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当記事では、「Radeon RX 6900 XTの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。長らくNVIDIAが圧倒的な地位を築いていたハイエンドのグラフィックボードにAMDが新しいグラフィックボードを投入しました。4K環境でのゲームプレイを想定したモデルだと言えます。
ただし、このフラグシップモデルは、スペック的には下位モデルであるRX 6800 XTと酷似しています。コストパフォーマンスを考えるとRX 6800 XTも候補に入ると思います。競合である「GeForce RTX 3080」や「GeForce RTX 3090」との性能差についても触れながら詳しく見ていきましょう。
(+) AMD製として久しぶりのハイエンドモデル
(+) RTX 3080を超えるゲーミング性能を持つ
(-) $999という価格を考えるとコスパは高くない
(-) レイトレーシング性能はRTX 3070と同等
(-) 各メーカー在庫僅少で入手が難しい
目次
Radeon RX 6900 XTの総合性能
Radeon RX 6900 XTは、4K解像度でのゲームプレイを考えている方向けだと言えます。また、WQHD環境で120Hz以上のモニターを使いたい方にもおすすめです。2019年7月7日に発売されたRadeon RX 5700 XTと比べると大幅に性能が引き上げられていることがわかります。長く待った甲斐がありますね。
Radeon RX 6900 XTの性能スペック紹介
RX 6800 XTと比較
RX 6900 XT | RX 6800 XT | RX 5700 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | RDNA 2.0 | RDNA 1.0 |
GPU | Navi 21 | Navi 21 | Navi 10 |
プロセス | 7 nm | 7 nm | 7 nm |
ダイサイズ | 520 mm² | 520 mm² | 251 mm² |
トランジスタ数 | 268億 | 268億 | 103億 |
CUDAコア | 5120 | 4608 | 2560 |
RTコア | 80 | 72 | - |
Tensorコア | - | - | - |
ベースクロック | 1825 MHz | 1825 MHz | 1605 MHz |
ブーストクロック | 2250 MHz | 2015 MHz | 1905 MHz |
メモリ速度 | 16Gbps | 16Gbps | 14Gbps |
メモリ容量 | 16 GB | 16 GB | 8GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ帯域幅 | 512.0 GB/s | 512.0 GB/s | 448.0 GB/s |
Infinity Cache | 128MB | 128MB | × |
TDP | 300W | 300W | 225W |
公式価格 | $999 | $649 | $399 |
発売日 | 2020/12/08 | 2020/11/18 | 2019/07/07 |
実際ダイサイズも520m㎡とNavi 10の251m㎡の2倍以上の大きさです。トランジスタ数も2.6倍と大幅に増えています。コンピュータユニット自体も数も増えてCUDAコアは倍増の5120基となりました。さらに、RNDA2アーキテクチャになってコンピューターユニット(CUs)の消費電力が抑えられています。同じ消費電力だとしてもパフォーマンスは以前のものも上回るということです。
下位モデルであるRX 6800 XTと比較していきます。RX 6900 XTと同じNavi 21です。ダイサイズ、トランジスタ数も共通です。RX 6900 XTではフルスペックのNavi 21が採用されているため有効化されているコンピューターユニットは80で、CUDAコアは5120基(80×64)となります。RX 6800 XTよりも11%多いです。RTコアもコンピューターユニットに依存するため11%多くなっています。
ベースクロックは同じでブーストクロックは12%程度高いです。メモリ速度・メモリ容量・メモリ帯域幅・Infinity Cacheは同じです。また、スペック的にRX 6900 XTの方が上にも関わらず消費電力がRX 6800 XTと同じ300Wに抑えられているのは注目ポイントです。RNDA2アーキテクチャの強みとなっています。価格は$999で54%程度高いです。価格を見ればフラグシップモデルで間違いないですね。
RTX 3080と比較
RX 6900 XT | RTX 3090 | RTX 3080 | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | Ampere | Ampere |
GPU | Navi 21 | GA102 | GA102 |
プロセス | 7 nm | 8 nm | 8 nm |
ダイサイズ | 520 mm² | 628 mm² | 628 mm² |
トランジスタ数 | 268億 | 283億 | 283億 |
CUDAコア | 4608 | 10496 | 8704 |
RTコア | 72 | 82 | 68 |
Tensorコア | - | 328 | 272 |
ベースクロック | 1825 MHz | 1395 MHz | 1440 MHz |
ブーストクロック | 2015 MHz | 1695 MHz | 1710 MHz |
メモリ速度 | 16 Gbps | 19.5 Gbps | 19 Gbps |
メモリ容量 | 16 GB | 24 GB | 10 GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6X | GDDR6X |
メモリ帯域幅 | 512.0 GB/s | 936.2 GB/s | 760.3 GB/s |
Infinity Cache | 128MB | - | - |
TDP | 300W | 350 W | 320 W |
公式価格 | $999 | $1499 | $699 |
発売日 | 2020/11/18 | 2020/09/01 | 2020/09/01 |
RTコアについてはRX 6900 XTの方が4コア多くなっています。ただし、純粋にコア数=性能の高さを表すわけではなく性能的にはRTX 3080の方が上です。NVIDIAの方が一世代早く導入したため有利ですね。Tensorコアはディープラーニング用(DLSS)のコアでより高いフレームレートを実現することができる機能です。ゲーミング性能そのものでは十分戦える水準になりましたが、レイトレーシングやこのDLSSなど細かい部分ではNVIDIA製グラフィックボードが優秀です。
RTX 3080やRTX 3080ではGDDR6Xメモリが採用されています。メモリ速度も19 Gbps以上とRX 6900 XTよりも早いです。メモリ帯域幅についてもRTX 3080でRX 6900 XTよりも48%程度広いです。この差はInfinity Cacheでカバーしています。消費電力はRX 6900 XTが300Wとかなり健闘しています。省電力性の高さはRDNA2アーキテクチャの最大の強みです。
Radeon RX 6900 XTってどんなグラフィックボード?
RTX 3080に匹敵するゲーミング性能を持つ
Radeon RX 6900 XTは、RDNA2アーキテクチャを採用したAMD製グラフィックボードのフラグシップモデルです。フルスペックのNavi 21を搭載しているのも伊達ではありません。GeForce RTX 3080に匹敵するゲーミング性能を持っています。ミドルクラス相当の性能を持っていたRX 5700 XTから時を経てついにハイエンドモデルが登場しました。
Ryzen 9 5900XやRyzen 7 5800Xなどのハイクラスの第4世代Ryzenシリーズに合わせるグラフィックボードとしても最適です。どうしてもAMD=CPUというイメージが強かったのではないかと思います。ここに来てやっとグラフィックボードの存在感が出てきそうです。NVIDIA製グラフィックボードと比べるとやや劣るもののレイトレーシングにも対応しています。
総合的に見てコストパフォーマンスは悪い
RX 6900 XTは、性能の高いグラフィックボードであることは否定しません。しかしながら、コストパフォーマンスは高いとは言えないのが正直な評価です。ゲーミング性能は、$300安いRTX 3080と同程度に留まりますし、レイトレーシング性能では$500安いRTX 3070と同程度です。AMDがハイエンドモデル市場に再度参加できたのはよかったのですが、NVIDIAはそう簡単には倒せないかもしれません。
純粋にゲーミング性能だけを見るなら下位モデルのRX 6800 XTで十分でしょう。$350安くてRX 6900 XTとほぼ同等のゲーミング性能が手に入ります。レイトレーシング性能だと総合的に見ればRTX 3080が好ましい選択になると思います。コストパフォーマンス度外視で考えられる方にだけおすすめします。
各ショップ軒並み品切れ中
2022年3月時点でRX 6900 XTが品薄になっています。ドスパラ・パソコン工房などBTOパソコンも品切れ中がほとんどで購入するのが極端に難しい状況です。下位モデルであるRX 6800 XTやRX 6800も同様ですね。NVIDIAのRTX 3080やRTX 3090の供給が安定しているので、かなり不利な状況だと言えます。
コロナ禍ということもあって供給が安定するまでもう少し時間が掛かってしまうかもしれませんね。定期的にショップの入荷状況を確認しておくと良いでしょう。Twitterなどで各パーツメーカーをフォローしておくとキャッチアップしやすいと思います。
Radeon RX 6900 XT搭載PC使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測しています。FULL HD環境、WQHD環境、4K環境の3つのパターンでのfpsをまとめています。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assasin’s Creed Odyssey
Far Cry 5
Hitman 2
Borderland 3
Metro Exodus
Radeon RX 6900 XTの消費電力&発熱
消費電力
温度
Radeon RX 6900 XT搭載のおすすめBTOパソコン
G-GEAR neo GX9A-E204/XT2(TSUKUMO)
価格:369,800円(税込)
CPU:Ryzen 9 5900X
GPU:Radeon RX 6900 XT
メモリ:DDR4-2666 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
LEVEL-R969-LC129K-DZX(パソコン工房)
価格:405,980円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:Radeon RX 6900 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
GALLERIA ZA9R-69XT LC(ドスパラ)
価格:419,980円
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:Radeon RX 6900 XT LC
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB Gen4
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Radeon RX 6900 XTの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。AMDファン待望のフラグシップモデルです。ハイエンドモデルのRTX 3080に匹敵するゲーミング性能を持っています。4K解像度でのゲームプレイがメインとなります。WQHD環境やFULL HD環境だとオーバースペックになりがちです。
レイトレーシング機能も持っていて最新技術を体感することも可能です。下位モデルであるRX 6800 XTとの性能差がそれほど大きくないため、コストパフォーマンスは高くありません。またNVIDIA製のグラフィックボードと比べても見劣りしてしまいます。特にレイトレーシング性能が大きく劣ります。一世代導入が遅れたことが響いています。現在品薄な状況が続いて入手困難です。供給が安定するまでもう少し待つ必要がありそうです。
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