当記事では、動画編集及びエンコードにおすすめのBTOパソコンを紹介しています。動画編集もエンコードも比較的負荷の高い用途となります。動画を取り扱う上で密接に関連している用途のためこのページでまとめて解説しています。動画編集においてはCPU性能が重要でマルチコア性能が高いモデルが好ましいです。ソフトウェアによってはグラフィックボードのGPGPU機能を活用できます。
この機能を使えば本来映像処理に特化したグラフィックボードを汎用的に使用できます。グラフィックボードがCPUを補完してくれるようなイメージです。レンダリングやエンコードなど作業時間を効率化するためにもある程度のスペックのパソコンを用意しましょう。スペックの高いパソコンならより効率的に作業を行えます。お仕事で使用している方なら投資してもすぐに大きなリターンを得られるでしょう。
動画編集やエンコードをサクサクしたいのであれば高性能なパソコンが必須です。これだ!というBTOパソコンをピックアップしましたので、購入検討中の方は参考にしてくださいね。動画編集ではAdobe Premiere Pro・Aviutlを、エンコードはAviutlとHandbrakeの使用を想定しています。予算的には11万円~15万円程度です。MacではなくWindowsを選択すれば予算を抑えられます。ページの最下部でおすすめの構成もまとめています。合わせて参考にしていただけると嬉しいです。
動画編集・エンコード向けモデルの目安
価格帯(デスク) | 11.5万円~20.0万円 |
価格帯(ノート) | 13.0万円~16.0万円 |
負荷 | ★★★★☆ 高め |
CPU | Core i5-13400 or Ryzen 5 7600以上 |
GPU | GTX 1650以上 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 256GB以上 |
電源 | 80PLUS BRONZE以上 |
CPUに関しては旧世代のモデルを選択する場合はワンランク上のCore i7シリーズ/Ryzen 7シリーズを選択しましょう。旧世代のミドルクラスのモデルは性能面で見劣りしてしまうからです。現行モデルになってミドルクラスのCore i5/Ryzen 5も性能が引き上げられています。
GPUは外付けのグラフィックボードを搭載している方がパフォーマンスが高くなります。CPUとGPUの合せ技でより効率的に動画編集やエンコード処理を行えるからです。GTX 1650を最低基準に考えて、できればRTX 3060やRTX 3070程度のモデルを選択すると良いと思います。GPUメモリ容量が増えるため作業に余裕が生まれるからです。
メモリは16GB以上がマストです。32GBあればなお良しです。ストレージはSSD 256GB以上を用意しておきましょう。BTOパソコンなら基本的には500GB搭載で余裕があります。電源ユニットは80PLUS BRONZE以上を選択しましょう。高性能なCPUやGPUを選択するならより高品質な電源ユニットを搭載するべきだからです。作業中に不具合が起きてしまっては意味がありません。
目次
定番の動画編集・エンコードソフトの推奨スペックまとめ
用途 | CPU | グラボ | メモリ | ディスク容量 | |
---|---|---|---|---|---|
Adobe Premiere Pro CC | 編集 | Quick Sync 搭載の Intel 第 7 世代以降の CPU またはAMD Ryzen 3000 シリーズ | 2GBのGPU VRAM | 8GB以上 (4Kの場合32GB) | 8GB (SSD推奨) |
Aviutl | 編集・エンコード | Core i5以上 | GTX 1650以上 | 4GB以上 | 10GB |
Handbrake | エンコード | Intel Core i3以上 AMD FX / 2014+ APU以上 | 指定なし | 4GB以上 | 102GB以上 |
グラフィックボードについてはGeForce GTX 1650以上が良いですね。予算に余裕があればRTX 3060やRTX 3070もおすすめです。GPUメモリ容量も増えてより快適に作業を行えます。動画編集以外にもマルチに通用するモデルだと言えます。メモリは16GBを基準として4K動画を扱うなら32GBを選択しましょう。ディスク容量についてはSSD+HDDのあわせ技がおすすめです。
動画編集に必要なスペック&パーツ
パーツ | 要求スペック |
---|---|
CPU | Intel Core i5-13400 Ryzen 5 7600以上 |
グラフィックボード | GeForce GTX 1650以上 |
メモリ | 16GB以上 |
ストレージ | SSD 500GB以上推奨 |
電源 | 80PLUS BRONZE以上 |
CPU
CPUは、動画編集において最も重要なパーツだと言えます。プロセッサーのコア数と定格クロック数によって、どのぐらい早く編集作業を行えるかが決まります。8コア16スレッド以上のモデルを選択したいですね。クロック周波数が高いKシリーズやXシリーズならなお良しです。Adobe PremiereやHandbrakeなど多くの動画編集・エンコードソフトはCPUの要求スペックが高めです。
Intel製CPUならCore i5-13400搭載モデルが良いでしょう。特にIntel第十二世代以降Core i5シリーズはパフォーマンスが大幅に向上しています。Core i7-13700ならコア・スレッド数が増えてより有利になります。AMD製Ryzenシリーズも評価が高いです。例えば、Ryzen 7 7700XやRyzen 7 7700は8コア16スレッドとマルチコア性能が高く人気があります。動画編集などクリエイター向け作業に最適です。
ノートパソコンならCore i9-12900HK・Core i7-12700H・Ryzen 7 6800H・Ryzen 7 5800Hなどのハイパフォーマンスモデルを選びましょう。他のパーツがどんなに高性能でもCPU性能が低ければ快適な動画編集を行うことはできません。エフェクト処理など負荷の高い作業に影響を与えます。
グラフィックボード
最近は動画編集・エンコードといった用途でもグラフィックボードの必要性が高まっています。本来3Dグラフィックス処理を担当するパーツですが最近はグラフィックス処理以外にも汎用的に活用可能です。GPUアクセラレーション対応ソフトも増えて来ています。Adobe Premiere Pro CCやHandbrakeなどの有名なソフトウェアは対応していると考えて良いですね。
GPGPU(General Purpose Graphics Processing Unit)は、GPUコア(CUDAあるいはATI Stream)をエンコードやレンダリングなどに活かす機能のことです。プレビューのスムーズな表示も可能になります。CPUだけでは処理に時間が掛かるところを補完的に機能します。動画編集の作業が捗ります。
また、GPUメモリ容量が多いほうが有利です。多くのソフトウェアではGPUメモリ2GB以上を推奨しています。Turing世代以降のモデルであれば50番台でもクリアしています。システムメモリの負担軽減にも繋がります。もちろん8GBや10GBと大容量なのは良いですが、その分コストも上がってしまいます。
メモリ
十分な容量のメモリを搭載することは動画編集を行う上で大切です。1080pの動画編集をする場合でも最低16GBのメモリが必要です。8GBだと動画のプレビューなどでもっさりとした動作になってしまうと思います。動画編集に使用するソフトのほとんどがメモリをたくさん使用します。そのためメモリが不足しているともっさりとした挙動になってしまいます。
4Kの動画編集なら32GBが欲しいところです。両方のケースにおいてメモリ容量が多ければ多いほど良いといえますが、重要度でいうとCPUに軍配が上がります。予算があるのであれば64GB搭載モデルを選択してもおもしろいかもしれませんが、さすがに64GB以上は無駄になる可能性が高いです。それならCPUやグラフィックボードにコストを掛けるべきだと思います。
ストレージ
動画編集においてストレージもしっかりと考えるべきです。まず、動画編集ソフトやOSはSSDに保存しておくとより快適に動画編集を行えます。最低の250GBを用意しておくと完璧ですね。多くのソフトウェアでSSDの導入を推奨しています。最近のBTOパソコンではSSD 500GBというのが一般的になっています。それ以上の容量が必要ならカスタマイズで対応するか別途ご自身で用意すると良いですね。
予算に余裕がない方は全てHDDで対応しても問題ありません。SSDが必須というわけではなく、1080Pなど一般的な環境での編集であればそれほど影響を与えることはありません。動画の保存などにある程度のストレージ容量が必要になります。最低でも1TBの容量があると良いでしょう。
電源ユニット
高性能なCPUにも安定した電気を供給するために品質の高い電源ユニットを利用するのがベストです。高い品質の証明である80PLUS認証の電源を選ぶのが良いでしょう。多くのBTOパソコンではデフォルトで必要な電源ユニットが採用されています。グラフィックボード搭載モデルの場合は500W BRONZE認証が選択されることが多いです。高性能なモデルになると650W BRONZEや750W GOLDといった高容量・高規格のものが採用されることもあります。
動画編集・エンコードにおすすめのパソコン五選
Magnate MH(ドスパラ)
価格:114,980円(税込)
CPU:Core i5-13400
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
mouse DT7-G-MGZN(マウスコンピューター)
価格:144,800円(税込)
CPU:Core i7-12700F
GPU:GeForce GTX 1650 GDDR6版
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:256GB NVMe
HDD:1TB
raytrek MV(ドスパラ)
価格:169,980円(税込)
CPU:Core i7-13700F
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
New Inspiron 16 ノートパソコン(Dell)
価格:146,679円(税込) 132,011円(税込)
CPU:Core i7-1360P
GPU:Iris Xe Graphics
メモリ:LPDDR5-4800 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
GALLERIA XL7C-R45(ドスパラ)
価格:159,980円(税込)
CPU:Core i7-13700H
GPU:GeForce RTX 4050 Laptop
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
よくある質問
- 動画編集においてグラフィックボードの選択はそれほど重要ではありませんか?
- 基本的なソフトウェアではグラフィックボードの搭載は必須ではないと考えます。CPU一体型のグラフィックスでも対応できます。お仕事で使用しているなど効率を重視したいならグラフィックボード搭載を検討しましょう。最近はグラフィックボードをCPUのように使用できるGPGPU機能が搭載されていて、対応ソフトウェアも増えています。今後は、時代の流れ的に動画編集においてもグラフィックボードの必要性は高まっていくかもしれません。グラフィックボードが高性能であればエンコードやレンダリングのスピードに影響を与えることがあります。
- グラフィックボードを搭載するならNVIDIAとAMDのどちら良いですか?
- 基本的にはどちらでも問題ありません。ソフトウェアによっては偏ってしまうこともありますので、メジャーなNVIDIA製グラフィックボードを選択しておくと良いかも知れません。ここ最近はAMD製グラフィックボードも人気ですが、まだまだ歴史が短くNVIDIA GeForceが有利です。
- Xeon製のCPUは動画編集向きですか?
- XeonのCPUはでデュアルCPUにも対応していて費用を掛ければより高性能なパソコンを組み立てることができます。しかし、動画編集においてはそれほど多くのコア数があっても意味がないことがわかっています。えば、Xeon W-2295のような18コア36スレッドといったスペックは必要ないと考えます。基本的には8コア16スレッドがあれば十分でしょう。
当記事のまとめ
当ページでは動画編集におすすめのBTOパソコン&必要スペックの紹介を行いました。動画編集ではCPU性能及びメモリを重視すると良いですね。マルチスレッド性能が高いCore i7が有利です。メモリも最低8GB、推奨は16GBです。性能が高ければ高いほど処理が早くなるので予算を掛ければ恩恵を受けやすいです。
それなりに予算を掛けられるのであればCore i7-13700F×RTX 3060搭載の「raytrek MV」がおすすめです。ドスパラのクリエイター向けブランドであるraytrekは信頼性が高く多くのユーザーに支持されています。もう少し予算を抑えたいならCore i5-13400Fを搭載したドスパラの「Magnate MH」が良いでしょう。グラフィックボード搭載モデルとしては破格です。外出先でも作業を行いたいというのであればドスパラの「GALLERIA XL7C-R45」が選択肢に入ります。スペックだけを比較するとMacより高コスパです。
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