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当記事では、「Radeon RX 6800の性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。性能的にはRX 5700 XTの後継モデルだと言えますね。Radeon RX 6000シリーズ(Big Navi)の中で最も安価なモデルです。上位のRX 6800 XTよりも10%安く購入することができます。共通のNavi 21を採用しているということもあってパフォーマンスは気になりますね。注目のレイトレーシングの性能についても合わせて見ていきましょう。
(+) 4K解像度に対応できる性能を持っている
(+) RTX 2080 Ti/RTX 3070よりも性能が高い
(-) RTX 3070よりも価格が15%程度高い
(-) レイトレーシング性能はNVIDIAに劣る
(-) BTOパソコンのラインナップは僅少
目次
Radeon RX 6800の総合性能
これまでのAMD製グラフィックボードがすべて買い替え対象となります。ついにAMD製のグラフィックボードもここまで来たかというのが正直なところです。このBig Naviが登場するまでは明らかにNVIDIA製グラフィックボードに押されていましたからね。
Radeon RX 6800の性能スペック紹介
RX 5700 XTと比較
RX 6800 | RX 6800 XT | RX 5700 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | RDNA 2.0 | RDNA 1.0 |
GPU | Navi 21 | Navi 21 | Navi 10 |
プロセス | 7 nm | 7 nm | 7 nm |
ダイサイズ | 520 mm² | 520 mm² | 251 mm² |
トランジスタ数 | 268億 | 268億 | 103億 |
CUDAコア | 3840 | 4608 | 2560 |
RTコア | 60 | 72 | - |
Tensorコア | - | - | - |
ベースクロック | 1700 MHz | 1825 MHz | 1605 MHz |
ブーストクロック | 1815 MHz | 2015 MHz | 1905 MHz |
メモリ速度 | 16Gbps | 16Gbps | 14Gbps |
メモリ容量 | 16 GB | 16 GB | 8GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ帯域幅 | 512.0 GB/s | 512.0 GB/s | 448.0 GB/s |
Infinity Cache | 128MB | 128MB | × |
TDP | 250W | 300W | 225W |
公式価格 | $579 | $649 | $399 |
発売日 | 2020/10/28 | 2020/11/18 | 2019/07/07 |
Navi 21には80個のコンピュータユニットがあります。Radeon RX 6800ではその内10個が無効化されていて60個が有効となります。CUDAコアは3840基です。RX 5700 XTよりも50%多く性能に期待ができます。今回のRX 6000シリーズからRTコアが搭載されています。コンピュータユニット1基につきRTコア1基となりますので、RX 6800には60のRTコアが搭載されています。上位のRX 6800 XTになるとコンピュータユニットが12個増えて72個でCUDAコアは4608基と20%アップとなります。
RX 5700 XTよりもベースクロックが6%高く、ターボクロックは5%低いです。CUDAコアが大幅に増えているのでターボクロックが落ちていることはパフォーマンス低下にはなりません。むしろここでクロック周波数を上げてしまうと熱の問題が生じてしまいます。
ワットパフォーマンスが大幅に向上しているのがRX 6000シリーズの強みです。これはRDNAアーキテクチャになったことで実現しています。シリコンの最適化だけに留まりません。Infinity Cacheの採用が最大のポイントとなります。これによって256 bitの枠内に収めつつメモリ帯域幅のボトルネックを軽減することに繋がりました。コスト節約の要因でもあります。このInifity Cacheがダイの20%程度を占めています。
GPUメモリ容量は16GBと大容量です。RX 5700 XTの2倍となっています。高解像度でのゲームプレイを考えているなら安心感がありますね。これだけスペックが高くなっていても消費電力が250Wに抑えられているのは見事です。RX 5700 XTよりもCUDAコアが大幅に増えてかつRTコアも搭載されているにも関わらず10%程度消費電力がアップしただけに抑えられています。
RTX 3070と比較
RX 6800 | RTX 3070 | |
---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | Ampere |
GPU | Navi 21 | GA104 |
プロセス | 7 nm | 8 nm |
ダイサイズ | 520 mm² | 392 mm² |
トランジスタ数 | 268億 | 174億 |
CUDAコア | 3840 | 5888 |
RTコア | 60 | 46 |
Tensorコア | - | 184 |
ベースクロック | 1700 MHz | 1500 MHz |
ブーストクロック | 1815 MHz | 1725 MHz |
メモリ速度 | 16Gbps | 14Gbps |
メモリ容量 | 16 GB | 8 GB |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ帯域幅 | 512.0 GB/s | 448.0 GB/s |
Infinity Cache | 128MB | - |
TDP | 250W | 220 W |
公式価格 | $579 | $499 |
発売日 | 2020/11/18 | 2020/09/01 |
ダイサイズはRX 6800の方が大きく520m㎡と、RTX 3070よりも33%程度大きいです。その分トランジスタ数が268億とRTX 3070よりも53%多いです。CUDAコアについてはRTX 3070の方が50%以上多いです。RTコアはRX 6800が60に対してRTX 3070では46と23%少ないです。TensorコアはRTX 3070でのみ採用されています。
クロック周波数は、ベースクロックもブーストクロックもRX 6800の方がそれぞれ13%・5%高いです。RX 6000シリーズのパフォーマンスには期待が持てる。メモリ速度はRX 6800の方が早く、メモリ容量も倍の16GBとなっています。高解像度でのゲームプレイをターゲットにしていてそれに見合う容量だと言えます。Infinity CacheはL3キャッシュのような役割を持ちメモリ帯域幅をカバーすることができます。
消費電力は250WとこれまでのRadeonシリーズを考えると省電力性が高くなっていることがわかります。RTX 3070は、220Wと14%程度省電力です。性能差を考えるとどちらも妥当な水準だと思います。
Radeon RX 6800ってどんなグラフィックボード?
絶妙な価格設定で競合を圧倒する
RX 6800はハイクラスに属するグラフィックボードでRTX 3070よりも$80高い価格となっているのが興味深いポイントです。RTX 3070と比較した際に多少価格が高くても性能の高いRX 6800を選択したいと思うゲーマーの方も多いかもしれません。ハイエンドモデルは少しの差が大きな差を生み出すことになるからです。
RX 6800 XTやRTX 3080よりも価格を抑えた上で4K解像度でのゲーム適性が高くなります。最大10%程度のパフォーマンス向上を見込むことができます。$1当たりのパフォーマンスではRTX 3070の方が有利ですが、純粋な性能ではRX 6800が上回ります。
レイトレーシング性能は競合よりワンランク落ちる
通常のゲーミング性能はRX 6800の方が高いことはすでに見てきたとおりです。一方で、レイトレーシングなど最新の機能を考慮するとRTX 3070の方が優れています。RTX 20シリーズから第2世代に突入したNVIDIAのレイトレーシングはより洗練されている印象です。
今後レイトレーシングに対応したタイトルが増えてくるでしょう。そうなると性能だけを見るのは好ましくないかもしれません。また、DLSSといったディープラーニングなどの最新機能も利用できません。これらの機能の搭載が遅れたことで結果的に少し劣ってしまう形になってしまいました。
搭載BTOパソコンのラインナップがほとんどない
RX 6800は性能の高いグラフィックボードで注目度が高いです。しかしながら、BTOメーカーではそれほど取り扱いが多いわけではありません。パソコン工房・フロンティア・TSUKUMOぐらいで種類は少ないです。RTX 3070搭載モデルが各BTOメーカーから販売されていることを考えると不利な状況です。
対象的にRTX 3070は各メーカーが力を入れていて種類も豊富です。ユーザーからすると選びやすく、しかも競合が多いため価格が抑えられているというメリットがあります。現時点でRX 6800搭載モデルは価格も高くコストパフォーマンスは高くありません。
Radeon RX 6800搭載PC使用時のフレームレート一覧
実際のゲームプレイ中のフレームレートを計測しています。FULL HD環境、WQHD環境、4K環境の3つのパターンでのfpsをまとめています。
*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。
Assasin’s Creed Odyssey
Far Cry 5
Hitman 2
Borderland 3
Metro Exodus
Radeon RX 6800の消費電力&発熱
消費電力
温度
Radeon RX 6800搭載のおすすめBTOパソコン
LEVEL-R969-LC127K-DWX(パソコン工房)
価格:287,980円(税込)
CPU:Core i7-12700K
GPU:Radeon RX 6800
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
LEVEL-R9X5-LCR59X-DWX(パソコン工房)
価格:307,980円(税込)
CPU:Ryzen 9 5900X
GPU:Radeon RX 6800
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
ZEFT RR07D(セブン)
価格:346,280円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:Radeon RX 6800
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:1TB
当記事のまとめ
当記事では、Radeon RX 6800の性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。RX 6800は、ゲーム性能の高いグラフィックボードで4K解像度にも対応できるポテンシャルを持っています。NVIDIA製のRTX 3070よりも価格は高いですが、ゲーム性能も引き上げられています。RX 5000シリーズからの買い替えもメリットがあります。レイトレーシング性能を追求するならNVIDIA製モデルに比べて劣ってしまいます。
搭載BTOパソコンはそれほど多くなく選択肢は限られています。同等の性能を持つRTX 3070搭載モデルのラインナップが豊富なことを考えると残念ですね。各BTOメーカーとしてはRTX 3070よりも価格が高いということもあって扱いづらいのかもしれません。今後ラインナップが増えてくるとゲーマーの方にとっても好ましい状況となりますね。
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