画像引用元:https://www.msi.com/
当記事では、「Radeon RX 5600 XTの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。Radeon RX Vega 56の後継モデルだと言えるでしょう。いわゆるミドルクラスである$200-$300という価格帯に新たに投じられたモデルです。GeForce RTX 2060 Super/RTX 2060が競合となります。
1080p(FULL HD)でのゲームプレイに最適化されていて多くのユーザーにとって選択肢に入るグラフィックボードだと考えられます。後継モデルは「Radeon RX 6600 XT」です。7nmプロセス採用でRX 5600 XTよりも35%以上処理性能が向上しています。
(+) RTX 2060と同程度のゲーミング性能を持つ
(+) Navi 10採用でパワー効率にも磨きが掛かる
(-) レイトレーシング・DLSS機能は非搭載
(-) BTOパソコンの搭載モデルは期待できない
目次
Radeon RX 5600 XTの総合性能
ここに記載はありませんが、より上位のRX Vega 64に近いパフォーマンスとなっています。GTX 1660 Tiとの性能差は18%程度です。RX 5700やRTX 2060 Superとの差は大きいですが、価格差を考えると魅力的な選択肢となります。
Radeon RX 5600 XTの性能スペック紹介
RX 5600 XT | RX 5700 | RX 5500 XT | |
---|---|---|---|
GPU | Navi 10 | Navi 10 | Navi 14 |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
ダイサイズ | 251m㎡ | 251m㎡ | 158m㎡ |
トランジスタ数 | 10.3億 | 10.3億 | 6.4億 |
CUDAコア | 2304 | 2304 | 1408 |
ベースクロック | - | - | - |
ゲームクロック | 1560MHz | 1625MHz | 1717MHz |
ブーストクロック | 1750MHz | 1725MHz | 1845MHz |
VRAM | 6GB DDR6 | 8GB DDR6 | 4GB DDR6 |
メモリ帯域幅 | 336.0GB/s | 448.0GB/s | 224.0GB/s |
TDP | 150W | 180W | 130W |
公式価格 | $279 | $349 | $169 |
発売日 | 2020/01 | 2019/07 | 2019/12 |
ゲームクロックから下の部分で上位モデルと下位モデルで差があります。ゲームクロック周波数は4%、ブーストクロック周波数は2%低くなっています。さらに、大きな部分がVRAMです。RX 5600 XTでは12 Gbps GDDR6 6GBを採用、一方上位のRX 5700では14 Gbps GDDR6 8GBを採用しています。メモリ容量や規格などがはっきりと違っていることがわかります。メモリ規格の違いでメモリ帯域幅にも33%の差があります。
クロック周波数の違い及びメモリ容量・規格の違いで15%-20%の性能差が生まれているのです。RX 5700は性能が高い分消費電力も180Wと20%高くなっていて電源ユニットなどにも気を使う必要が出てきます。そういった意味でもRX 5600 XTは扱いやすいちょうど良い性能だと言えるかもしれません。
Radeon RX 5600 XTってどんなグラフィックボード?
FULL HD環境で輝くグラフィックボード
RX 5600 XTは、FULL HD(1080p)でのゲームプレイをターゲットにしたグラフィックボードです。最新のタイトルでも安定してゲームを楽しむことができるでしょう。エントリークラスのグラフィックボードからの買い替えならその差を体感できると思います。
WQHD環境以上でゲームをすることがない方に最適だと言えます。設定次第では高リフレッシュレートを出すことも可能です。ゲーマー全体で見てももっとも購入層の多い価格帯あるいは性能と考えて間違いありません。
PolarisやVegaから大きくパワー効率がアップ
当該モデルに搭載されているNavi 10は、従来のGPUよりもパワー効率が向上しています。Polaris 30が採用されていたRX 590やVega 10が採用されていたRX Vega 64/56はパワー効率が悪く消費電力がとてつもなく高くなっていました。
例えば、RX Vega 56の消費電力は210WとRX 5600 XTの150Wよりも40%も高いです。プロセスの縮小などの恩恵でここまで引き下げられたのはメリットだと言えます。AMD製のグラフィックボードは特に過去のモデルからの差が大きいように思います。
RX 5600 XTのリリースでNVIDIAも対抗した
RX 5600 XTのリリースに当たってNVIDIAと密かに戦いが行われていました。AMDは、はじめ$300というセグメントのリーダーであるGeForce GTX 1660 Tiを競合として天下を取るつもりでした。ライバルはGTX 1660 Tiとなるはずでした。
しかし、NVIDIAはそうはさせずAMDがCES 2020でRX 5600 XTのリリースを発表したとき購買層からRX 5600 XTの存在感をなくすためにRTX 2060の価格を$349から$299まで引き下げました。つまり、価格帯としては同じ$300以下ということになります。レイトレーシングやDLSSなど最新の機能があったり、純粋な性能が高かったりと魅力十分です。
そこでまたAMDがリリース直前に最後の変更を行います。これは誰も予期しないことだったように思います。内容としてはGPUクロック周波数を10%引き上げ、さらにメモリクロック周波数も16%引き上げました。これによってRTX 2060と同等の性能を引き出すことに成功しています。
Radeon RX 5600 XT搭載PC使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測。今回の検証では「MSI RX 5600 XT Gaming X」を使用しているため通常のモデルより少し性能が高くなっていることに注意してくださいね。BTOパソコンの購入時は少し割り引いて考えていただくと良いですね。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assasin’s Creed Odyssey
Far Cry 5
Hitman 2
Boarderland 3
Metro Exodus
Radeon RX 5600 XTの消費電力&発熱
消費電力
温度
Radeon RX 5600 XT搭載のおすすめBTOパソコン
各BTOメーカーから搭載モデルが販売されていません。今後もラインナップが追加される可能性は低いと思いますが、追加されたらここに追記する予定です。
Radeon RX 5600 XTはこんな方におすすめ!
当記事では、2020年1月に登場したRadeon RX 5600 XTの性能スペックについて紹介しています。現時点でBTOパソコンの搭載モデルはないため省略しています。RX 5600 XTは、元々はミドルクラスの王者であるNVIDIA GTX 1660 Tiを倒すために誕生しました。しかし、NVIDIAが対抗策として上位のRTX 2060の価格を引き下げたことで競合が変わりました。また、それに合わせてNVIDIAはRX 5600 XTの性能の底上げを行いRTX 2060と同程度のパフォーマンスが発揮できます。
性能的にはFULL HD環境への適性が高いグラフィックボードです。最新のタイトルでも最高設定で60fps以上を安定して出すことが可能です。RTX 2060と比較するとレイトレーシングやDLSSといった技術がないことがデメリットとなります。ただ、現時点でそれらの技術を活かせるタイトルが少なく大きなデメリットとはなりません。
RX 500シリーズやRX Vegaシリーズの買い替えでメリットを体感できると思います。数世代前のミドルクラス以下を使用している方におすすめです。性能はもちろん省電力性も高くなって目に見えない部分でのメリットも大きいです。
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当ページベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i9-9900K |
マザーボード | EVGA Z390 DARK |
メモリ | 16GB DDR4 |
SSD | 2x 960 GB SSD |
電源ユニット | Seasonic Prime Ultra Titanium 850W |
冷却システム | Cryorig R1 Universal 2x 140 mm fan |
ソフトウェア | Windows 10 64-bit |
ディスプレイ | Acer CB240HYKbmjdpr 24インチ |