当記事では、「Core i3-10100の性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。上位のCore i5やCore i7シリーズに遅れること1週間、ついにCore i3シリーズの廉価モデルが発売開始となりました。低コストのCPUを探している方にとっては朗報だと思います。
Core i3-9100の後継モデルで他のComet Lake世代のCPUと同じくハイパースレッディングに対応しているのが特徴です。前世代のCPUと比べてどの程度パフォーマンスが向上しているのか詳しく見ていきましょう。後継モデルはCore i3-10105です。Comet LakeのCPUですが、あまり知名度が高くなく性能もそれほど伸びているわけではありません。
Core i3-10100の基本スペック
世代 | 第10世代 |
開発コード | Comet Lake |
コア/スレッド数 | 4 / 8 |
クロック周波数 | 3.60 GHz |
ブーストクロック | 4.30 GHz |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 |
TDP | 65W |
発売日 | 2020年5月27日 |
価格 | $122 |
目次
Core i3-10100のおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
◎ | ◎ | △ | △ | △ | △ | △ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◯ | × | △ | △ | ◎ | △ | ◯ |
また、高解像度ファイルでなければ比較的負荷の掛かる動画編集やRAW現像にも対応することができます。もちろんサクサク作業をしたいのであればCore i5シリーズを選択する方が好ましいです。趣味の範囲内で考えるなら最適です。一方で、ゲームプレイや3D CAD用のCPUとしてはやや不向きです。
Core i3-10100のスペック比較
Intel製CPUと比較
i3-10100 | i5-10400 | i3-9100 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Comet Lake | Comet Lake | Coffee Lake-R |
プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 | 4/4 |
ベースクロック | 3.6Ghz | 2.9Ghz | 3.6Ghz |
最大ブーストクロック | 4.3Ghz | 4.3Ghz | 4.2Ghz |
Turbo Boost 2.0 *1 | 4.3Ghz | 4.3Ghz | 4.2Ghz |
Turbo Boost Max 3.0 *2 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
Thermal Velocity Boost *3 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
L3キャッシュ | 6MB | 12MB | 6MB |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 |
メモリタイプ | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2400 |
最大メモリ幅 | 41.6 GB/s | 41.6 GB/s | 37.5 GB/s |
TDP | 65W | 65W | 65W |
価格 | $122 (17,000円) | $182 (24,500円) | $122 (15,000円) |
発売日 | 2020年5月27日 | 2020年5月20日 | 2019年6月20日 |
前世代のCore i3-9100と比べるとコア/スレッドが4コア/4スレッドから4コア8スレッドへとスレッド数が倍増となりました。ベースクロックは同じ3.6GHzで最大ブーストクロックは4.2GHz→4.3GHzへと0.1GHzだけ高くなっています。L3キャッシュは同じ6MBです。メモリ規格もDDR4-2400からDDR4-2666へとアップグレードされて最大メモリ幅も37.5 GB/sから41.6 GB/sへと10%程度向上しています。消費電力は同じ65Wに留められています。単体価格の差は2,000円とそれほど大きくないためCore i3-10100を選択する方が良いでしょう。
上位モデルのCore i5-10400になるとコア及びスレッド数が50%アップとなります。ワンランク以上性能が向上します。ベースクロックは2.9GHzとやや低くなっているものの最大ブーストクロックはCore i3-10100と同じ4.3GHzとなっています。L3キャッシュも倍増の12MBを採用しています。消費電力は同じ65Wです。動画編集、RAW現像、ゲームプレイなどへの適性は大きく向上します。+7,000円アップで順当な性能を手に入れられます。
AMD製CPUと比較
Core i3-10100 | Ryzen 3 3100 | Ryzen 3 3300X | |
---|---|---|---|
コードネーム | Comet Lake | Zen 2 | Zen 2 |
プロセス | 14nm | 7nm | 7nm |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/8 |
ベースクロック | 3.6Ghz | 3.6Ghz | 3.8Ghz |
ターボクロック | 4.3Ghz | 3.9Ghz | 4.3Ghz |
オーバークロック | ✕ | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 6MB | 16MB | 16MB |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 | 非搭載 | 非搭載 |
メモリ | DDR4-2666 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPUクーラー | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
TDP | 65W | 65W | 65W |
価格 | $122 (17,000円) | $99 (13,500円) | $120 (15,700円) |
発売日 | 2020年5月27日 | 2020年5月23日 | 2020年5月23日 |
L3キャッシュについてはCore i3-10100の6MBに対してRyzen 3 3300Xは16MBとおよそ2.6倍です。メモリ規格もDDR4-2666に対してDDR4-3200とRyzen 3 3300Xの方が優れていますね。Ryzen 3 3300XはCPU内蔵グラフィックスが搭載されていないためここはCore i3シリーズの強みだと言えます。CPUクーラーはどちらも同梱です。消費電力はどちらも同じ65Wとなっています。実売価格ではRyzen 3 3300Xの方が僅かに安いですね。
下位モデルであるRyzen 3 3100もスペックが高いです。定価は$99で実売価格では3,500円も安く購入することができます。Ryzen 3 3300Xのベースクロック及びターボクロックを引き下げたモデルです。Ryzen 3 3300Xと同様にオーバークロックに対応しているという強みがあります。
Core i3-10100ってどんなCPUなの?
ハイパースレッディング対応で前世代より大きく性能アップ
Core i3-10100は、前世代のCore i3-9100では非対応だったハイパースレッディングに対応しています。4コア4スレッドから4コア8スレッドになりパフォーマンスは大きく向上しています。用途によっては30%程度の性能が高いです。前世代のCoffee LakeではCore i9シリーズでしかハイパースレッディングに対応していませんでした。上位モデルとの差別化のために性能を制御していたわけです。
しかし、Core i3-10100を含めて第10世代CPUでハイパースレッディングに対応させたのは第3世代Ryzenシリーズの存在が大きいことは間違いありません。第3世代Ryzenシリーズの中でも後発モデルであるRyzen 3 3300XやRyzen 3 3100でもハイパースレッディングに対応しています。マルチスレッド性能の高さで業界を震撼させました。
価格面を考えるとRyzen 3シリーズが優勢であることは否定できません。それでももしCore i3-10100でもハイパースレッディング非対応となればさらに苦戦していたことでしょう。ユーザーからするとこのIntelとRyzenの競争は良い結果をもたらしてくれます。
Intel UHD 630グラフィックス搭載が強み
Core i3-10100は、ハイパースレッディング対応でパフォーマンスが向上しました。やはり4コア4スレッドと4コア8スレッドでは性能に与えるインパクトは変わりますね。Photoshopやゲームプレイなどでは競合のRyzen 3シリーズよりも明らかにパフォーマンスが高いです。一方で、総合性能ではRyzen 3 3300X/Ryzen 3 3100と比べて不利な面があります。例えば、動画のエンコードなど一部のアプリケーションでは劣ります。
どのような用途での使用を想定しているのかで評価は変わるということです。Ryzen 3シリーズにはなくてCore i3シリーズにある強みはCPU内蔵グラフィックス(Intel UHD 630)の有無です。外付けグラフィックボードまでは必要とないと考えている方にとっては朗報です。その分のコストを下げることができるからです。
CPU内蔵グラフィックスでも一般的なユーザーは想定する用途では十分な性能を持っています。インターネット閲覧、動画視聴、動画編集などにも対応することができます。低コストのパソコンを構築したいというユーザーにとっては魅力的だと言えます。
最安値クラスのBTOパソコンで採用されている
各BTOメーカーのラインナップを最安値順に並べるとCore i3-10100搭載モデルが多くなることに気付くでしょう。ただし、2020年7月上旬時点ではそれほどラインナップは多くありません。Core i3シリーズの立ち位置的にもビジネスPCあるいはクリエイターPCに適していると言えます。いわゆるゲーミングPCの販売はされていません。今後はドスパラやArkなどでゲーミングPCの販売も行われるのではないかと思います。
自作ユーザーの方にとってはなかなか悩ましい存在です。やはりRyzen 3シリーズが強敵になるからです。価格が安くほぼ同等の性能を持つCPUがあるのであればそちらを選ぶ方が多いでしょう。それでもCPU内蔵グラフィックス搭載やIntelのブランドに魅力を感じる方なら選ぶメリットはあります。
Core i3-10100のベンチマーク
Cinebench R20
エンコード
Photoshop
Core i3-10100のゲームプレイ時のフレームレート
Metro Exodus
Far Cry 5
Shadow of the Tomb Raider
Core i3-10100搭載のおすすめBTOパソコン
Magnate IE(ドスパラ)
価格:50,980円
CPU:Core i3-10100
GPU:UHDグラフィックス630
メモリ:DDR4 8GB
SSD:250GB
HDD:非搭載
電源:400W 80PLUS
STYLE-S046-iX1-UHS(パソコン工房)
価格:66,980円
CPU:Core i3-10100
GPU:UHDグラフィックス630
メモリ:DDR4 8GB
SSD:480GB
HDD:非搭載
電源:300W 80PLUS BRONZE
BR-IC4B46M-SH(Ark)
価格:71,820円
CPU:Core i3-10100
GPU:UHDグラフィックス630
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:550W 80PLUS BRONZE
当記事のまとめ
当記事では、Core i3-10100の性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。第10世代のComet Lakeになって全てのCore iシリーズがハイパースレッディング対応となっています。Core i3-10100は、4コア8スレッドとなり前世代と比べて30%程度パフォーマンスが向上しています。$122(実売価格は17,000円)という価格帯は低コストのパソコンを購入したいと考えている方や自作PCを作りたいと考えている方にとっては魅力的だと思います。
ただし、強敵であるRyzen 3シリーズが立ちはだかります。Core i3-10100よりも価格が安いにも関わらず同等の性能を得られます。それでもCPU内蔵グラフィックスが搭載されていたり、ゲームプレイ時に安定感があったりと強みもあります。十分比較検討して選択すると良いと思います。
現時点では搭載モデルはそれほど多くはありません。ドスパラの「Magnate IE」は税抜5万円台とリーズナブルです。メモリ容量8GB、SSD 250GBと構成も十分ですね。低価格のBTOパソコンを探している方は必見です。パソコン工房の「STYLE-S046-iX1-UHS」はスリムタワーを採用しています。デザイン性が高く人気があります。SSD容量が480GBと余裕があるのも嬉しいですね。
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