当記事では、Ryzen 7 7700の性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しています。Ryzen 7000シリーズのTDP 65Wのモデルが発売されました。Ryzen 9 7900・Ryzen 7 7700・Ryzen 5 7600と三つのラインナップが発売されて、Ryzen 7 7700はちょうど真ん中のモデルということになります。
Ryzen 7 7700Xとのクロック周波数・消費電力の差がどの程度パフォーマンスに影響を与えるかが気になるところだと思います。Intel第十三世代CPUで価格が近いのはCore i5-13600Kとなりますが、シリーズ的にはCore i7-13700K/Core i7-13700となるでしょう。Core i7-13700のレビューをまだ行っていないためCore i5-13600KとCore i7-13700Kとの比較を中心に行っていきます。
(+) 8コア16スレッドの高性能CPU
(+) TDPが65Wと省電力性が高い
(+) Ryzen 7 7700Xに近い性能を持つ
(-) DDR5メモリ・マザーボードなどのコストが掛かる
(-) 搭載BTOパソコンのコストパフォーマンスが低い
Ryzen 7 7700の基本スペック
世代 | 第5世代 |
アーキテクチャ | Zen 4 (Raphael) |
プロセス | 5nm |
コア/スレッド数 | 8 / 16 |
定格クロック | 3.80 GHz |
最大クロック | 5.30 GHz |
L2キャッシュ | 8MB |
L3キャッシュ | 32MB |
対応メモリ | DDR5-5200 |
内蔵グラフィックス | Radeon Graphics |
TDP | 65W |
PPT | 88W |
価格 | $399 (53,799円) |
発売日 | 2023/01/14 |
目次
Ryzen 7 7700のおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◎ | ☆ | ◎ | ◎ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | ◎ | ◎ | ◎ | ☆ | ◎ | ◎ |
Ryzen 7 7700のスペック比較
AMD製CPUと比較
7 7700 | 7 7700X | 7 5700X | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 4 (Raphael) | Zen 4 (Raphael) | Zen 3 (Vermeer) |
トランジスタ数 | 65.7億 | 65.7億 | 41.5億 |
プロセス | 5nm | 5nm | 7nm |
ダイサイズ | 70 mm² | 70 mm² | 81 mm² |
I/Oプロセス | 6nm | 6nm | 12nm |
I/Oダイサイズ | 124.7 mm² | 124.7 mm² | 124 mm² |
コア | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 | 16 |
定格クロック | 3.8GHz | 4.5GHz | 3.4GHz |
最大クロック | 5.3GHz | 5.4GHz | 4.6GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ |
L2キャッシュ | 8MB | 8MB | 4MB |
L3キャッシュ | 32MB | 32MB | 32MB |
メモリタイプ | DDR5-5200 | DDR5-5200 | DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Radeon Graphics | 非搭載 |
PCI-Express | Gen 5 | Gen 5 | Gen 4 |
TDP | 65 W | 105 W | 65 W |
PPT | 88 W | 142 W | - |
価格 (実売価格) | $329 (53,799円) | $399 (48,455円) | $299 (28,680円) |
発売日 | 2023年01月14日 | 2022年09月27日 | 2022年04月15日 |
I/Oダイに関してもプロセスが12nmから6nmへと半減されています。ダイサイズは変わらず124.7m㎡です。これはRadeon Graphicsを搭載しているためですね。コア・スレッド数は8コア16スレッドと変わりありません。定格クロックは12%高く、最大クロックも15%高くなっています。最大クロック周波数は5.3GHzとなりました。Zen 4アーキテクチャになって高クロックを実現しています。
L2キャッシュが倍の8MBとなりました。メモリタイプもDDR4-3200からDDR5-5200へとアップグレードされました。CPU内蔵グラフィックスのRadeon Graphicsが搭載されているのも特徴の一つです。PCI-ExpressもGen 4からGen 5となりました。機能面でもしっかりと強化されました。TDPは65Wと共通です。クロック周波数が低い分だけRyzen 7 570Xはそれほど消費電力が高くありません。価格は$30高く$329です。実売価格では25,000円の差があります。
Ryzen 7 7700Xは、Ryzen 7 7700のクロック周波数を引き上げたモデルです。定格クロックが19%高く、最大クロックも2%高いです。L2キャッシュやL3キャッシュも共通ですね。メモリタイプ・CPU内蔵グラフィックス・PCI-Expressも変わっていません。TDP及びPPTはかなりの差がありますね。当然Ryzen 7 7700の方が消費電力が抑えられています。価格差は$70です。国内価格はRyzen 7 7700Xの方が安いです。時間が経てばRyzen 7 7700の価格が下がるはずです。
Intel製CPUと比較
7 7700 | i7-13700K | |
---|---|---|
コードネーム | Zen 4 (Raphael) | Raptor Lake |
トランジスタ数 | 65.7億 | - |
プロセス | 5nm | 10 nm |
ダイサイズ | 70 mm² | 257 mm² |
I/Oプロセス | 6nm | - |
I/Oダイサイズ | 124.7 mm² | - |
コア | 8 | 16 (8P+8E) |
スレッド数 | 16 | 24 |
定格クロック(P) | 3.8GHz | 3.4GHz |
最大クロック(P) | 5.3GHz | 5.4GHz |
定格クロック(E) | - | 2.5GHz |
最大クロック(E) | - | 4.2GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ |
L2キャッシュ | 8MB | 24MB |
L3キャッシュ | 32MB | 30MB |
メモリタイプ | DDR5-5200 | DDR5-5600 DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | UHD Graphics 770 |
PCI-Express | Gen 5 | Gen 5 |
CPUクーラー | ◯ | × |
TDP | 65 W | 125W |
PPT | 88 W | 253 W |
価格 (実売価格) | $329 (53,799円) | $409 (63,315円) |
発売日 | 2023年01月14日 | 2022年10月20日 |
Core i7-13700Kは、ハイブリッドコアアーキテクチャを採用していて16コア24スレッドというスペックです。従来のコアに相当するPコアが8つと、省電力性重視のEコアが8つとなります。Pコアの定格クロックはRyzen 7 7700の方が12%高く、最大クロックはCore i7-13700Kの方が2%高いです。Eコアの定格クロックは2.5GHz、最大クロックは4.2GHzとなります。Pコアに比べるとクロック周波数は控え目です。Core i7-13700Kもオーバークロックに対応しています。
L2キャッシュはCore i7-13700Kの方が3倍多く24MBとなります。Raptor Lake世代ではPコア当たり及びEコアクラスター当たりのL2キャッシュ容量が増えました。L3キャッシュはRyzen 7 7700の方が少し多くなっています。メモリタイプはRyzen 7 7700がDDR5メモリに限定されているのに対して、Core i7-13700KではDDR4メモリもサポートしています。パフォーマンス重視かコスト重視かで選択できるのはユーザーにとってメリットになると思います。
Core i7-13700Kでは、CPU内蔵グラフィックスにUHD Graphics 770を搭載しています。PCI-Expressは Gen 5となります。Core i7-13700KにはCPUクーラーは非同梱です。Core i7-13700KはTDPが125W、PPTが253Wとかなり消費電力の高いCPUとなっています。価格差は$80です。実売価格では10,000円程度の差があります。
Ryzen 7 7700ってどんなCPUなの?
Ryzen 7 7700Xの消費電力を抑えたモデル
Ryzen 7 7700がどのようなCPUかと尋ねられると、端的に言えばRyzen 7 7700Xの消費電力を抑えたCPUと言えます。Ryzen 7 7700は8コア16スレッドとRyzen 7 7700Xとスペックは同じで、消費電力が40%程度抑えられているのが特徴です。Ryzen 7 7700Xとの性能差は5%前後とそれほど大きな違いがなく、オーバークロックをすればRyzen 7 7700Xと同等のパフォーマンスを期待できます。これまでRyzen 7 7700Xの購入を考えていた方は、このRyzen 7 7700を候補に入れるのではないかと思います。
また、単体のCPUとして見ると価格差が$70(約9,000円)あって、コストパフォーマンスにも優れています。CPUクーラーが同梱なのも魅力的です。消費電力が抑えられている分純正品でも温度のコントロールが行いやすいのです。発売されたばかりの今はRyzen 7 7700Xよりも価格が高くなっていますが、しばらくすれば価格も落ち着きRyzen 7 7700Xよりも安く購入できるようになるでしょう。ゲームプレイからクリエイター作業まで幅広く対応できます。
新しいAM5プラットフォームがベースとなる
Ryzen 7 7700も上位モデルであるRyzen 7 7700Xと同様に新しいAM5プラットフォームがベースとなります。今はまだ高コストでそこがネックです。第四世代Ryzenシリーズからの換装を考えている場合、メモリDDR5-4800・マザーボードX670(E)/B650(E)の購入が必要です。基本的にCPUクーラーについては互換性がありますが、モデルによっては買い替えが必要となります。
確かにRyzen 7 7700XよりもCPU単体の価格は抑えられていますが、メモリやマザーボードの購入が必須となってくると話は変わります。メモリDDR5や新しいマザーボードの価格が下がるまではもう少し時間が掛かるでしょう。極端な話Ryzen 7 7700を組み込んだPCよりも、Core i7-13700Kを組み込んだPCの方が安上がりの可能性もあります。Intel製CPUはメモリDDR4をサポートしていますし、旧世代のマザーボードを流用できるからです。
搭載BTOパソコンのラインナップが豊富
各BTOメーカーのラインナップを見ると、Ryzen 7 7700を搭載したモデルは多くなっています。ドスパラ・パソコン工房・TSUKUMOなど主要BTOメーカーで購入できます。上位モデルのRyzen 7 7700X搭載モデルとの価格差も3万円前後ありますので、同等の性能を持つRyzen 7 7700搭載モデルは魅力的な選択肢となるでしょう。
ただし、Intel第十三世代Core iシリーズを搭載したモデルと比べると少し価格が高めです。これはすでに解説したAM5プラットフォームにコストが掛かるためです。Ryzen 7000シリーズの中では魅力的なモデルですが、購入を検討している方は必ずIntel第十三世代CPU搭載モデルを確認しておきましょう。
Ryzen 7 7700のベンチマーク
Cinebench R23
Adobe Photoshop
Premiere Pro CC
動画エンコード
Zipファイル
Ryzen 7 7700のゲーミング性能
Borderlands 3
Far Cry 6
Elden Ring
Ryzen 7 7700のその他ベンチマーク
温度
消費電力
Ryzen 7 7700搭載のおすすめBTOパソコン
GALLERIA XA7R-R36T 7700搭載(ドスパラ)
価格:244,979円(税込)
CPU:Ryzen 7 7700
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
LEVEL-R7X7-LCR77-SAX(パソコン工房)
価格:294,800円(税込)
CPU:Ryzen 7 7700
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
GALLERIA XA7R-R47T 7700搭載(ドスパラ)
価格:349,980円(税込)
CPU:Ryzen 7 7700
GPU:GeForce RTX 4070 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Ryzen 7 7700の性能スペック&搭載BTOパソコン紹介について紹介しました。Ryzen 7 7700Xと同じ8コア16スレッドというスペックを持つ高性能モデルです。TDPが65WとRyzen 7 7700Xよりも消費電力が抑えられているのがポイントです。Ryzen 7 7700ではTDPを引き下げるためにクロック周波数を抑えています。それでいてRyzen 7 7700Xとの性能差は5%前後とそれほど大きくありません。Ryzen 7 7700XよりもRyzen 7 7700の方が人気になる可能性が高いです。
また、価格面を見てもRyzen 7 7700Xよりも$70安く購入できるのは魅力的でしょう。2023年1月時点ではまだRyzen 7 7700Xの方が安価ですが、すぐに価格調整が行われてRyzen 7 7700の価格が下がるはずです。搭載BTOパソコンの選択肢は豊富です。ドスパラやパソコン工房など主要BTOメーカーから搭載モデルが販売されています。Intel製CPU搭載モデルと比べると割高感がありますが、Ryzen 7000シリーズ搭載モデルの中では比較的購入しやすいと思います。
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価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |
当ページベンチマークテスト環境
- ソフトウェア:Windows 11 Professional 64-bit
- グラフィックス:EVGA GeForce RTX 3080 FTW3 Ultra
- メモリ:2x 16 GB DDR5-6000
- ストレージ:Neo Forza NFP065 1 TB M.2 NVMe SSD
- CPUクーラー:Arctic Liquid Freezer II 420 mm
- 電源ユニット:Thermaltake Toughpower GF1 1200 W
- マザーボード:ASUS X670E Crosshair Hero