当記事では、Ryzen 7 6800Uの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しています。Ryzen 7 5800Uの後継モデルが発売されました。Ryzen 7 6800Uは次世代モデルのZen 4ではなく、既存のZen 3のリフレッシュモデルでZen 3+と命名されています。Ryzen 7 5800Uと比べて大幅に性能が引き上げられたわけではありませんが、これから購入するならRyzen 7 6800Uを候補に入れると良いですね。
競合モデルであるIntel第十二世代Core iシリーズと比べても優位性があります。CPU内蔵グラフィックスの性能も高くクリエイター作業にも対応可能です。今回のアップグレードはグラフィックスの進化の方が大きいかもしれません。2022年7月時点で搭載モデルはLenovoからのみ販売されています。より豊富なラインナップから選びたいなら旧モデルのRyzen 7 5800U搭載モデルを見ておくと良いと思います。
Ryzen 7 6800Uの基本スペック
世代 | 第4世代 |
開発コード | Zen 3+ (Rembrandt) |
コア/スレッド数 | 8 / 16 |
クロック周波数 | 2.70 GHz |
ブーストクロック | 4.70 GHz |
内蔵グラフィックス | Radeon 680M |
TDP | 15W-28W |
価格 | - |
発売日 | 2022/01 |
目次
Ryzen 7 6800Uのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ | △ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◎ | × | ◎ | ◎ | ☆ | △ | ◎ |
CPU内蔵グラフィックスのRadeon 680Mはまずまずの性能を持っていますが、ゲーム・ゲーム実況・3D CADを行うには十分な性能を持っているとは言えません。これらの用途ではかなりの妥協が必要であることを理解しておきましょう。場合によってはデスクトップパソコンも検討しましょう。
Ryzen 7 6800Uのスペック比較
AMD製CPUと比較
Ryzen 7 6800U | Ryzen 7 5800U | |
---|---|---|
コードネーム | Zen 3+ (Rembrandt) | Zen 3 (Cezanne) |
プロセス | 6nm | 7nm |
トランジスタ数 | - | 107億 |
ダイサイズ | 208 mm² | 180 mm² |
コア/スレッド | 8 / 16 | 8 / 16 |
ベースクロック | 2.7GHz | 1.9GHz |
ターボクロック | 4.7Ghz | 4.4Ghz |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB |
メモリ規格 | DDR5-4800 LPDDR5-6400 | DDR4-3200 |
内蔵GPU | Radeon 680M | Radeon Vega 8 |
GPU EUs | 12 | 8 |
グラフィックス周波数 | 2.20 GHz | 2.00 GHz |
TDP | 15W-28W | 15W-25W |
発売日 | 2022/01 | 2021/01 |
単体価格 | - | - |
搭載PC価格 | 143,312円~ | 86,790円~ |
8コア16スレッドというスペックは共通です。ベースクロックは43%高く、ターボクロックも7%高くなっています。L3キャッシュは16MBと共通です。対応メモリはDDR4-3200からDDR5-4800・LPDDR5-6400へとアップグレードされています。データの転送効率が向上してさらに帯域幅も拡張されています。同じCPUなら当然DDR5メモリを搭載している方が性能的に有利になります。
内蔵GPUは大きく変わっています。Radeon Vega 8からRadeon 680Mへアップグレードされています。GPUの実行ユニットが8から50%アップの12となっています。また、グラフィックス周波数も10%引き上げられて2.20GHzです。TDPは15W-25Wから15W-28Wへと変更されています。搭載PCの価格差は大きいですね。ラインナップが増えてくればもう少し安くなるのではないかと思います。
Intel製CPUと比較
Ryzen 7 6800U | Core i7-1260P | |
---|---|---|
コードネーム | Zen 3+ (Rembrandt) | Alder Lake |
プロセス | 6nm | 10nm |
トランジスタ数 | - | - |
ダイサイズ | 208 mm² | - |
コア/スレッド | 8 / 16 | 12(4+8) / 16 |
ベースクロック | 2.7GHz | 2.1Ghz |
ターボクロック | 4.7Ghz | 4.7Ghz |
ベースクロック(E) | - | 1.5Ghz |
ターボクロック(E) | - | 3.4Ghz |
L3キャッシュ | 16MB | 18MB |
メモリ規格 | DDR5-4800 LPDDR5-6400 | LPDDR5-5200 DDR5-4800 LPDDR4x-4267 DDR4-3200 |
内蔵GPU | Radeon 680M | Iris Xe Graphics |
GPU EUs | 12 | 96 |
グラフィックス周波数 | 2.20 GHz | 1.40 GHz |
TDP | 15W-28W | 28W-64W |
発売日 | 2022/01 | 2022/02 |
単体価格 | - | $438 |
搭載PC価格 | 143,312円~ | 148,995円~ |
Eコア4つでPコア1つ相当のため、Ryzen 7 6800Uと同等のスペックだと考えられます。ベースクロックはRyzen 7 6800Uの方が30%高く、ターボクロックはどちらも4.7GHzと共通です。Core i7-1260PにはEコアがありベースクロック1.5GHz、ターボクロック3.4GHzとなっています。L3キャッシュはCore i7-1260Pの方が13%多く18MBです。
Core i7-1260PではDDR5メモリだけではなくDDR4メモリもサポートしています。DDR5のみをサポートしているRyzen 7 6800Uとは異なりますね。内蔵GPUはIris Xe Graphicsです。GPUの実行ユニットの数はアーキテクチャが異なるため参考程度にとどめておきましょう。Radeon 680Mの方が性能が高いです。TDPについてはRyzen 7 6800Uの方が抑えられています。6nmプロセス採用による恩恵です。
Ryzen 7 6800UってどんなCPUなの?
省電力モデルにおいてトップクラスの性能を持つ
Ryzen 7 6800Uは、省電力モデルの中でもトップクラスのパフォーマンスを持つCPUです。上位にはIntel第十二世代のCore i7-1280Pがありますが、性能差はそれほど大きくありません。また、Core i7-1280Pは搭載モデルの多いモデルではなく選びづらさがあります。ラインナップ的には下位モデルのCore i7-1260Pの方が一般的ですね。そのCore i7-1260Pよりも10%以上も性能が高いです。
従来モデルのRyzen 7 5800Uよりも5%程度パフォーマンスが高いです。Zen 3からZen 4になったわけではなくあくまでもマイナーチェンジのZen 3+なのでそれほど性能の伸びがあるわけではないです。それでも省電力モデルの中では高いパフォーマンスを持っていることは事実です。ノートパソコンで動画編集・画像編集・WEBデザイン・デイトレなどの作業を考えている方に最適です。
CPU内蔵GPUのRadeon 680Mの性能が高い
Ryzen 7 6800Uの最大のハイライトは、CPU内蔵グラフィックスに高性能なRadeon 680Mを搭載していることでしょう。CPU性能自体は従来モデルのRyzen 7 5800Uから大きく伸びているわけではありませんが、内蔵グラフィックスの性能は飛躍的に向上しています。Ryzen 5000シリーズで搭載されていたRadeon Graphicsよりも60%以上も性能が高いです。
Core i7-1260Pで搭載されているIntel Iris Xe Graphicsよりも20%以上も上回っています。これまではIntel製CPUの内蔵グラフィックスが優勢でしたが、Radeon 680Mの登場で一気に逆転しました。グラフィックス性能が向上したことで動画編集などのクリエイター作業への適性も向上しています。設定を下げたり、解像度を下げたりすることでゲームプレイにも対応できるポテンシャルがあります。
搭載モデルのラインナップが極端に少ない
2022年7月時点で搭載モデルはLenovoから二機種(オフィス同梱版を含むと四機種)リリースされているだけです。今後Dell・HP・ASUSなど海外メーカーを中心に搭載モデルが発売されるのではないかと思います。旧世代のRyzen 7 5800Uが併売されているので、Ryzen 7 6800Uを搭載したモデルが揃うまでもう少し時間が掛かりそうです。
そもそも国内BTOメーカーからはRyzen 7 5800Uを搭載したモデルがそれほど多くなかったことからRyzen 7 6800Uを搭載したモデルのラインナップも限定的になるでしょう。国内BTOメーカーはIntel製CPUの取り扱いが多いですね。AMDの様々なモデルから選びたいなら海外メーカーを視野に入れると良いと思います。
Ryzen 7 6800Uのベンチマーク
Cinebench R23
PCMark 10
Handbrake
7-Zip
Adobe
Ryzen 7 6800Uのゲーム性能
Gears 5
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
Watch Dogs Legion
Ryzen 7 6800U搭載のおすすめBTOノートパソコン
Lenovo Yoga 770 – ストーンブルー(Lenovo)
価格:163,786円(税込)
CPU:Ryzen 7 6800U
GPU:Radeon 680M(内蔵GPU)
メモリ:LPDDR5-6400 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
Lenovo Yoga 770 – ストーンブルー(Lenovo)
価格:163,786円(税込)
CPU:Ryzen 7 6800U
GPU:Radeon 680M(内蔵GPU)
メモリ:LPDDR5-6400 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
Ryzen 7 6800Uの性能スペック&搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。Ryzen 7 5800Uの後継モデルでZen 3+アーキテクチャを採用しています。CPU性能自体はそれほど大きく変わっているわけではありませんが、省電力モデルとしてトップクラスの性能を誇ります。競合モデルのCore i7-1260Pを上回る性能を持っています。また、内蔵グラフィックスにはRadeon 680Mを搭載していて内蔵モデルとしては十分すぎる性能です。動画編集などGPUを活かせる用途に強いです。もちろん設定などを妥協すればゲームプレイにも対応できます。
搭載BTOノートパソコンはまだまだ数が少なく今はLenovoの「Lenovo Yoga 770 – ストーンブルー」のみです。機能的にも優れていておすすめのモデルです。価格は高めですが、もう少し時間が経てば価格が下がるのではないかと思います。
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