gtx980ti画像引用元:https://www.gigabyte.com/

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当記事では、「GeForce GTX 980 Tiの性能スペックとベンチマーク」を紹介しています。GeForce TITAN Xの弟的存在のグラフィックボードです。TITAN Xに近い性能でありながらGTX 980に近い価格という理想的な形です。およそTITAN Xよりも30%安く、およそ95%の性能を得られます。GTX 980 TiがリリースされたことでGTX 980の価格が引き下げられています。

TITANシリーズはやや特殊でクリエイター向け側面が強く、GTX 980 Tiが最強のゲーム向けグラフィックボードとして君臨します。これはNVIDIA TITAN Xがリリースされた時点で予想できました。なぜならKepler世代のNVIDIA TITANがリリースされた時も後からGTX 780 Tiが発売されたからです。このGTX 980 Tiは、GTX 780 Tiの後継モデルに位置付けられます。

(+) TITAN Xに近いゲーム性能を持つ
(+) Radeon R9シリーズを超える性能を持つ
(+) TITAN Xよりも30%価格が安い
(-) 消費電力がTITAN X並みに高い
(-) 搭載BTOパソコンの価格は23万円以上

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目次

GeForce GTX 980 Tiの性能スペック紹介

GeForce製グラフィックボードと比較

GTX 980 TiTITAN XGTX 980
コードネームMaxwell 2.0Maxwell 2.0Maxwell 2.0
GPUGM200GM200GM204
プロセス28nm28nm28 nm
トランジスタ数80億80億52億
ダイサイズ601 mm²601 mm²398 mm²
SM数222416
ROP数969664
CUDAコア281630722048
ベースクロック1000 MHz1000 MHz1127 MHz
ブーストクロック1076 MHz1089 MHz1216 MHz
L2キャッシュ容量3 MB3 MB2048KB
VRAMGDDR5 6GBGDDR5 12GBGDDR5 4GB
メモリ速度7 Gbps7 Gbps7 Gbps
メモリバス384 bit384 bit256 bit
メモリ帯域幅336.6 GB/s336.6 GB/s224.4 GB/s
TDP250W250W165 W
バスインターフェースPCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16
出力1x DVI
1x HDMI 2.0
3x DisplayPort 1.4a
1x DVI
1x HDMI 2.0
3x DisplayPort 1.4a
1x DVI
1x HDMI 2.0
3x DisplayPort 1.4a
公式価格$649$999$499
発売日2015/06/022015/03/172014/09/19
GTX 980 Tiは、Maxwell 2.0アーキテクチャを採用したグラフィックボードです。GPUは、GTX 980で採用されているGM204ではなく、TITAN Xで採用されているGM200が選択されています。プロセスは28nm、トランジスタ数は80億、ダイサイズは601m㎡とTITAN Xと同じですね。TITAN Xと比べてSM数が2つ減って22となります。ROP数は96で変わりません。CUDAコアは8%程度少なく2816(22×128)です。

ベースクロックは1000 MHzと共通です。ブーストクロックはTITAN Xの方がわずかに高くなっています。L2キャシュ容量は3MB(3000KB)と同じです。VRAMは容量が半減で6GBとなります。メモリ速度は7 Gbps、メモリバス384 bit、メモリ帯域幅336.6 GB/sとメモリ周りは容量以外共通です。TDPは250Wとなっています。バスインターフェースPCIe 3.0×16です。出力も変更なしです。価格は$350安くなっています。スペックを見る限りTITAN Xと同等の性能を期待できます。

下位モデルに当たるGTX 980と比較していきます。採用されているGPUが異なります。GTX 980では一つ下のGM204が選択されています。プロセスは28nmと共通です。トランジスタ数はGTX 980 Tiの方が54%多く80億です。ダイサイズも52%大きく601m㎡です。SM数は38%多く22です。ROP数も50%多いです。CUDAコアは38%多く2816です。ベースクロックはGTX 980の方が12%高く、ブーストクロックもGTX 980の方が13%高いです。

VRAM容量はGTX 980 Tiの方が50%多く6GBとなっています。メモリ速度は7 Gbpsと共通です。メモリバスはGTX 980 Tiの方が50%広く384 bitです。メモリ帯域幅もGTX 980 Tiの方が50%広いです。TDPは52%高く250Wです。GTX 980は省電力性に優れたGPUだと言えます。バスインターフェース及び出力は変わりありません。価格は$150安く$499です。GTX 980 Tiがリリースされたことで$50価格が引き下げられています。

AMD製グラフィックボードと比較

GTX 980 TiR9 295X2R9 290X
コードネームMaxwell 2.0GCN 2.0GCN 2.0
GPUGM200VesuviusHawaii
プロセス28nm28 nm28 nm
トランジスタ数80億62億62億
ダイサイズ601 mm²438 mm²438 mm²
SM数2244×244
ROP数9664×264
CUDAコア28162816×22816
ベースクロック1000 MHz--
ブーストクロック1076 MHz1018 MHz1000 MHz
L2キャッシュ容量3000 KB1024 KB×21024 KB
VRAMGDDR5 6GBGDDR5 4GB×2GDDR5 4GB
メモリ速度7 Gbps5 Gbps5 Gbps
メモリバス384 bit512 bit×2512 bit
メモリ帯域幅336.6 GB/s320.0 GB/s×2320.0 GB/s
TDP250W500 W290 W
バスインターフェースPCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16
出力1x DVI
1x HDMI 2.0
3x DisplayPort 1.4a
1x DVI
4x mini-DisplayPort 1.2
2x DVI
1x HDMI 1.4a
1x DisplayPort 1.2
公式価格$649$619$549
発売日2015/06/022014/04/292013/10/24
GTX 980 Tiの競合モデルに当たるRadeon R9 295X2と比較していきます。Radeon R9 295X2は、Radeon R9 290Xを二つ積んだデュアルGPUです。R9 295X2は、GCN 2.0アーキテクチャを採用したグラフィックボードです。GPUはVesuviusです。プロセスは28nmとGTX 980 Tiと同じです。トランジスタ数はGTX 980 Tiの方が29%多く、ダイサイズも38%大きいです。SM数は44×2となっています。ROP数も64×2です。

CUDAコア数は2816×2です。GTX 980 Tiの倍ということになりますが、メーカー及びアーキテクチャが異なるためこれだけで性能を判断することができません。ブーストクロックは、GTX 980 Tiの方が5%高いです。L2キャッシュはGTX 980 Tiの方が50%程度多いです。

VRAM容量はR9 295X2の方が33%多くトータル8GBです。メモリ速度はGTX 980 Tiの方が40%速く7 Gbpsとなります。メモリバスはR9 295X2の方が270%広く1024 bitです。メモリ帯域幅も2倍近い数値となっています。TDPは500WとGTX 980 Tiの2倍です。バスインターフェースは共通です。出力は1x DVI、4x mini-DisplayPort 1.2となっています。価格は$30安く$619です。

GeForce GTX 980 Tiってどんなグラフィックボード?

GTX TITAN Xに匹敵する高い性能を持つ

gtx980tibenchmark

GTX 980 Tiは、2015年時点で最強のゲーミング性能を持つグラフィックボードと言っても過言ではありません。フラグシップモデルのGTX TITAN Xとの性能差は数%内と僅差です。TITAN Xシリーズも性能に対して価格が高めで選びづらさがあります。また、GPUメモリ容量が12GBと大容量でゲーム向けというよりもクリエイター作業向けのグラフィックボードだと言えます。

その上にRadeon R9 295X2がありますが、デュアルGPUということもあって扱いにくさがあります。ゲームによっては最適化が進んでおらずパフォーマンスが著しく低下してしまうこともあります。GTX 980 Tiは、TITAN Xシリーズと同等の性能を持ちながら価格が抑えられていてコスパが高いです。Radeon R9 295X2よりも安定感があるのも強みです。まさにゲーマーに適したモデルだと言えます。

消費電力が高い

GTX 980 Tiの弱みは消費電力の高さです。GPUにGM200を採用していることからある程度覚悟しておく必要があります。上位モデルであるTITAN Xと同等の消費電力となっています。GM200 GPUでは消費電力を抑えることが難しいのでしょう。パフォーマンスを重視した結果です。

電源ユニットは少し余裕のある選択をしておくのが良いと思います。下位モデルのGTX 980が省電力性に優れたモデルなので、見劣りしてしまいますね。それでもR9 295X2やR9 290Xと比べると優秀だと言えます。

搭載BTOパソコンの価格は税込23万円以上となる

GTX 980 Tiを搭載したゲーミングPCの価格は軒並み税込み23万円以上と高価格です。中には30万円近い価格のモデルもあるぐらいです。ある程度予算のある方でないと選択肢から外れてしまうでしょう。GTX 980 Tiの単体価格が税込11万円以上であることを考えると税込23万円という価格も仕方がないですね。

CPUのボトルネックを軽減するために選ばれるCPUもCore i7-4790KやCore i7-4790などのハイクラスとなります。次世代のCore i7-6700KやCore i7-6700を搭載したモデルも増えて来ました。価格を抑えるためにCore i5シリーズを組み合わせるケースはないでしょう。メモリも16GBを基準にしたいところです。

GeForce GTX 980 Ti搭載PC使用時のフレームレート一覧

実際のゲームプレイ時のフレームレートを計測していきます。GTX 980 Tiは性能が高いグラフィックボードなので、FULL HDを対象から外しています。WQHD及び4K環境+最高設定でのフレームレートとなります。

*フレームレート(fps)とは、1秒間における表示可能なコマ数です。通常60fps以上の数値があれば快適だと言えます。

Far Cry 4

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Far Cry 4では、TITAN Xよりも4%程度フレームレートが劣るものの十分なパフォーマンスを発揮しています。WQHD環境ではRadeon R9 295X2よりも3%高いですが、4K環境ではR9 295X2の方が10%高いです。デュアルGPUということもあってポテンシャルは高いですね。下位モデルであるGTX 980よりも26%-27%程度フレームレートが高いです。トップに君臨するモデルとして納得できるパフォーマンスを持っていると言えます。

Battlefield 4

battlefield4gtx980ti-battlefield4

Battlefield 4プレイ時のフレームレートを見ていきましょう。GTX 980 Tiは、おおよそGTX TITAN Xと同等のパフォーマンスとなっています。フレームレートの差は2%-3%程度に収まります。WQHD環境なら73.6fpsと快適にゲームを楽しめますが、4K環境になると37.6fpsとやや厳しいです。R9 295X2になると22%-27%程度フレームレートが向上します。BattlefieldはR9 295X2と相性の良いタイトルだと言えます。下位モデルのGTX 980との性能差は29%と大きいです。ワンランク上のパフォーマンスを得られますね。

Tomb Raider

tomb raidergtx980ti-tombraider

Tomb Raiderでは、4K環境の方がフレームレートが高くなっています。原因は不明です。GTX 980 Tiは、TITAN Xと同等のフレームレートを計測しました。フレームレートの差は5%です。4K環境で53.4fpsと数値が出ていますのでプレイできると考えて良いでしょう。Radeon R9 295X2になると74.7fpsとより余裕が生まれます。下位モデルのGTX 980よりも32%程度フレームレートが高く最強グラフィックボードらしさを見せつけています。

GeForce GTX 980 Tiのその他ベンチマーク

温度

gtx980ti-tempareture

GTX 980 Tiの温度は性能通りだと言えます。アイドル時はTITAN Xよりも20%程度高くなっています。高負荷時は同等です。GTX 980よりも5%程度高いものの許容範囲だと思います。Radeon R9シリーズは、GTX 980 Tiよりも10%程度温度が高くなっています。

消費電力

gtx980ti-watt

GTX 980 Tiは、最大消費電力がTITAN Xよりも高くなっています。下位モデルのGTX 980よりも45%も高いです。省電力性の高さではGTX 980が頭ひとつ抜き出ています。R9 295X2は646WとGTX 980 Tiよりも2.3倍となっています。アイドル時も37Wとかなり高いことがわかります。性能が高くてもこれだけ消費電力が高いと選びづらいと思います。PCケース・ケースファン・電源ユニットなどにコストが掛かってしまいます。GTX 980 Tiぐらいであれば一般的なモデルでも対応可能です。

当記事のまとめ

管理人管理人

当記事では、GeForce GTX 980 Tiの性能スペック&ベンチマークについて紹介しました。GTX 980 Tiは、Maxwell世代のフラグシップモデルであるTITAN Xと同じGPU GM200を採用したウルトラハイエンドモデルです。TITAN Xと比べてSM数が2つ少なく、CUDAコアが8%程度少なく2816となっています。その他GPUメモリ容量が半分の6GBとなっていますが、その他のスペックは同等です。

GTX 980 Tiは、TITAN Xよりも$350安いにも関わらずTITAN Xと同等のパフォーマンスが期待できるということです。事実ゲームプレイ時のパフォーマンスの差は数%に留まります。価格が35%以上安いことを考えるとコストパフォーマンスが高いことがわかります。

消費電力がGTX TITAN Xと同水準なのはネックとなります。省電力性の高さはGTX 980の方が優秀です。Radeon R9 290Xよりも34%程度性能が高く、競合モデルはR9 295X2となります。R9 295X2は消費電力が高いことと安定感がないことから選びづらさがあります。色々なゲームを楽しみたいならGTX 980 Tiを選択した方が良いでしょう。

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RTX 3070、RTX 3060等

当ページベンチマークテスト環境

CPUCore i7-4770K
マザーボードASUS Maximus VI Hero
Intel Z87
メモリDDR3-1600 16GB
HDDWD Caviar Blue WD10EZEX 1 TB
電源ユニットAntec HCP-1200 1200W
ソフトウェアWindows 7 64-bit Service Pack 1
参照サイト:NVIDIA GeForce GTX 980 Ti 6 GB Review(TECHPOWERUP)