画像引用元:https://asrock.com/
当記事では、「Radeon RX 6800 XTの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。2020年11月18日にAMDの新しいグラフィックボードが発売となりました。2019年に発売されたNaviアーキテクチャのRadeon RX 5700 RNDAシリーズ以来です。Radeon RX 6800 XTで採用されるRDNA2はPlayStation 5やXboxでも採用されています。レイトレーシングを初めて搭載したということでも注目が集まります。ミドクラス止まりだったRadeonシリーズがここから動きだします。
(+) RTX 3080と同等のゲーミング性能を持つ
(+) 16GBと大容量のVRAMを搭載している
(-) レイトレーシング性能はイマイチ
(-) 国内での販売価格が高め
(-) 搭載されたBTOパソコンが少ない
目次
Radeon RX 6800 XTの総合性能
総合性能においては、RTX 3080と同等のゲーミング性能を持っています。これまでのAMDの最上位モデルだったRX 5700 XTと比べると50%近くパフォーマンスが向上しました。消費電力も抑えられていて購入しやすいと思います。AMDの本気が見えるモデルとなっていますね。
Radeon RX 6800 XTの性能スペック紹介
RX 5700 XTと比較
RX 6800 XT | RX 6900 XT | RX 5700 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | RDNA 2.0 | RDNA 1.0 |
GPU | Navi 21 | Navi 21 | Navi 10 |
プロセス | 7 nm | 7 nm | 7 nm |
ダイサイズ | 520 mm² | 520 mm² | 251 mm² |
トランジスタ数 | 268億 | 268億 | 103億 |
CUDAコア | 4608 | 5120 | 2560 |
RTコア | 72 | 80 | - |
Tensorコア | - | - | - |
ベースクロック | 1825 MHz | 1825 MHz | 1605 MHz |
ブーストクロック | 2015 MHz | 2250 MHz | 1905 MHz |
メモリ速度 | 16Gbps | 16Gbps | 14Gbps |
メモリ容量 | 16 GB | 16 GB | 8GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ帯域幅 | 512.0 GB/s | 512.0 GB/s | 448.0 GB/s |
Infinity Cache | 128MB | 128MB | × |
TDP | 300W | 300W | 225W |
公式価格 | $649 | $999 | $399 |
発売日 | 2020/11/18 | 2020/12/08 | 2019/07/07 |
コンピュータユニット1基につきRTコア1基が搭載されています。RX 6800 XTでは72基のコンピュータユニットが搭載されているので、RTコアは72基となります。上位モデルであるRX 6900 XTになるとフルスペックのNavi 21となりますので、コンピュータユニットが80基でRTコアは80基となります。Infinity CacheはL3キャッシュのような役割を持ちより効率的にVRAMとやり取りが行えます。
クロック周波数も高くなっています。RX 5700 XTと比べるとベースクロックが14%、ブーストクロックが6%高いです。RX 6900 XTとはベースクロックが同じで、ブーストクロックが11%程度高いです。メモリ周りなどは共通でスペック的にそれほど大きな違いがあるわけではありません。RX 5700 XTと比べるとメモリ速度が16Gbpsになり、メモリ容量が倍増しています。消費電力は300Wで性能の上昇分を考えると妥当でしょう。
RTX 3080と比較
RX 6800 XT | RTX 3080 | |
---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | Ampere |
GPU | Navi 21 | GA102 |
プロセス | 7 nm | 8 nm |
ダイサイズ | 520 mm² | 642 mm² |
トランジスタ数 | 268億 | 283億 |
CUDAコア | 4608 | 8704 |
RTコア | 72 | 68 |
Tensorコア | - | 272 |
ベースクロック | 1825 MHz | 1440 MHz |
ブーストクロック | 2015 MHz | 1710 MHz |
メモリ速度 | 16Gbps | 19Gbps |
メモリ容量 | 16 GB | 10GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6X |
メモリ帯域幅 | 512.0 GB/s | 760.3 GB/s |
Infinity Cache | 128MB | - |
TDP | 300W | 320 W |
公式価格 | $649 | $699 |
発売日 | 2020/11/18 | 2020/09/01 |
トランジスタ数はRTX 3080の283億に対して268億と5%少ないです。CUDAコアについてはRTX 3080が8704と90% 近く多くなっています。RTコアは72とRX 6800 XTの方が多いです。ただし、パフォーマンス面では必ずしも多ければいいというわけではありません。RTX 3080ではTensorコアが272基搭載されています。DLSS機能のためのコアです。ベースクロック及びブーストクロックについて、RX 6800 XTの方がそれぞれ27%・24%高いです。
メモリ周りについては両者で特徴が異なりますね。RTX 3080では19Gbpsのメモリでメモリ規格は高性能なGDDR6Xを採用しています。メモリ容量は10GBです。メモリ帯域幅が760.3 GB/sとかなり大きいです。一方、RX 6800 XTではメモリ速度は16Gbpsで、メモリ規格がGDDR6です。メモリ容量は16GBと大容量です。メモリ帯域幅は512.0 GB/sとRTX 3080よりも32%程度小さいです。この差をInfinity Cacheでカバーしているということになります。消費電力はRX 6800 XTが300Wと低くなっています。
Radeon RX 6800 XTってどんなグラフィックボード?
RTX 3080と同等のゲーミング性能を持っている
Radeon RX 6800 XTは、RTX 3080と同等のゲーミング性能を持つグラフィックボードです。4K解像度でのゲーム適性が高く現行のハイエンドモデルだと考えて良いでしょう。RX 5700 XTやTuring世代のミドルクラスからの買い替えを促すのに十分です。性能的にも価格的に魅力的なモデルに仕上がっています。
今回のNavi 21では、Infinity Cache(L3キャッシュ)の採用が大きなポイントです。GPUとVRAMとのやり取りが効率的になるというメリットがあります。パフォーマンスの向上とコストカットという両取りが実現しました。RTX 3080のようにメモリにGDDR6Xを採用してしまうとAMDの256 bitのメモリバスがネックとなってしまいます。
512 bitのメモリバスへの変更は簡単ですが、コストが掛かってしまいRTX 3080との価格的な優位性を作り出すことができません。消費電力が増加してしまう要因にもなります。そこでこのInfinity Cacheを採用してより効率的にデータのやり取りが可能となるわけです。
レイトレーシング性能はNVIDIAよりも劣る
今回Radeon RX 6000シリーズで初めてレイトレーシングに対応となりました。RTX 3000シリーズで二世代目となったNVIDIA製のグラフィックボードと比べるとどうしてもレイトレーシング性能は劣ってしまいます。レイトレーシングについてはNVIDIAが一歩先を行っている状況です。レイトレーシング性能を重視したい方は注意してください。
また、DLSSもNVIDIA製グラフィックボードの強みです。ディープラーニング技術(機械学習)によってより快適にゲームをプレイすることができます。これらの機能に対応したタイトルも増えて来ている状況で通常のゲーミング性能+αが求められています。純粋な性能は同等でも付随機能までを考慮するとやや見劣りしてしまうと思います。
発売後搭載モデルが増えていない
RX 6800 XT搭載のBTOパソコンはラインナップがそれほど多くありません。現時点ではパソコン工房が中心となっています。RX 6800 XTが発売された直後はTSUKUMOなどからも販売されていましたが、今はラインナップが消滅しています。
各BTOメーカーでのラインナップが少ないのはRX 6800 XTの在庫がほとんどないことが要因でしょう。在庫に余裕が出てくればラインナップも増えてくるのではないかと思います。RTX 3080よりも安く購入できるのであればユーザーからすると嬉しいですね。
Radeon RX 6800 XT搭載PC使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測しています。FULL HD環境、WQHD環境、4K環境の3つのパターンでのfpsをまとめています。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assasin’s Creed Odyssey
Far Cry 5
Hitman 2
Borderland 3
Metro Exodus
Radeon RX 6800 XTの消費電力&発熱
消費電力
温度
Radeon RX 6800 XT搭載のおすすめBTOパソコン
LEVEL-R969-LC129K-DYX(パソコン工房)
価格:354,880円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:Radeon RX 6800 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
LEVEL-R7X6-LCR59X-DYX(パソコン工房)
価格:344,980円(税込)
CPU:Ryzen 9 5900X
GPU:Radeon RX 6800 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
ZEFT RR09J(セブン)
価格:426,580円(税込)
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:Radeon RX 6800 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:2TB
当記事のまとめ
当記事では、Radeon RX 6800 XTの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。RX 6800 XTは、ゲーム適性が高くRTX 3080と同等のパフォーマンスを発揮します。4K解像度でのゲームプレイを考えているヘビーユーザー向けだと言えます。レイトレーシングにも対応していますが、RTX 3080に比べるとパフォーマンスは劣ります。今後BTOメーカーからラインナップが増えればユーザーからするとメリットが大きいと思います。定価を考慮するとRTX 3080搭載モデルよりも安く購入できるはずです。
売れ筋BTOパソコンをチェック
当サイトの人気記事一覧
- クリエイターPCおすすめランキング
- おすすめゲーミングPCランキング-ゲーミングPCマガジン
- BTOパソコンのレビュー・評判 | 当サイト紹介PC一覧表
各BTOメーカーのクリエイターブランドの中からおすすめのモデルをピックアップしています。デスクトップとノートパソコンをそれぞれランキング形式で紹介しています。高性能なモデルが揃っているのでプロフェッショナルの方にもおすすめです。
おすすめのゲーミングPC及びゲーミングノートPCを紹介しています。ゲーミングPCマガジンはゲーミングPCに特化したカテゴリーです。
当サイトでレビューをしているモデルを一覧表でまとめています。モデルごとの評価でソートできるのでどのモデルが良いのか判断しやすいと思います。
あなたに合うBTOパソコンを探す
用途などでBTOパソコンを選ぶ
セール | 使用用途 |
GWセール、年末セール等 | ビジネス、動画編集等 |
即納 | サイズ・形状 |
ドスパラの即納モデル等 | 15.6インチノート、スリムタワー等 |
BTOパソコン特徴やショップを比較
価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |