参照元:https://www.ark-pc.co.jp/
当記事では、「Ryzen 7 5700Gの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。Zen 3アーキテクチャ採用の8コア16スレッドのAPUです。すでに販売されているRyzen 7 5800XやRyzen 7 5700Xよりもパフォーマンスは劣りますが、価格が安いというメリットがあります。性能が劣るとは言ってもRyzen 5シリーズよりも性能が高く動画編集・画像編集などの負荷の掛かる作業での使用を考えている方におすすめです。
また、CPU内蔵グラフィックスにRadeon Graphicsを搭載していていますので、グラフィックボードがなくてもパソコンとして機能します。APUとしてはRyzen 7 PRO 4750Gの後継モデルです。設定を下げればゲームプレイに対応できないこともありません。CPUとしての立場的にはZen 2アーキテクチャで人気の高かったRyzen 7 3700Xの後継モデルだと言えます。
Ryzen 7 5700Gの基本スペック
世代 | 第4世代 |
開発コード | Cezanne(Zen 3) |
コア/スレッド数 | 8 / 16 |
クロック周波数 | 3.80 GHz |
ブーストクロック | 4.60 GHz |
内蔵グラフィックス | AMD Radeon Graphics |
TDP | 45W-64W |
発売日 | 2021年4月13日 |
価格 | $359 (31,654円) |
目次
Ryzen 7 5700Gのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | ◯ | ◎ | ◎ | ☆ | ◯ | ◎ |
Ryzen 7 5700Gが本領発揮となるのは動画編集・動画投稿(エンコード)・RAW現像・マンガ制作などの負荷の掛かる作業です。WEBデザインなどではCPU内蔵グラフィックスのRadeon Graphicsを搭載していることでパフォーマンスが引き上げられます。なお、ゲームプレイや3D CADについてはCPU内蔵グラフィックスでの対応は厳しくiGPUの搭載が必須だと考えておきましょう。L3キャッシュ容量が少なくゲームプレイや3D CADではRyzen 7 5800Xとの差が大きいです。
Ryzen 7 5700Gのスペック比較
AMD製CPUと比較
Ryzen 7 5700G | Ryzen 7 5800X | Ryzen 7 PRO 4750G | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 3 (Cezanne) | Zen 3 (Vermeer) | Zen 2 (Renoir) |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 8/16 |
ベースクロック | 3.8GHz | 3.8GHz | 3.6GHz |
最大ブーストクロック | 4.6GHz | 4.7GHz | 4.4GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 16MB | 32MB | 8MB |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics 8 | 非搭載 | Radeon Graphics 8 |
グラフィック周波数 | 2000 MHz | - | 2100 MHz |
メモリタイプ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPUクーラー | Wraith Stealth | 非同梱 | 非同梱 |
TDP | 65W | 105W | 65W |
価格 (実売価格) | $359 (31,654円) | $449 (35,444円) | $309 (-) |
発売日 | 2021年4月13日 | 2020年11月5日 | 2020年8月8日 |
Ryzen 7 PRO 4750GはZen 2アーキテクチャを採用しています。プロセスは7nmと共通です。Ryzen 7 PRO 4750Gも8コア16スレッドと基本的なスペックはRyzen 7 5700Gと同じです。Ryzen 7 5700Gの方がベースクロックが6%高く、最大ブーストクロックは5%高いです。いずれのCPUもオーバークロックに対応しています。Ryzen 7 5700GになってL3キャッシュ容量が倍増となりました。
CPU内蔵グラフィックスはほとんど変わっていません。グラフィックコアは8コアで共通です。グラフィック周波数は5%ダウンの2000MHzとなっています。Ryzen 7 PRO 4750GはOEM供給のみでの販売ということもあってCPUクーラーは非同梱でバルクでの販売でした。TDPは65Wと共通です。価格はRyzen 7 PRO 4750になって$50高くなりました。
上位モデルであるRyzen 7 5800Xと比較していきます。Ryzen 7 5800XではZen 3アーキテクチャを採用しています。CezanneとVermeerで異なりますね。ベースクロックはどちらも同じ3.8GHzですが、最大ブーストクロックはRyzen 7 5800Xの方が0.1GHz高いです。一番大きな違いはやはりL3キャッシュ量が倍の32MBであることでしょう。ゲームプレイ時などでパフォーマンスに与える影響が大きいです。
Ryzen 7 5800XにはCPUクーラーは非同梱です。TDPは105WとRyzen 7 5700Gよりも60%高いです。TDPの高さがパフォーマンスの高さだと考えてもよいですね。価格差は$90とかなり大きいです。これだけ価格差があればRyzen 7 5700Gも候補に入るのではないかと思います。実売価格ではRyzen 7 5700Gの方が10%程度安価です。内蔵グラフィックスが搭載されているのでお得ですね。
Intel製CPUと比較
Ryzen 7 5700G | Core i7-11700 | |
---|---|---|
コードネーム | Zen 3 (Cezanne) | Rocke Lake |
プロセス | 7nm | 14nm |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 |
ベースクロック | 3.8GHz | 2.5GHz |
最大ブーストクロック | 4.6GHz | 4.9GHz |
オーバークロック | ◯ | × |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics 8 | UHD Graphics 750 |
グラフィック周波数 | 2000 MHz | 1300 MHz |
メモリタイプ | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPUクーラー | Wraith Stealth | ○ |
TDP | 65W | 65W |
価格 (実売価格) | $359 | $323 |
発売日 | 2021年4月13日 | 2021年3月30日 |
コア/スレッドはどちらのCPUも8コア16スレッドとなっています。価格帯的には標準となりました。ベースクロックはRyzen 7 5700Gの方が52%高く、最大ブーストクロックはCore i7-11700の方が7%高いです。Ryzen 7 5700Gはオーバークロックに対応しているためポテンシャルが高いCPUだと言えます。L3キャッシュ容量はいずれも16MBです。
CPU内蔵グラフィックスの性能はRadeon Graphics 8の方が高いです。Core i7-11700で採用されているUHD Graphics 750も僅かながら進化したもののRadeon Graphicsと差を縮められるほどではありません。内蔵グラフィックスでゲームをしたいと考えているならRyzen 7 5700Gを選ぶべきでしょう。
Ryzen 7 5700GってどんなCPUなの?
Zen 3アーキテクチャ採用の最新モデル
Ryzen 7 5700Gは、Zen 3アーキテクチャを採用した最新のAPUです。表面上のスペックを見ているとRyzen 7 PRO 4750Gと共通点が多いですね。しかしながら、内部的にはZen 3アーキテクチャ採用になって大きく進化しました。Zen 2アーキテクチャではCCX(Core Complex)が2基のCCXにそれぞれ4つのコアが搭載されていました。そしてCCX一つあたり4MBのL3キャッシュを搭載となっています。
CPUコアに負荷が掛かるとCCX同士でのやり取りが必要になり、これがパフォーマンス低下に繋がっていたと言えます。Zen 3アーキテクチャではCCXが1基に統合されて8つのコアが搭載されています。さらに、L3キャッシュ容量も8MB→16MBへと倍増です。これまでは1基のCCXごとに4MBしかアクセスできませんでしたが、Ryzen 7 5700Gでは16MB全てにアクセス可能となりました。
これらの変更によってCCX同士のやり取りも不要になり、効率的にL3キャッシュメモリが使用できるようになっています。CPUのパフォーマンスに大きく影響するIPCは19%も向上しています。
Ryzen 7 5800Xとの性能差が大きい
Ryzen 7 5700Gは、Ryzen 7 5800Xの下位モデルに位置するAPUとなっています。Ryzen 7 3700Xの後継モデルとして考えると物足りなさがあります。価格差は$90とやや大きく性能差も相応に大きくなっています。同じZen 3アーキテクチャを採用していても差別化のためにL3キャッシュがRyzen 7 5800Xの半分の16MBしかなくパフォーマンス的にワンランク落ちてしまいます。
ゲームプレイ時のパフォーマンスについてはRyzen 5 5600Xにも劣ります。同じAPUの下位モデルであるRyzen 5 5600Gと比べてもそれほど性能差があるわけではなくコストパフォーマンス的に見劣りします。Ryzen 7 5800Gの立場を考えるともう少し価格が下がらないと厳しい状況になるのではないかと思います。
Radeon Graphicsのグラフィックス性能は高くない
Ryzen 7 5700Gは、CPU内蔵グラフィックス搭載のAPUでグラフィックス処理性能の高さがアピールされることがあります。事実Intel UHD 750 Graphicsと比べると2倍以上の性能を持っています。Ryzen 5 3400G搭載のCPU内蔵グラフィックスと比べても性能は高いです。ただし、性能が高いとは言ってもそれはあくまでもCPU内蔵グラフィックスの中では高い性能を持っているだけで外付けのグラフィックボードと比べると性能は雲泥の差があります。
動画編集やWEBデザインなどでのクリエイター作業でもGPGPUが活かせますが、当然外付けのグラフィックボードと比べると性能は劣ります。正直性能差を体感できるかと聞かれると疑問です。なお、ゲームプレイや3D CADに対しては十分な性能を持っているとは言えず外付けグラフィックボードを選択するのが得策です。
Ryzen 7 5700Gのベンチマーク
Cinebench R20
Adobe Software
Premiere ProはPhotoshopよりは負荷が高くなります。Ryzen 5 5600Gとのスコアの差は9%とPhotoshopよりははっきりとした差が生まれています。Ryzen 5 5600Xよりも5%スコアが高いです。上位モデルであるRyzen 7 5800Xとの差は12%となっています。$90高いだけあって性能差は大きいようです。
Ryzen 7 5700Gのゲーム性能(内蔵グラフィックス)
ここではCPU内蔵グラフィックスであるRadeon Graphicsのパフォーマンスを見ていきましょう。Intel UHDグラフィックスと比べると性能差はかなり大きいです。
Counter-Strike: Global Offensive
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
Watch Dogs Legion
Ryzen 7 5700Gのゲーム性能(外部グラフィックス)
Horizon Zero Dawn
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
Watch Dogs Legion
Ryzen 5 5700G搭載のおすすめBTOパソコン【ビジネス】
STYLE-M0P5-R75G-EZX(パソコン工房)
価格:95,800円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700G
GPU:Radeon Graphics
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:350W BRONZE
SR-ar7-7660J/S3/W10/LW(セブン)
価格:115,280円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700G
GPU:Radeon Graphics
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:240GB NVMe
HDD:非搭載
電源:300W 80PLUS BRONZE
STYLE-R0X5-R75G-EZX(パソコン工房)
価格:117,880円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700G
GPU:Radeon Graphics
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W BRONZE
Ryzen 5 5700G搭載のおすすめBTOパソコン【ゲーミング】
STYLE-R0X5-R75G-EZX(パソコン工房)
価格:166,800円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700G
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:700W 80PLUS BRONZE
ZEFT R15VP(セブン)
価格:172,480円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700G
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:650W 80PLUS BRONZE
ZEFT R57G9(セブン)
価格:241,780円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700G
GPU:GeForce RTX 3070 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:750W 80PLUS GOLD
当記事のまとめ
当記事では、Ryzen 7 5700Gの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。Zen 3アーキテクチャを採用した最新のAPUです。従来モデルのRyzen 7 PRO 4750Gよりもパフォーマンスが引き上げられています。Ryzen 7 3700Xと比べても10%程度パフォーマンスが向上しています。搭載されているRadeon GraphicsはCPU内蔵グラフィックスとして高い性能を持っています。しかしながら、外付けのグラフィックボードとの差は明確でそれほど強みになるわけではありません。
コストパフォーマンス的にも他のAMD製モデルの方が良いかもしれません。Ryzen 7 5800Xならより高い性能が手に入りますし、下位モデルのRyzen 5 5600Xでも大容量のL3キャッシュ容量のおかげで十分なパフォーマンスを得られます。CPU内蔵グラフィックスに期待するなら下位モデルのRyzen 5 5600Gでも十分だと思います。Ryzen 7 5700Gの場合L3キャッシュ容量が小さく8コア16スレッドというスペックを活かしきれていないからです。
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