画像引用元:https://www.msi.com/
当記事では、「Radeon RX 6700 XTの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。当該モデルは、2021年3月に発売されたAMDの最新のグラフィックボードです。Radeon RX 5700 XTの後継モデルでおおよそ30%高いグラフィックス性能を持っています。価格が20%上がっていることを考えるとそれほどコストパフォーマンスが高いというわけではなさそうです。それでもWQHDでのゲームプレイをターゲットにするモデルとして高い性能を発揮します。レイトレーシング性能についても気になるところだと思います。
(+) RTX 3060 Tiより高い性能を持つ
(+) 12GBと大容量GPUメモリを搭載している
(+) SMSやPCI Express 4.0に対応している
(-) レイトレーシング性能は高くない
(-) RX 5700 XTより大幅に価格アップ
(-) 搭載BTOパソコンの価格も高めになっている
目次
Radeon RX 6700 XTの総合性能
競合となるのはNVIDIAのGeForce RTX 3070とRTX 3060 Tiとなります。RTX 3060 Tiよりも3%程度性能が高い一方で、RTX 3070よりも10%程度低くなっています。Turing世代におけるフラグシップモデルであったRTX 2080 Tiよりも12%程度劣ります。理想としてはRTX 3070に限りなく近い性能を持っていることでした。現状は価格通りの性能で驚きがあるわけではありません。
Radeon RX 6700 XTの性能スペック紹介
Radeon RX 6800と比較
RX 6700 XT | RX 6800 | RX 5700 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | RDNA 2.0 | RDNA 1.0 |
GPU | Navi 22 | Navi 21 | Navi 10 |
プロセス | 7 nm | 7 nm | 7 nm |
ダイサイズ | 335 mm² | 520 mm² | 251 mm² |
トランジスタ数 | 172億 | 268億 | 103億 |
CUDAコア | 2560 | 3840 | 2560 |
RTコア | 40 | 60 | - |
Tensorコア | - | - | - |
ベースクロック | 2321 MHz | 1700 MHz | 1605 MHz |
ブーストクロック | 2581 MHz | 2105 MHz | 1905 MHz |
メモリ速度 | 16Gbps | 16Gbps | 14Gbps |
メモリ容量 | 12 GB | 16 GB | 8GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス | 192 bit | 256 bit | 256 bit |
メモリ帯域幅 | 384.0 GB/s | 512.0 GB/s | 448.0 GB/s |
Infinity Cache | 96MB | 128MB | × |
TDP | 230W | 250W | 225W |
公式価格 | $479 | $579 | $399 |
発売日 | 2021/03/18 | 2020/11/18 | 2019/07/07 |
プロセスも7nmと共通です。RTコアが採用されているのはRX 6000シリーズからですね。コンピュートユニット1基につき1つのRTコアなので、RTコアは40基の搭載となります。RX 5700 XTからRX 6700 XTへのパフォーマンス向上は主にIPCの改善及びクロック周波数の引き上げで達成されています。ベースクロックは45%高く、ブーストクロックは35%高くなっています。
RX 5700 XTと大きく変わったのはメモリ周りです。まず、メモリ容量が8GB→12GBへと50%多くなりました。最近のゲーム事情を考えると魅力的です。一方で、メモリバスが256 bitから192 bitへとスペックダウンとなっています。上位モデルとの差別化と消費電力軽減のためだと考えられます。
この埋め合わせをするためにAMDは16 Gbpsのメモリチップを採用してメモリ帯域幅は384.0 GB/sとなりました。それでもRX 5700 XTの448.0 GB/sと比べると13%程劣ります。96MBのInfinity Cacheを搭載することでメモリアクセスを改善しています。消費電力は+5Wの230Wです。価格は$80高く$479となっています。
上位モデルのRX 6800ではBig NaviであるNavi 21を搭載しています。プロセスは同じ7nmですが、ダイサイズが55%大きい520m㎡となっています。トランジスタ数は268億とかなり多いです。CUDAコアはRX 6700 XTよりも50%多い3840基です。RTコアは60とこちらも50%アップです。一方で、クロック周波数は少し抑えられています。ベースクロックは26%低く、ブーストクロックは18%低いです。
GPUメモリ容量は16GBと33%アップです。メモリバスが256 bitでメモリ帯域幅は512.0 GB/sとより広くなっています。Infinity Cacheも128MBと30%以上多く搭載されています。消費電力は+20Wで250Wです。価格差はちょうど$100となっています。
GeForce RTX 30シリーズと比較
RX 6700 XT | RTX 3070 | RTX 3060 Ti | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | Ampere | Ampere |
GPU | Navi 22 | GA104 | GA104 |
プロセス | 7 nm | 8 nm | 8 nm |
ダイサイズ | 335 mm² | 392 mm² | 392 mm² |
トランジスタ数 | 172億 | 174億 | 174億 |
CUDAコア | 2560 | 5888 | 4864 |
RTコア | 40 | 46 | 38 |
Tensorコア | - | 184 | 152 |
ベースクロック | 2321 MHz | 1500 MHz | 1410 MHz |
ブーストクロック | 2581 MHz | 1725 MHz | 1665 MHz |
メモリ速度 | 16Gbps | 14Gbps | 14Gbps |
メモリ容量 | 12 GB | 8 GB | 8 GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス | 192 bit | 256 bit | 256 bit |
メモリ帯域幅 | 384.0 GB/s | 448.0 GB/s | 448.0 GB/s |
Infinity Cache | 96MB | - | - |
TDP | 230W | 220W | 200W |
公式価格 | $479 | $499 | $399 |
発売日 | 2021/03/18 | 2020/10/29 | 2020/12/02 |
CUDAコア(シェーダーユニット)についてはRTX 30シリーズが多く、RTX 3060 Tiと比べても半分程度となっています。RTコアについてはRX 6700 XTの方が2基多いです。TensorコアはDLSSのためのコアでRX 6700 XTには搭載されていません。レイトレーシングを有効化したときでも機械学習モデルを活用することで効率よくフレームレートを高められるというメリットがあります。
RX 6700 XTはCUDAコアが少ないですが、ベースクロック及びブーストクロックが高くなっています。ブーストクロックは2.5GHzの壁を突破しました。RTX 3060 Tiと比べて55%、RTX 3070と比べても50%も高いです。ここまでクロック周波数を高くできるのはパワー効率に優れた7nmプロセスを採用しているからだと考えて良いでしょう。
メモリ周りについてはRX 6700 XTとNVIDIA製グラフィックボードで大きく異なっています。まずGPUメモリ容量が12GBと他のモデルに比べて50%も多いです。また、RX 6700 XTはメモリバスが192 bitを採用しています。上位モデルとの差別化のためです。
メモリ速度を16Gbpsに引き上げていますが、メモリ帯域幅は384.0 GB/sとRTX 3070やRTX 3060 Tiよりも15%程度劣ります。Infinity Cacheのおかげでカバーできている形です。メモリ周りでは同等以上だと考えて良いですね。消費電力は230Wと、RTX 3070やRTX 3060 Tiよりも高いです。これはクロック周波数が高いことから仕方のないところです。
Radeon RX 6700 XTってどんなグラフィックボード?
RX 5700 XTから順当な進化を遂げている
Radeon RX 6700 XTは、RNDA 2.0アーキテクチャを採用して初めてNavi 22を搭載したグラフィックボードです。Radeon RX 6800以上のモデルで採用されていたNavi 21のコンパクトバージョンと考えるとわかりやすいと思います。コンパクトとは言っても性能は高く前世代のRX 5700 XTよりも大きく性能を伸ばしました。主にクロック周波数の引き上げによって達成されたと言えますね。
Radeon RX 5700 XTは、ミドルエンド的な位置付けでしたが、RX 6700 XTではハイクラスに属する形となっています。価格が$80高くなっているので当然と言えば当然ですね。メモリ周りも強化されたメモリ容量12GBというのはやはり高解像度でのゲームプレイを想定していることを意味します。レイトレーシングに対応したのも注目ポイントですね。
NVIDIA製モデルに比べるとやや割高な価格設定
Radeon RX 6700 XTは前世代よりも大きく性能が向上して魅力的なグラフィックボードになりました。一方で、NVIDIA製グラフィックボード(RTX 30シリーズ)が強力なライバルになっていることも否定できません。総合的に見ればRX 6700 XTに勝ち目はなく割高な設定だと言わざるを得ません。購入を考えている方はしっかりと比較検討してください。
すでに見てきたとおり、ゲーミング性能は$80安価なRTX 3060 Ti寄りです。価格差を考えるとRadeon RX 6700 XTはコスパが悪いです。タイトルによっては上回ることもあるもののRTX 3070と比べると見劣りしてしまいます。
RTX 3060 Tiを含むRTX 30シリーズは第二世代になってレイトレーシング性能が大きく向上しています。レイトレーシング性能ではRadeon RX 6700 XTを大きく引き離しています。RX 6000シリーズで初めて搭載されたレイトレーシングはまだまだ未完成だと言えます。
定価$479のはずが10万円と価格が跳ね上がっている
Radeon RX 6700 XTもグラフィックボードの供給不足の影響を受けて価格が高くなってしまっている。定価$479だとすれば適正価格は55,000円~60,000円程度となるところですが、80%以上も高い10万円を超える価格で販売されています。ただ、この点については販売時点ですでに懸念事項となっていました。それが現実となったということです。
そもそも今の状況を考えると定価が安すぎるととも言えますね。当然$479での販売を継続することが難しいことはわかっていました。定価で購入できた方はラッキーです。なお、RX 6700 XT搭載BTOパソコンも高いです。同等以上の性能を持つRTX 3070搭載モデルの方が安く購入できると思います。
Radeon RX 6700 XT搭載PC使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測しています。FULL HD環境、WQHD環境、4K環境の3つのパターンでのfpsをまとめています。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assassin’s Creed Valhalla
Far Cry 5
一方で4KになるとRTX 3070やRTX 2080 Tiを上回るスコアを出しています。RTX 3070よりも4%、RTX 3060 Tiよりも17%も高いです。GPUメモリ容量が多いことがプラスになっているのかもしれません。前世代のRX 5700 XTよりも42%高いです。
Hitman 3
Borderlands 3
Radeon RX 6700 XTのその他ベンチマーク
レイトレーシング-Metro Exodus
消費電力
温度
Radeon RX 6700 XT搭載のおすすめBTOパソコン
G-GEAR GA5A-W213/XT(TSUKUMO)
価格:219,800円(税込)
CPU:Ryzen 5 5600X
GPU:Radeon RX 6700 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
GALLERIA XA7C-67XT(ドスパラ)
価格:229,980円(税込)
CPU:Core i7-12700
GPU:Radeon RX 6700 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
LEVEL-R9X6-LCR58X-DUX(パソコン工房)
価格:259,980円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:Radeon RX 6700 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Radeon RX 6700 XTの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。Radeon RX 6700 XTは、Navi 22を搭載した初めてのグラフィックボードです。上位モデルであるNavi 22よりも一回りコンパクトです。前世代のRX 5700 XTよりも30%前後ゲーミング性能が向上しています。その上で消費電力も抑えられているという理想的な形です。
RX 6800シリーズ以上のモデルよりもメモリ周りが少し弱くなっていますが、上位モデルと同様にInfinity Cacheの採用である程度カバーできています。VRAMが12GBと競合と比べても多くなっているのがポイントです。4K解像度でのゲームプレイにも対応可能です。
一方で、国内販売価格が10万円以上とかなり高価です。これは昨今のグラボの供給不足が要因です。搭載BTOパソコンの価格も跳ね上がっています。RTX 30シリーズ搭載モデルと比べても高い状況です。また、レイトレーシング性能についても劣ります。RTX 3060 Tiと比べても大きく差を付けられています。レイトレーシングを重視したい方は注意してください。
売れ筋BTOパソコンをチェック
当サイトの人気記事一覧
- クリエイターPCおすすめランキング
- おすすめゲーミングPCランキング-ゲーミングPCマガジン
- BTOパソコンのレビュー・評判 | 当サイト紹介PC一覧表
各BTOメーカーのクリエイターブランドの中からおすすめのモデルをピックアップしています。デスクトップとノートパソコンをそれぞれランキング形式で紹介しています。高性能なモデルが揃っているのでプロフェッショナルの方にもおすすめです。
おすすめのゲーミングPC及びゲーミングノートPCを紹介しています。ゲーミングPCマガジンはゲーミングPCに特化したカテゴリーです。
当サイトでレビューをしているモデルを一覧表でまとめています。モデルごとの評価でソートできるのでどのモデルが良いのか判断しやすいと思います。
あなたに合うBTOパソコンを探す
用途などでBTOパソコンを選ぶ
セール | 使用用途 |
GWセール、年末セール等 | ビジネス、動画編集等 |
即納 | サイズ・形状 |
ドスパラの即納モデル等 | 15.6インチノート、スリムタワー等 |
BTOパソコン特徴やショップを比較
価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |