画像引用元:https://www.elsa-jp.co.jp/
当記事では、「NVIDIA T1000の性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。Turing世代プロフェッショナル向けTシリーズの最上位モデル(その上にはRTX Aシリーズがあります)となっています。性能的にはミドルクラスでQuadro P1000の後継機です。ロープロファイル1スロットデザインでコンパクトな本体が魅力です。
搭載BTOパソコンのラインナップはそれほど多くありませんので、場合によってはラインナップの多いNVIDIA T600搭載モデルの購入を検討しても良いかもしれません。なお、GPUメモリ4GBに加えて8GB版も販売されています。購入時はGPUメモリ容量を確認しておくと良いですね。各種ソフトウェアの使用においてGPUメモリ容量が多い方が有利になります。
目次
NVIDIA T1000のおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | △ | ◎ | ◎ | ☆ | ○ | ◎ |
ゲームプレイやゲーム実況は苦手ですが下位モデルよりは適正が向上しています。ゲームプレイがメインならコスパ的にもGeForceを選ぶべきですね。3D CADについては軽い作業のみ対応できます。VR開発を考えている方はNVIDIA RTX A2000以上を選択する必要があります。
NVIDIA T1000のスペック
Quadroと比較
NVIDIA T1000 | NVIDIA RTX A2000 | Quadro P1000 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Turing | Ampere | Pascal |
GPU | TU117 | GA106 | GP107 |
プロセス | 12nm | 8nm | 14nm |
トランジスタ数 | 47億 | 132.5億 | 33億 |
ダイサイズ | 200 mm² | 276 mm² | 132 mm² |
SM数 | 14 | 26 | 4 |
CUDAコア | 896コア | 3328コア | 512コア |
ベースクロック | 1065 MHz | 562 MHz | 1354 MHz |
ブーストクロック | 1395 MHz | 1200 MHz | 1392 MHz |
GPUメモリ | 4GB GDDR6 | 6GB GDDR6 | 4GB GDDR5 |
メモリクロック | 10 Gbps | 12 Gbps | 6 Gbps |
メモリインターフェース | 128bit | 192 bit | 128bit |
メモリバンド幅 | 最大160.0 GB/s | 最大288.0 GB/s | 最大96.13 GB/s |
TDP | 50W | 70W | 50W |
ディスプレイコネクタ | Mini DisplayPort × 4 | Mini DisplayPort × 4 | Mini DisplayPort × 4 |
最大画面数 | 4画面 | 4画面 | 4画面 |
サイズ | 1スロット | 2スロット | 1スロット |
単体価格 | 54,000円~ | - | - |
搭載PC価格 | 144,980円~ | - | - |
発売日 | 2021年8月10日 | 2021年8月10日 | 2017年2月7日 |
CUDAコアは512から75%アップで896コアとなっています。ベースクロックは20%低く、ブーストクロックは同等です。メモリ規格がGDDR5からGDDR6とアップグレードされています。メモリクロックが66%アップで6 Gbpsから10 Gbpsになりメモリバンド幅が66%アップの160.0 GB/sとなりました。TDPは50Wと変わっていません。ディスプレイコネクタも同じですね。サイズ的には1スロットとコンパクトです。
上位モデルのNVIDIA RTX A2000と比較していきます。Ampere世代のグラフィックボードでNVIDIA T1000とはアーキテクチャが異なるモデルです。GPUはGA106です。プロセスは8nmとさらに微細化されています。トランジスタ数は2.8倍です。プロセスの微細化の恩恵もあってダイサイズは38%アップに留まります。
CUDAコア数が3.7倍と大幅アップです。ベースクロックはNVIDIA RTX A2000の方が50%低く、ブーストクロックもNVIDIA RTX A2000の方が14%低いです。GPUメモリ容量は50%アップの6GBとなっています。メモリクロックが20%アップ、インターフェイスも192 bitと大幅に引き上げられています。メモリバンド幅は80%アップで288.0 GB/sとなりました。TDPは70Wです。ディスプレイコネクタや最大画面数は同じです。サイズは一回り大きくロープロファイル2スロットです。
GeForceと比較
NVIDIA T1000 | GTX 1660 Ti | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Turing | Turing |
GPU | TU117 | TU116 |
プロセス | 12nm | 12nm |
トランジスタ数 | 47億 | 66億 |
ダイサイズ | 200 mm² | 284 mm² |
SM数 | 14 | 24 |
CUDAコア | 896コア | 1536コア |
ベースクロック | 1065 MHz | 1500 MHz |
ブーストクロック | 1395 MHz | 1770 MHz |
GPUメモリ | 4GB GDDR6 | 6GB GDDR6 |
メモリクロック | 10 Gbps | 12 Gbps |
メモリインターフェース | 128bit | 192 bit |
メモリバンド幅 | 最大160.0 GB/s | 最大288.0 GB/s |
TDP | 50W | 120W |
ディスプレイコネクタ | Mini DisplayPort × 4 | DVI × 1 HDMI × 1 DisplayPort × 1 |
最大画面数 | 4画面 | 3画面 |
単体価格 | 54,000円~ | 61,000円~ |
搭載PC価格 | 144,980円~ | 129,980円~ |
発売日 | 2021年8月10日 | 2019年2月22日 |
トランジスタ数はGTX 1660 Tiの方が40%多く、ダイサイズもGTX 1660 Tiの方が42%大きいです。SM数はGTX 1660 Tiの方が70%多く、CUDAコアも70%多い1536コアとなります。ベースクロックはGTX 1660 Tiの方が43%高く、ブーストクロックもGTX 1660 Tiの方が27%高いです。GPUメモリ容量も50%多く6GBとなっています。
メモリ周りもGTX 1660 Tiの圧勝です。メモリクロックは20%高く12 Gbpsでメモリインターフェースは192 bitです。メモリバンド幅80%高く288.0 GB/sとなっています。TDPは2.4倍の120Wです。さすがにこれだけスペック差があるとTDPにも差が生じますね。ディスプレイコネクタはさすがプロフェッショナル向けモデルだけあってNVIDIA T1000の方が充実しています。最大4画面出力に対応しているのも魅力です。
NVIDIA T1000ってどんなグラフィックボードなの?
ロープロファイル1スロットの最上位モデル
NVIDIA T1000は、ロープロファイル1スロットの最上位モデルとなっています。一つ上のNVIDIA RTX A2000になると2スロットになりますので、1スロットにこだわりつつ性能を追求したいならこのNVIDIA T1000が候補になるのではないかと思います。従来モデルのQuadro P1000よりも70%もパフォーマンスが引き上げられていて頼もしい存在です。GeForce GTX 1650と同等の性能を持ちゲームプレイにも対応できます。
上位モデルのNVIDIA RTX A2000は世代が異なるということもあって性能差は90%以上とかなり大きいです。価格も一気に跳ね上がりますので、このNVIDIA T1000を選択するユーザーが多くなっています。もっとも現在NVIDIA RTX A2000の供給が安定しておらず入手が困難な状態です。レイトレーシングやVRなどを想定していないならNVIDIA T1000でも十分カバーできるでしょう。
簡単に4画面出力を行うことができる
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NVIDIA T1000では、下位モデルのNVIDIA T600と同様にDisplayPort×4つ装備されています。そのため、グラフィックボードを搭載するだけで簡単に4画面出力を実現することができます。開発環境の構築やデイトレード環境の構築も容易です。グラフィックボードレスモデルでは考えられませんね。
また、DisplayPort 1.4対応で最大8K駆動が可能となります。複数のNVIDIA T1000を搭載すればディスプレイウォール環境を構築することもできます。プロフェッショナル向けモデルとして実用性の高いグラフィックボードとなっています。どのような用途で使用したいのかを考えてみると良いと思います。
GPUメモリ8GB搭載モデルもあり
同時期にNVIDIA T1000シリーズでもGPUメモリが倍の8GBを搭載したモデルも選択肢にあります。パソコン工房からはこの8GBメモリを搭載したモデルがリリースされています。GPUメモリ容量が増えることで少しだけクリエイター作業において有利になります。GPUメモリがボトルネックとなっている場合に優位性があります。
ただし、CUDAコアやクロック周波数などのスペックに変更はないことから飛躍的に性能が向上するわけではない点を理解しておきましょう。単純により高い性能を求めるならNVIDIA RTX A2000などの上位モデルを選択するべきです。GPUメモリ容量が増えたことでワンランク上の性能を得られるわけではありません。
搭載BTOパソコンを取り扱うショップは限定的
NVIDIA T1000を搭載したBTOパソコンの販売を行うショップは限定的です。2023年5月時点でパソコン工房とTSUKUMOのみで販売中です。GPUメモリ8GB搭載モデルについてはパソコン工房で取り扱いがあります。CPU自体や構成はある程度幅広い選択肢の中から選ぶことができますので、それほど不便さを感じることはないと思います。
ケースデザインについてもスリムタワー・ミニタワー・ミドルタワーなどから選択可能です。もし希望のモデルが見つからない場合は下位モデルのNVIDIA T600搭載モデルを検討しても良いと思います。BTOメーカーの取り扱いが多く豊富なラインナップから選択することができるからです。
NVIDIA T1000搭載のおすすめBTOパソコン
SENSE-S06M-124-NCX(パソコン工房)
価格:169,800円(税込)
CPU:Core i5-13400
GPU:NVIDIA T1000 8GB
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
QA7J-D230/ZB(TSUKUMO)
価格:227,800 円(税込)
CPU:Core i7-13700F
GPU:NVIDIA T1000 4GB
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
SENSE-F0X7-LCR79X-NCX(パソコン工房)
価格:309,800円(税込)
CPU:Ryzen 9 7900X
GPU:NVIDIA T1000 8GB
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、NVIDIA T1000の性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。Turing世代におけるミドルクラスのグラフィックボードです。ロープロファイル1スロットのモデルのため増設も比較的に容易に行うことができます。電源ユニットもそのままでも利用できる可能性が高いです。動画編集・動画投稿・RAW現像・マンガ制作・WEBデザイン・DTM・ビジネスなどでの使用を考えている方向けです。
CPU内蔵グラフィックスよりもワンランク上のパフォーマンスを得られます。パソコン工房とTSUKUMOから搭載モデルが販売されています。16万円台から購入できます。選べるCPUの幅は広く用途に合ったモデルを見つけやすいかもしれません。ケースデザインもメーカーごとに個性があっておもしろいと思います。
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