画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当記事では、「Core i9-9900Kの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介。2018年10月にIntel第九世代CPUが登場しました。その中で最も注目されているのフラグシップモデルであるこのCore i9-9900Kでしょう。
AMDの第二世代Ryzenシリーズの成功によってIntelも8コア16スレッドのCPUのリリースを強いられたことになります。今回から初めてCore i9がメインストリーム製品になったのも注目です。この気になる点が盛りだくさんのCore i9-9900Kについて詳しく見ていきましょう。
(+) 8コア16スレッドのフラグシップモデル
(+) 初のCore i9シリーズのメインストリーム入り
(-) $530と高額なCPUとなっている
(-) 14nmプロセス継続で消費電力が高い
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目次
Core i9-9900Kの性能スペック
Core i9-9900K | Core i7-9700K | Ryzen 7 2700K | |
---|---|---|---|
コードネーム | Coffee Lake-R | Coffee Lake-R | Zen + |
プロセス | 14nm | 14nm | 12nm |
ダイサイズ | 180 mm² | 178 mm2 | 192 mm² |
トランジスタ数 | - | - | 48億 |
コア/スレッド | 8/16 | 8/8 | 8/16 |
ベースクロック | 3.6Ghz | 3.6Ghz | 3.7Ghz |
ターボクロック | 5.0Ghz | 4.9GHz | 4.3Ghz |
オーバークロック | ○ | ○ | ○ |
L3キャッシュ | 16MB | 12MB | 16MB |
対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2933 |
CPU内蔵グラフィックス | UHD 630 | UHD 630 | 非搭載 |
TDP | 95W | 95W | 105W |
PL2 | 119W | 118W | - |
価格 | $529 | $419 | $329 |
発売日 | 2018/10/19 | 2018/10/19 | 2018/04/19 |
Ryzen 7 2700Xで採用されているプロセスは12nmでCore i9-9900Kよりも一回り小さいです。ダイサイズは192m㎡とCore i9-9900Kよりも7%程度大きいです。トランジスタ数は48億です。コア/スレッドは8コア16スレッドとどちらも同じです。ベースクロックはRyzen 7 2700Xの方が3%高く、ターボクロックはCore i9-9900Kの方が17%高いです。どちらのCPUもオーバークロックに対応しています。L3キャッシュ容量は16MBと共通です。対応メモリはRyzen 7 2700Xの方が上位規格であるDDR4-2933をサポートしています。Core i9-9900Kはワンランク下のDDR4-2666となります。この点はAMD製CPUが進んでいますね。
Ryzen 7 2700XはCPU内蔵グラフィックスは非搭載なのでグラフィックボードの搭載が必須です。TDPはRyzen 7 2700Xの方が10%程度高く105Wとなっています。Ryzen 7 2700Xの価格は$329とCore i9-9900Kよりも37%程度安価です。Core i9-9900Kよりも半年ほど前にリリースされたモデルとなっています。このモデルがなければCore i9-9900Kの発売はなかったかもしれませんね。
下位モデルであるCore i7-9700Kと比較していきます。プロセスは14nmと共通です。ダイサイズは少しだけ小さく178m㎡となっています。Core i7-9700Kはハイパースレッディングに対応しておらず8コア8スレッドというスペックです。ここでフラグシップモデルのCore i9-9900Kと差別化が図られています。ベースクロックは3.6GHzとどちらも同じで、ターボクロックはCore i9-9900Kの方が2%程度高いです。
L3キャッシュ容量はCore i9-9900Kよりも25%少なく12MBとなっています。対応メモリ・CPU内蔵グラフィックスは共通です。TDPについても同等の範囲に収まります。価格差は$110となっています。
Core i9-9900Kの特徴まとめ
Intelで初めての一般向け8コア16スレッドCPU
Intel第九世代のCore i9-9900Kは、Intelで初めて一般消費者向けの8コア16スレッドが実現したCPUです。これまでハイエンドデスクトップ向けだったCore i9(Core i9-7900X etc.)がメインストリームになったというのは注目すべき点です。この新しい製品によって一般消費者だけではなく株主をも満足させることができたと言えます。
IntelにとってAMDよりも優れたCPUを作り出すことはとても重要です。少なくともAMDに匹敵するパフォーマンスを持つ必要があります。こうしないと株主たちは納得しませんよね。経営的な部分を置いておいても8コアがメインストリームになったのは興味深いところです。ここからメニーコアが当たり前の時代に突入します。ゲーム実況・動画編集などのクリエイター作業も想定しています。
アーキテクチャは基本的に変わっていない
Core i9-9900Kで採用されているアーキテクチャは、事実上第六世代のSkylakeからベースは変わっていません。四世代に渡って同じデザインを引きずっているということです。あくまでもコア数を増やすことと効率性を上げるために14nmプロセスの改善に力を入れていて次世代のプロセスの開発が進んでいるとはいい難い状況です。
性能は確かに上がっているものの、アーキテクチャの大きな変更はありません。それでも第八世代のCore i7シリーズやRyzen 7シリーズを使用している方でも買い替えによって性能差を体感できるでしょう。それ以下のモデルあるいは第七世代より以前のモデルであればよりメリットがありますね。
アーキテクチャを維持したままスペックを引き上げたことで消費電力が上がってしまうという弊害もあります。電源ユニットについてはできる限り大容量・高規格のものを選択しましょう。BTOパソコンを見ても750W GOLDが一つの基準となっています。この点を受け入れていく必要がありますね。
$529と高額でターゲットはクリエイターとなる!?
Core i9-9900Kは、Core i7-8700Kの純粋な後継モデルというわけではありません。なぜなら価格が$529と$389から見ると大きく価格が上がっているからです。Core i7-9700KがCore i7-8700Kの後継モデルといえるでしょう。ハイパースレッディングには対応していませんが、価格はほぼ同等で性能は上回っています。この$530という価格はこれまで一般消費者向けのCPUとしてはラインナップがなく新しいセグメントとなっています。
8コア16スレッドという性能を最大限に生かすには動画編集・RAW現像・3D CADなどクリエイターの方がメインターゲットとなるでしょう。CPUにお金を掛けても十分なリターンが得られる方なら選ぶメリットがあります。動画視聴、オフィスソフト、ゲームなどの使用だけでは完全にオーバースペックとなります。オーバースペックだと思えば、下位のCore i7-9700KやCore i5-9600Kなどを選択肢に入れると良いですね。価格が下がるのでその分を他のパーツにお金を掛けることができます。
ベンチマークでわかるCore i9-9900Kの性能!
一般アプリケーションベンチマーク一覧
Cinebench R15
マルチスレッド性能及びシングルスレッド性能共にずば抜けた性能を発揮しています。マルチスレッド性能ではi7-8700Kと比べて40%程度高く、Ryzen 7 2700Xと比べて5%程度高くなっています。シングルスレッド性能ではRyzen 7 2700Xよりも22%程度高いです。Core i9-9900Kはオーバークロックをすることで最大15%程度の底上げが行なえます。
Handbrake
旧世代のCore i7-8700KではRyzenに苦戦していましたが、Core i9シリーズでは完全に上回っています。オーバークロックをすればより性能を引き上げることが可能です。15%以上の性能アップを見込むことができます。動画のエンコードをメインに考えているならCore i9-9900Kは最適だと思います。
7-zip
旧世代のCore i7-8700Kと比べて30%-40%程度高速化しています。コア数が6→8コアに上がっているのがそのまま反映されていると言えます。また、コアを上げただけではなくクロック周波数も高いのが魅力ですね。様々なアプリケーションの使用を考えているならCore i9-9900Kは魅力的なCPUとなるでしょう。
PCゲームのベンチマーク一覧
Full HD(1920×1080)でのゲームプレイ中のフレームレートを計測しています。Core i9はゲームプレイではそれほどメリットがありません。性能差を感じることができないので、ゲーム目的だけで購入するべきではないと思います。価格が高いのでその分をグラフィックボードなどに費やすことを推奨します。
Hitman
Battlefield1
Core i9-9900K搭載のおすすめBTOパソコン
SR-ii9-8860G/S5/W10(パソコンショップセブン)
価格:119,800円
CPU:Core i9-9900K
GPU:オンボードGPU
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
GALLERIA ZZ(ガレリア)
価格:279,980円 269,980円
CPU:Core i9-9900KF
GPU:GeForce RTX 2080 Ti
SSD:NVMe対応M.2 1TB
HDD:3TB
G-GEAR neo GX9J-C194/ZT(TSUKUMO)
価格:259,800円
CPU:Core i9-9900K
GPU:GeForce RTX 2080 Super
SSD:500GB
HDD:2TB
当記事のまとめ
当記事では、第九世代CPUのフラグシップモデルであるCore i9-9900Kの性能レビューとおすすめBTOパソコンを紹介しています。Core i9-9900KはIntelの一般向けモデルとして初めて8コア16スレッドを搭載した高性能CPUです。アーキテクチャが変わっていないため消費電力を抑えることができていないのは弱みとなります。
また、価格は高く$500を超えています。第八世代のフラグシップモデルCore i7-8700Kと比べて50%上がっているのは懸念点ですね。同等のスペックを持つRyzen 7 2700Xが$329と$200も安くコストパフォーマンスが高いCPuとは言えません。ゲーミング用途としてよりは動画編集などクリエイター向けのCPUだと思います。
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当ページのベンチマーク計測のテスト環境
マザーボード | ASRock Z370 |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
SSD | Crucial MX300 750 GB |
電源ユニット | Seasonic SS-860XP |
冷却システム | Noctua NH-U14S |
ソフトウェア | Windows 10 64-bit |