画像引用元:https://blogs.nvidia.com/
当記事では、「Quadro RTX 4000の性能スペック&ベンチマーク」を解説しています。Turing世代のプロフェッショナルなグラフィックスアプリケーション向けのQuadro RTXファミリーがラインナップ入りしました。Quadro P4000の後継モデルという位置付けです。
レイトレーシングにも対応しています。搭載モデルも各BTOメーカーから販売されていて選択肢が増えてきました。Quadroシリーズの中でも売れ筋のモデルだと言えます。後継モデルは、Ampere世代の「NVIDIA RTX A4000」です。次世代モデルからQuadroの文字は消えています。
(+)Quadro RTXシリーズのエントリーモデル
(+) Quadro P5000を超える高性能グラボ
(+) 搭載モデルが増えてきて選択肢が多い
(-) 前世代より消費電力が50%上昇している
目次
Quadro RTX 4000の性能スペック紹介
Quadro RTX4000 | Quadro P4000 | |
---|---|---|
コードネーム | Turing | Pascal |
GPU | TU104 | GP104 |
プロセス | 12nm | 16nm |
トランジスタ数 | 136億 | 72億 |
ダイサイズ | 545 mm² | 314 mm² |
CUDAコア | 2304 | 1792 |
Tensorコア | 288 | N/A |
RTコア | 36 | N/A |
RTX-OPS | 43T | 16T |
Ray cast | 6G Rays/s | 0.5G Rays/s |
GPUメモリ | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR5 |
メモリクロック | 13 Gbps | 7.6 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 256 bit |
メモリ帯域幅 | 416.0 GB/s | 243.3 GB/s |
FP32 | 7.1 TFLOFS | 5.3 TFLOFS |
TDP | 160W | 105W |
公式価格 | $900 | $799 |
発売日 | 2018/11/13 | 2017/02/06 |
Quadro RTX 4000は、12nmプロセスを採用しています。Quadro P4000と比べてトランジスタ数が90%近く増えて136億となりました。ダイサイズは73%大きくなっています。これはトランジスタ数が増えたこととRTコア・Tensorコアが搭載されたためです。CUDAコアがおよそ30%アップして2304となっています。RTコアは36基・Tensorコアは288基です。ディープラーニングやAI、そしてリアルタイムレイトレーシングに対応しています。RTX-OPS及びRay castを見る限り大きくレイトレーシング性能が向上していることがわかります。
また、GPUメモリもGDDR5→GDDR6へとアップグレードされています。さらに、メモリクロックも70%速くなって13 Gbpsに到達しています。メモリバスは256 bitと共通です。メモリ帯域幅が70%向上し416.0 GB/sへと高められています。1年半の年月を経て新しいグラフィックボードが登場しました。GDDR6は高性能・省電力が魅力ですが、CUDAコアがアップするなど性能の底上げが行われ消費電力が50%多くなっています。安定した電源を供給するために電源ユニットにはお金を掛けたいですね。価格も$900とQuadro P4000よりも15%程度高価になっています。
補足事項
- NVLinkは非対応
- 1スロット占有
RTX 4000は、Quadro P4000と同じくNVLinkには対応していません。NVLinkとは、2つのグラフィックボードを搭載することで性能を引き上げることです。いわゆるSLIのことです。下位モデルを2つ搭載すると上位モデルを超えてしまい安価になってしまうためNVIDIAは避けたいというところだろう。
Quadro RTX 4000は、1スロット占有とミニタワーでも搭載しやすいグラフィックボードです。前モデルと比べると消費電力は上がっていますが、160Wと抑えられているため1スロット占有に留められています。
Quadro RTX 4000ってどんなグラフィックボード?
Pascal世代と比べてパフォーマンス大幅アップ
Quadro RTX 4000は、Quadro P4000と比べて30%以上性能が向上しています。さらに、前世代の上位モデルであるQuadro P5000を超えるパフォーマンスを持っています。Quadro P5000が、単体価格25万円ということを考えると非常にコスパの高いグラフィックボードだと言えます。
さらに、メモリ規格がGDDR6へとアップグレードされていて性能の底上げが行われています。メモリ帯域幅も増え余裕が生まれます。容量は同じ8GBでも最新のグラフィックボードにふさわしいスペックを持っています。
中小企業や個人事業主でも導入しやすい価格帯
$900というのは非常に魅力的な価格設定だと思います。国内でも約15万円ほどで購入することができます。やや割高に設定されているもののこの価格なら中小企業や個人事業主の方でも導入しやすいと思います。もし今後もう少し価格が落ち着けばより魅力的な選択肢となりますよ!
ワンランク上のQuadro RTX5000になると$2,300(約25万円)と一気に跳ね上がります。ここまで来ると簡単に手は出せないと思います。Quadroはその特殊性が故に非常に高価です。それでも保証が手厚く長く使用するのであれば意外とコスパは良好です。
業務で3Dグラフィックスアプリケーションを使っている方はぜひ導入を検討してみてください。特にQuadro P2000やP1000からの買い替えなら性能差を体感できるでしょう。業務効率も良くなると思います。複数アプリケーションの起動などで性能不足を感じることが多くなった時がそのタイミングです。
搭載BTOパソコンも多く選びやすい
Quadro RTX4000搭載のBTOパソコンが増えてきています。発売直後はラインナップがなかなか増えていませんでしたが、2020年8月時点ではドスパラやマウスコンピューターなど多くのBTOメーカーから販売されています。旧世代からの切り替えが進んでいるということです。他のQuadro搭載モデルと比べてもラインナップが多く用途に合わせた最適な選択ができると思います。
Ryzen搭載モデルも充実しています。Quadro RTX 4000搭載モデルと合わせることを考えるとできればCore i7-10700K以上、Ryzen 7 3700X以上のCPUを選択しましょう。このクラスならできれば構成にも妥協はしたくありませんね。メモリ容量も最低でも16GB、余裕があれば32GBを選択すると良いと思います。
Quadro RTX 4000のベンチマーク一覧(3Dアプリ編)
SiSoft SANDRA
画像引用元:https://www.techadvisor.co.uk/
Quadro RTX 4000については、Radeon Ⅶが特にHashingで優れたスコアを出していることからやや厳しいスタートとなりました。それでも前世代のQuadro P4000と比べるとNVIDIAは性能の底上げをしっかりと行っています。しかしながら、暗号化があなたにとってとても重要なら、Radeon Ⅶが現時点では最も最適な選択肢のように思えます。
Chaos Group V-Ray
画像引用元:https://tutorials.cgrecord.net/
Blender
画像引用元:https://www.blender.org/
LuxMark
画像引用元:https://luxcorerender.org/
SolidWorks
Siemens NX
プロフェッショナル向けのグラフィックボードでは全てが優れたパフォーマンスを発揮していることがわかります。その中でもNVIDIA RTX 4000は前世代のP4000よりも大きくスコアが向上しています。30%以上高くなっているのはさすがですね。
Autodesk Maya
Quadro RTX 4000のベンチマーク一覧(ゲーム編)
3DMark Time Spy(DX12)
データ参照元:https://hothardware.com/
Far Cry 5
データ参照元:https://hothardware.com/
Quadro RTX 4000搭載のBTOパソコン三選
raytrek ZQ4(ドスパラ)
価格:279,980円(税込)
CPU:Core i7-11700K
GPU:Quadro RTX 4000
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
DAIV X10-QR4 (マウスコンピューター)
価格:351,780円(税込)
CPU:Core i9-10900K(水冷)
GPU:Quadro RTX 4000
メモリ:DDR4 32GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
SENSE-R42B-LCi9SX-QJS-CMG(パソコン工房)
価格:379,478円(税込)
CPU:Core i9-10900K
GPU:Quadro RTX 4000
メモリ:DDR4 64GB
SSD:480GB
HDD:非搭載
Quadro RTX 4000はこんな方におすすめ!
3Dグラフィックスを取り扱うプロフェッショナルの方におすすめのグラフィックボードです。およそ15万円という価格を考えると中小企業や個人事業主の方でも手を出しやすいと思います。これ以上になると数十万円のコストが掛かってしまいます。この価格でレイトレーシングやディープラーニングに対応しているのは魅力的です。
性能的には前モデルのQuadro P5000と同等で非常に高いと言えます。コストパフォーマンスが高くQuadro RTXシリーズのエントリークラスとして支持されています。ドスパラの「raytrek ZQ4」はバランスの良いモデルです。CPUにはCore i7-11700Kを搭載していてパフォーマンスが高いです。もう少しこだわりたいという方はマウスコンピューターの「DAIV X10-QR4」やパソコン工房の「SENSE-R42B-LCi9SX-QJS-CMG」が選択肢に入ります。いずれもストレージは控え目ですが、CPUにこだわりが見られます。
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CPU | グラフィックボード |
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当ページベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i9-7980XE |
マザーボード | ASUS ROG STRIX X299-E GAMING |
メモリ | 64GB HyperX FURY |
SSD | Kingston KC1000 960GB M.2 SSD |
電源ユニット | Corsair 80 Plus Gold AX1200 |
冷却システム | NZXT Kraken X62 AIO Liquid Cooler |
ソフトウェア | Windows 10 Pro |