画像引用元:https://www.asrock.com/
当記事では、「Radeon RX 6500 XTの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。Radeon RX 5500 XTの後継モデルで、最新のRDNA 2.0アーキテクチャを採用しています。世界で初めて6nmプロセスを採用したグラフィックボードです。省電力性に優れていて、さらにより高いクロック周波数を実現することが可能です。驚くべきことにブーストクロックは2815MHzに到達します。
一方で、GPUメモリ容量が小さかったり、エンコード支援機能が搭載されていなかったりと気になる点も多いです。実際のベンチマークを検証しながらこの新しいグラフィックボードの評価を行っていきます。競合モデルである「GeForce RTX 3050」と比較します。
(+) 初めて6nmプロセスを採用したグラフィックボード
(+) 省電力性に優れている
(+) レイトレーシングに対応している
(-) グラフィックス処理性能はRTX 3050に大きく劣る
(-) GPUメモリ容量が4GBとかなり少ない
(-) PCIe 3.0での接続時に大幅に性能が低下する
(-) AV1のデコード及びエンコード支援は搭載されていない
(-) 搭載BTOパソコンのラインナップが少ない
目次
Radeon RX 6500 XTの総合性能
同じクラスであることを考えると大きく見劣りするのも事実です。どちらかと言うとGTX 1650 Superに近い性能です。基本的にはFULL HD環境でのゲームプレイがメインとなります。FULL HDでも設定を下げる必要が出てくることがあります。長く使いたいと考えているなら避けた方が良いかもしれません。
Radeon RX 6500 XTの性能スペック紹介
AMD製グラフィックボードと比較
RX 6500 XT | RX 6600 | RX 5500 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | RDNA 2.0 | RDNA 1.0 |
GPU | Navi 24 | Navi 23 | Navi 14 |
プロセス | 6nm | 7nm | 7nm |
ダイサイズ | 107 mm² | 237 mm² | 158 mm² |
トランジスタ数 | 54億 | 110.6億 | 64億 |
CU数 | 16 | 28 | 22 |
CUDAコア | 1024 | 1792 | 1408 |
RTコア | 16 | 28 | - |
Tensorコア | - | - | - |
ベースクロック | 2310 MHz | 1626 MHz | 1607 MHz |
ゲームクロック | 2610 MHz | 2044 MHz | 1717 MHz |
ブーストクロック | 2815 MHz | 2491 MHz | 1845 MHz |
メモリ容量 | 4GB | 8GB | 4GB/8GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス | 64 bit | 128 bit | 128 bit |
メモリクロック | 18 Gbps | 14 Gbps | 14 Gbps |
メモリ帯域幅 | 143.9 GB/s | 224.0 GB/s | 224.0 GB/s |
Infinity Cache | 16MB | 32MB | - |
バスインターフェース | PCIe 4.0 x4 | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x8 |
出力 | 1x HDMI 1x DisplayPort | 1x HDMI 3x DisplayPort | 1x HDMI 3x DisplayPort |
TDP | 107W(1x 6-pin) | 132W(1x 8-pin) | 130W(1x 8-pin) |
公式価格 | $199 | $329 | $169 |
国内価格 | 33,000円~ | 58,000円~ | - |
発売日 | 2022/01/19 | 2021/10/13 | 2019/12/12 |
CUDAコアも27%少なく1024です。RTコアが追加されているのはポイントです。Radeon RX 6000シリーズになってレイトレーシングに対応しています。プロセスの微細化によってより高いクロック周波数が実現できています。RX 5500 XTと比べてベースクロックが46%、ゲームクロックが52%、ブーストクロックが52%それぞれ高いです。ブーストクロックで2815MHzに到達しているのは圧巻です。3GHzも目の前ですね。
GPUメモリ容量は4GBと共通ですが、RX 5500 XTには8GBのメモリを搭載したモデルも存在しています。メモリ規格は同じGDDR6です。メモリバスが半減の64 bitとなっていてメモリ帯域幅64%の143.9 GB/sに留まります。これは16MBのInfinity Cacheでカバーしています。バスインターフェイスはPCIe 4.0×4へとダウングレードとなっています。モニター出力も同様に大幅カットとなりました。TDPはおよそ17%低く107Wです。価格は$30アップで$199です。国内価格は33,000円からとなっています。
上位モデルのRadeon RX 6600ではGPUに一回り大きなNavi 23を搭載しています。プロセスは7nmと差があります。ダイサイズはRX 6500 XTのおよそ2.2倍の237m㎡です。トランジスタ数も2倍以上です。コンピュートユニットは75%アップの28となり、CUDAコアも75%多く1792です。RTコアはコンピュートユニットと同じ数になります。
クロック周波数については全てRadeon RX 6500 XTの方が高いです。ベースクロックは43%、ゲームクロックは28%、ブーストクロックは13%それぞれ大きくなっています。GPUメモリ容量は倍の8GBを搭載しています。メモリバスも倍の128 bitでメモリ帯域幅も224.0 GB/sと余裕があります。Infinity Cache容量も倍の32MBです。
バスインターフェースもPCIe 4.0×8に対応していてより高いパフォーマンスを発揮します。モニター出力もDisplayPortが2つ追加されて合計4つとなります。TDPはRX 6500 XTよりも23%多く132Wです。公式価格では$130の差があります。国内価格での差は25,000円です。RX 6600になるとメモリ周りが一気に強化される形になりより高い性能を発揮しますので投資する価値はあると言えます。
NVIDIA製グラフィックボードと比較
RX 6500 XT | RTX 3050 | |
---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | Ampere |
GPU | Navi 24 | GA106 |
プロセス | 6nm | 8nm |
ダイサイズ | 107 mm² | 276 mm² |
トランジスタ数 | 54億 | 120億 |
SM数 | 16 | 20 |
CUDAコア | 1024 | 2560 |
RTコア | 16 | 20 |
Tensorコア | - | 80 |
ベースクロック | 2310 MHz | 1552 MHz |
ゲームクロック | 2610 MHz | - |
ブーストクロック | 2815 MHz | 1777 MHz |
メモリ容量 | 4GB | 8GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス | 64 bit | 128 bit |
メモリクロック | 18 Gbps | 14 Gbps |
メモリ帯域幅 | 143.9 GB/s | 224.0 GB/s |
Infinity Cache | 16MB | - |
バスインターフェース | PCIe 4.0 x4 | PCIe 4.0 x8 |
出力 | 1x HDMI 1x DisplayPort | 1x HDMI 3x DisplayPort |
TDP | 107 W(1x 6-pin) | 130 W(1x 8-pin) |
公式価格 | $199 | $249 |
国内価格 | 33,000円~ | 53,000円~ |
発売日 | 2022/01/19 | 2022/01/27 |
CUDAコアもRTX 3050の方がおよそ2.5倍多く2560となっています。RTコアも25%多く20です。TensorコアはNVIDIA製グラフィックボードのみ搭載されています。ベースクロックはRX 6500 XTの方が49%高く、ブーストクロックも58%高いです。6nmプロセスを採用したことによってかなり高いクロック周波数を実現できていることがわかります。ダイサイズを小さくしてCUDAコアが少ない代わりにクロック周波数を引き上げるという戦略です。
RTX 3050のGPUメモリ容量はRX 6500 XTの倍の8GBです。エントリークラスのモデルで8GBというのは強みです。メモリ規格はどちらもGDDR6です。メモリバスはRTX 3050では倍の128 bitとなっています。メモリクロックはRX 6500 XTの方が速いです。メモリ帯域幅はRTX 3050が224.0 GB/sと広いです。ただし、RX 6500 XTではInfinity Cacheを16MB搭載していて実質のメモリ帯域幅はもう少し広くなります。
バスインターフェースはRX 6500 XTではPCIe 4.0×4とRTX 3050と比べて見劣りします。モニター出力も半分しかありません。TDPは107WとRTX 3050よりも省電力性に優れています。価格差は$50でRX 6500 Xtの方が安いです。国内販売価格では2万円程度の差があります。RX 6500 XTの性能を考えると妥当な価格設定だと思います。性能相応の価格ですね。
Radeon RX 6500 XTってどんなグラフィックボード?
世界初の6nmプロセスを採用したGPU
Radeon RX 6500 XTは、世界で初めて6nmプロセスを採用したグラフィックボードです。Radeon RX 6600などで採用されている7nmプロセスよりもトランジスタ密度が高く、パワー効率も高くなっています。消費電力が抑えられるというメリットもあります。
前世代のRadeon RX 5500 XTの後継モデルです。Infiniy Cacheが追加されているもののメモリ周りはスペックダウンとなっています。性能的にも見劣りしてしまう部分もあります。アーキテクチャ的な進化に一番価値があると考えて良いかもしれません。
競合モデルのRTX 3050と比べると魅力に乏しい
NVIDIAの競合モデルはRTX 3050は魅力的なグラフィックボードで強敵です。RTX 3050と比べると機能的にも機能的にも大きく見劣りしまうのが残念です。日本国内での販売価格の差は20,000円とやや大きいです。それだけRX 6500 XTの評価が低いことも意味します。アーキテクチャ的には6nmプロセスを採用するなどRadeon RX 6500 XTの方が先を進んでいると言えます。
一方で、GPUメモリ容量が半分の4GBというのは厳しいです。ここ最近のゲーミング市場を見るとやはり4GBでは物足りません。また、メモリバスも64 bitとRTX 3050の半分です。バスインターフェースがPCIe 4.0×4に限定されているのも弱みです。PCIe 3.0での接続では大幅にパフォーマンスが低下してしまうのは致命的です。旧システムでの構築を考えている方は注意してください。
モニター出力もHDMI×1とDisplayPort×1の2つに限定されています。大幅なコストカットが図られているのが明確にわかります。RTX 3050ではPCIe 4.0×8に対応していたり、モニター出力も4つとスペック的に差があります。RX 6500 XTを選ぶ理由を見つけるのが難しい状況ですね。もう少し価格が下がらないと厳しいでしょう。
現時点で搭載BTOパソコンのラインナップが少ない
2022年9月時点でRadeon RX 6500 XTを搭載したBTOパソコンはかなり少ないです。上位モデルであるRadeon RX 6600など他のRX 6000シリーズについては、すでに各BTOメーカーからたくさんのモデルが販売されていますので、今後はラインナップが増えて来るかもしれません。それでも競合モデルであるGeForce RTX 3050と比べるとラインナップ数は限定的だと思います。
まだまだAMD製モデルは特定のユーザーをターゲットにしていて誰にでもおすすめできるというわけではありません。価格的にもやや高めになってしまう可能性が高いです。AMD製グラフィックボードにこだわりたいという方は様々な選択肢の中から検討することを推奨します。
Radeon RX 6500 XT搭載PC使用時のフレームレート一覧
Radeon RX 6500 XTのゲーミング性能について詳しく見ていきましょう。ゲームプレイ時のフレームレートを見れば対象のゲームを快適に行えるかどうかがわかります。ターゲットとなるのはFULL HD環境です。それ以上の解像度でのゲームプレイはかなり厳しく、FULL HD環境でもタイトルによっては設定を下げる必要があります。従来モデルのRX 5500 XT及び競合モデルであるRTX 3050との性能差に注目してください。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assasin’s Creed Odyssey
Far Cry 6
Hitman 3
Borderland 3
Metro Exodus
Radeon RX 6500 XTのその他参考データ
レイトレーシング-Far Cry 6
レイトレーシング-Metro Exodus
消費電力
Radeon RX 6500 XT搭載のおすすめBTOパソコン
GALLERIA RM5R-65XT 4500搭載(ドスパラ)
価格:139,980円(税込)
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:Radeon RX 6500 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
GALLERIA RM5C-65XT(ドスパラ)
価格:149,980円(税込)
CPU:Core i5-12400
GPU:Radeon RX 6500 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
G-GEAR GA5A-W213/XT(TSUKUMO)
価格:150,300円(税込)
CPU:Ryzen 5 5600X
GPU:Radeon RX 6500 XT *ダウングレード
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
Radeon RX 6500 XTはこんな方におすすめ!
当ページでは、Radeon RX 6000シリーズのエントリークラスであるRadeon RX 6500 XTの性能スペックについて紹介しました。$199(国内販売価格は33,000円~)と低価格なのが特徴です。ゲーミング性能はGTX 1650 Superと同程度でそれほど高いわけではありません。それでもグラフィックボードの価格が高騰している中で3万円台で購入できるのは悪くないでしょう。負荷の軽いタイトルをメインに考えている方なら十分候補に入るでしょう。
GPUメモリ容量が4GBと少ないことから将来性が高いとは言えませんが、現時点での費用を抑えられるのは魅力的でしょう。また、AV1のデコードやH.264/H.265のエンコード支援には対応していません。かなりコストカットされたグラフィックボードだと認識しておきましょう。予算を増やす必要がありますが、用途によってはRTX 3050を選択する方が満足のいく結果になるかもしれません。
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当ページベンチマークテスト環境
CPU | Ryzen 7 5800X |
マザーボード | EVGA X570 Dark |
メモリ | DDR4-4000 16GB Thermaltake TOUGHRAM |
SSD | Crucial MX500 2TB SSD×2 |
電源ユニット | Seasonic Prime Ultra Titanium 850 W |
冷却システム | Cooler Master MasterLiquid ML240L V2 |
ソフトウェア | Windows 10 Professional 64-bit |