当記事では、「Ryzen 5 4500Uの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。モバイル向けRyzen 4000 Uシリーズのミドルクラスに位置するCPUです。Zen 2アーキテクチャを採用し前世代のRyzen 3000シリーズよりも大幅にパフォーマンスが向上しています。
Ryzen 5 4500Uの注目ポイントは、競合で価格的にもクラス的にも上位のCore i7-1065G7よりも高い性能を持っているということです。ついにノート向けRyzenも本領発揮というわけです。具体的にスペックやパフォーマンスについて見ていきましょう。後継モデルはZen 2アーキテクチャ採用の「Ryzen 5 5500U」とZen 3アーキテクチャの「Ryzen 5 5600U」があります。当然後者の方が性能が高いです。
Ryzen 5 4500Uの基本スペック
世代 | 第3世代 |
開発コード | Renoir(Zen 2) |
コア/スレッド数 | 6 / 6 |
クロック周波数 | 2.30 GHz |
ブーストクロック | 4.00 GHz |
内蔵グラフィックス | AMD Radeon Graphics |
TDP | 15W |
発売日 | 2020年6月01日 |
価格 | - |
目次
Ryzen 5 4500Uのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | △ | △ | ◯ | ◯ | × |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◯ | × | ◯ | ◯ | ◎ | × | ◯ |
省電力モデルに位置する「U」シリーズはゲーム、実況、CADなどグラフィックボードが必要な用途向きではありません。そもそもRyzen 5 4500U搭載モデルはすべてグラフィックボードレスモデルしかありません。これらの用途での使用を考えているなら「H」シリーズを選択するべきです。
Ryzen 5 4500Uのスペック比較
AMD製CPUと比較
Ryzen 5 4500U | Ryzen 5 4600U | Ryzen 5 3500U | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 2 | Zen 2 | Zen + |
プロセス | 7nm | 7nm | 12nm |
コア/スレッド | 6/6 | 6/12 | 4/8 |
ベースクロック | 2.3GHz | 2.1GHz | 2.1GHz |
ターボクロック | 4.0GHz | 4.0GHz | 3.7GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 8MB | 4MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-3200MHz | DDR4-2400MHz |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックコア | 6 | 6 | 8 |
グラフィック周波数 | 1500MHz | 1500MHz | 1200MHz |
TDP | 15W | 15W | 15W |
価格 | - | - | - |
発売日 | Q2 2020 | Q2 2020 | Q1 2019 |
Ryzen 5 3500Uでは4コア8スレッドだったものが、6コア6スレッドと物理コアが50%アップしています。ベースクロック・ターボクロックがそれぞれ10%向上、L3キャッシュも倍増の8MBとなりました。メモリ規格がアップグレードされているのもポイントです。
CPU内蔵グラフィックスについても性能は向上しています。スペック的には前世代の8コアから6コアへと25%ダウンしています。しかしながら、クロック周波数が引き上げられさらに7nmプロセスに最適化されているため総合性能は向上しています。
上位のRyzen 5 4600UになるとSMTに対応となります。6コア6スレッドから6コア12スレッドとマルチコア性能の高さに期待が持てます。CPU内蔵グラフィックスについてはRyzen 5 4500Uと変わりません。
Intel製CPUと比較
Ryzen 5 4500U | Core i5-1035G1 | Core i5-10210U | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 2 | Ice Lake | Comet Lake |
プロセス | 7nm | 10nm | 14nm |
コア/スレッド | 6/6 | 4/8 | 4/8 |
ベースクロック | 2.3GHz | 1.0GHz | 1.6GHz |
ターボクロック | 4.0GHz | 3.6GHz | 4.2GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 6MB | 6MB |
メモリ | DDR4-3200MHz | DDR4-3200MHz | DDR4-2666 |
CPU内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Intel UHD Graphics | Intel UHD Graphics |
TDP | 15W | 15W | 15W |
価格 | - | $297 | $297 |
発売日 | Q2 2020 | Q3'19 | Q3'19 |
ベースクロックについてはCore i5よりも45%以上高いです。ターボクロックについてはCore i5-10210Uが頭一つ抜き出ています。L3キャッシュはRyzen 5 4500Uが8MBとCore i5シリーズよりも33%高いです。消費電力は同じ15Wとなっています。
Ryzen 5 4500UってどんなCPUなの?
Zen 2アーキテクチャ採用の6コア6スレッドCPU
Ryzen 5 4500Uは、Zen 2アーキテクチャを採用したCPUです。Zen 2アーキテクチャを採用したことでデスクトップ向けのRyzen 3000シリーズに追いついた形になります。ノート向けCPUは、デスクトップ向けモデルよりもワンテンポ遅れて登場します。当然AMDとしてはデスクトップ向けCPUを優先したいはずなので仕方ないですね。
Zen +アーキテクチャだったRyzen 5 3500Uよりも大幅にパフォーマンスが向上しています。4コア8スレッドから6コア6スレッドへとスペックも引き上げられています。省電力モデルの最高峰と考えて良いでしょう。前世代のRyzen 3000 Uシリーズは性能が思ったよりも伸びずがっかりしてしまった方も多いでしょう。今回は期待を裏切らず買い替えの対象としても最適です。
内蔵グラフィックスにはRadeon Graphicsを搭載している
Ryzen 5 3500Uは、CPU内蔵グラフィックスを搭載しています。グラフィックスコアは6コア、グラフィック周波数は1500MHzと前世代よりも向上しています。ゲームプレイなどを高解像度でプレイするには物足りない性能ですが、一般的な用途で必要な処理性能は持っていると考えて良いでしょう。WEBデザインなどで有利になることもあるでしょう。
デスクトップ向けCPUの多くが内蔵グラフィックレスになっていることを考えると強みだと言えます。別途グラフィックボードを搭載する必要がないためノートパソコンの費用を抑えることができます。廉価モデルであるGeForce MX350を搭載しても数千円コストが掛かってしまいます。
モバイル向けRyzenシリーズの主流になる可能性がある
Ryzen 5 4500Uは、モバイル向けRyzenシリーズの主流モデルとなる可能性が高いです。旧モデルであるRyzen 5 3500U搭載モデルは、マウスコンピューターを始めとして国内外のメーカーから発売されていました。扱いやすい性能と価格が人気の秘密だと言えます。
Ryzen 5 4500U搭載モデルもLenovo、Dell、HPなど多くのメーカーから販売されています。ノートパソコンではIntel製CPUに比べてラインナップの少ないRyzenシリーズですが、Ryzen 5 4500Uは取扱い数が豊富です。今後は国内でもラインナップが増えていくものだと思います。
2021年時点でマウスコンピューターからもRyzen 5 4500U搭載モデルの「mouse B5-R5」が販売されています。ドスパラなども続くかもしれません。低価格帯のノートパソコンで間違いなく注目のモデルだと言えます。
Ryzen 5 4500Uのベンチマーク
Cinebench R20
Core i7-1065G7よりも50%近く性能が高いです。価格も高く上位のCore i7シリーズを超えているのは魅力的です。同クラスのCore i5-10210Uとの差は100%を超えています。おおよそCore i7-10750Hに匹敵する性能だということになります。もっとも消費電力が異なることから実際のPC作業ではCore i7-10750Hの方が有利です。
エンコード
7-Zip
PCMARK
Photoshop
Ryzen 5 4500U搭載のおすすめBTOノートパソコン
Inspiron 14 5000 (5405) 【即納】プレミアム(Dell)
サイズ:14.0インチ
価格:74,980円 51,984円
CPU:Ryzen 5 4500U
GPU:Radeonグラフィックス
メモリ:DDR4 8GB
SSD:256GB NVMe
HDD:非搭載
Lenovo IdeaPad Slim 350 – プラチナグレー(Lenovo)
サイズ:14.0インチ
価格:53,030円
CPU:Ryzen 5 4500U
GPU:Radeonグラフィックス
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
HP 15s-eq1000スタンダードモデル(HP)
サイズ:15.6インチ
価格:54,500円
CPU:Ryzen 5 4500U
GPU:Radeonグラフィックス
メモリ:DDR4 8GB
SSD:256GB
HDD:非搭載
mouse B5-R5(マウスコンピューター)
サイズ:15.6インチ
価格:79,980円
CPU:Ryzen 5 4500U
GPU:Radeonグラフィックス
メモリ:DDR4 8GB
SSD:256GB
HDD:非搭載
HP ENVY x360 15スタンダードモデル(HP)
サイズ:15.6インチ
価格:104,800円
CPU:Ryzen 5 4500U
GPU:Radeonグラフィックス
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Ryzen 5 4500Uの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。Ryzen 5 4500Uは、Zen 2アーキテクチャを採用した新しいCPUです。6コア6スレッドとマルチコア性能が強化されパフォーマンスが向上しています。
本来競合となるのは価格の近いCore i5-10210U搭載モデルですが、性能的にはワンランク上のCore i7-1165G7やCore i7-10165G7となります。Ryzenシリーズのコストパフォーマンスの高さはノート向けモデルでも健在です。
搭載モデルも増えて来ています。国内メーカーだとマウスコンピューターの「mouse B5-R5」がラインナップにあります。税抜7万円台と海外メーカーのモデルと比べると高めですが、24時間365日サポートなどサポート面に強みがあります。最安値モデルはDellの「Inspiron 14 5000 (5405) 」です。税抜51,984円は圧巻です。構成もメモリ8GB、SSD 256GBと標準的でコスパが高いです。
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