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当記事では、ノート向けの第十世代CPUである「Ice Lake」と「Comet Lake」の特徴を解説しています。Intel第十世代CPUでは2種類のモデルが登場したことになり、ユーザーを悩ます種となっています。例を挙げるとIce Lake世代のラインナップではCore i7-1065G7やCore i5-1035G4などがあって、Comet Lake世代ではCore i7-10510UやCore i5-10210Uなどがあります。
簡単に両者の違いをまとめると、Ice LakeはCPU内蔵グラフィックス性能重視で、Comet Lakeは純粋なCPU性能重視のモデルだと言えます。2020年になって徐々にBTOメーカーから搭載モデルが登場してきました。どちらのCPUを選択すればいいのかわからないという方はぜひ参考にしてくださいね。それぞれの特徴を1ページでまとめて比較できれば理解しやすいと思います。
目次
Intel第十世代CPU「Ice Lake」と「Comet Lake」が登場
モデル | コードネーム | プロセス | コア/スレッド | ベースクロック | ブーストクロック | L3キャッシュ | EUs | 消費電力 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-1065G7 | Ice Lake | 10nm | 4/8 | 1.30GHz | 3.90GHz | 8MB | 64 | 15W |
Core i5-1035G7 | Ice Lake | 10nm | 4/8 | 1.20GHz | 3.70GHz | 6MB | 64 | 15W |
Core i5-1035G4 | Ice Lake | 10nm | 4/8 | 1.10GHz | 3.70GHz | 6MB | 48 | 15W |
Core i5-1035G1 | Ice Lake | 10nm | 4/8 | 1.10GHz | 3.60GHz | 6MB | 32 | 15W |
Core i3-1005G1 | Ice Lake | 10nm | 4/8 | 1.00GHz | 3.40GHz | 4MB | 32 | 15W |
Core i7-10710U | Comet Lake | 14nm | 6/12 | 1.10GHz | 3.90GHz | 12MB | 24 | 15W |
Core i5-10510U | Comet Lake | 14nm | 4/8 | 1.80GHz | 4.30GHz | 8MB | 24 | 15W |
Core i5-10210U | Comet Lake | 14nm | 4/8 | 1.60GHz | 3.90GHz | 6MB | 24 | 15W |
Core i3-10110U | Comet Lake | 14nm | 2/4 | 1.00GHz | 3.70GHz | 4MB | 23 | 15W |
型番の見方
第十世代になってやや型番が複雑になってしまいました。ここでは簡単にその見方について解説していきます。それぞれの上位モデルをピックアップしました。
Ice Lake世代
Core i7-1065G7
→Core i7 10 65 G7
- i7=ファミリーネーム
- 10=世代
- 65=SKUナンバー
- G7=内蔵グラフィックスの性能
Comet Lake世代
Core i7-10710U
→Core i7 10 710 U
- i7=ファミリーネーム
- 10=世代
- 710=SKUナンバー
- U=製品の種類(省電力モデル)
まだまだCoffee Lake搭載モデルが多い
Intel第十世代のIce LakeあるいはComet LakeのBTOパソコンが増えたとは言え各BTOメーカーの主流は第八世代のCoffee Lake-Refreshです。Core i7-8565Uなどは売れ筋モデルとなっています。完全に切り替わるにはまだまだ時間が掛かりそうです。
価格の優位性では旧世代のCoffee Lake-Refreshに軍配が上がりますが、パフォーマンスを考えると当然新しい世代の方が良いと思います。アーリーアダプターになるかもう少し待つのかあなた自身の立ち位置を考えておくと良いですね。国内BTOメーカーのラインナップが増えてくれば購入しやすくなると思います。
Ice Lake世代ノート向けCPUの特徴
最新の10nmプロセスを搭載
Ice Lake世代のCPUは、インテルのSunny Coveアーキテクチャが土台となっていて最新の10nmプロセスを搭載しています。プロセスが縮小化されることでより多くのトランジスタを搭載できパフォーマンスに良い影響を与えます。
14nm→10nmへの切り替えはIntelが長らく力を入れていた部分です。10nmプロセスによる恩恵はパワー効率の良さだと言えます。バッテリー駆動時間は長くなると考えて良いでしょう。第十世代の本命はこのIce Lakeで間違いありません。
性能の高いCPU内蔵グラフィックス
Ice Lake世代のもう一つの強みがCPU内蔵グラフィックスの強化です。上記のテーブルのEUsがGraphics Execution Unitsを意味します。これは単純にグラフィックコア=性能を意味すると考えてください。
これまでのUHD 630やComet Lake搭載のグラフィックスコア24に対して、Ice Lake世代では最大64と約2.7倍と大幅に引き上げられています。下位モデルでも32と約1.3倍高いです。動画編集やWEBデザインなどGPUを活かせる用途に最適です。
最上位モデルでもマルチスレッド性能は控え目
Ice Lake世代のデメリットの一つがマルチスレッド性能が控え目であるということです。最上位のCore i7-1065G7でも4コア8スレッドとなっています。動画編集やゲームプレイなどマルチスレッド性能が求められる用途においては選択肢から外れてしまうでしょう。
もちろん性能が低いというわけではありませんが、どのような使い方をするのか考えておく必要があります。Ice Lake世代はグラフィックス性能を追求したいユーザー向けだと言えます。どちらかと言うと次世代モデル以降への繋ぎだと考えられます。クロック周波数も控えめですね。
Comet Lake世代ノート向けCPUの特徴
最上位モデルのマルチスレッド性能が高い
Comet Lake最大の魅力は、最上位のCore i7-10710Uのマルチスレッド性能が高いということです。6コア12スレッドと圧巻のパフォーマンスを発揮します。長らく使用している14nmプロセスだからこそある程度成熟期になっています。SKUナンバーを見てもIce Lakeの最上位モデルはCore i7-1065G7(SKUナンバー65)に対して、Comet LakeではCore i7-10710U(SKUナンバー710)と大きくなっています。6と7で7の方が大きく後者の方が性能が高いことが示唆されています。
Coffee Lake世代ではハイパフォーマンスモデルだった「H」シリーズでしか6コアのCPUはありませんでした。今回省電力モデルであるComet Lakeで6コアのCPUが登場したのは驚きです。L3キャッシュも多くポテンシャルが高いです。ゲームプレイにも対応できるポテンシャルを持っています。もっとも省電力モデルということもあってグラフィックボード搭載モデルが販売されておらず実質ゲームプレイは対応できません。
全体的にクロック周波数が高い
Comet Lake世代のCPU全般の特徴としてクロック周波数の高さが挙げられます。最上位のCore i7-10710Uはマルチスレッド性能に力を入れていますが、他のモデルでは総じてクロック周波数が高いです。特にCore i5-10510Uは、ベースクロック1.80GHz、ブーストクロック4.30GHzと高い水準となっています。ハイパフォーマンスモデルと比べても見劣りしませんね。Ice Lake世代との大きな違いだと言えますね。
Coffee Lakeのリフレッシュモデルという位置付け
Comet Lakeの注意点は技術的に新しいアーキテクチャではないということです。つまり、第八世代のCoffee Lakeのリフレッシュモデル(リニューアルモデル)と考えた方がしっくりときます。
もちろん性能面では前世代を上回っていますが、プロセスは同じ14nmですし内蔵グラフィックスには大きな進歩は見られません。アーキテクチャよりも内蔵グラフィックス性能を除く実用的な面を重視される方におすすめです。
用途別のおすすめCPU一覧表
型番 | 革新性 | 省電力性 | ビジネス | RAW現像 | エンコード | ゲーム |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-1065G7 | ☆ | ◯ | ☆ | ◎ | ◎ | ◎ |
Core i5-1035G7 | ☆ | ◯ | ☆ | ◎ | ◯ | ◯ |
Core i5-1035G4 | ☆ | ◯ | ☆ | ◎ | ◯ | ◯ |
Core i5-1035G1 | ☆ | ☆ | ☆ | ◎ | ◯ | ◯ |
Core i3-1005G1 | ☆ | ☆ | ◎ | ◯ | △ | △ |
Core i7-10710U | ◯ | ◯ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ |
Core i5-10510U | ◯ | ◎ | ☆ | ◎ | △ | △ |
Core i5-10210U | ◯ | ☆ | ◎ | ◯ | △ | △ |
Core i5-10110U | ◯ | ☆ | ◎ | ◯ | × | △ |
第十世代CPU搭載おすすめノート紹介
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CPU:Core i7-1065G7
GPU:Intel Iris Plus(G7)
メモリ:16GB
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HDD:非搭載
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価格:87,980円
CPU:Core i5-1035G1
GPU:UHD グラフィックス
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
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価格:164,980円 136,933円
CPU:Core i7-10710U
GPU:CPU内蔵グラフィックス
メモリ:DDR4 8GB
SSD:256GB NVMe対応
HDD:非搭載
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CPU:Core i5-10210U
GPU:オンボード
メモリ:DDR4 8GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:1TB
当記事のまとめ
当記事では、第十世代CPUの「Ice Lake」と「Comet Lake」についての特徴を比較しました。Ice Lakeはアーキテクチャも新しく本来の意味での第十世代CPUと考えて良いでしょう。パワー効率も高くなっています。CPU内蔵グラフィックスの性能の高さも魅力の一つです。
Comet Lakeは、前世代のCoffee Lakeと同じアーキテクチャを採用しています。実質リフレッシュモデルと考えて良いですね。それでもマルチスレッド性能の高さやベースクロックの高さは魅力的です。3Dグラフィックス性能よりも実用性を重視される方におすすめです。
基本的にはIce Lakeを選択するのが良いと思います。ただし、マルチスレッド性能及びクロック周波数の高さを重視される方、具体的にはRAW現像やエンコードを品格的に行いたい方はCore i7-10710Uが選択肢に入ります。もちろんIce Lake世代のモデルでも対応できないわけではありません。革新性などを含めてIce Lakeに軍配が上がると考えています。
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