GeForce RTX 4060 Tiの性能スペック＆搭載BTOパソコン紹介【2023年】

画像引用元：https://jp.msi.com/ *イメージです

管理人

当記事では、「GeForce RTX 4060 Tiの性能スペックと搭載BTOパソコン」を紹介しています。Ada Lovelace世代待望のミドルクラスのグラフィックボードが発売されました。GeForce RTX 3060 Tiの後継モデルです。RTX 4060 Tiはこれまで登場したAda Lovelace世代のグラフィックボードと比べてインパクトが小さいというのが正しい評価です。性能的にはRTX 3070と同程度となります。

やや期待外れ感があるかもしれませんが、RTX 3060 Tiの後継モデルとして見ればそこまで悪い製品ではありません。$100高いRTX 3070と同等の性能を持っていることからも判断できると思います。もちろん新しいDLSS 3.0にも対応しています。$399という価格は嬉しいですね。搭載BTOパソコンの価格も抑えられていて次世代のグラフィックボードを少しでも安く購入したいなら魅力的な選択肢となります。

(+) ミドルクラスのAda Lovelace世代GPU
(+) FULL HDでのゲームプレイに適している
(+) RTX 3060 Tiよりも10%以上処理性能が高い
(+) DLSS 3.0をサポートしている
(-) VRAM容量が8GBと限定的
(-) 上位モデルと比べるとインパクトが小さい

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GeForce RTX 4060 Tiの基本スペック

世代	Ada Lovelace
プロセス	TSMC 5nm
CUDAコア	4352
RTコア	34
Tensorコア	136
ベースクロック	2310 MHz
ブーストクロック	2535 MHz
GPUメモリ容量	GDDR6 8GB
TDP	160W
価格	$399 （64,800円）
発売日	2023年05月24日

GeForce RTX 4060 Tiのスペック比較

GeForce RTX 3070と比較

	RTX 4060 Ti	RTX 4070	RTX 3070
コードネーム	Ada Lovelace	Ada Lovelace	Ampere
GPU	AD106	AD104	GA104
プロセス	5 nm	5 nm	8 nm
トランジスタ数	229億	358億	174億
ダイサイズ	190.0 mm²	295.0 mm²	392.0 mm²
SMs	34	46	46
CUDAコア	4352	5888	5888
RTコア	34	46	46
Tensorコア	136	184	184
ベースクロック	2310 MHz	1920 MHz	1500 MHz
ブーストクロック	2535 MHz	2475 MHz	1725 MHz
メモリ規格	GDDR6	GDDR6X	GDDR6
メモリ容量	8GB	12GB	8GB
メモリクロック	18.0 Gbps	21.0 Gbps	14.0 Gbps
メモリバス	128 bit	192 bit	256 bit
メモリ帯域幅	288.0 GB/s	504.2 GB/s	448.0 GB/s
L2キャッシュ	32 MB	36 MB	4 MB
TDP	160W	200 W	220W
公式価格	$399 （64,800円）	$599 （88,000円～）	$499 （68,980円）
搭載モデル価格	142,300円～	182,800円～	-
発売日	2023/05/24	2023/04/13	2020/09/01

GeForce RTX 4060 Tiのスペックについて見ていきましょう。比較対象は同じAda Lovelace世代の上位モデルであるRTX 4070と従来モデルのRTX 3070です。比較対象はRTX 3060 TiではなくあえてRTX 3070を選択しました。同等の性能を持っているのでおもしろい比較になると思います。RTX 4060 Tiは、5nmプロセスを採用したグラフィックボードです。Ampere世代のRTX 3070よりも一周り小さくなっています。トランジスタ数が174億から229億へと31%増えているにも関わらず、ダイサイズが51%もコンパクトです。プロセスの微細化による恩恵です。

SM数は26%少なく34です。CUDAコアは4352（34×128）となります。RTX 3070よりも26%少ないです。RTコアは34、Tensorコアは136です。このあたりはSM数に依存します。RTX 4060 Tiのベースクロックは2310 MHz、ブーストクロックは2535 MHzと高い数値となります。RTX 3070よりもそれぞれ54%・47%も高いです。CUDAコアが減った分はクロック周波数の引き上げでカバーしています。より高いクロック周波数を実現できたこともプロセスの微細化のメリットです。

メモリ規格及びメモリ容量はGDDR6 8GBと共通です。メモリクロックは28%速く18.0 Gbpsになりましたが、メモリバスは半減の128 bitです。メモリ帯域幅は288.0 GB/sとRTX 3070よりも36%狭いです。ところがRTX 4060 Tiの実行メモリ帯域幅は554 GB/sです。これは8倍に増えたL2キャッシュ容量のおかげです。より効率的にデータにアクセスができます。TDPは27%低く160Wです。

価格は$399とRTX 3070よりも20%安価です。定価で言えばRTX 3060 Tiと同等の価格設定を維持しています。実売価格では4,180円の差に留まりますが、もう少し時間が経てばRTX 4060 Tiの価格が下がりその差が広がるでしょう。RTX 4060 Tiの搭載モデルの価格は142,300円～となっています。初動としてはまずまずの価格設定だと思います。

上位モデルのRTX 4070と比較していきます。RTX 4060 Tiよりも一回り大きいGPUであるAD104を搭載しています。トランジスタ数は56%多く、ダイサイズも55%大きいです。SM数は35%多くCUDAコアは5888（46×128）です。RTコア及びTensorコアもそれぞれ35%多いです。スペックの違いを見せつけています。一方で、クロック周波数についてはRTX 34070の方が低いです。ベースクロックは16%・ブーストクロックは2%それぞれ低くなっています。

また、GPUメモリ周りも強力でメモリ規格はGDDR6X、そして容量も12GBと強化されています。メモリクロックも19%速く21.0 Gbpsです。メモリバスは192 bitとなります。メモリ帯域幅は75%広く504.2 GB/sです。L2キャッシュも4MB増えて36MBです。TDPは25%高く200Wです。スペック差を考えると妥当でしょう。価格差は$200とやや大きいです。国内の販売価格はRTX 4070の方が23,200円高価です。搭載モデルの価格も40,500円高いです。

AMD Radeonシリーズと比較

最新のRadeon 7000シリーズではRTX 4060 Tiと同等の価格帯・性能帯のモデルはリリースされていません。Radeon RX 7800あるいはRadeon RX 7700が競合となる可能性が高いです。リリースされればここに追記します。

GeForce RTX 4060 Tiってどんなグラフィックボード？

RTX 3060 Tiよりも性能が10%アップ

GeForce RTX 4060 Tiは、Ampere世代のRTX 3060 Tiよりも10%程度性能が高くなっています。タイトルによっては20%前後の伸びを見せることもあります。RTX 3070と同程度の性能を持っているという認識で大丈夫です。上位モデルのRTX 4070との性能差は17%とやや大きいです。Tiシリーズならもう少し詰めて欲しいところですが、RTX 4070のGPU AD104よりも一回り小さいAD106を採用しているので仕方がないですね。

Ampere世代ではRTX 3060 Tiは、RTX 3070と同じGPU GA104を採用していました。ここはAda Lovelace世代において残念なポイントです。もっともFULL HDがメインターゲットであることを考慮すれば性能面で不足はありません。GPUメモリ容量が8GBであることもそれほど大きなデメリットとはなりません。Radeon RX 6800よりも処理性能が高いです。ただし、RTX 3070と同様にRX 6800と比べても高解像度になると差を付けられてしまうことがあります。CUDAコアが少ないことあるいはGPUメモリ周りの変化が影響している可能性があります。

Ada Lovelace世代でもっとも消費電力の低いモデル

GeForce RTX 4060 Tiは、省電力性の高さも魅力のグラフィックボートです。同等の性能を持つRTX 3070よりも30%以上も消費電力が抑えられています。Ampere世代のGeForce RTX 3060よりも12%-17%も消費電力が低いです。RTX 3060 Tiよりも20%以上も消費電力が抑えられています。特にゲームプレイ時の省電力性の高さは圧巻です。

なお、上位モデルのRTX 4070よりも省電力性に長けていて性能差が17%に対して最大で25%近くも消費電力が低くなっています。推奨電源ユニットは550Wに指定されています。BTOパソコンでは最低でも700W BRONZEが選択されていて倍率ロックフリーモデルのCPUとの組み合わせでも余裕があります。

搭載BTOパソコンのリリースも順調に進む

RTX 4060 Tiの発売日である2023年5月24日にすでに搭載BTOパソコンがリリースされています。ドスパラ・パソコン工房・TSUKUMO・G-Tune・フロンティアなど主要BTOメーカーが取り扱いしています。RTX 3060 Ti搭載モデルと比べてまだまだ数千円から数万円高くなっていますが、RTX 3060 Ti搭載モデルが底値になっていることを考慮すると悪くありません。RTX 4060 Ti搭載モデルは最新モデルながら価格は抑えられていると言えます。

60番台のミドルクラスのグラフィックボードとして十分過ぎます。RTX 3060 Ti搭載モデルが市場からなくなればRTX 4060 Ti搭載モデルの価格も押し下げられるはずです。そうなればユーザーにとってメリットは大きいです。RTX 3070搭載モデルがRTX 3060 Ti搭載モデル並の価格で購入できるということです。RTX 4060 Ti搭載モデルの未来は明るいです。今後の動向を確認しておくと良いと思います。

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GeForce RTX 4060 Ti搭載PC使用時のフレームレート一覧

*フレームレート（fps）とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。

Spider-Man Remastered

出典：https://store.steampowered.com/

Spider-Man RemasteredではFULL HD及びWQHDでRTX 3070よりも高いフレームレートとなりました。FULL HDでは2.2fps高いです。4K環境でパフォーマンスが伸びないのはGPUメモリ容量が少ないことが要因だと言えるでしょう。従来モデルのRTX 3060 TiよりもFULL HDで10%高いです。WQHDで12%・4Kで7%それぞれ高くなっています。

また、FULL HDではRadeon RX 6800よりも3%フレームレートが高いです。WQHD及び4Kでは完敗です。GPUメモリ容量が16GBと大容量であることでパフォーマンスが高くなっています。上位モデルであるRTX 4070とのフレームレートの差は19%-36%とかなり大きいです。

Metro Exodus

Metro ExodusではRTX 3070にわずかに及びませんでした。最大で5%程度のフレームレートの差があります。従来モデルのRTX 3060 TiよりもFULL HDで12%・WQHDで11%・4Kで10%それぞれ高いです。上位モデルであるRTX 4070では25%-35%もフレームレートが高いです。高解像度になるほどフレームレートの差が大きくなります。GPUメモリ容量の差がより顕著に現れる形です。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk 2077では、FULL HDでRTX 3070と同等のフレームレートとなっています。4K環境では9%程度劣っています。これは他のタイトルと同様の傾向ですね。従来モデルのRTX 3060 Tiよりも、FULL HDで13%・WQHDで11%・4Kで9%高いです。WQHDでも58.8fpsとまずまずの数値が出ています。タイトルによってはある程度高解像度に対応できると考えて良いでしょう。Radeon RX 6800よりも8%-15%程度フレームレートが低いです。純粋なグラフィックボード性能ではRadeon RX 6800は優秀です。

Elden Ring

Elden RingではFULL HDでRTX 3070を上回るフレームレートが出ていますが、案の定WQHD及び4Kでは及びません。最大で13%も低くなっています。RTX 4060 TiのメインターゲットがFULL HDというのも納得です。Ampere世代のRTX 3060 TiよりもFULL HDで10%・WQHDで6%高いです。4KではRTX 3060 Tiに劣る結果となりました。RTX 3060 Tiよりもメモリ周りが強化されていることを考えると原因は判断できないですね。もしかしたら最適化が進んでいないのかもしれません。

GeForce RTX 4070のその他ベンチマーク

レイトレーシング-Metro Exodus

Metro Exodusでのレイトレーシング性能を見ていきます。通常時よりも60%程度フレームレートが低くなります。レイトレーシング性能ではRTX 3070に勝てません。最大で10%程度の差があります。それでも従来モデルのRTX 3060 Tiよりも最大で8%もフレームレートが高いです。FULL HDならある程度快適なゲームプレイが約束されます。DLSSを有効化すれば70%以上もフレームレートが高くなります。4K環境では2倍（100%）近くもパフォーマンスが高いです。

レイトレーシング-Cyberpunk 2077

Cyberpunk 2077では総合的に見てRTX 3070を上回るレイトレーシング性能を発揮しています。WQHDでも0.3fpsのみ低くなりましたが、FULL HDでも4Kでも2%前後フレームレートが高いです。従来モデルのRTX 3060 TiよりもFULL HDで17%・WQHDで17%・4Kで40%高いです。特に4Kでは大幅にパフォーマンスが向上しました。もっともフレームレート的にはゲームプレイ自体は難しいです。

レイトレーシング＆DLSS-Control

Controlでのレイトレーシング及びDLSSのパフォーマンスを見ていきましょう。RTX 3070には完敗です。メインターゲットのFULL HDでは5%程度フレームレートが低いです。従来モデルのRTX 3060 Tiと比べても最大で9%の伸びに留まります。高解像度になるとその差は1%未満となります。なお、RTX 4060 TiはDLSSを有効化すればFULL HDで73%もフレームレートが向上します。108.6fpsと高リフレッシュレートでのゲームプレイも快適です。WQHDでも72fpsと十分過ぎる数値だと思います。RTX 4070 DLSSだとさらに性能が高くWQHDでも100fpsを超えます。60番台と70番台では明確な差がありますね。

温度

RTX 4060 Tiのゲームプレイ時の温度は74℃、アイドル時は34℃です。RTX 3070よりも温度が低くなっているのは好印象です。RTX 3060 Tiと比べても温度が抑えられています。Radeon RX 6800はゲームプレイ時で83℃とかなり高いです。注意点としてグラフィックボードの温度が高くなる=製品として悪いわけということではありません。一定の温度以下であれば大きな問題とはなりません。AMD製グラフィックボードはやや温度が高くなる傾向にあります。

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GeForce RTX 4060 Ti搭載のおすすめBTOパソコン

LEVEL-M7P5-R45-SLX（パソコン工房）

価格：144,800円（税込）
CPU：Ryzen 5 4500
GPU：GeForce RTX 4060 Ti
メモリ：DDR4-3200 16GB
SSD：500GB NVMe
HDD：非搭載

RTX 4060 Ti搭載モデルでもっとも安価なゲーミングPCです。税込144,800円は圧巻です。CPUに安価なRyzen 5 4500を搭載することで実現しています。6コア12スレッドというスペックは昨今のCPU市場を見ると控え目です。RTX 4060 Tiとのバランスが優れているわけではありません。CPUがボトルネックになるとフレームレートが下がってしまう可能性があります。特に負荷の軽いタイトルを考えている方は注意してください。それでもグラフィックボードに投資するのは悪くありません。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 500GB NVMeと構成も必要十分です。電源ユニットは700W BRONZEと余裕があります。

GALLERIA XA7R-R46T 5700X搭載（ドスパラ）

価格：169,980円（税込）
CPU：Ryzen 7 5700X
GPU：GeForce RTX 4060 Ti
メモリ：DDR4-3200 16GB
SSD：1TB NVMe
HDD：非搭載

ガレリアブランドのゲーミングPCです。CPUに第四世代のRyzen 7 5700Xを搭載しています。8コア16スレッドとまずまずのスペックです。やはりRTX 4060 Tiとのバランスが良いわけではありませんが、Ryzen 5 4500よりは適正があります。旧世代のCPUとなり価格が抑えられるのが最大の魅力です。この性能帯で税込16万円台は十分過ぎると言えます。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 1TBと構成も充実しています。電源ユニットは650W BRONZEを採用しています。

GALLERIA XA7C-R46T（ドスパラ）

価格：204,980円（税込）
CPU：Core i7-13700F
GPU：GeForce RTX 4060 Ti
メモリ：DDR4-3200 16GB
SSD：1TB NVMe
HDD：非搭載

ガレリアブランドのミドルタワーモデルです。チップセットはB760が選択されています。CPUはIntel第十三世代のCore i7-13700Fを搭載しています。16コア24スレッドとスペックが高くゲームプレイだけではなくゲーム実況などの用途への適性もあります。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 1TB NVMeという構成です。容量は十分ですが、規格的にはコストカットが図られています。GALLERIA Xシリーズで固定のため仕方がないですね。電源ユニットは650W BRONZEです。60番台のグラフィックボード搭載モデルなら十分です。

GeForce RTX 4060 Tiはこんな方におすすめ！

管理人

当記事では、GeForce RTX 4060 Tiの性能スペック＆搭載BTOパソコンについて紹介しました。Ada Lovelace世代のミドルクラスのグラフィックボードがようやくリリースされました。Ampere世代で人気を博したGeForce RTX 3060 Tiの後継モデルです。順当に性能を伸ばしその上位モデルであるRTX 3070と同等のパフォーマンスを期待できます。Ada Lovelaceの製品ラインナップ的にはFULL HDがターゲットになります。性能的に見ればWQHDにも対応できるポテンシャルを持っています。

RTX 4060 Tiは前評判それほど良いグラフィックボードではありません。それはAda Lovelace世代の上位モデルと比べると驚くほどの進化を遂げたわけではなく、RTX 3060 Tiから順当な性能アップに留まるからです。また、仕様の物足りなさもあるかもしれません。RTX 3060 TiよりもCUDAコアが少ないことやGPUメモリ容量が8GBしかないことがネックとなります。もっともそこはTSMC 4N（5nmプロセス）採用によって克服しています。あくまで物足りないのは表面的なもので内部的にはしっかりと進化しています。

すでに搭載BTOパソコンが販売されています。RTX 3060 Ti搭載モデルが併売されている今はまだ価格差がありますが、初動の価格設定を見る限りRTX 3060 Ti搭載モデルが市場からなくなればRTX 4060 Ti搭載モデルはより購入しやすくなるでしょう。RTX 3060 Tiの後継モデルとしてはばっちりはまっているように思います。前評判ほど悪い印象は受けません。

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