Ryzen 7 5800X

管理人管理人

当記事では、Ryzen 7 5800Xの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しています。Ryzen 7 3700Xの後継モデルです。2020年11月6日にRyzen 5000シリーズが発売開始となりました。Ryzen 7 5800Xは、Ryzen 5000シリーズのハイエンドクラスに位置するCPUとなっています。

8コア16スレッドは現在のCPUでメインストリームと言えます。Ryzenの良さであるマルチコア性能を活かせるコア/スレッド数です。要求されるCPUの性能が高い用途では中心となっています。ネックとなるのは価格でしょう。従来モデルよりも価格が上がってしまい搭載モデルの価格が上がることも懸念されます。

Ryzen 7 5800Xの基本スペック

世代第4世代
開発コードZen 3
コア/スレッド数8 / 16
クロック周波数3.80 GHz
ブーストクロック4.70 GHz
内蔵グラフィックス非搭載
TDP105W
発売日2020年11月06日
搭載モデル145,800円~
*第4世代Ryzenですが、型番は4000番台ではなく5000番台となっていることに留意してください。第3世代が3000番台だったことを考えるとイレギュラーな形になっています。

目次

Ryzen 7 5800Xのおすすめ用途

デュアル動画視聴動画編集動画投稿RAW現像マンガ ゲーム 
dulamonitor
dougahaisin

video_hensyu
youtubervirtual


gamedeveloper
デイトレ実況デザインDTM SkypeCAD ビジネス
kabufx
gamejikkyouwomen
webdesign

tvdenwa
cad
businessperson
Ryzen 7 5800Xは、マルチコア性能の高さから用途を選ばず対応することができます。何に対しても高い水準のパフォーマンスを発揮できます。趣味からビジネスまで幅広い用途をカバーしています。何にでも対応できるというのは大きなメリットです。購入時点では想定していなかったこともすぐに始められます。

性能面で妥協をしてしまうと新しいことを始めるためにはパソコンの買い替えが必要になることもあります。中でも特殊な用途にあたるCADやRAW現像に使用できるので、パソコンでできるほぼ全てのことを快適に行なえます。性能に関しては不安に思う部分がありませんが、上位モデルのRyzen 9シリーズとは性能差があります。負荷の掛かる作業がメインならRyzen 9シリーズの購入を検討してみてください。

Ryzen 7 5800Xのスペック比較

AMD製CPUと比較

7 5800X7 3800XT7 3800X
コードネームZen 3Zen 2Zen+
世代第4世代第3世代第3世代
プロセス7nm7nm7nm
コア/スレッド8/168/168/16
ベースクロック3.8GHz3.9GHz3.9GHz
ターボクロック4.7GHz4.7GHz4.5GHz
L3キャッシュ32MB32MB32MB
内蔵GPU非搭載非搭載非搭載
TDP105W105W105W
定価$449$399$399
国内価格58,000円~51,000円~44,800円~
搭載PC価格145,800円~125,800円~168,980円~
Ryzen 7 x800Xシリーズは第一世代と第三世代に登場しました。第一世代は比較対象から外し、従来製品となる第三世代を対象としています。基本的なスペックに大きな違いはありません。大きく異なるのは第四世代になり、Zen 3アーキテクチャが採用された点でしょう。スペックに差はなくても、性能に大きな差が生じていることからもアーキテクチャの進化が重要な影響を与えるのは間違いありません。

では、Zen 3になって何が変わったのか。変わったのは内部的なものでCCXというL3キャッシュとCPUコアをまとめる機構です。これまでは4基のCPUコアを16MBの共有L3キャッシュをまとめて1つのCCXを構築していました。そのCCXを2基まとめて1つのシリコンダイに構築していました。この構成をZen 3から変更し、CCXを8基のCPUコアと32MBの共有L3キャシュを1つにまとめまています。

第三世代のZen2アーキテクチャは、このCCXの構成が問題で遅延などのロスを生んでいたと指摘されています。その問題点を改善し、より円滑に処理できるように強化したのが現在のZen 3です。基本的なスペックは変わらなくても性能差が生じるのはアーキテクチャの仕様変更によるものです。ただ、スペックが大きく変わっていないので、新製品というよりもマイナーチェンジという見方が強いです。

Ryzen 7 5800Xの特徴は、Zen 3になり向上した処理性能にあります。円滑に処理できることは、何をするにも快適性を生みます。様々な用途に対応できるのは、この処理性能が非常に高いことにあります。Ryzenシリーズの持つ特徴は、根幹とも言える総合的なパフォーマンスがあってこそです。そこを強化したZen 3アーキテクチャ採用のRyzen 7 5800Xは従来までのCPUとはひと味もふた味も違うことでしょう。

Intel製CPUと比較

7 5800Xi7-10700K/F
ブランドAMD
(Ryzen)
Intel
(Core)
プロセス7nm14nm++
コア/スレッド8/168/16
ベースクロック3.8GHz3.8GHz
ターボクロック4.7GHz5.1GHz
オーバークロック
L3キャッシュ32MB16MB
内蔵GPU非搭載UHD 630/非搭載
TDP105W125W
定価$449$374 / $349
国内価格(税抜)58,000円~41,500円~
搭載PC価格(税抜)145,800円~91,980円~
対抗製品であるCore i7-10700KFと比較します。製品としてはCore i7-10700Kですが、内蔵GPU非搭載のRyzen 7 5800Xとの比較ということで内蔵GPU非搭載モデルであるCore i7-10700KFを対象としています。Ryzen 7 5800XはTDPが控えめでワットパフォーマンスに優れています。また、L3キャッシュ容量も大きいので円滑な処理を得意とします。Core i7-10700KFはクロック数が高く、特定のアプリケーションの処理ではRyzen 7 5800Xを凌駕します。

一方で、Core i7-10700KFはTDPが125Wと大きいのでワットパフォーマンスは少し劣ります。14nmプロセスの限界が来ていると言えますね。スペックの上ではどちらも良し悪しがあります。最新のZen 3アーキテクチャ採用のRyzen 7 5800Xは、技術的な部分でリードしていると言えます。7nmプロセスを一足先に導入していることも強みですね。

気になるのは価格です。この価格差は少し大きすぎるように思います。Ryzen 7 5800Xの比較はCore i7-10700KFですが、Core i7-10700KFの比較対象は未発表のRyzen 7 5700Xになります。Core iシリーズにはRyzen 7 5800Xの純粋な対抗製品が存在していません。ですので、価格や性能も参考程度に見ておいてください。

価格から見て分かる通り、グレードで言えばRyzen 7 5800Xの方が上になります。一つ下のグレードのCPUと並んでいるのは少し引っかかるかもしれません。ただ、Ryzenシリーズの比較でもあったように、表面的なスペックが性能を決めるわけではありません。後述するベンチマークでその辺りははっきりするでしょう。

Ryzen 7 5800XってどんなCPUなの?

性能は高いが価格も高いCPU

AMDのRyzen 7シリーズは、歴代のモデルを見てもメインストリームと言えるタイプで最も人気が高いです。最新のRyzen 5000シリーズ第1弾として登場したRyzen 7 5800Xは、その重責を担えるCPUです。従来モデルを引き離す性能はバランスが取れています。扱いやすいという意味では、最新のRyzenシリーズ中でもトップクラスだと言えるでしょう。

一方で価格がネックとなります。従来モデルよりも$50高くなってコストパフォーマンスはイマイチです。Ryzen 7 5800Xの価格は第三世代の上位モデルであるRyzen 9 3900Xと同じくらいです。CPUは世代が進むと価格はそのままで一つ上の性能に達することが多いです。Ryzenシリーズで言えば、Ryzen 7 3800Xと同じ価格でRyzen 9 3900Xと同程度の性能です。

これが崩れてしまうと、搭載モデルになれば価格が高くなってしまいます。目覚ましい性能の向上は喜ばしいことですが、価格が上がってしまっては意味がありません。従来のRyzen 7 3800Xから$110、Ryzen 7 3800XTから$70も高い価格は最大のネックと言えるでしょう。AMDは性能面が伸びたことでプレミアム路線に変わったと判断できます。

搭載モデルは減少していくと考えられる

Ryzen 5000シリーズの第1弾として登場したRyzen 7ということで話題を集めてはいます。しかしながら、従来でもそうであったようにRyzen 7 3700Xの後継機になるであろうRyzen 7 5700Xが主流になる可能性が高いと思います。Ryzen 7 5800XはRyzen 7 5700Xまでの繋ぎのような形になると思います。やはりRyzen 7 5800Xの価格はコスパが重視されることの多いBTOパソコンではマイナスです。

価格・コストパフォーマンスの観点から、Ryzenのよさを最大限引き出せるのはRyzen 7 5700Xです。対抗製品のCore i7-10700KFに対して価格差が$100開いていては搭載モデルの取り扱いは難しくなります。対抗製品のないRyzen 7 5800Xは特殊なモデルか、Ryzen 7 5700Xの無償アップグレード時に選択される程度になると予想されます。これは第3世代のRyzenでもあったことです。第4世代でも同様のことが起こるのは自然の流れと言えるでしょう。

Ryzen 7 5800Xのゲームプレイ時フレームレート

Shadow of the Tomb Raider

Shadow of the Tomb Raiderryzen75800x-Shadow

Core i7-10700Kよりも明らかにパフォーマンスが高くなかなか優秀な数値です。特に高解像度では安定感が増しているように感じられます。Ryzen 7 3800XTに対して18%程度パフォーマンスが向上しています。Shadow of the Tomb Raiderは少し古いタイトルなので比較としては少し弱いかもしれません。ただ、従来よりもゲーム適性が高いことを示すには十分な結果が出ていると言えます。

また、古いタイトルはRyzenシリーズに最適化されていないことも多いので全くの無駄というわけではありません。最適化がなくとも十分にCore iシリーズと渡り合えることを証明しています。力技とも言える多少の不利は性能の高さでカバーするRyzenシリーズは、苦手を克服できたのかもしれません。

Far Cry 5

farcry5ryzen75800x-farcry5

Far Cry 5でも上位に食い込む健闘を見せています。Ryzen 5000シリーズはCore iシリーズに決して劣っていません。Core i7-10700Kとほぼ同等のスコアです。前世代のRyzen 7 3800XTよりも22%スコアが高いです。ただ、Far Cry 5はRyzenに最適化されたタイトルです。Ryzenに最適化されたゲームでもCore iシリーズに届かなかったのは少し残念なところではあります。

Shadow of the Tomb Raiderのベンチマークと合わせて考えると、長所はほどほどに、短所を補うことに力を入れたCPUというのが分かります。数値を競えばCore iシリーズには敵いませんが、対応力で考えれば十分過ぎます。Core iシリーズとの差は体感できないほど僅かなところにまで縮めています。Ryzenはゲームに適さないというのは最新シリーズには言えないことかもしれませんね。

Ryzen 7 5800Xのベンチマーク

Cinebench R20

cpuryzen75800x-cinebench

Cinebench R20はRyzenシリーズの得意とするCPUの処理性能が影響を与えるベンチマークソフトです。ゲームと違い、Cinebench R20ではRyzenシリーズが上位を占めています。Ryzen 7 5800XはRyzen 7 3800XTに対して20%以上高い数値を出しています。

処理性能はスペックだけでは判断しにくいものがあります。それでも、ここまでの差があれば体感できるほどの差となるでしょう。注目したいのはシングルスレッドです。Ryzen 7 5800Xの数値は上位CPU全体でトップの数値だ。Core i9-10900Kすら上回っています。シングルスレッドの処理性能はゲームにもよい影響を与えます。この辺りが従来との差ですね。

Handbrake

dougahensyuuryzen75800x-cinebench

動画のエンコードはCPUの処理性能、マルチコア性能が重要になります。また、コア数やスレッド数が多いことも有利に働きます。つまり、Ryzenシリーズは動画のエンコードを得意としています。

Ryzen 7 5800XはRyzen 9 5900Xに次ぐ2位につけています。H.264ではRyzen 9 3900Xに差をつけられていますが、主流のH.265では僅かにリードしています。この小さく見える差も、Ryzen 9とRyzen 7であることを考えると大きな進歩と言えます。

Ryzen 7 5800X搭載のおすすめBTOパソコン

LEVEL-M0P5-R75G-SAX(パソコン工房)

LEVEL-M037-i5-TX価格:202,378円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載

公式

本格的なゲームプレイに適したパソコン工房のゲーミングPCです。グラフィックスにはハイクラスのRTX 3060 Tiを搭載していてWQHD環境でのゲームプレイに適しています。Radeon RX 6700 XTよりも性能は劣りますが、価格が安くレイトレーシング性能も高いという特徴があります。Ruzen 7 5800Xとのバランスも取りやすいです。ストレージ、メモリなどの構成もしっかりしています。作業を中心にするにもパフォーマンスを最大限引き出すことが可能です。CPUファンにはオリジナルのサイドフロー型搭載で、CPUの冷却も安心です。バランスがよく、用途を選ばないという面ではRyzen 7 5800Xらしさが引き立ちます。ゲームを含む全ての用途をそつなくこなせる無駄のない安定したモデルです。光学ドライブ標準搭載となっています。

ZEFT R36UZ(セブン)

ZEFT R36UZ価格:296,780円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:GeForce RTX 3070 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載

公式

控えめな構成のRyzen 7 5800X搭載のゲーミングPCです。PCケースにはホワイトでインパクトの強い「NZXT CA-H510B」を搭載しています。サイドクリアガラスパネル採用でデザイン性に優れています。必要十分にまとめられているので選びやすいモデルですね。用途の幅の広さはそのままに、作業を中心とする方におすすめです。グラフィックスにはハイクラスのRTX 3070 Tiを搭載しています。RTX 3070よりも高い性能を持ち4K解像度にも対応できるポテンシャルの高さが魅力です。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も充実しています。

GALLERIA ZA7R-R37 5800X搭載(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R70S価格:299,979円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載

公式

ドスパラの人気ゲーミングブランドであるGALLERIAシリーズでもRyzen 7 5800X搭載モデルが販売されています。ゲーミングPCとしても一級品で、RTX 3070とRyzen 7 5800Xの組み合わせは快適が約束されます。4K環境も構築しやすいので、ゲームをメインにしつつ、負荷の高い作業も行う方に最適です。ゲーム実況や動画編集などの作業にもおすすめです。価格はやや高めですがRyzenシリーズのファンの方にとっては魅力的な選択肢となります。

当記事のまとめ

管理人管理人

Ryzen 7 5800Xは第四世代Ryzenシリーズの中で高い性能を持つCPUです。Ryzen 9シリーズよりも安く選択できるので人気のシリーズです。ただ、第三世代Ryzenシリーズとは違って価格が高くなっているのが気になります。これまでのRyzen 7シリーズよりも少し選びにくさが出てしまうことは間違いでしょう。純粋な対抗製品もないことから、主流のCPUとなりにくいのもネックです。

それでも性能は高いので、Ryzen 9とRyzen 7の中間のCPUとして人気は出そうです。搭載モデルが少なくても、それは人気がないというわけではありません。主流になりにくいだけで根強い支持を得られそうです。自作ユーザーの方にもおすすめです。全ての用途を高い水準で対応したい方に向けたメインストリームのハイスペックCPUです。

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