画像引用元:https://www.elsa-jp.co.jp/
当記事では、「NVIDIA RTX A4000の性能スペック&ベンチマーク」を解説しています。Quadro RTX 4000の後継モデルです。Ampere世代になってプロセスが微細化されてより他界パフォーマンスを発揮します。今世代から製品名から”Quadro”の文字は消えてしまいましたが、ターゲット層は同じです。
つまり、VR開発・3D CAD・GPUレンダリングなどの用途を考えている設計者やプロダクトデザイナーの方です。ラインナップ的にはミドルクラス~ミドルエンドクラスに属しています。NVIDIA RTX 5000やNVIDIA RTX 6000になると価格が跳ね上がってしまいますので、比較的手頃なこのNVIDIA RTX A4000は多くのクリエイターの方から支持されています。なお、すでに後継モデルとしてNVIDIA RTX A4500がリリースされ、NVIDIA RTX A4000を搭載したモデルは減少傾向にあります。
(+) Quadro P4000よりも20%処理性能が向上している
(+) シングルスロットで省スペース性に長けている
(+) 省電力性が高い
(-) 税込15万円前後とGeForceに比べると高価
目次
NVIDIA RTX A4000の基本スペック
Quadro RTX 4000と比較
NVIDIA RTX A4000 | Quadro RTX4000 | |
---|---|---|
コードネーム | Ampere | Turing |
GPU | GA104 | TU104 |
プロセス | 8nm | 12nm |
トランジスタ数 | 174億 | 136億 |
ダイサイズ | 392 mm² | 545 mm² |
SM数 | 48 | 36 |
CUDAコア | 6144 | 2304 |
RTコア | 48 | 36 |
Tensorコア | 192 | 288 |
ベースクロック | 735 MHz | 1005 MHz |
ブーストクロック | 1560 MHz | 1545 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 16GB | GDDR6 8GB |
メモリクロック | 14 Gbps | 13 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 256 bit |
メモリ帯域幅 | 448.0 GB/s | 416.0 GB/s |
FP32 | 19.2 TFLOPS | 7.1 TFLOPS |
RTコア性能 | 37.4 TFLOPS | - |
Tensor性能 | 153.4 TFLOPS | - |
TDP | 140W | 160W |
公式価格 | $1,000 | $900 |
発売日 | 2021/04/12 | 2018/11/13 |
SM数は36から48に増えています。CUDAコアは2.6倍以上で6144となります。RTコアは34%増えて、Tensorコアは33%減っています。それでも第二世代・第三世代になったRTコア及びTensorコアはより高みを目指せます。スペック以上の性能差があるという認識で良いでしょう。ベースクロックは26%低く、ブーストクロックは1%高いです。
GPUメモリはGDDR6 16GBとQuadro RTX 4000から倍増です。より頼もしいグラフィックボードになったと言えます。メモリクロックも少し速くなってメモリ帯域幅が448.0 GB/sへと7%アップです。メモリバスは256 bitと共通です。FP32の数値は2.7倍です。これだけスペックが引き上げられていてもTDPはQuadro RTX 4000よりも20%低く140Wとなっています。価格は$100アップです。
RTX 3070 Tiと比較
NVIDIA RTX A4000 | GeForce RTX 3070 Ti | |
---|---|---|
コードネーム | Ampere | Ampere |
GPU | GA104 | GA104 |
プロセス | 8nm | 8nm |
トランジスタ数 | 174億 | 174億 |
ダイサイズ | 392 mm² | 392 mm² |
SM数 | 48 | 48 |
CUDAコア | 6144 | 6144 |
RTコア | 48 | 48 |
Tensorコア | 192 | 192 |
ベースクロック | 735 MHz | 1575 MHz |
ブーストクロック | 1560 MHz | 1770 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 16GB | GDDR6X 8GB |
メモリクロック | 14 Gbps | 19 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 256 bit |
メモリ帯域幅 | 448.0 GB/s | 608.3 GB/s |
FP32 | 19.2 TFLOPS | 21.75 TFLOPS |
TDP | 140W | 290W |
公式価格 | $1,000 (138,599円) | $599 (92,800円) |
発売日 | 2021/04/12 | 2021/06/10 |
NVIDIA RTX A4000のGPUメモリはGDDR6ですが、RTX 3070 TiはGDDR6Xを採用しています。メモリ容量についてはNVIDIA RTX A4000の方が多いです。メモリクロックはRTX 3070 Tiの方が36%速く19 Gbpsとなっています。メモリバスはどちらも256 bitです。メモリ帯域幅はRTX 3070 Tiの方が36%も広く608.3 GB/sとなります。容量こそNVIDIA RTX A4000の方が多いですが、メモリ周りのスペックはRTX 3070 Tiが圧倒しています。
FP32はRTX 3070 Tiの方が13%程度高いです。クロック周波数が高いこととメモリ周りが強いことから当然の結果だと思います。TDPはNVIDIA RTX A4000の方が52%低く140Wとなっています。価格差は$401でかなり大きいです。実売価格ではおよそ45,000円の差があります。
NVIDIA RTX A4000ってどんなグラフィックボード?
従来モデルのQuadro RTX 4000よりも20%以上性能が高い
NVIDIA RTX A4000は、Ampere世代になって順当な進化を果たしています。従来モデルのQuadro RTX 4000よりも23%程度パフォーマンスが向上しています。ミドルエンドクラスのモデルとして納得できる性能だと言えます。GeForce製グラフィックボードで言えば、RTX 3060 Tiに近い処理性能を持っているということです。
もちろんGeForceとNVIDIA RTXシリーズではターゲットが異なりますので、この性能比較はあくまで参考程度に留めておいてください。例えば、NVIDIA RTX A4000はGPUメモリ容量が16GBとRTX 3060 TiやRTX 3070の8GBの倍増です。GPUメモリ容量が重要視される用途に最適ですね。ゲームプレイであればGeForceが圧倒的に有利です。
省電力性・省スペース性に優れたモデル
NVIDIA RTX A4000は省電力性・省スペース性に優れたグラフィックボードとなっています。ゲーム向けのGeForce製グラフィックボードが世代を重ねるごとに消費電力が増えてそして大きくなっていることを考えると強みになります。上位モデルになるとサポートがないとグラフィックボードの重さに耐えられなくなるほどです。性能を高めることの代償ですね。
NVIDIA RTX A4000は、消費電力がかなり抑えられていて電源ユニットも上位モデルを選択する必要がありません。ただし、ファンが1つしかないタイプで負荷が掛かるとファンの音が大きくなる傾向にあります。その点については注意しておきましょう。また、当該モデルは1スロットでコンパクトなのでミニタワーやキューブ型のケースにも容易に搭載可能です。
搭載クリエイターPCは税込30万円台~
搭載クリエイターPCは税込30万円台からと高価です。性能で上回るRTX 3070 Ti搭載モデルが30万円以下で購入できることを考えると割高ですね。ゲーム性能で同等のRTX 3060 Tiなら税込20万円以下で購入できます。もっとも単体のグラフィックボードに価格差があるため妥当な価格設定だと言えます。
システムに投資ができるプロフェッショナル向けですね。NVIDIA RTX Aシリーズが得意としているアプリケーションを使用している方であれば選ぶメリットがあります。しかしながら、ゲームプレイなどをメインに考えているならGeForce RTX 3070 Ti搭載モデルかより安価なRTX 3060 Ti搭載モデルを選択しましょう。
NVIDIA RTX A4000のベンチマーク一覧(3Dアプリ編)
Chaos Group V-Ray
Enscape
Autodesk VRED Professional
Unreal Engine
Solidworks 2021
NVIDIA RTX A4000のベンチマーク一覧(ゲーム編)
Horizon Zero Dawn
Cyberpunk 2077
Watch Dogs: Legion
NVIDIA RTX A4000搭載のBTOパソコン三選
raytrek ZQ-A4000(ドスパラ)
価格:369,980円(税込)
CPU:Core i7-12700K
GPU:NVIDIA RTX A4000
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
SENSE-F069-LC127-QNX(パソコン工房)
価格:303,980円(税込)
CPU:Core i7-12700
GPU:NVIDIA RTX A4000
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
DAIV Z9-A4(マウスコンピューター)
価格:384,780円(税込)
CPU:Core i7-11700K
GPU:NVIDIA RTX A4000
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:512GB
HDD:2TB
SENSE-F02B-LCi9XE-QNX(パソコン工房)
価格:479,980円(税込)
CPU:Core i9-10980XE
GPU:NVIDIA RTX A4000
メモリ:DDR4-3200 64GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
NVIDIA RTX A4000はこんな方におすすめ!
NVIDIA RTX A4000は、Ampere世代のミドルエンドクラスのグラフィックボードです。8nmプロセス採用で省電力性に優れたモデルとなっています。従来モデルのQuadro RTX 4000よりも20%以上も処理性能が向上しています。レイトレーシング・DLSSについても第二世代・第三世代となってパフォーマンスが引き上げられました。VR・レンダリング・3D CADなど幅広い用途に対応できます。搭載BTOパソコンのラインナップもまずまずでCPU次第では税込30万円台から購入できます。
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価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |
当ページベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i9-7980XE |
マザーボード | ASUS ROG STRIX X299-E GAMING |
メモリ | 64GB HyperX FURY |
SSD | Kingston KC1000 960GB M.2 SSD |
電源ユニット | Corsair 80 Plus Gold AX1200 |
冷却システム | NZXT Kraken X62 AIO Liquid Cooler |
ソフトウェア | Windows 10 Pro |