当記事では、Core i9-12900HKの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しています。Intel第十二世代のフラグシップモデルです。Core i9-11980HKの後継モデルとなっています。前世代までは8コア16スレッドというスペックでしたが、今世代では一気に14コア20スレッドとスペックが高くなりました。PコアとEコアの二つのコアを搭載のハイブリッドコアアーキテクチャを採用しています。
モバイル向けCore i9シリーズの課題は下位モデルであるCore i7シリーズとの性能差です。前世代のモデルと同様にコア/スレッドについてはCore i7シリーズと差別化が図られていません。消費電力の問題もあってデスクトップ向けモデルのようにはいかないのでしょう。どの程度の差があるのかに注目していくと良いと思います。Core i9シリーズは価格が高くコスパ重視ならCore i7-12700Hの方がおすすめです。
Core i9-12900HKの基本スペック
世代 | 第12世代 |
開発コード | Alder Lake |
コア/スレッド数 | 14(6+8) / 20 |
クロック周波数(P) | 2.50 GHz |
ブーストクロック(P) | 5.00 GHz |
クロック周波数(E) | 1.80 GHz |
ブーストクロック(E) | 3.80 GHz |
内蔵グラフィックス | Iris Xe Graphics |
L3キャッシュ | 24MB |
PBP | 45W |
MTP | 115W |
発売日 | 2022年01月26日 |
価格 | $635 |
目次
Core i9-12900HKのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | ◎ | ☆ | ◎ | ☆ | ◯ | ☆ |
3D CADについてはプロフェッショナル向けのNVIDIA RTXシリーズを搭載したモデルがほとんどなく適正が高いわけではありません。CPU性能についてはデスクトップ向けモデルと比べると見劣りするもののある程度対応できます。デュアル環境構築も得意です。動画視聴・デイトレ・WEBデザイン・Skype・ビジネスだけであればややオーバースペック気味です。Core i7シリーズやCore i5シリーズでも問題ないと思います。
Core i9-12900HKのスペック比較
Intel製CPUと比較
Core i9-12900HK | Core i7-12700H | Core i9-11980HK | |
---|---|---|---|
開発コード | Alder Lake | Alder Lake | Tiger Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 10nm |
コア/スレッド | 14(6+8) / 20 | 14(6+8) / 20 | 8 / 16 |
ベースクロック(P) | 2.5 GHz | 2.3 GHz | 2.6GHz |
ターボクロック(P) | 5.0 GHz | 4.7GHz | 5.0 GHz |
ベースクロック(E) | 1.8 GHz | 1.7 GHz | - |
ターボクロック(E) | 3.8 GHz | 3.5 GHz | - |
L3キャッシュ | 24MB | 24MB | 24MB |
メモリ | DDR5-4800 LPDDR5-5200 DDR4-3200 | DDR5-4800 LPDDR5-5200 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | Iris Xe Graphics | Iris Xe Graphics | UHD Graphics |
グラフィックコア | 96 | 96 | 32 |
グラフィック周波数 | 1450MHz | 1,400MHz | 1450MHz |
PBP | 45W | 45W | 45W |
MTP | 115W | 115W | 107W |
価格 | $635 | $457 | $583 |
発売日 | Q1'22 | Q1'22 | Q2 2021 |
前者はゲームプレイなど負荷の高い作業を得意としていて、後者はバックグラウンドでの作業など軽めの作業を得意としています。この二つのコアを組み合わせたハイブリッドコアアーキテクチャの採用でより高いパフォーマンスを発揮します。PコアのベースクロックはCore i9-11980HKの方が4%高く、ターボクロックは同じです。PコアはGolden CoveコアになってIPCが19%改善されています。つまり、クロック周波数を落としてもより高い性能を出せるのです。
L3キャッシュ容量は24MBと共通です。メモリについてはDDR4-3200だけではなく、DDR5-4800/LPDDR5-5200にも対応しています。CPU内蔵グラフィックスはIris Xe Graphicsへと強化されています。グラフィックコアも三倍になっています。PBPは45WとCore i9-11980HKと同じですが、MTPは8%増えて115Wとなりました。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用していてこれだけの上昇に抑えられているのは評価できます。価格差は$52で少し高くなっています。
下位モデルのCore i7-12700Hと比較していきます。従来モデルと同様に基本的なスペックは同じです。デスクトップ向けモデルとは違ってコア/スレッドの差別化はありませんね。異なるのはクロック周波数と内蔵GPUの性能だけです。PコアについてはベースクロックはCore i9-12900HKの方が10%高く、ターボクロックは7%高いです。EコアについてもベースクロックはCore i9-12900HKの方が6%高く、ターボクロックも9%高いです。
L3キャッシュ容量・対応メモリは共通です。CPU内蔵グラフィックスはIris Xe Graphicsは共通です。ただし、グラフィック周波数が4%程度高いです。PBP及びMTPは共通です。価格差は$178とやや大きいです。クロック周波数が異なるだけにしてはやや高く感じてしまうかもしれません。
AMD製CPUと比較
Core i9-12900HK | Ryzen 9 5900HX | |
---|---|---|
開発コード | Alder Lake | Zen 3 |
プロセス | 10nm | 7nm |
コア/スレッド | 14(6+8) / 20 | 8/16 |
ベースクロック(P) | 2.5 GHz | 3.3GHz |
ターボクロック(P) | 5.0 GHz | 4.6GHz |
ベースクロック(E) | 1.8 GHz | - |
ターボクロック(E) | 3.8 GHz | - |
L3キャッシュ | 24MB | 16MB |
メモリ | DDR5-4800 LPDDR5-5200 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | Iris Xe Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックコア | 96 | 8 |
グラフィック周波数 | 1450MHz | 2100 MHz |
PBP | 45W | 45W |
MTP | 115W | - |
価格 | $635 | - |
発売日 | Q1'22 | Q1'21 |
対応メモリはDDR4-3200のみです。2021年時点では一般的なメモリ規格だと言えます。2022年にリリースされたCore i9-12900HKではより上位規格のDDR5-4800に対応しています。CPU内蔵グラフィックスについてはIris Xe Graphicsの方が上です。PBPは45Wと共通です。Ryzen 9 5900HXではMTPという概念はありません。Ryzen 9 5900Xの価格は非公開ですが、ラインナップ的にはCore i9-12900HKと同等の価格帯だと言えるでしょう。
Core i9-12900HKってどんなCPUなの?
モバイル向けハイパフォーマンスモデルの最高峰CPU
Core i9-12900HKは、モバイル向けHシリーズの最高峰モデルとなっています。クロック周波数が極限まで高められれていてより高い性能を発揮します。従来モデルのCore i9-11980HKよりも25%以上高い性能を持つモデルです。デスクトップ向けのCore i7-11700Kに匹敵するほどの性能です。2022年時点でこれ以上性能の高いモバイル向けCPUはありません。
14コア20スレッドというスペックは驚異的ですね。ゲーム実況や動画編集などマルチコア性能が重視される用途に最適です。ついに7nmプロセスを採用した競合モデルであるRyzen 9 5900HXを上回りました。基本的にCore i9-12900HKで不満を感じるようであればデスクトップ向けのCore i9シリーズの購入を検討すると良いですね。Intel第十二世代のCPUは革命を起こしたと言えるかもしれません。
搭載モデルは36万円台~(RTX 3050 Ti Mobile搭載)
Core i9-12900HKは価格が高いことがネックとなります。これはIntel第十一世代Core iシリーズの時も同じでした。RTX 3050 Tiとの組み合わせでも税込36万円台とかなり高いです。Core i7-12700H搭載モデルと比べると割高感があるのは事実です。Core i9-12900HKとCore i7-12700Hの価格差は定価で$178(約22,000円)です。
搭載モデルになるとそれ以上の価格差が生じるのには秘密があります。モデルによっては5万円以上高くなることもあります。Core i9-12900HKになると発熱量が多く、ノートパソコン自体にコストが掛かってしまうためです。ある程度予算に余裕がある方向けのCPUだと言えますね。
Core i7シリーズと比べてラインナップはそれほど多くない
Core i9-12900HK搭載モデルは、Core i7-12700H搭載モデルに比べるとラインナップが少なく選択肢はほとんどありません。これまでの経緯から考えてもドスパラ・G-Tune・パソコン工房などの国内大手BTOメーカーが取り扱わない可能性が高いです。そうなると必然的にASUSやDellなどの海外メーカーが中心となっています。
ハイエンドクラスのCPUとなると合わせるグラフィックスもハイエンドのものが中心となります。組み合わせ的にエントリークラスのモデルは少なくなってしまいます。Core i9-12900HK搭載モデルは価格が高めで売れ筋モデルになることもなく各BTOメーカーが力を入れていないことも要因だと言えますね。
Core i9-12900HKのベンチマーク
Cinebench R23
Adobe Photoshop
Handbrake
Core i9-12900HKのゲーム性能
ゲームプレイ時のフレームレートを計測しています。ゲーミングノートPCの場合、グラフィックボードを統一することが難しいという特性があります。あくまでも参考値として見ていただければと思います。また、本体ごとに排熱性能なども違うので環境を統一することが困難です。
Gear 5
Shadow of The Tomb Raider
Core i9-12900HK搭載のおすすめBTOノートパソコン
New XPS 15 スプレマシー(Dell)
価格:505,000円(税込) 404,000円(税込)
CPU:Core i9-12900HK *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
ALIENWARE X17 R2 スプレマシー(ALIENWARE)
価格:682,000円(税込) 477,400円(税込)
CPU:Core i9-12900HK
GPU:GeForce RTX 3080 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
AORUS 17X YES-B4JP544UP(GIGABYTE)
価格:539,000円(税込)
CPU:Core i9-12900HK
GPU:GeForce RTX 3080 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Intel第十二世代のモバイル向けハイエンドモデルであるCore i9-12900HKの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。14コア20スレッドと驚異的なスペックを誇りゲームプレイだけではなくゲーム実況や動画編集などの作業にも最適です。デスクトップパソコンに引けを取らない環境を構築できます。ゲーミングノートPCでも妥協をしたくないなら検討する価値があります。
一方で、下位モデルであるCore i7-12700Hとの性能差はそれほど大きくなく割高感があるのも事実です。コスト度外視で考えられる方向けだと言えます。搭載BTOノートパソコンはハイクラスが主流です。Core i9-12900HKとのバランスを考えるとRTX 3070 Ti Mobile以上のグラフィックボードと組み合わせたいですね。GIGABYTEやALIENWAREなど海外メーカーを中心にラインナップが増えて来ています。
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CPU | グラフィックボード |
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