画像引用元:https://www.elsa-jp.co.jp/
当記事では、「NVIDIA T400の性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。2021年4月にプロフェッショナル向けNVIDIA Tシリーズのエントリークラスが登場しました。2017年にリリースされたQuadro P400以来の新モデルということになります。
アーキテクチャがPascalからTuringに変わって性能は高くなっています。エントリークラスながら専用のビデオエンコード・デコードエンジンを搭載しているのは魅力的です。「GeForce GT 1030」の代替モデルとして検討しても良いと思います。
目次
NVIDIA T400のおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◯ | ○ | ○ | ◯ | × |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◎ | × | ◯ | ◯ | ☆ | × | ◎ |
ビジネスに関しては対応できる幅は広いです。オフィスソフトの使用も問題ないでしょう。デュアル環境構築・動画視聴・Skype(WEB会議)などであれば余裕があります。もちろんCPU内蔵グラフィックスだけでも十分ですが、快適性が増すことは間違いありません。特に3画面モニター環境も容易に行うことができます。
NVIDIA T400のスペック
Quadroと比較
NVIDIA T400 | NVIDIA T600 | Quadro P400 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Turing | Turing | Pascal |
GPU | TU117 | TU117 | GP107 |
プロセス | 12nm | 12nm | 14nm |
トランジスタ数 | 47億 | 47億 | 33億 |
ダイサイズ | 200 mm² | 200 mm² | 132 mm² |
SM数 | 6 | 10 | 2 |
CUDAコア | 384コア | 640コア | 256コア |
ベースクロック | 420 MHz | 735 MHz | 1228 MHz |
ブーストクロック | 1425 MHz | 1335 MHz | 1252 MHz |
GPUメモリ | 2GB GDDR6 | 4GB GDDR6 | 2GB GDDR5 |
メモリクロック | 10 Gbps | 10 Gbps | 4 Gbps |
メモリインターフェース | 64 bit | 128 bit | 64 bit |
メモリバンド幅 | 最大80.00 GB/s | 最大160.0 GB/s | 最大32.06 GB/s |
TDP | 30W | 40W | 30W |
ディスプレイコネクタ | Mini DisplayPort × 3 | Mini DisplayPort × 4 | Mini DisplayPort × 3 |
最大画面数 | 3画面 | 4画面 | 3画面 |
単体価格 | 17,000円~ | 31,500円~ | - |
搭載PC価格 | 92,980円~ | 102,980円~ | - |
発売日 | 2021年4月12日 | 2021年4月12日 | 2017年2月7日 |
GPUメモリもGDDR5からGDDR6へと強化されています。GPUメモリ容量は同じ2GBです。メモリクロックが4 Gbpsから10 Gbpsになりメモリバンド幅は2.5倍の80.0 GB/sに到達しています。TDPは30Wです。ディスプレイコネクタもMini DisplayPort×3で最大3画面出力に対応しています。単体価格は17,000円とリーズナブルですね。
上位モデルのNVIDIA T600でもGPUは同じTU117を搭載しています。プロセス・トランジスタ数・ダイサイズは共通です。SM数が6→10へと66%増えて、CUDAコア数も384コア→640コアへと66%増えています。ベースクロックはNVIDIA T600の方が75%高く、ブーストクロックはNVIDIA T400の方が7%高いです。GPUメモリ容量が倍の4GBとなっています。メモリインターフェースも倍の128 bitになり、メモリバンド幅も倍の160.0 GB/sです。
TDPは40Wへと33%アップです。それでも補助電源が不要で省電力性が高いモデルだと言えます。ディスプレイコネクタはMini DisplayPortが4つになり最大4画面出力に対応しています。価格差は14,000円程度高く31,500円となります。搭載PCの価格は10,000円程度ですが、搭載するCPUや構成によって異なるため参考い留めておいてください。
GeForceと比較
NVIDIA T400 | GT 1030 | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Turing | Pascal |
GPU | TU117 | GP108 |
プロセス | 12nm | 14nm |
トランジスタ数 | 47億 | 18億 |
ダイサイズ | 200 mm² | 74 mm² |
SM数 | 6 | 3 |
CUDAコア | 384コア | 384コア |
ベースクロック | 420 MHz | 1228 MHz |
ブーストクロック | 1425 MHz | 1468 MHz |
GPUメモリ | 2GB GDDR6 | 2GB GDDR5 |
メモリクロック | 10 Gbps | 6 Gbps |
メモリインターフェース | 64 bit | 64 bit |
メモリバンド幅 | 最大80.00 GB/s | 最大48.06 GB/s |
TDP | 30W | 30W |
ディスプレイコネクタ | Mini DisplayPort × 3 | DVI × 1 HDMI × 1 |
最大画面数 | 3画面 | 2画面 |
単体価格 | 17,000円~ | 12,000円~ |
搭載PC価格 | 92,980円~ | - |
発売日 | 2021年4月12日 | 2017年5月17日 |
アーキテクチャが異なるためSM数に違いがあるもののCUDAコア数はどちらも384コアとなっています。ベースクロックはGT 1030の方が3倍近く高く、ブーストクロックも僅かながらGT 1030の方が高いです。GPUメモリの規格はNVIDIA T400の方が新しくGDDR6となっています。メモリクロックもGT 1030よりも66%速く10 Gbpsとなっています。メモリバンド幅についてもNVIDIA T400の方が66%広いです。TDPはどちらも30Wに抑えられています。
ディスプレイコネクタは、NVIDIA T400の方が多く使い勝手も良いです。GT 1030ではDVI×1、HDMI×1と最大2画面出力となっています。価格はGT 1030の方が5,000円安くなっています。搭載BTOパソコンのラインナップが減少傾向にありますね。カスタマイズなどで対応する必要があります。
NVIDIA T400ってどんなグラフィックボードなの?
プロフェッショナル向けTシリーズのエントリーモデル
NVIDIA T400は、Tシリーズのエントリークラスのグラフィックボードです。Quadro P400よりも2.1倍もパフォーマンスが高いです。従来モデルの上位モデルであるQuadro P600を上回っています。Quadro P620に少しだけ届きませんでした。GeForce GT 1030よりも35%も性能が高いです。Quadro P400では性能で劣っていたためしっかりと進化しましたね。
エントリークラスとは言ってもそれなりに高い性能を期待できます。動画編集などの作業においては、CPU内蔵グラフィックスよりも有意に高いパフォーマンスを発揮します。メインが動画編集以外の作業にある方なら価格が安い分選びやすいのではないかと思います。
3画面出力に対応している
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NVIDIA T400を搭載すれば誰でも簡単に3画面出力を行えます。お仕事やデイトレードで使用したり、趣味でパソコンを使用したりしている方にとっては魅力的なのではないでしょうか。さらに、最新の規格であるDisplayPort 1.4に対応しているため、最大8K@60Hzの出力が可能です。4K(120Hz)への出力にも対応していて幅広い用途に使用できます。
また、複数のNVIDIA T400を組み合わせればディスプレイウォールなどに活用できます。例えば、オフィスのエントランスにディスプレイウォールを設置して会社案内を映すこともできますね。他のNVIDA Tシリーズに比べて価格が安いためディスプレイウォールなどだけが目的なら非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
搭載BTOパソコンのラインナップはそれほど多くない
NVIDIA T400を搭載したBTOパソコンはほとんどありません。選択肢が限られている点は注意が必要です。2023年5月時点で取り扱いがあるショップはパソコン工房だけです。今の状況を見る限りドスパラやTSUKUMOからは販売されないかもしれませんね。上位モデルのNVIDIA T600やNVIDIA T1000まで範囲を広げて選択肢を増やしてください。当然性能が高くなる分予算は掛かりますが、より長く使用できるのでコストパフォーマンスは悪くありません。
NVIDIA T400搭載のおすすめBTOパソコン
SENSE-M07M-134-NBX(パソコン工房)
価格:124,800円(税込)
CPU:Core i5-13400
GPU:NVIDIA T400
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
SENSE-M07M-137-NBX(パソコン工房)
価格:164,800円(税込)
CPU:Core i7-13700
GPU:NVIDIA T400
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
SENSE-F0X7-LCR79X-NBX(パソコン工房)
価格:269,800円(税込)
CPU:Ryzen 9 7900X(水冷)
GPU:NVIDIA T400
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
DAIV Z5-T4(マウスコンピューター)
価格:159,800円(税込)
CPU:Core i7-12700
GPU:NVIDIA T400
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:512GB NVMe
HDD:2TB
当記事のまとめ
当記事では、NVIDIA T400の性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しています。プロフェッショナル向けのNVIDIA Tシリーズのエントリークラスで手頃な価格が特徴です。気軽に現在使用しているパソコンのスペックアップを図ることができます。グラフィックス処理性能は控え目ですが、従来モデルのQuadro P600を超えるパフォーマンスを発揮します。
3画面出力に対応していて作業効率アップに最適です。動画編集やRAW現像などの作業にも対応できます。搭載BTOパソコンのラインナップはそれほど多くありません。今取り扱いがあるのはパソコン工房とTSUKUMOのみとなっています。搭載BTOパソコンは税込12万円台~購入できます。
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