前に登場したハイエンドグラフィックボードであるR9 Fury Xと比べると確かに進化しました。まずプロセスが28nmから半分になり、ダイサイズも約20%縮小しています。これによってパワー効率が大きく上がりました。それでもトランジスタ数は125億個と大幅に増えました。

クロック周波数を24%以上引き上げることができたのはこのプロセスの縮小が一役買っています。2年の空白を埋めるのに納得のできる進化だと思います。価格も$150も下がり評価できます。GPUメモリ容量が倍増の8GBとなり、さらにメモリ規格もHBM1からHBM2へと変わっていて性能に良い影響を与えています。HBM1と比べるとピン当たりの転送速度は2倍です。メモリ帯域幅については5%程度低くなっています。

下位モデルであるRadeon RX Vega 56と比較するとそれほど大きな違いはありません。当然同じプロセス・ダイサイズ・アーキテクチャを元に作られています。異なるのはCUDAコアやクロック周波数です。演算ユニットを8基無効化することで差別化を図っています。演算ユニットあたりのシェーダプロセッサ数は64基のため56×64=3584基です。Radeon RX Vega 64ではフルスペックの64基で、64×64=4096基です。4K解像度を考えなければRX Vega 56でも十分な性能を持っています。

ベースクロックが7%低く、ブーストクロックも8%低いです。メモリ周りについてはRadeon RX 56では少しダウングレードされています。GPUメモリ容量は同じ8GBですが、メモリクロック周波数が15%低くメモリ帯域幅は409.6 GB/sにとどまります。その分消費電力が抑えられていて210Wとなります。価格差は$100です。

Nvidia GTX 1080との比較

RX Vega 64GTX1080
コードネームVega 10Pascal
プロセス14nm16nm
ダイサイズ484mm2314mm2
トランジスタ数125億個72億個
CUDAコア4096基2560基
ベースクロック1247MHz1607MHz
ブーストクロック1546MHz1733MHz
VRAM8GB HBM28GB GDDR5
メモリ帯域幅483.8 GB/s320.3 GB/s
TDP295W165W
公式価格$499$499
発売日2017/82016/5
NVIDIA GeForce GTX 1080と比較していきます。両者を比較するとさすがに後発なだけありRadeon RX Vega 64の方が新しいと言えるスペックです。例えば、プロセスは16nm→14nmと縮小されていてトランジスタ数も多くなっています。ダイサイズに関しては4基のシェダーエンジンを搭載するという特徴から大きくなっています。CUDAコア数も大きくなっていますね。GTX 1080よりも60%近くも多いです。

メモリ規格についてはHBM2の方が優秀です。GDDR5に比べてHBM2は3.5倍電源効率が良く、さらに75%のサイズで済みコンパクトなのが魅力です。メモリ帯域幅が広いのもメリットです。気になるのは消費電力の差ですね。14nmプロセスを採用していても消費電力は295WとGTX 1080よりも80%程度も大きいです。電源ユニットやPCケースに注意しなければいけません。価格はどちらも$499です。

Radeon RX Vega 64ってどんなグラフィックボード?

AMDのハイエンドグラフィックボード!

rxvega64benchmark
Radeon Vega 64は、多くのAMD派の方が待ちに待ったハイエンドのグラフィックボードです。競合であるGeForce GTX 1080をターゲットにしたグラフィックボードだと言えます。あるいはその後リリースされたGTX 1070 Tiとなるかもしれません。AMDは2015年中旬にRadeon R9 Furyシリーズを発売してから2年以上ハイエンドのグラフィックボードを発売していませんでした。

その後のPolarisアーキテクチャは、2016年中旬にアッパーメインストリームのRadeon RX 480のみで期待はずれだったと言えます。主にNvidiaのミッドレンジのGP106シリコンのGTX 1060をターゲットとしていて、GTX 1080やGTX 1070に匹敵するモデルはありませんでした。2016年の冬休みにVegaシリーズがリリースされるのではないかと多くのゲーマーが期待していたものの結局その2クォーターに渡って発売されませんでした。そういう意味では非常に期待されているモデルだと言えます。

単体価格の高騰でコスパが悪い

Radeon RX Vega 64は、単体価格75,000円~と割高になっています。一方、ほぼ同じパフォーマンスを持つGeForce GTX 1080は62,000円~購入できます。そうなるとやはりGTX 1080の方がおすすめしやすいのが現実です。定価が同じにもかかわらず日本円でこれほど価格に違いが出ているのはマイナス評価です。

やはりGeForceに比べるともともと出荷数も少なく仕方のない部分だと思います。自作ユーザーの方はGeForce製のグラフィックボードを選択した方が良いでしょう。よほどAMD製モデルに思い入れのある方以外は避けた方が無難です。

BTOパソコンのラインナップが限定的

Radeon RX Vega 64を搭載したBTOパソコンのラインナップはほとんどありません。欲しくても購入しにくくなっています。ドスパラ、マウスコンピューター、パソコン工房、TSUKUMO、パソコンショップセブン、フロンティアなど多くのBTOメーカーがありますが、その中で当該モデルを取り扱っているのはパソコン工房のみとなっています。

カスタマイズで選択できるわけでもないので選択肢は狭まってしまいます。よほどこだわりがない限りGTX 1080やGTX 1070 Tiを選択肢に入れると良いでしょう。その後もラインナップが増えることなく消滅してしまいました。まだまだこの時期のRadeonシリーズは信頼性が低かったのかもしれません。

Radeon RX Vega 64のベンチマークを紹介

各タイトルについてWQHD及び4K解像度でのフレームレートを計測しています。すべて最高設定となっています。一般的には60FPS以上あると安定していると言われています。なお、60FPS以下でも設定を落とせば十分なフレームレートを出すことも可能です。

Battlefield 1(DirectX 12)

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Radeon RX Vega 64が、GTX 1080を超える性能を発揮しています。WQHDでは111.5fpsとずば抜けていると言えます。性能差は12%と大きいです。4K解像度でも60fpsを安定して出せているのは優れていますね。4K解像度では20%も性能差があります。AMD製グラフィックボードが得意とするタイトルです。下位モデルであるRadeon RX Vega 56も4K解像度ではGTX 1080を上回り健闘しています。前世代のRadeon R9 Fury Xと比べて30%以上パフォーマンスが向上しています。さすが満を持して登場したモデルなだけはあります。

DOOM(Vulkan)

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DoomでもRadeon RX Vega 64が高い性能となっています。WQHD環境で115.7fps、4K解像度でも61.9fpsと高いフレームレートを計測しました。次いでRadeon RX Vega 56、GeForce GTX 1080となっています。なお、Radeon R9 Fury Xと比べると30%高くなっています。さすが2年待たされただけありますね。

Civilization VI(DirectX 11)

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少しいびつな形になっています。GTX 1080やGTX 1070が4K解像度でも60fps以上のフレームレートを計測する一方、Radeon RX Vega 64やRadeon RX 56は大きく下回っています。さらに、WQHD環境ではRadeon RX 56の方が上回っています。最適化の問題かもしれずそれほど気にしなくても良いと思います。R9 Fury XともWQHD環境ではそれほど差は出ていません。

Grand Theft Auto V(DirectX 12)

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GTX 1080とRadeon RX Vega 64は均衡しています。ほぼ誤差の範囲と考えて良いでしょう。4K解像度でも快適にゲームプレイができますね。下位モデルのRadeon RX Vega 56との差は10%弱です。旧モデルであるRadeon R9 Fury Xと比較しても30%程度高いパフォーマンスを出しています。Radeonシリーズが復権しました。

Hitman(DirectX 12)

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HitmanでもRadeon X Vega 64はGTX 1080と同等のスコアとなっています。性能的にはやはり非常に近いということがわかります。特にRadeonは、DirectX12やVulkanなど最新のAPI技術に強くなっています。4K解像度でもある程度安心してゲームプレイができます。旧モデルのRadeon R9 Fury Xよりも他のタイトルと同様におよそ30%スコアが高いです。

Radeon RX Vega 64の消費電力&発熱

消費電力

rx64denryoku

Radeon RX Vega 64の弱点が消費電力の高さです。パフォーマンス面ではGTX 1080と均衡していることがわかりました。しかし、消費電力については2倍近くの消費電力となっています。つまり、Radeon RX Vega 64を搭載するなら電源ユニットにも気を配る必要があります。ここでもコストが掛かってしまうということになります。さらに、R9 Fury Xよりも30%ほど高いですね。クロック周波数を引き上げて無理やりパフォーマンスを高くした結果と言えるかもしれません。アーキテクチャ的な部分ではNVIDIA製グラフィックボードが先を行っています。

温度

rx64temp

温度に関してはややRX Vega 64が高いですがそれほど気にしなくても良いでしょう。ミニタワーでもミドルタワーでも十分カバーできる発熱だと思います。夏場はエアコンで部屋の温度管理をすることが大切です。


Radeon RX Vega 64はこんな方におすすめ!

管理人管理人

Radeon RX Vega 64は、AMD製のハイエンドグラフィックボードを待っていた方におすすめのモデルです。これまで長らくハイクラス以上のグラフィックボードのラインナップに空白がありましたが、Radeon RX Vegaの登場でついに埋めることができます。競合のGTX 1080と比べても同等のパフォーマンスを出しています。消費電力が高いというデメリットはありますが…

NvidiaのGeForce Pascalが2016年5月に出てから2年ちょっと経っていますので、すでにGeForceを購入した方も多いかもしれませんね。Radeon R9 380Xなど数世代前の昔のモデルから買い替えをずっと待っていた方には選択肢の一つとして良いでしょう。Radeon RX Vega 64搭載パソコンはラインナップが多くありませんので、自作ユーザーが対象となります。

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RTX 3070、RTX 3060等

当ページベンチマークテスト環境

CPUCore i7-7700K
マザーボードASUS Z270
メモリ16GB
SSDPatriot Ignite 960GB
電源ユニットAntec HCP-1200 1200W
冷却システムCryorig R1 Universal 2x 140 mm fan
ソフトウェアWindows 10 64-bit
ディスプレイAcer CB240HYKbmjdpr 24インチ
参照サイト:AMD Radeon RX Vega 64 8 GB Review (TECHPOWERUP)