ryzen33300x*画像はRyzen 3 3300X

管理人管理人

当記事では、「Ryzen 3 5300Gの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。Zen 3アーキテクチャ採用のRyzen 5000Gシリーズのエントリークラスが登場しました。Ryzen 3 3200Gの後継モデルとなっています。4コア8スレッドというスペックを考えるとRyzen 5 3400Gの後継モデルとも考えられます。

このRyzen 3 5300GはOEM供給のみでの提供となっていて一般ユーザーは入手できません。基本的にはBTOメーカーなどのベンダーで搭載モデルを購入する必要があります。また、現時点で国内ではRyzen 3 5300G搭載モデルは販売されていません。今後ラインナップが追加されるのを待つしかありません。コストパフォーマンスに優れていて待つ価値のあるCPUだと言えます。

Ryzen 3 5300Gの基本スペック

世代第4世代
開発コードCezanne(Zen 3)
コア/スレッド数4 / 8
クロック周波数4.00 GHz
ブーストクロック4.20 GHz
内蔵グラフィックスAMD Radeon Graphics 6
TDP45W-65W
発売日2021年4月13日
価格$149(予想)

目次

Ryzen 3 5300Gのおすすめ用途

動画視聴Skypeビジネスデュアルデイトレマンガ デザイン
dougahaisin

tvdenwa
businessperson
dulamonitor
kabufx

webdesign
RAW現像動画編集動画投稿DTM ゲーム 実況CAD 

video_hensyu
youtubervirtual

gamedeveloper
gamejikkyouwomen
cad
×
Ryzen 3 5300Gにとってベストな用途はビジネス用途かもしれません。オフィスソフトの使用などで十分なパフォーマンスを発揮します。デュアル環境構築にも余裕があります。デイトレ・マンガ制作・WEBデザイン・DTMなどの用途にも対応可能です。Radeon GraphicsはCPU内蔵グラフィックスとして性能は高いもののゲーム実況・3D CADなどの用途には不向きです。ゲームプレイについてはかなり妥協をすれば対応できなくはありませんが、おすすめしづらいです。4コア8スレッドというスペックでは動画編集や動画投稿では重さを感じてしまうことになります。これらの用途を考えているならRyzen 5シリーズ以上を選択するべきでしょう。

Ryzen 3 5300Gのスペック比較

AMD製CPUと比較

Ryzen 3 5300GRyzen 3 PRO 4350GRyzen 5 3400G
コードネームZen 3
(Cezanne)
Zen 2
(Renoir)
Zen +
(Picasso)
プロセス7nm7nm12nm
トランジスタ数107億98億49.4億
ダイサイズ180 mm²156 mm²210 mm²
コア/スレッド4/84/84/8
ベースクロック4.0GHz3.8GHz3.7GHz
最大ブーストクロック4.2GHz4.0GHz4.2GHz
オーバークロック
L3キャッシュ8MB4MB4MB
CPU内蔵グラフィックスRadeon Graphics 6Radeon Graphics 6Radeon Graphics 11
グラフィック周波数1700 MHz1700 MHz1400 MHz
メモリタイプDDR4-3200DDR4-3200DDR4-2933
CPUクーラー非同梱非同梱Wraith Spire
TDP65W65W65W
価格
(実売価格)
$149
(-)
-$149
(-)
発売日2021年4月13日2020年7月21日2019年7月7日
Ryzen 3 5300GのスペックについてRyzen 5 3400GとRyzen 3 PRO 4350Gと比較していきます。Ryzen 5 3400Gは、Zen +アーキテクチャ採用のAPUです。12nmプロセスを採用しています。トランジスタ数は49.4億です。Ryzen 3 5300Gと比べると47%程度に留まります。ダイサイズは13%大きく210m㎡とjなっています。ベースクロックはRyzen 3 5300Gの方が9%高く、ブーストクロックは4.2GHzと同じです。いずれのモデルもオーバークロックに対応しています。

L3キャッシュ容量は倍増で8MBとなっています。CPU内蔵グラフィックスはRadeon Graphicsと共通です。コアは40%減となりましたが、グラフィック周波数は21%高くなりました。メモリタイプはDDR4-2933からDDR4-3200へとアップグレードされました。Ryzen 3 5300GはOEM供給のみでのリリースとなっていますのでCPUクーラーは非同梱です。TDPは65Wと共通です。価格は$149となっています。

実はRyzen 3 5300Gと同じOEM供給のみのモデルとしてZen 2アーキテクチャを採用したRyzen 3 PRO 4350Gもリリースされていました。7nmプロセスを採用しています。トランジスタ数はRyzen 3 5300Gの方が10%多いです。ダイサイズも一回り大きくなっていますね。コア/スレッドは4コア8スレッドと変わりありません。

ベースクロックはRyzen 3 5300Gの方が5%高く、ブーストクロックもRyzen 3 5300Gの方が5%高いです。L3キャッシュ容量が倍増の8MBとなります。CPU内蔵グラフィックスは同じですね。メモリタイプもDDR4-3200となっています。Ryzen 3 PRO 4350GもOEM供給のみのバルク品ということもあってCPUクーラーは非同梱です。TDPは65Wと共通です。およそ1年前にリリースされたAPUです。

Intel製CPUと比較

Ryzen 3 5300GCore i3-10105
コードネームZen 3
(Cezanne)
Comet Lake
プロセス7nm14nm
トランジスタ数107億-
ダイサイズ180 mm²-
コア/スレッド4/84/8
ベースクロック4.0GHz3.7GHz
最大ブーストクロック4.2GHz4.4GHz
オーバークロック×
L3キャッシュ8MB6MB
CPU内蔵グラフィックスRadeon Graphics 6UHD Graphics 630
グラフィック周波数1700 MHz1100 MHz
メモリタイプDDR4-3200DDR4-2666
CPUクーラー非同梱同梱
TDP65W65W
価格
(実売価格)
$149
(-)
$122
発売日2021年4月13日2021年3月16日
Rocket Lake世代ではCore i3シリーズのCPUはリリースされていませんので、Comet Lake世代のCore i3-10105と比較していきます。Core i3-10100よりもクロック周波数が引き上げられています。プロセスは14nmとなっています。コア/スレッドはどちらも4コア8スレッドと共通です。ベースクロックはRyzen 3 5300Gの方が9%高く、ブーストクロックはCore i3-10105の方が5%高いです。Core i3-10105はオーバークロックに非対応です。

L3キャッシュ容量はRyzen 3 5300Gの方が33%多く8MBです。CPU内蔵グラフィックスについてはRadeon Graphics 6の方が上です。UHD Graphics 630は競合相手にすらなり得ません。メモリタイプはRyzen 3 5300Gの方が上位規格に対応しています。Core i3-10105はCPUクーラー同梱でお得感があります。TDPはどちらも65Wです。価格差は$27でCore i3-10105の方が安価です。

Ryzen 3 5300GってどんなCPUなの?

Ryzen 5 3400Gよりも20%高いパフォーマンスを持つ

ryzen35300gbenchmark

Ryzen 3 5300Gは、Zen +アーキテクチャ採用のRyzen 5 3400Gよりも20%も高いCPU性能を持っています。Ryzen 3 PRO 4350Gよりも9%程度パフォーマンスが高いです。Zen 2アーキテクチャからの伸びはそれほど大きくありませんが、APUも着実に進化しています。6コア12スレッドのCore i5-10400との性能差は30%で、Ryzen 5 3600との性能差は55%です。4コア8スレッドのAPUとしては十分過ぎるモデルだと言えますね。

OCでRyzen 5 5600G相当のゲーム性能を得られる

Ryzen 3 5300Gはオーバークロックのポテンシャルが高いAPUとなっています。Radeon Graphicsでのゲームプレイ時のフレームレートは、オーバークロックをすることでRyzen 5 5600G相当のパフォーマンスを得られます。もちろんグラフィックス処理性能だけではなくCPU性能も引き上げることができます。コストパフォーマンスを考えると非常に優れたAPUだと言えます。

ただし、外付けのグラフィックボードを利用した場合期待通りのパフォーマンスは発揮できません。L3キャッシュ容量が少ないことが足かせとなりCore i5-11400やCore i5-10400にも劣ります。グラフィックボードの価格が落ち着くまでの繋ぎとして購入するのはおすすめできません。

OEM供給のみリテールで購入できない

Ryzen 3 5300Gは、Ryzen 3 PRO 4350Gと同様にOEM供給のみのAPUです。BTOメーカーなどのベンダー向けに提供されるということです。一般ユーザーが手に入れようとするとBTOメーカーなどから搭載モデルを購入する必要があります。自作ユーザーが購入できないのは厳しいですね。

Ryzen 3 5300Gは低価格帯のAPUとして高い性能を持っていてAMDからするとあまり販売したくないと考えているのかもしれません。Ryzen 3 5300Gでも十分だと考えるユーザーが増えるとRyzen 5 5600XやRyzen 5 5600Gが売れなくなってしまうからです。今後バルク品として中古で購入できる日が来るかもしれませんが、すぐに購入するのは難しいでしょう。

Ryzen 5 5600Gのベンチマーク

Cinebench R20

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Ryzen 5 3400Gよりもマルチスレッド性能が37%高く、シングルスレッド性能が26%高いです。6コア12スレッドのRyzen 5 3600と比べるとマルチスレッド性能は劣るもののシングルスレッド性能については9%上回っています。Zen 3アーキテクチャ採用になってIPCが改善したことによる恩恵です。上位モデルであるRyzen 5 5600Gとの差はマルチスレッド性能が63%・シングルスレッド性能が6%となっています。コア/スレッドの違いだけではなくL3キャッシュ容量の差も性能差に繋がっています。

Adobe Software

dougahensyuuryzen35300g-adobe

Photoshopにおいては、Ryzen 3 5300GはRyzen 5 3600を上回るパフォーマンスを発揮しています。従来モデルのRyzen 5 3400Gよりも37%もパフォーマンスが高いです。これはZen 3アーキテクチャになってシングルスレッド性能が高くなったことが要因です。Ryzen 5 5600Gよりも10%程度パフォーマンスが低いです。一方、Premiere Proはマルチスレッド性能が重視されます。Ryzen 5 3400Gよりも僅かに性能が伸びているだけで、Ryzen 5 3600との差は17%と大きいです。Ryzen 5 5600Gとの差は20%以上となっています。

Ryzen 3 5300Gのゲーム性能(内蔵グラフィックス)

CPU内蔵グラフィックスであるRadeon Graphics 6のグラフィックス処理性能を計測しています。

Counter-Strike: Global Offensive

Counter Strikeryzen35300gcsgo

FULL HD×中設定でのフレームレートを計測しています。Ryzen 5 3400Gよりも7%程度高いフレームレートを叩き出しています。最小FPSは27%も高くなり安定感が増していることがわかります。オーバークロックをすれば最大19%もフレームレートが向上します。Ryzen 5 5600Gに匹敵するパフォーマンスを得られます。負荷の軽いタイトルでは十分ゲームプレイに対応できますね。Intel Core i7-11700搭載のUHD Graphics 750では歯が立ちません。

Tom Clancy’s Rainbow Six Siege

rainbow six siegeryzen35300g-tomclancys

FULL HD×中設定のフレームレートを計測しています。Ryzen 5 3400Gよりも10%-14%フレームレートが高いです。ただし、60FPSには届かずやや安定感に欠けます。オーバークロックをすればRyzen 5 5600Gよりも高いフレームレートが出て、60FPSを超えます。タイトルによってはオーバークロックを考えても良いかもしれません。

Watch Dogs Legion

watchdogs2ryzen35300g-watchdogs

Watch Dogs Legionのゲームプレイはかなり厳しいです。Ryzen 5 3400Gよりも10%フレームレートが高いものの22FPSとかなり抑えられています。快適なゲームプレイとは程遠いです。Ryzen 7 5700GやRyzen 5 5600Gでもそれほど伸びません。Watch Dogs Legionなどの負荷の高めのタイトルでは外付けのグラフィックボードが必要になります。場合によっては解像度を落とすことも考える必要があります。

Ryzen 3 5300Gのゲーム性能(外部グラフィックス)

外部グラフィックボードを搭載した場合のフレームレートをまとめています。Ryzen 3 5300Gの想定する用途ではないと思いますが、一つの参考になるのではないかと思います。

Horizon Zero Dawn

horizon zero dawnhorizonzerodawn-ryzen35300g

Ryzen 5 3400Gよりも30%程度平均FPSが向上しています。Ryzen 5 3600を上回っているのは素晴らしいですね。それでもCore i5-10400との差は18%と大きいです。L3キャッシュ容量が小さいことでフレームレートが伸びません。

Tom Clancy’s Rainbow Six Siege

rainbow six siegeryzen35300g-tomclancys

Tom Clancy’s Rainbow Six SiegeではRyzen 5 3400Gよりも43%も平均FPSが向上しています。それでもCore i5-11400以上のモデルとの性能差は大きくL3キャッシュ容量の少なさが致命的です。外付けのグラフィックボードを前提とした購入はおすすめできません。L3キャッシュ容量が16MBのRYzen 5 5600Gになると38%程度フレームレートが高くなります。それでもRyzen 5 5600Xとの差は大きいですね。

Watch Dogs Legion

watch dogs legionryzen35300g-watchdogs

Watch Dogs LegionではRyzen 5 3400Gよりも28%高いフレームレートとなりました。Ryzen 5 3600よりも24%フレームレートが低いです。Core i5-10400になると38%もフレームレートが高くなります。

Ryzen 3 5300G搭載のおすすめBTOパソコン

2022年3月時点で搭載モデルは販売されていません。

当記事のまとめ

管理人管理人

Ryzen 3 5300Gの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。従来モデルのRyzen 5 3400Gと同じ4コア8スレッドというスペックながらアーキテクチャの変更で20%程度高いパフォーマンスを発揮します。デイトレ・マンガ制作・WEBデザイン・DTMなどの用途に最適です。Zen 3アーキテクチャ採用になってシングルスレッド性能が向上したことでPhotoshopなどが得意です。

Radeon Graphics 6は、CPU内蔵グラフィックスとしての性能が高くCounter-Strike: Global Offensiveなど比較的負荷の軽いタイトルであれば十分対応できます。現在OEM供給のみでの販売となっていて一般ユーザーはベンダーが販売するパソコンを購入する必要があります。ただし、2022年3月時点で国内で販売されている搭載モデルはありません。Ryzen 5 5600GやRyzen 7 5700Gを候補に入れた方が良いかもしれません。

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