画像引用元:https://www.elsa-jp.co.jp/
当記事では、「NVIDIA T600の性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。プロフェッショナル向けのTuring世代ローエンドクラスのグラフィックボードが登場しました。Quadro P620/Quadro P600の後継モデルということになります。Pascal世代における上位モデルのQuadro P1000を超えるパフォーマンスを持っています。
なお、Turing世代からQuadroという名称は消滅してNVIDIAと統一されています。少しわかりづらくなってしまったかもしれませんね。NVIDIA T600は省電力性が高く気軽にパソコンのスペックアップを図りたい方におすすめです。国内BTOメーカーの販売は終了となりました。NVIDIA T1000も合わせて検討すると良いと思います。
目次
NVIDIA T600のおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◯ | ○ | ◯ | ◯ | △ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | ✕ | ◯ | ◯ | ☆ | △ | ◎ |
動画編集・RAW現像・マンガ制作・WEBデザイン・DTM・ビジネスなども対応できます。動画編集については4Kなど極端に重いファイルの場合はややもっさりしてしまうこともあります。エンコードについて動画の作成及び再生を高速化するための専用のH.264/HECVエンコードエンジンと専用のデコードエンジンを内蔵していて万全です。
NVIDIA T600のスペック
Quadroと比較
NVIDIA T600 | NVIDIA T1000 | Quadro P600 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Turing | Turing | Pascal |
GPU | TU117 | TU117 | GP107 |
プロセス | 12nm | 12nm | 14nm |
トランジスタ数 | 47億 | 47億 | 33億 |
ダイサイズ | 200 mm² | 200 mm² | 132 mm² |
SM数 | 10 | 14 | 3 |
CUDAコア | 640コア | 896コア | 384コア |
ベースクロック | 735 MHz | 1065 MHz | 1329 MHz |
ブーストクロック | 1335 MHz | 1395 MHz | 1557 MHz |
GPUメモリ | 4GB GDDR6 | 4GB GDDR6 | 2GB GDDR5 |
メモリクロック | 10 Gbps | 10 Gbps | 4 Gbps |
メモリインターフェース | 128bit | 128bit | 128bit |
メモリバンド幅 | 最大160.0 GB/s | 最大160.0 GB/s | 最大64.13 GB/s |
TDP | 40W | 50W | 40W |
ディスプレイコネクタ | Mini DisplayPort × 4 | Mini DisplayPort × 4 | Mini DisplayPort × 4 |
最大画面数 | 4画面 | 4画面 | 4画面 |
単体価格 | 31,500円~ | 54,000円~ | - |
搭載PC価格 | 102,980円~ | 144,980円~ | - |
発売日 | 2021年4月12日 | 2021年5月6日 | 2017年2月7日 |
メモリ周りは大幅に強化されています。GPUメモリ規格がGDDR5からGDDR6になり、メモリ容量も倍の4GBとなりました。メモリクロックも4 Gbpsから10 Gbpsへと2.5倍です。メモリバンド幅は160.0 GB/sとなっっています。TDPは40Wに抑えられているのは評価できるポイントです。Turing世代の強みだと言えます。ディスプレイコネクタなどは変わっていません。
NVIDIA T1000も、NVIDIA T600と同じGPUであるTU117を採用しています。プロセス・トランジスタ数・ダイサイズは共通です。SM数が14になりCUDAコアは896(14×64)となります。ベースクロックは45%高く、ブーストクロックは4%高いです。GPUメモリ容量などメモリ周りは共通です。CUDAコアが多くクロック周波数が引き上げられている分消費電力は12.5%多く50Wとなります。単体価格では22,500円程度の差があります。搭載モデルでは42,000円の差がありますね。NVIDIA 1000になると価格が跳ね上がってしまうため初心者向けとは言えなくなりますね。
GeForceと比較
NVIDIA T600 | GTX 1650 | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Turing | Turing |
GPU | TU117 | TU117 |
プロセス | 12nm | 12nm |
トランジスタ数 | 47億 | 47億 |
ダイサイズ | 200 mm² | 200 mm² |
SM数 | 10 | 14 |
CUDAコア | 640コア | 896コア |
GPUメモリ | 4GB GDDR6 | 4GB GDDR5 |
メモリクロック | 10 Gbps | 8 Gbps |
メモリインターフェース | 128bit | 128bit |
メモリバンド幅 | 160.0 GB/s | 128.1 GB/s |
TDP | 40W | 75W |
ディスプレイコネクタ | Mini DisplayPort × 4 | DVI×1 HDMI×1 DisplayPort×1 |
最大画面数 | 4画面 | 3画面 |
単体価格 | 31,500円~ | 27,800円~ |
搭載PC価格 | 102,980円~ | 94,980円~ |
GPUメモリの規格はGTX 1650ではGDDR5ですが、NVIDIA T600では上位規格のGDDR6を搭載しています。結果的にNVIDIA T600の方がメモリクロックが25%多く、メモリバンド幅も25%広いです。TDPは、GTX 1650の75Wに対して、NVIDIA T600では40Wと50%弱となっています。ディスプレイコネクタはNVIDIA T600の方が使い勝手が良く最大画面数は4画面となります。
NVIDIA T600ってどんなグラフィックボードなの?
従来モデルと比べて2倍程度性能が伸びている
NVIDIA T600は、従来モデルのQuadro P600よりも2倍以上もグラフィックス処理性能が向上しています。その後継モデルであるQuadro P620と比べても85%程度も性能が高くなりました。WEBデザイン・動画編集・画像編集などの作業において輝くグラフィックボードだと言えます。3D CADを本格的に行うには性能不足です。
Quadro P1000のおよそ70%程度の価格で、50%も高い性能を得られます。GeForceならGTX 1050 Ti相当のパフォーマンスを持っています。上位モデルであるNVIDIA T1000との性能差は13%程度です。もう少し時間が経てばNVIDIA T600の価格も落ち着いて来てより購入しやすくなるのではないかと思います。
GeForceにはない省電力性の高さが魅力
NVIDIA T600は、消費電力が40Wと省電力性が高く使い勝手の良いグラフィックボードとなっています。もちろん補助電源も不要で気軽に取り付けられるのが魅力です。GeForceの場合エントリークラスのGTX 1650でも消費電力が75W(補助電源不要)となっています。50W以下の消費電力が抑えられたグラフィックボードを探している方は必見です。
グラフィックボード非搭載のパソコンを購入して、後からグラフィックボードが必要になった場合でも電源ユニットなどを気にせず取り付けることができるということです。アップグレードがしやすいというのはメリットだと言えますね。従来モデルのQuadro P1000よりも高い性能を持っているのも素晴らしいですね。
簡単に4画面出力を行うことができる
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NVIDIA T600には4つのDisplayPortが搭載されていて誰でも簡単に4画面出力を行うことができます。GeForce製グラフィックボードにはない強みとなっています。最大8K(7680×4320)の解像度を実現することができるのが魅力です。デイトレーダーの方など複数モニター環境を構築したい方に最適です。また、1つのパソコンに4つのNVIDIA T600を搭載すればディスプレイウォールなどを構築することが可能できます。
NVIDIA T600搭載のおすすめBTOパソコン
raytrek LC-M(ドスパラ)
価格:154,980円(税込)
CPU:Core i7-12700
GPU:NVIDIA T600
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
QA7J-E222/ZB(TSUKUMO)
価格:209,800円(税込)
CPU:Core i7-12700KF
GPU:NVIDIA T600
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、NVIDIA T600の性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しました。NVIDIA T600は、Turing世代のローエンドクラスのグラフィックボードで従来モデルのQuadro P600よりも2倍以上の処理性能を誇ります。TDPは40Wに抑えられていて消費電力性の高さが特徴です。補助電源が不要で気軽に増設できるというメリットがあります。
NVIDIA T600の性能を考えるとCore i5-12400と合わせるのが良いのではないかと思います。動画編集・画像編集・WEBデザイン・デイトレなどに適しています。搭載BTOパソコンも各BTOメーカーから販売されていましたが2023年5月時点で全てのラインナップが終売となっています。クリエイター向けモデルの購入を検討している方はNVIDIA T1000搭載BTOパソコンをチェックしてください。
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