当記事では、Core i5-12600Kの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しています。Alder Lake世代の高コスパモデルがリリースされました。Intel第十一世代モデルが登場してからわずか8ヶ月でのリリースは異例です。AMDと比べてかなり早いペースとなっています。
10コア16スレッドとスペックが引き上げられて、Rocket Lake世代のフラグシップモデルであるCore i9-11900Kと同等以上のスペックを誇ります。競合モデルであるRyzen 5 5600Xとの差もかなり開いています。$299と手頃な価格帯でCPUを探している方は必見です。ゲーミングPCなど搭載モデルのラインナップは限定的です。同じCore i5シリーズでも廉価モデルである「Core i5-12400」なら豊富なラインナップから選択できます。
(+) 10コア16スレッドの高パフォーマンスモデル
(+) Ryzen 5 5600Xを超える高い性能を持つ
(+) Alder Lake世代の中では省電力性が高い
(-) 搭載BTOパソコンは販売されていない
(-) 一般ユーザーには扱いづらさがある
Core i5-12600Kの基本スペック
世代 | 第12世代 |
アーキテクチャ | Alder Lake |
コア/スレッド数 | 10(6+4) / 16(12+4) |
定格クロック(P) | 3.70 GHz |
最大クロック(P) | 4.90 GHz |
定格クロック(E) | 2.80 GHz |
最大クロック(E) | 3.60 GHz |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 |
L3キャッシュ | 20MB |
PBP | 125W |
MTP | 150W |
価格 | $299 |
目次
Core i5-12600Kのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◎ | ☆ | ☆ | ◎ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | ◎ | ☆ | ☆ | ☆ | ◎ | ☆ |
Alder Lake世代CPUの概要
IntelはAlder Lake世代で初めてメインストリームのデスクトップ向けCPUに10nmプロセス(Intel 7)を採用しました。Intel 7という名称から想像できる通りAMDが採用している7nmプロセスに匹敵する高い性能を持っています。Rocket Lake世代までおよそ6年も使用していた14nmプロセスからようやく解き放たれました。プロセスの微細化によって、パワー効率アップ・省電力性の向上・機能の追加などのメリットを享受できます。
今世代からハイブリッドコアアーキテクチャを採用しています。パフォーマンスコア(Pコア)とエフィシェンシーコア(Eコア)の2つのコアを搭載しているのが特徴です。用途に合わせてOS側で自動的に使い分けてくれます。Core i5-12600Kの場合Pコア6+Eコア4の10コアを搭載しています。14nmプロセスのままではスペース的にも余裕がなく実現できなかったでしょう。これもプロセスの微細化によって実現したアーキテクチャだと言えますね。
Golden Coveという名称が与えられたPコアは、Skylakeコアと比べIPCが28%も改善していて前世代のCypress Coveコアと比べても19%も改善されています。このPコアはゲームプレイなど負荷の掛かる用途で活躍します。一方で、Gracemontと名付けられたEコアは、Atomに起源を持ち省電力性に優れたコアです。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用することでマルチスレッド性能と省電力性のバランスを取った形になっています。
新しいプロセッサーになってCPUソケットが「LGA1700」へと変更になりました。DDR5メモリサポートやPCIe Gen 5対応など次世代のI/Oを採用しています。Core i7-12700Kを購入するにあたってマザーボードを変更する必要がありますので注意してくださいね。旧モデルのDDR4メモリにも対応していますが、その際にはDDR4メモリに対応したマザーボードを選択しなければいけません。
Core i5-12600Kのスペック比較
Intel製CPUと比較
i5-12600K | i7-12700K | i5-11600K | |
---|---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Alder Lake | Rocket Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 14nm |
コア | 6(P)+4(E) | 8(P)+4(E) | 6 |
スレッド数 | 16 | 20 | 12 |
定格クロック(P) | 3.7GHz | 3.6GHz | 3.9GHz |
最大クロック(P) | 4.9GHz | 4.9GHz | 4.9GHz |
定格クロック(E) | 2.8GHz | 2.7GHz | - |
最大クロック(E) | 3.6GHz | 3.8GHz | - |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 20MB | 25MB | 12MB |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 750 |
メモリタイプ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
PBP | 125W | 125W | 125W |
MTP | 150W | 190W | 224W |
価格 (実売価格) | $299 (39,000円) | $419 (57,000円) | $272 (31,000円) |
発売日 | 2021年11月04日 | 2021年11月04日 | 2021年03月16日 |
Alder Lake世代から2つのコアが搭載されるようになったのはすでに見てきたとおりです。6つのPコアと4つのEコアが搭載されています。Core i5-11600Kが6コアでしたので、66%アップということになります。ハイパースレッディングはPコアのみで合計スレッド数は16スレッドです。定格クロックは5%ダウンで、最大クロックは同じ4.9GHzとなっています。Core i5-11600KにはEコアは搭載されておらず比較対象外です。
Core i5-11600Kも倍率ロックフリーモデルでオーバークロックが行えます。より高いクロック周波数を実現可能です。L3キャッシュ容量はCore i5-12600Kになって66%アップの20MBとなりました。CPU内蔵グラフィックスもUHD 750からUHD 770へとマイナーチェンジが行われています。対応メモリもDDR5-4800までサポートされています。
PBP(旧TDP)は125Wと共通です。MTP(旧LP2)は150Wと、Core i5-11600Kよりも33%も消費電力が抑えられています。価格は$27アップの$299です。国内の実売価格では8,000円程度の差があります。今後はもう少し価格が下がっていくのではないかと予想されます。
上位モデルのCore i7-12700KになるとPコアが2つ増えて12コア(8+4)/20スレッド(16+4)とよりスペックが高くなります。Pコアの定格クロックはCore i5-12600Kの方が3%高く、最大クロックは同じ4.9GHzです。Eコアの定格クロックはCore i5-12600Kの方が4%高く、最大クロックはCore i7-12700Kの方が6%高いです。L3キャッシュ容量もCore i7-12700Kの方が25%多く25MBとなっています。
CPU内蔵グラフィックスやメモリタイプは同じです。PBPはどちらも125WでMTPはCore i7-12700Kでは190WとCore i5-12600Kよりも27%高いです。コアが増えた分仕方がないですね。価格差は$120で、実売価格では18,000円の差があります。
AMD製CPUと比較
i5-12600K | 5 5600X | |
---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Zen 3 |
プロセス | 10nm | 7nm |
コア | 6(P)+4(E) | 6 |
スレッド数 | 16 | 12 |
定格クロック(P) | 3.7 GHz | 3.7 GHz |
最大クロック(P) | 4.9GHz | 4.6 GHz |
定格クロック(E) | 2.8GHz | - |
最大クロック(E) | 3.6GHz | - |
オーバークロック | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 20MB | 32MB |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 | 非搭載 |
メモリタイプ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
PBP | 125W | 65W |
MTP | 150W | - |
価格 (実売価格) | $299 (39,000円) | $309 (36,000円) |
発売日 | 2021年11月04日 | 2020年11月06日 |
定格クロックはどちらも3.7GHzです。最大クロックはCore i5-12600Kの方が7%高く4.9GHzとなります。どちらのCPUもオーバークロックに対応していますので、条件次第でより高みを目指せます。L3キャッシュ容量はRyzen 5 5600Xの方が60%多く32MBです。Ryzen 5 5600Xには内蔵グラフィックスは搭載されていません。グラフィックボードが不要な方にとってCore i5-12600Kは魅力的な選択肢となるでしょう。
メモリ規格はDDR5-4800をサポートしているCore i5-12600Kが優勢です。PBP(TDP)はRyzen 5 5600Xが65Wと性能帯を考えるとかなり省電力性が高いです。価格差は$10でRyzen 5 5600Xの方が高いですが、実売価格ではRyzen 5 5600Xの方が3,000円安いです。発売から登場していることと性能差を考えるともう少し価格が下がるかもしれませんね。
Core i5-12600KってどんなCPUなの?
Ryzen 5を圧倒する高いパフォーマンスを持つ
Core i5-12600Kは、ライバルであるRyzen 5 5600Xよりも高いCPU性能を持つCPUです。性能差は10%程度で上位モデルであるRyzen 7 5800Xに匹敵するほどです。動画編集・画像編集・DTM・WEBデザインなどのクリエイター作業への適応力が増しています。市場ではRyzen 5000シリーズが圧倒的な地位を築いていましたが、Alder Lake世代のCPUでひっくり返したと言っても良いかもしれません。
AMDが得意とするベンチマークソフトであるCinebench R23ではマルチスレッド性能が50%以上も高くなっています。さらに、ゲーミング性能については言うまでもありません。Ryzen 5 5600Xとの差は大きくゲーミングCPUとしても選び理由が生まれます。上位モデルのCore i7-12700Kに匹敵するほど高い性能を持ちコストパフォーマンスに優れています。
10nmプロセス採用で省電力性が向上している
Core i5-12600Kは、比較的省電力性に優れたCPUとなっています。評判のよくなかったCore i5-11600Kよりも性能が高くなっているにも関わらず消費電力は20%以上も抑えられています。上位モデルのCore i7-12700Kになるとさらに20%消費電力が高くなります。省電力性で考えるとCore i5-12600K>Core i7-12700Kだと考えて良いと思います。
Core i5-12600Kも省電力性に長けているもののRyzen 5 5600Xの省電力性の高さには届きません。それでも性能で上回っているので許容できるのではないかと思います。Zen 3アーキテクチャは完成度の高いモデルだと言えますね。次世代モデルが登場すれば市場がどうなるのか気になるところです。
初心者向けではなく自作ユーザー向けのCPU
Core i5-12600Kは、立場的に初心者向けではなく自作ユーザー向けのCPUだと言えます。今はまだリリースされていませんが、一つ下のCore i5-12400と一つ上のCore i7-12700に挟まれて立場が苦しいのです。Rocket Lake世代のCore i5-11400とCore i7-11700と同じですね。特にBTOパソコンの場合、Core i5-12600Kを含むCore i5シリーズの倍率ロックフリーモデルを搭載したモデルはほとんどないので初心者の方に選ばれる機会がありません。
価格を抑えたいのであればCore i5-12400を、性能を追求するのであればラインナップが豊富なCore i7-12700を選ぶことが多いのです。もちろんCore i5-12600Kはオーバークロックに対応していて条件次第ではCore i7-12700に近いパフォーマンスを得られるでしょう。それでも初心者にとってハードルは高いです。水冷クーラー・電源ユニットなど気を使わないといけないことも出てきます。
Core i5-12600Kのベンチマーク
Cinebench R23
Adobe Photoshop
Premiere Pro CC
動画エンコード
Zipファイル
Core i5-12600Kのゲーミング性能
Borderlands 3
Far Cry 5
Metro Exodus
Core i5-12600K搭載のおすすめBTOパソコン
ZEFT G26XQ(セブン)
価格:213,180円(税込)
CPU:Core i5-12600K
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
ZEFT G15HX(セブン)
価格:239,580円(税込)
CPU:Core i5-12600K
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:2TB
G-Master Spear Z690-Mini/D4(サイコム)
価格:231,640円(税込)
CPU:Core i5-12600K
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Alder Lake世代のCore i5-12600Kの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。Core i5-12600Kは、10コア16スレッドの高スペックCPUです。従来モデルのCore i5-11600Kよりも大幅にパフォーマンスが向上しています。Core i9-11900K/Core i7-11700Kを上回る性能を発揮します。
競合モデルであるRyzen 5 5600Xよりも10%程度性能が高く完全に勝利しました。ここからAMDはRyzen 5000シリーズの価格を下げてくるかもしれません。Core i5-12600K搭載BTOパソコンについてはかなり希少です。パソコンショップセブンやサイコムなど中上級者向けのショップでのみ取り扱いがあります。
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