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当記事では、「Radeon RX 5700 XTの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。RDNA 1.0アーキテクチャを採用したグラフィックボードです。2019年7月7日に登場しました。Radeon RX 590/RX 580の後継モデルとなります。
AMDの狙い通りRTX 2070を捉える性能でしたが、NVIDIAがSuperシリーズと投入したことで現行モデルではRTX 2060 SuperとRTX 2070 Superが競合製品となります。RTX 20シリーズと比較しながら詳しく性能について見ていきましょう。後継モデルである「Radeon RX 6700 XT」がリリースされています。一気に性能が高くなりハイクラスのグラフィックボードです。
(+) ハイクラスのモデルとしてコスパに優れている
(+) ゲームによってはRTX 2070 Superを超える
(-) 性能の波が激しくゲームによってはRTX 2060と同等レベルにまで落ち込む
(-) 最適化されていないゲームに非常に弱い
(-) 搭載モデルの価格はかなり高い
目次
Radeon RX 5700 XTの総合性能
性能的にこれら2つの競合を上回っていることから十分ユーザーを納得させられるものでしょう。ただし、RTX 2070 SuperやRTX 2080などのハイクラスと対等に戦うのは難しいですね。上位モデルはNVIDAが強いです。Naviアーキテクチャのフラグシップモデルとして考えると期待外れと言えるかもしれません。また、搭載モデルになるとかなり価格が上がってしまうのが弱点です。
Radeon RX 5700 XTの性能スペック紹介
RX 5700 XT | RX 5700 | RX Vega 64 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Navi | Navi | Vega |
GPU | Navi 10 | Navi 10 | Vega 10 |
プロセス | 7nm | 7nm | 14nm |
ダイサイズ | 251m㎡ | 251m㎡ | 495m㎡ |
トランジスタ数 | 10.3億 | 10.3億 | 12.5億 |
CUDAコア | 2560 | 2304 | 4096 |
ベースクロック | 1605MHz | 1465MHz | 1274MHz |
ゲームクロック | 1755MHz | 1625MHz | - |
ブーストクロック | 1905MHz | 1725MHz | 1546MHz |
VRAM | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB HBM2 |
メモリ帯域幅 | 448.0GB/s | 448.0GB/s | 484.0GB/s |
TDP | 225W | 185W | 295W |
公式価格 | $399 | $349 | $499 |
発売日 | 2019/7 | 2019/7 | 2017/8 |
CUDAコアが、4096から2560へと40%近く減少してもクロック周波数を引き上げ性能の向上が図られています。Radeon RX 5000シリーズにはゲームクロックという表記が追加されています。AMD社は、ゲームプレイなどで負荷が高いときの平均クロックをブーストクロックとしていました。その名称を今回からゲームクロックとしたようです。
そして最大クロック数をブーストクロックと表記しています。ゲームクロック自体はそのグラフィックボードに高い負荷がかかったときの平均値でしかありません。特に気にしなくても良く、目安にはなるかなぐらいに見ておきましょう。
メモリ規格がHBM2→GDDR6に変わったのも注目ポイントです。高性能ですがコストが掛かるHBM2を捨てた形になります。それによってメモリ帯域幅も7%程度低くなっています。今はメモリよりもグラフィックボード自体の性能を引き上げる方が先決でしょう。消費電力も295W→225Wへと大きく引き下げられています。Vega 10からNavi 10への進化は十分評価に値するものです。
最後にRX 5700に対して性能は高く、コストパフォーマンスも優秀です。上位グラフィックボードですから当然と取るべきなのか、RX 5700が控えめすぎるのか判断に迷います。搭載モデルの数を見る限り主流はこのRX 5700 XTでしょう。
PCI-Express gen 4.0の採用(中上級者向け)
Naviでは、PCI-Express gen 4.0を採用しています。新しいバススタンダードで先代のPCI-Express gen 3.0より2倍のバンド幅を持っています。Ryzen 3000シリーズのCPUと同時にAMD X570チップセットのマザーボードをリリースしています。IntelのIce Lakeが登場するまではこれが唯一PCIe gen 4.0をサポートするプラットフォームです。
もちろん、Navi Radeon RX 5700 XTは、旧型のPCIeもサポートしていますが当然gen 3.0のみ対応となっています。AMDの新しい製品のパッケージでは7nmプロセスとPCIe gen 4.0を謳っています。まるでIntelの12nmとPCIe gen 3よりも次世代モデルということを言いたいかのようですね。
Radeon RX 5700 XTってどんなグラフィックボード?
RTX 2070を上回るパフォーマンスを持っている
RX 5700 XTの競合製品はRTX 2060 SuperあるいはRTX 2070です。その2製品に対して大きく上回ります。一方で不安定さが目立つのが気になるところです。タイトルによってはRTX 2080をも凌駕する場面もあればGTX 1660と同等レベルになる場面もあります。高解像度に適した性能帯ではないのかもしれませんが、この落差はそのまま優秀だと断言しにくい原因にもなります。
仮に最高の性能を基準とした場合、価格も合わさってコストパフォーマンス抜群のグラフィックボードになれるでしょう。仮に最低の性能を基準とした場合、最悪のコストパフォーマンスを持つグラフィックボードになります。良いところと悪いところが一緒になっているので評価しづらいですね…。
$399という価格はあくまでも北米価格で、国内展開のときはその価格がそのまま反映されるとは考えにくいです。つまり、RTX 2060 Superより高く、RTX 2070 Superより安いという価格設定も十分にありえます。そうなると、わざわざ選択する意味はありません。
優秀なグラフィックボードかと言われれば「はい」、微妙なグラフィックボードかと言われても「はい」となります。国内展開の価格に全てがかかっていると言っても過言ではないと言えます。
強気な価格と不安定さが気になる
Radeon RX 5000シリーズは価格が割と強気で、競合製品と同等レベルになっています。AMDならではのコスパの高さは見られませんね。AMD製Radeonグラフィックボードと言えば、NVIDIAと同等の性能を持ちながら価格が安いという特徴があります。CPUについてもIntelとの関係で同様のことが言えます。Ryzenシリーズに比べると知名度が高くなくそれほど販売数が伸びないことが要因なのかもしれません。
また、一番気になるのは性能の不安定さでしょう。競合製品を圧倒するスコアを叩き出したかと思えば、競合製品に圧倒される場面も少なくありません。最大と最小の差が大きく、ゲームプレイ時にフレームレートが安定しにくいというデメリットがあります。このデメリットは高リフレッシュレート対応モニターを用いたゲームプレイではかなり致命的です。
また、Radeon製品に最適化されていないゲームでは競合製品の下位モデルにさえ劣ってしまいます。性能自体は優れていても、それを上手く発揮できるところが限られているのは大きなマイナスと言えるでしょう。せめて価格が安ければ同等製品として見ることも出来たのですが…。
搭載BTOパソコンのラインナップが少なく価格が高め
Radeon RX 5700 XTの搭載BTOパソコンはパソコン工房から販売されています。価格が高めになっているためコストパフォーマンスが高いわけではありません。グラフィックボード単体であればNVIDIA製グラフィックボードとある程度戦える位置にありますが、搭載モデルになると話は変わります。AMDファンの方向けのモデルだと言えますね。コストパフォーマスを重視するならRTX 2060 SuperやRTX 2070 Super搭載モデルがおすすめです。
Radeon RX 5700 XT搭載モデル使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測。FULL HD/WQHD/4K解像度+最高設定での計測を行い、平均値を出しています。性能に波のあるRX 5700 XTはRTX 2060 Superに対してどこまで差をつけることができるのでしょうか。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assasin’s Creed Odyssey
Far Cry 5
Ace combat 7
Hitman 2
BATTLE FIELD V
Radeon RX 5700 XTの消費電力&発熱
消費電力
温度
Radeon RX 5700 XT搭載のおすすめBTOパソコン
LEVEL-M0B4-R53-DXVI(パソコン工房)
価格:134,980円
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:Radeon RX 5700 XT
メモリ:DDR4 16GB
SSD:NVMe対応 250GB
HDD:1TB
LEVEL-R0X5-R73X-DXVI-ARG(パソコン工房)
価格:174,980円
CPU:Ryzen 7 3700X
GPU:Radeon RX 5700 XT
メモリ:DDR4 16GB
SSD:250GB NVMe対応 M.2 SSD
HDD:1TB
RX 5700 XTはこんな方におすすめ!
リアルタイムレイトレーシングが必要なく、RTX 2060 Superに魅力を感じない人におすすめです。場合によってはRTX 2080を上回り、GTX 1660 Tiを下回る荒れ馬な性能は困りもの。上手く扱えればとてもコストパフォーマンスが高いグラフィックボードになります。人とは違うものを選択したいと考える方にもぴったりです。
ただ、上手く扱うにはゲーム側の対応が重要になるのでプレイするゲームが最適化されているかの確認は必須です。もう少し安ければ性能の波も愛嬌で済んだかもしれません。国内展開するときの価格が全てですので、発売直後に購入するのはおすすめしません。
まずはNVIDIAのグラフィックボードとの比較が大事です。RX 5700 XTの価格とRTX 2060 superの価格を比較して、RX 5700 XTのほうが安ければ選択に値するかもしれません。5,000円以上安ければRX 5700 XTも選択する余地ができるので、グラフィックボードの選択を広げる役割を十分にこなせたと言えるでしょう。
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CPU | グラフィックボード |
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当ページベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i9-9900K |
マザーボード | EVGA Z390 DARK |
メモリ | 16GB DDR4 |
SSD | 2x 960 GB SSD |
電源ユニット | Seasonic Prime Ultra Titanium 850W |
冷却システム | Cryorig R1 Universal 2x 140 mm fan |
ソフトウェア | Windows 10 64-bit |
ディスプレイ | Acer CB240HYKbmjdpr 24インチ |